イタチとテンの違いは、口元の白い模様の位置・耳が毛の外に出ているか・尾の太さを組み合わせて確認します。
茶色い毛色や「大きめに見えた」という印象だけでは、どちらとも決められません。
イタチには雌雄で体格が大きく異なる種類があるためです。
加えて、テンは季節で顔の色まで変わるうえ、写真の写り方によっては照合そのものができない場合もあります。
この記事で「イタチ」と呼ぶのは、住宅周辺で見かける在来のニホンイタチと、外来のシベリアイタチ(チョウセンイタチとも呼ばれます)の2種です。
公的資料の数値とイタチとテンの画像をもとに、どの順番で確認し、決められないときに何を記録しておくべきかを整理します。
1. イタチとテンの違い早見表(体格・顔・耳・尾の4ポイント)

体格・顔・耳・尾の4点を並べると、イタチとテンの違いを比べやすくなります。
まず下のイタチとテンの画像で耳と尾の輪郭を見比べ、次に表で特徴を確認してください。


上の2枚は、撮影時期や撮影条件の記録を確認できない参考写真です。
そのため毛色の季節判断には使わず、耳と尾の輪郭を見るための参考画像として扱ってください。
種類・雌雄別の寸法は2−4の表にまとめています。
| 確認点 | イタチ(ニホンイタチ) | テン(ホンドテン) | 参照元 |
|---|---|---|---|
| 体格の目安 | テンより小さい。雌雄・種類・産地で差が大きい | イタチより大きく、体重1~1.5kgが目安。雌は雄より小さい | 国立環境研究所 侵入生物データベース/国土交通省中国地方整備局 弥栄ダム周辺の生き物 |
| 顔 | 口元が白い。額の中央から鼻にかけて濃い褐色の斑 | 頭部は夏に黒く、冬に白くなるのが代表的(色型や地域、換毛段階で異なり、すべての個体に当てはまるわけではない) | 環境省 狩猟鳥獣判別資料 |
| 耳 | 小さく、頭の輪郭に沿って目立ちにくい | 丸い耳が立ち、体毛の外にはっきり出る | 国土交通省中国地方整備局 弥栄ダム周辺の生き物 |
| 尾 | 体に対して細め | 太くふさふさしている | 国土交通省中国地方整備局 弥栄ダム周辺の生き物 |
1−1. 画像で先に確認する3ポイント(口元の白斑・耳の突出・尾の太さ)
写真で最初に見るのは、口元に白斑(白い毛の模様)があるか、丸い耳が毛の外に出ているか、尾が太いかの3点です。
確認の順番は、写真に残っている部位に合わせて次のように進めます。
- 顔が正面か横顔で写っていれば、白い部分が口元だけか、頭全体かを見る
- 顔が不鮮明なら耳を見る。後ろ姿や斜めの写真でも頭の上の出っ張りは残りやすい
- 耳も分からなければ尾の太さを見る。遠くからの写真でも比較的確認しやすい
特徴どうしが食い違う場合は無理に決めず、「イタチ類かテン」の候補のまま記録してください(詳しくは2章・6章)。
1−2. 茶色や大きさだけでは断定できない理由
茶色という情報は、絞り込みにほとんど役立ちません。
イタチの基本色は茶褐色です。
テンも黄褐色系の毛色が季節によって明るくなったり暗くなったりします。
そのため、色の重なる範囲が広すぎるのです(毛色の変化は2−5で説明します)。
大きさも同じで、イタチは雌雄で体格が大きく違い、種類や産地によっても差があります。
「40cmあるからテン」のような線引きは、大きいイタチの個体と重なるため成り立ちません。
数値は2−4の表で比較してください。
- 参考:環境省の狩猟鳥獣判別資料
- 参考:テンの体格と耳・尾の特徴(国土交通省中国地方整備局 弥栄ダム周辺の生き物)
2. イタチとテンの見分け方を画像で照合する手順

イタチとテンの見分け方は、顔→耳→尾→体格→季節差の順に、手元の写真と1章のイタチとテンの画像を照合していくのが実用的です。
順番を固定しておくと、見落としや「色の印象に引きずられる」失敗を防げます。
2−1. 顔の模様(口元の白斑の位置と頭部の色)
顔の照合では「白い部分がどこにあるか」を見ます。
環境省の狩猟鳥獣判別資料では、ニホンイタチは口元が白く、額の中央から鼻にかけて濃褐色の斑があります。
国立環境研究所の記載では、シベリアイタチは目から鼻周辺が濃褐色で、鼻周辺から口・喉にかけて白い部分が広がります。
これに対しテンは、口元だけでなく頭部全体が季節で黒または白に変わります。
そのため、白い部分が「口元に限られる」か「頭全体に及ぶ」かが分岐点になります。
ニホンイタチとシベリアイタチの区別は本記事の範囲外です。
2023年の福井市自然史博物館研究報告は、福井県を中心に採集した雄70個体を比べました。
その結果、両種の顔面模様や尾の長さの範囲に重なりがあると報告しています。
このことから、写真で2種を分けるには専門家でも慎重さが求められます。
そのため本記事では「イタチ類」としてテンと比較しています。
2−2. 耳の見え方(毛の外にはっきり出る丸い耳)
耳は、顔が不鮮明な写真でも使える確認点です。
国土交通省中国地方整備局の弥栄ダム周辺の生き物の解説は、テンの耳が丸く立ち、体毛の外にはっきり出る点をイタチとの区別点に挙げています。
正面からは頭の上に2つの丸い出っ張りが、横顔では後頭部に耳の輪郭が見えます。
イタチは耳が小さく頭の輪郭に沿うため、普通の距離の写真では目立ちません。
大きさを比べられない写真でも、「頭の形がなめらかか、耳で凹凸があるか」は確認できます。
撮影角度やぶれで耳が隠れているときは、尾の確認に進んでください。
2−3. 尾の太さと長さ(尾の比率だけで決めない)
尾は「長さ」より「太さ」で見ます。
同じ国土交通省の解説のとおり、テンの尾は太いです。
これに対し、イタチの尾は体に対して細めに見えます。
この違いは補助的な特徴として、後ろ姿しか撮れなかった場合の手がかりになります。
一方、「尾が胴体の半分以上ならテン」のような尾率(胴の長さに対する尾の長さの割合)での判定は成り立ちません。
写真の尾率は、単独で種類を確定する材料には使えません。
角度によって尾の見かけの長さが変わり、胴と尾の境目(尾の付け根)も遠距離では測れないためです。
2−1で触れた福井市自然史博物館の研究はイタチ2種の比較であり、テンとの境界を示したものではありません。
しかし、近い種どうしでも尾の長さの範囲が重なるという結果は、比率だけに頼る危うさを示しています。
尾を見るときは比率だけに頼らず毛のふくらみ具合に注目してください。
2−4. 体の大きさは種類・雌雄・測定部位をそろえて比較
体格を比べるときは、頭胴長(頭から尾の付け根までの長さ)・尾長・全長のどれを指しているかをそろえる必要があります。
テンの数値を載せた国土交通省の解説は「体長」と表記し、性別を分けていません。
そのため、イタチ側の頭胴長と厳密に同じ条件とは限りません。
| 種類 | 性別 | 頭胴長(体長) | 尾長 | 参照元 |
|---|---|---|---|---|
| ニホンイタチ | 雄 | 27~37cm | 12~16cm | 国立環境研究所 侵入生物データベース(ニホンイタチ) |
| ニホンイタチ | 雌 | 16~25cm | 7~9cm | |
| シベリアイタチ(チョウセンイタチ) | 雄 | 28~39cm | 16~21cm | 国立環境研究所 侵入生物データベース(シベリアイタチ) |
| シベリアイタチ(チョウセンイタチ) | 雌 | 25~31cm | 13~16cm | |
| テン(ホンドテン) | 区分なし(雌は雄より小さい) | 体長40~45cm | 20~25cm | 国土交通省中国地方整備局 弥栄ダム周辺の生き物(体重1~1.5kg) |
表からは、ニホンイタチの雌とテンの差は大きいことが読み取れます。
一方で、シベリアイタチの雄(最大39cm)とテンの小さめの個体は、見た目の体格が近づきます。
さらに『グリーンデータブックあいち2018』は、愛知県産のニホンイタチ雄に頭胴長約40cm・尾長約17.5cm・体重約700gという値を載せています。
そのうえで、大きさは国内の産地で異なると説明しています。
国立環境研究所の27~37cmを全国の上限のように扱うと、大きいイタチをテンと取り違えます。
写真では比較できる物が写っていないと大きさを推定できず、幼獣や遠近感の影響も除けません。
そのため、体格は候補を考える参考にとどめ、顔・耳・尾も確認してください。
2−5. テンは夏毛・冬毛で顔や体の色が変わる
環境省の判別資料は、テンの代表的な特徴として、夏に頭部が黒く冬には白くなると説明しています。
胴の黄褐色も、夏は暗く冬は明るく変わるとしています(ただし色型や地域、換毛段階による違いがあります)。
同じ個体でも、季節で別の動物のように見えます。
そのため、顔が白いテンと顔が黒いテンの写真を別種と誤解しやすい点に注意が必要です。
国土交通省の弥栄ダムの解説は、冬に鮮やかな黄色になる「キテン」のほかに、一年中黒ずんだ茶色のままの「スステン」がいると説明しています。
このように、季節と色の対応にも例外があります。
撮影した月だけで毛の状態を決めないことも大切です。
環境省東北地方環境事務所は、白神山地の自動撮影の記録を公開しています。
そこでは、2017年5月7日に撮影されたテンに白い顔と冬毛の一部が残っていました。
少なくともこの例は「5月だから夏毛のはず」という思い込みが成り立たないことを示しています。
毛色を手がかりにするなら、撮影月ではなく写っている毛の状態そのものを見てください。
- 参考:5月に冬毛が残るテンの自動撮影例(環境省東北地方環境事務所)
2−6. 写真だけで断定できないケース(夜間・換毛期・部分的な写り込み)
写真があっても種類を決められない場面は、次の3つに整理できます。
- 夜間の赤外線撮影:映像が白黒になるため、毛色の情報が使えません。耳と尾の輪郭に加え、顔の明暗模様や体形、大きさの目安、動きを組み合わせて候補を絞ります
- 動きによるぶれ・換毛期(夏毛と冬毛が入れ替わる時期):輪郭がにじむと耳の突出が見えず、毛色も夏冬のどちらとも言えません
- 部分的な写り込み:尾だけ、背中だけが写った写真では照合点が足りません
本記事の手順は確認漏れを防ぐための順序で、「何点そろえば確定」という基準が検証されたものではありません。
決められない場合は、候補のまま6章の記録を残しておきます。
動画なら一場面の切り抜きだけでなく、前後の動きが残る元の映像と撮影日時を保存してください。
歩き方や尾の動きは、静止画より多くの情報を持っています。
3. 足跡・フン・鳴き声・目撃場所から補助的に見分ける

姿を見ていない場合、手がかりは足跡やフン、音、場所になります。
この章では、イタチとテンで何が比べられてどこが重なるのか、そして相談時に役立つ記録のしかたを整理します。
3−1. 足跡とフンの違いと記録のしかた
足跡とフンで比べられるのは主に大きさで、形はよく似ています。
『グリーンデータブックあいち2018』は、ニホンイタチの前足・後足がほぼ同形で長さ2~3cmと記載しています。
栃木県の奥日光の資料は、テンの足底長を3~4cmとしています。
どちらも5本の指の跡がつき、爪の跡が残ることもあります。
フンは、テンが通常長さ5~8cm・直径1cm程度で、冬は哺乳類の毛や鳥の羽毛を含むことが多いとされます。
林野庁関東森林管理局赤谷森林ふれあい推進センターの資料も、テンが河原の石の上や林道など開けた目立つ場所にフンをすると説明しています。
フンには、サルナシなど果実の種子が混じるとしています。
イタチのフンはこれより細いのが一般的で、特徴や衛生面の対処は関連記事にまとめています。
ただし足跡の差は1cmほどしかなく、地面の硬さや滑りで大きく見えることがあります。
国土技術政策総合研究所のフィールドサイン(野外に残る生き物の痕跡)の資料でも、フンは別の手がかりと総合して判断すると説明されています。
見る項目は大きさ・形・量・質感・発見場所に加え、足跡などです。
記録するときは痕跡に触れず、大きさの比較になる硬貨や定規を痕跡に触れない位置に置いて真上から接写します。
さらに、周辺が分かる引きの写真と1組にします。
足跡は1個ではなく連続した跡を撮り、地面の状態(土・砂・雪)も控えてください。
- 関連記事:イタチのふんは危険がいっぱい!ふんの特徴や見分け方・正しい対処法を解説
- 参考:フィールドサインの見方(国土技術政策総合研究所)
- 参考:動物の痕跡一覧(テン・イタチの足跡とフン)(鳥獣被害対策ドットコム)
- 参考:奥日光のいきもの(テンの足跡)(栃木県)
- 参考:ホンドテンは森をどう見ている?(テンのフンの習性と内容物)(林野庁関東森林管理局 赤谷森林ふれあい推進センター)
3−2. 鳴き声・活動時間・目撃環境は候補を絞る補助情報
鳴き声と活動時間だけでは、イタチとテンを分けられません。
国土交通省中国地方整備局の太田川の生き物解説は、テンを主に夜行性としています。
イタチも夜間に活動するため、時間帯は両種で重なります。
録音が残っていれば、音の種類と出た時刻が相談時の参考になります。
目撃環境は、候補の優先順位をつける程度に使えます。
太田川の生き物の解説では、テンは主に森林に生息し、樹木があれば人家周辺にも現れるとされます。
国立環境研究所は、ニホンイタチの主な生息地を平野部(西日本では主に山間部)としています。
森林に近い場所や樹上ならテンを先に、水辺や田んぼ周辺ならイタチ類を先に考える、という参考にしてください。
4. イタチとテンの害獣被害と記録しておきたい痕跡

住宅での被害は、イタチでもテンでも「天井裏の足音」「フンや尿の臭い」「断熱材の乱れ」といった形で現れます。
駆除の方法や衛生上の危険は、関連記事に委ねます。
ここでは被害から種類を推測するときの注意点と、相談時に役立つ記録の残し方に絞ります。
4−1. 被害の傾向から種を推測するときの注意点
侵入口の隙間の大きさ、足音の重さ、フンの位置は、いずれも候補を考える参考情報です。
2−4で見たとおり個体の体格差が大きく、フンの場所も一定しません。
そのため、「このサイズの隙間だからイタチ」という判断には裏付けがありません。
群馬県の農村地帯で農業を営むM.S様から、当協会にご依頼がありました。
このご依頼では、夜間に鶏小屋へ侵入され、複数の鶏が傷つけられて産卵数も落ちていました。
被害の様子だけでは、他の動物の可能性を消せませんでした。
そこで、防犯カメラの映像でイタチの姿を確認したうえで、捕獲用の罠を設置しました。
捕獲後には、小屋の構造を強化する再発防止策を行いました。
姿の記録が、対策の方針を決める手がかりになった例です。
なお、捕獲は5−4で述べる許可や狩猟制度の条件を満たして行う必要があります。
4−2. 音・排泄物・汚損を記録する方法
記録は「いつ・どこで・何が・どれくらい続いたか」を日付つきで残すことが基本です。
北九州市が公開しているイタチの相談例には、天井裏の走行音、尿やフンの臭い、車への侵入と配線の損傷が挙げられています。
滋賀県甲賀市の案内は、相談時に被害場所、家屋内の音、建物の構造を確認するとしています。
また、携帯電話での録音が判断に役立つ場合があると説明しています。
これらを踏まえ、次の手順で記録してください。
- 音:聞こえた日時、天井裏・壁・床下などの場所、続いた時間を控え、可能なら携帯電話で録音する
- 排泄物:位置と量を写真に残し、片付けた日と再び現れた日を記録する
- 汚損:天井のシミ、隙間周りの黒い汚れや引っかき傷を、周辺が分かる引きの写真と接写で残す
- 臭い・体調:悪臭の強さの変化や、咳などの体調変化が出た時期をメモする
当協会は害獣被害の兆候として、「悪臭」「屋根裏や壁の音」「フンや足跡」「ノミやダニのような死骸」「かじられた跡」を挙げています。
このうち建物内で続いているものがあれば、兆候がすべてそろうのを待たずにその時点の記録で相談できます。
屋外で一度だけ少量のフンを見た状況とは緊急度が異なります。
屋根裏の巣の見分け方やネズミとの判別は、関連記事を参考にしてください。
- 関連記事:屋根裏にイタチの巣が?特徴的な被害と失敗しない追い出し対策を紹介
- 関連記事:ネズミとイタチどちらが侵入している?判別方法や効果的な防除手段を解説
- 参考:自治体に寄せられるイタチ相談の例(北九州市)
- 参考:鳥獣被害の相談時に確認する項目(甲賀市)
5. イタチとテンの違いに関するよくある質問
ここでは、イタチとテンの識別と遭遇時の対応に直結する4つの質問に答えます。
ハクビシンやオコジョなど似た動物との分け方、庭や屋根裏で見かけた直後にとるべき行動、種類を確かめるために捕まえてよいかという法律上の扱いが対象です。
どの回答も、動物に近づかず、写真と日時・場所の記録を残すことを前提にしています。
5−1. 庭にいた茶色い動物はイタチとテンのどちら?
茶色という情報だけでは決まりません。
写真があれば、2章の手順どおり顔の白い部分の位置、耳の出方、尾の太さを順に確認し、撮影日も控えてください。
額から鼻先にかけて1本の白い線がはっきり通っていれば、イタチやテンではなくハクビシンが有力な候補です。
体格や顔全体、尾も合わせて確認してください。
顔の白い部分が「口元」「頭全体」「鼻筋の線」のどれなのかが、3種を分ける最初の分岐になります。
5−2. オコジョとの違いは?
オコジョは尾の先端が黒く、冬には尾先を除いて全身が白くなる点で見分けます。
静岡県の南アルプス情報サイトによると、ホンドオコジョの雄は頭胴長182~198mm、尾長48~67mm、体重200g程度です。
腹面は白、尾の先端は黒、夏毛の背面は濃い茶褐色、冬毛は白色とされています。
この頭胴長はニホンイタチの雌(16~25cm)と重なるため、「小さいからオコジョ」とは言えません。
尾先の黒色が写っているかを優先し、目撃した地域と標高の情報を合わせて候補を絞ってください。
5−3. イタチやテンを見かけたらどうすればいい?
近づかず、追加の撮影のために接近もしないでください。
野生動物は、追い詰められると咬みつくことがあります。
また、体にはノミやダニなどの外部寄生虫(体の表面につく小さな生き物)が付いている場合もあります。
手元の写真と場所・日時をそのまま残しておけば十分です。
屋内で音や臭いの気配があるなら、4章の記録を整えたうえで相談を検討してください。
見つけた直後にやってはいけない行動は、関連記事にまとめています。
5−4. 捕まえて種類を確かめてもいい?
種類を確かめるために、自己判断で捕まえないでください。
野生鳥獣の捕獲は原則禁止で、許可捕獲や法令に基づく狩猟などの例外があるだけです。
環境省の狩猟制度の概要によると、狩猟には免許の取得と都道府県への登録、区域・期間・猟法の制限の遵守が必要です。
狩猟鳥獣として挙げられているのは、テン(ツシマテンを除く)、イタチ(雄)、シベリアイタチ(長崎県対馬市の個体群を除く)です。
名前が似ていても種や性別、地域で扱いが異なります。
識別できていない段階では、どの条件に当たるかすら判断できないわけです。
狩猟とは別に、学術研究や被害防止を目的とした許可捕獲の制度があります。
被害が出ていて捕獲を考える場合は、可否や手続きをお住まいの自治体に確認してください。
捕獲に関する法律の基本は、関連記事で解説しています。
6. 種類が分からなくても相談できる(残しておく記録と相談先)

「名前を知りたい」相談と「家に入られていないか心配」という相談では、必要な記録も相談先も異なります。
前者は回答に時間がかかっても構いませんが、後者は建物の状況を優先して伝える必要があります。
どちらの場合も、写真からご自身で絞り込んだ候補は仮の答えであり、専門家の確認と同じ重みでは扱えません。
6−1. 名前を知りたいときの記録と相談先
種名を知りたいときは、次の記録を1つにまとめておきます。
- 複数角度の写真と、元の動画
- 撮影日と場所
- 周辺環境(森林・水辺・住宅地など)
- 大きさの目安(近くにある物との比較)
相談先の候補として、環境省の「いきものログ」が実施する種名調べ支援があります。
要点は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受付期間 | 2026年5月1日~10月31日(終了後は公式案内で翌年度の実施を確認) |
| 費用・回数 | 無料、期間中1人20回まで |
| 必要な情報 | 写真と発見場所 |
| 注意点 | 回答まで日数がかかり、情報不足で時間がかかる場合や候補を特定できない場合がある。提供されるのは名前を調べるヒントや助言で、種類の確定(同定)そのものではない点に留意する |
このほか、種類不明の写真を受け付ける窓口もあります。
神奈川県立生命の星・地球博物館の哺乳類担当学芸員によるイタチ写真の募集と同定依頼の受付や、東京都調布市の2026年野生哺乳類市民調査(市内が対象)などです。
受付状況は事前に確認してください。
- 参考:種名調べ支援の案内(2026年度)(環境省 いきものログ)
- 参考:神奈川県立生命の星・地球博物館 哺乳類担当学芸員(イタチ写真の募集)
- 参考:調布市 野生哺乳類市民調査(2026年)
6−2. 家への侵入が心配なときは協会の無料相談へ
屋根裏の音や臭いがあるなら、種類が分からなくても相談できます。
私たち一般社団法人日本有害鳥獣駆除・防除管理協会は、無料電話相談(通話無料・匿名可、9:00~18:00、土日祝日も受付)を設けています。
音の時刻、被害箇所、建物の構造、隙間の汚れや傷を伝えていただければ、害獣の特定の手がかりから対処方法、業者選びまでお受けしています。
当協会の相談窓口の集計(公表時点)では、相談件数は年間5,000件以上です。
電話相談のみで解決した件数は、累計で6,775件となっています。
電話の段階で状況を整理できる場合も少なくありません。
対応地域は関東・近畿・中国・四国・九州の各都府県と、中部地方では山梨県・長野県・愛知県・岐阜県・静岡県です。
県内でも一部地域のみ対応の場合があるため、住所ごとの対応可否は相談窓口でご確認ください。
電話相談は無料ですが、現地調査・見積もりの料金は紹介先の事業者や条件によって異なり、無料で行う業者もあります。
施工費、調査費、出張費、追加費用を分けて、依頼前に見積書と利用条件を確認してください。
自力での捕獲や侵入口の閉鎖は、動物が内部に残ったまま閉じ込める事故につながるため推奨していません。
業者選びの基準は関連記事を参考に、まずは無料相談で状況を整理してください。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定

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