この記事は、
「自宅の庭を荒らしたり、フンをしたりするハクビシンを追い払いたい」
という方のために書きました。
ハクビシンは豊富なエサや安全なすみかを求めて人家にやってくるため、放置すると床下や屋根裏に侵入して住みつかれてしまい対処が難しくなってしまいます。
そのためハクビシンの「弱点」をついて早めに追い払うことが大切です。
今回は大学や企業、国立の研究所が行なった実験結果をもとに、ハクビシンを効果的に追い払うための弱点についてまとめました。
ハクビシン被害解決の参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
「超音波」「光」「におい」。ハクビシンの弱点はどれ?
ハクビシンは「鳥獣保護管理法」で保護されており、許可なく捕獲したり殺傷したりできません。
許可がなくてもできるのは追い払うことだけです。
ハクビシンを追い払う方法でよくあげられるのは「超音波」「光」「におい」の3つですが、これらは本当に効果があるのか解説します。
弱点の候補1.超音波
人間が聞き取れない非常に高い音のことを「超音波」といいます。
「超音波で動物や害虫を撃退」とうたう機器もありますが、超音波ではハクビシンを追い払えないことが「動物の行動と管理学会」の実験でわかっています。
実験では「ハクビシンに超音波などの音を聴かせたときの反応」を調べましたが、ハクビシンは音源のスピーカーをじっと見つめはしたものの、超音波を嫌がるような反応はまったく見せませんでした。
そのため超音波はハクビシンの弱点にならないといえるでしょう。
弱点の候補2.光
ハクビシンは夜行性なので光が苦手といわれています。
たしかにハクビシンは昼間は寝ていることが多いのですが、エサを求めて昼間に行動することもあるため、光が特別苦手というわけでありません。
じつは光でもハクビシンを追い払えないことが「動物の行動と管理学会」の実験でわかっています。
実験では「ハクビシンに光をあてたときの反応」を調べましたが、ハクビシンは光をまったく嫌がらず無視したり、逆に光に興味をもって近づいて来たりしたと報告されています。
そのため光もハクビシンの弱点にならないといえるでしょう。
弱点の候補3.におい
鼻がいい動物といえば犬ですが、ハクビシンも嗅覚が優れているため「強いにおい」が苦手です。
強いにおいとは、たとえば次のようなにおいです。
- 「木酢液(もくさくえき)」のにおい
- 「トウガラシ・ワサビ」のにおい
- 「灯油」のにおい
とくに木酢液、トウガラシ・ワサビのにおいには動物を追い払う効果があることがわかっています。
また犬やオオカミなど天敵のにおいもハクビシンの追い払いに効果的です。
実際に農研機構(農林水産省の研究機関)が果樹園のブドウを食害から守るために「犬の毛」を使い、ハクビシンを追い払うことに成功しています。
以上のことから、ハクビシンに一番効く弱点は「におい」であり、特に次の3つのにおいが苦手だといえます。
- 「木酢液」のにおい
- 「トウガラシ・ワサビ」のにおい
- 「オオカミなどの天敵」のにおい
ハクビシンを追い払うときは、上記3つのにおいを使うと効果的に追い払えるでしょう。
ハクビシンの弱点になる3つのにおい。入手方法や注意点を紹介
ここでは先に紹介した、ハクビシンの弱点になる3つのにおいについて、具体的な入手方法や使う際の注意点を紹介します。
ハクビシンの弱点1.木酢液のにおい
木酢液とは、木を燃やしたときに出る煙(水蒸気)を冷やして液体にしたものです。
本来は園芸用品として植物を病害虫から守るために使われますが、燻製(くんせい)のような独特のにおいがあるため、犬や猫の追い払い用として自治体のホームページでも紹介されています。
木酢液はアマゾンや楽天、ホームセンターで入手できます。
アマゾンや楽天で購入する場合は「木酢液 ハクビシン」「木酢液 害獣駆除」と検索すると探しやすいです。
木酢液は濃度が高いほど追い払い効果も大きいため、必ず「原液」と記載されたものを購入しましょう。
使用の際は、ハクビシンが来る場所に原液を直接散布するか、原液を染み込ませた布やスポンジを設置してください。
布やスポンジの設置高さはハクビシンの鼻の高さに合わせて、地面から15センチくらいにすると効果的です。
なお雨で流れるとにおいが薄まるため、雨のあとは再度散布しましょう。
ハクビシンの弱点2.トウガラシ・ワサビのにおい
ハクビシンの追い払いに効果があるのは、トウガラシの辛味成分(カプサイシン)やワサビの辛味成分(アリルイソチオシアネート)です。
これらの成分を使ったハクビシンの追い払いグッズ(忌避剤)はアマゾンや楽天、ホームセンターで入手できます。
アマゾンや楽天で購入する場合は「ハクビシン 忌避剤」「アリルイソチオシアネート 忌避剤」と検索すると探しやすいです。
商品ラインナップが豊富で、
- 布に染み込ませて設置するタイプ
- 噴霧器で散布する液体タイプ
- まいて使う粒剤タイプ
などがあり、自宅の状況に合ったものを選べます。
もしガレージにハクビシンが侵入してしまったときは「獣用線香」を使うと効果的です。
動物が本能的に嫌う煙にトウガラシの成分が配合されているため、ガレージのような密室で使えば効率的にハクビシンを追い出せます。
なおトウガラシやワサビの成分が入った忌避剤を使うときは手袋やマスクをつけ、薬剤に触れた手で目をこすらないように注意しましょう。
またトウガラシやワサビの香りが苦手という方、アレルギーがある方は使用を控えてください。
ハクビシンの弱点3.オオカミの尿のにおい
オオカミの尿は「ウルフピー」とも呼ばれ、主にアメリカからの輸入品となるため、アマゾンや楽天を使うと入手しやすいです。
商品を探すときは「オオカミの尿」「ウルフピー」と検索してください。
商品にもよりますが、オオカミの尿は「100mlで3,000円前後」と高額なため、使う場所の広さに合った量を購入するのがおすすめです。
なお排泄物特有のにおいがあるため必ず屋外で使用し、近隣の方に迷惑をかけないよう風向きにも注意してください。
オオカミの尿はハクビシンに本能的な恐怖を与えて追い払うとされていますが、天敵のにおいを気にしない個体には効果が薄いです。
また研究によって、尿の採取時期や排尿の前にオオカミが食べたものによって効果に大きな差が出ることもわかっています。
購入の際はこれらの点に留意しておきましょう。
においによるハクビシン対策の限界
これまでに紹介した「木酢液のにおい」「トウガラシ・ワサビのにおい」「オオカミの尿のにおい」を使えば、効果的にハクビシンを追い払えます。
しかし、においには次のようなデメリットもあるため、うまく追い払えないこともあります。
- においに鈍感な個体には効かない
- 同じにおいを使い続けると慣れて効かなくなる
においへの慣れについては、たとえば「木酢液」と「オオカミの尿」を交互に使うことで慣れにくくできますが、慣れるのが少し先延ばしになるだけで根本的な解決にはなりません。
また強いにおいは使用者本人や家族、近隣の方のストレスにもなります。
もし途中で次の3つのどれかにあてはまった場合、においによる追い払いは中断してハクビシン駆除業者へ依頼しましょう。
- 追い払ってもすぐに戻ってくる
- 生活に支障が出始めた(例:洗濯物ににおいがつく、窓を開けられないなど)
- 近隣からクレームが入った
まとめ
今回はハクビシンの弱点について解説しました。
ポイントは次の3つです。
- 「超音波」と「光」はハクビシンの弱点にならない
- ハクビシンの弱点は「木酢液」「トウガラシ・ワサビ」「オオカミの尿」のにおい
- においに鈍感な個体だったり、においに慣れたりすると効かなくなる
ハクビシンがにおいに慣れる前に完全に追い払うのが理想ですが、どうしても戻ってきてしまう場合は早めにハクビシン駆除業者へ依頼しましょう。
当サイトを運営する「日本有害鳥獣駆除・防除管理協会」でもハクビシン被害の相談を受け付けています。
お困りの際はお気軽にお問い合わせください。
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