ネズミの好きな食べ物について|罠の餌に使える好物一覧や食べ物の保管対策まで

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家庭で先に守るべき食品は、米・パン・種子類、油脂の多い食品、ペットの餌です。
罠に置く餌は「好物ランキングの上位」ではなく、その家で実際に減っている食品を少量だけ使います。
野生のハツカネズミ40匹を初めての環境に放した試験では、においを置いた箱に入った平均回数がベーコン脂18.3回、ピーナッツバター17.0回、チーズ14.5回でした。
これは入った回数の比較で、食べた量や捕獲率の順位ではありませんが、チーズが常に一番という前提は成り立たないと読み取れます。
以下、守る食品の優先順位、食べられた後の処理、罠の餌の使い方、相談の目安まで順にたどります。

1. ネズミの好きな食べ物・好物の全体像(種類や環境で好みは変わる)

1. ネズミの好きな食べ物・好物の全体像(種類や環境で好みは変わる)

家屋にすむネズミは雑食で、その場で手に入る物を利用します。
餌が乏しければ生ごみや石けん、昆虫までかじり、何を選ぶかは種類、食べ慣れ、周囲の餌の量、初めて見る物への警戒で変わります。
そのためネズミの好物の一覧を暗記するより、今どの食品が減っているかを確かめるほうが先です。

1−1. 穀類・種子類(米・パン・ナッツ)は優先的に守る食品

すでに袋へ穴が開いた食品があるなら、その品目と保管場所が最初に直す対象です。
被害が出やすいのは、米、パン、小麦粉、乾麺、シリアル、ごま、ひまわりの種、アーモンドです。
果物や菓子も食べられますが、常温で置く量が多いのは穀類側なので、一度に失う量が大きくなります。

米は清潔で乾燥した密閉容器に入れ、直射日光を避けた温度変化の少ない場所か冷蔵庫で保管しましょう。

参考:農林水産省(米の保管に関する情報)農林水産省(お米の保存方法)

関連記事:【簡単・安い・自分でできる】ネズミから米袋を守る対策を徹底紹介!

1−2. 動物性食品・油脂(肉・魚・ベーコン脂・ペットフード)

ネズミの誘引性を高める食用油やバターなどの油脂

肉・魚の切れ端、乾いたペットフード、コンロ周りの油汚れは放置しないでください。
油脂は食いつきを左右し、種類によって好まれ方も変わります。
1974年に報告された野生ハツカネズミの食品選択試験では、全粒のカナリーシード(小鳥の餌に使う種子)が最も好まれました。
オートミールに5%加えた油脂の比較では、コーン油や落花生油がオリーブ油やタラ肝油より好まれています。

米国カリフォルニア大学の防除指針は、罠の餌の候補としてナッツ、ドライフルーツ、ベーコン、乾いたペットフードを挙げています。
つまり、家に置けば餌になり得る食品です。
犬・猫・小鳥の餌は穀類、菓子、生ごみと並ぶ主要な餌源の一つで、米国CDCも食品とペットフードを密閉容器で保管するよう案内しています。

参考:PMC(野生ハツカネズミの食品選択試験)UC IPM(Rats)CDC(Seal Up)UC IPM(House Mouse)

1−3. チーズは本当に一番好き?未知環境での接近回数を比較したデータ

結論として、「ネズミ捕りにはチーズが一番」という一般化は、データで支持されていません。

Witmerらが2014年に発表した論文「Responses by wild house mice (Mus musculus) to various stimuli in a novel environment」では、野生ハツカネズミ40匹を初めての環境に放し、におい源を入れた箱への進入回数を数えました。
平均はベーコン脂18.3回、ピーナッツバター17.0回、チーズ14.5回です。
最も反応が強かったのは巣箱の47.7回で、食べ物のにおいより「安全に隠れられる場所」が上回りました。
餌を工夫しても結果が出ないとき、隠れ場所と通り道を疑う根拠になります。

参考:USDA National Wildlife Research Center(野生ハツカネズミの刺激への反応・2014年)

2. 家に出るネズミ3種類の食性の違いと狙われる食品

2. 家に出るネズミ3種類の食性の違いと狙われる食品

先に要点だけ示します。
クマネズミは雑食ながら種子を中心とする植物質を好み、ドブネズミは生息場所によって動物質の摂取割合が大きく変わり、ハツカネズミは種子、穀類、野草、野菜、米、昆虫などを食べます。
ハツカネズミが油脂に強く反応したという結果は、オートミールに油脂を加えて比べた実験条件下でのものです。
ただし3種とも雑食で、食べられた品目だけから種類は特定できません。
なお、3種を同一条件で比べて餌ごとの捕獲成功率を順位付けした国内の実地試験は、調べた範囲では見当たらないため、以下は各機関が示す食性の傾向です。

種類ネズミの好物の傾向主な生息場所参照元
クマネズミ雑食だが種子中心の植物質を好む天井裏・壁の中など高い場所国立環境研究所(クマネズミ)
ドブネズミ動物質もよく食べる雑食床下・下水・屋外の地面近く国立環境研究所(ドブネズミ)
ハツカネズミ種子、穀類、野草、野菜、米、昆虫など(実験では全粒の種子やオートミール、油脂を加えた餌への嗜好が報告)室内の収納、物置、倉庫国立環境研究所(ハツカネズミ)UC IPM(House Mouse)

参照元は各行のリンク先です(確認日:2026年8月)。

2−1. クマネズミ:種子・穀類を好み警戒心が強い

国立環境研究所はクマネズミを雑食としつつ、種子を中心とする植物質を好むと説明しています。
家庭では米、小麦粉、ナッツ、種子入りのパンや菓子から守るのが先という意味で、果物や動物質を食べないわけではありません。
クマネズミやドブネズミは新しい物を警戒し、罠に近づくまで数日かかる個体もいるため、初日に反応がなくても失敗とは限らないのです。

参考:UC IPM(Rats)

2−2. ドブネズミ:生息環境に応じて動物質の割合が大きく変わる

国立環境研究所はドブネズミが摂取する動物質の割合を26〜86%とし、生息場所による変動が大きいと整理しています。
肉だけを食べる専食性の動物ではなく、厨房、下水、食品倉庫などで手に入りやすい食品に合わせて食性が振れる種です。
「厨房だから肉と魚だけを守る」という発想では抜けが生じ、穀類や乾物の点検も同時に欠かせません。

参考:国立環境研究所(ドブネズミ)

2−3. ハツカネズミ:少量ずつ多点で食べる穀物・種子好き

ハツカネズミは1か所で大量に食べず、複数の場所で少しずつかじる食べ方をします。
被害が薄く広がるぶん気づきにくく、対策では罠の数と間隔が結果を左右するのです。
米国カリフォルニア大学の防除指針でも、多数の罠を狭い間隔で置く方針が示されています。

参考:UC IPM(House Mouse)国立環境研究所(ハツカネズミ)

関連記事:【徹底解説!】ネズミってどんな生き物なの…?姿を見せない共同生活者「ネズミ」の正体に迫る

2−4. 食べられた食品だけで種類は断定できない

「米が食べられたからクマネズミ」とは判断できません。
3種はいずれも米も肉も食べるため、食害品目だけでは種を絞れないのです。

判断材料は組み合わせになります。
フンの大きさと形、かじり跡の高さ、黒い擦れ跡が残る通り道、音がする位置(天井裏か床下か)を合わせて見ましょう。
種が分からないうちは、穀類と油脂を軸にした餌を選び、天井裏と床下の両方を点検するほうが安全です。

関連記事:「これってネズミのフン…?」フンから分かる害獣被害の実態とその対策法

3. 家の中で食べられやすい食品と場所の点検表

3. 家の中で食べられやすい食品と場所の点検表

点検は「食品」と「痕跡」を同じ場所で同時に見るのが早道です。
次の順に回ってください。

場所狙われやすい食品確認する痕跡その場でできる対策
調理台・コンロ周りパン、菓子、油汚れ黒い擦れ汚れ、米粒が消える夜間は食品を出さない、油汚れを拭く
シンク下・配管周り米袋、乾物配管すき間の毛、フン金属容器へ移す、すき間をふさぐ
食品庫・床下収納米、小麦粉、乾麺、種子袋の穴、粉のもれ厚手のふた付き容器へ入れ替える
ペットの餌置き場犬猫の餌、小鳥の餌餌の減り、皿周りのフン食べ残しは片付け、元袋ごと密閉
仏壇・神棚供えた米、菓子、果物かじり跡、供物の欠け供物は当日中に下げる
ゴミ置き場残飯、生ごみ袋のかじり破れふた付き容器で保管する

あわせて屋外からの入り口も見ます。
配管が壁を抜ける部分、換気口、基礎のすき間は侵入と直結する場所です。

参考:CDC(Rodent Control)

関連記事:【害獣被害】ネズミが棲みついているサイン!?嫌な音が聞こえたら、迷わずチェックするべきポイント!

4. 食べられた食品の被害リスクと廃棄・清掃の手順

4. 食べられた食品の被害リスクと廃棄・清掃の手順

食害を見つけたら、次の3手順を当日中に済ませます。

  1. 紙・プラスチック包装の食品は廃棄する
  2. 缶・瓶は穴、亀裂、ふくらみの有無を確認する
  3. フン・尿は乾いたまま触らず、湿らせてからふき取る

後回しにするほど汚れが広がり、廃棄する食品も清掃する範囲も増えていきます。

4−1. かじられた食品・ペットフードを食べてよいかの判断基準

米国食品医薬品局(FDA)は、ねずみなどの汚物にさらされた紙製・プラスチック製包装の人用食品とペットフードを廃棄するよう案内しています。
穴、亀裂、膨張、破損した密封部がある缶や瓶も廃棄対象です。

  • 捨てる:袋・箱・ラップ入りの食品、ペットフードの紙袋、ふたが浮いた瓶、露出していた食品
  • 捨てる(缶):ふくらみ、継ぎ目がゆがむへこみ、さびからのにじみ、汁もれがある物
  • 洗って使える可能性がある:傷のない全金属缶、工場で密封された瓶(外側を洗浄・消毒し、開封時に汚れを中身へ落とさない)
  • 迷ったら捨てる:破れの位置やいつから置かれていたか分からない食品

ここまで慎重に扱う理由は、健康被害につながる病気があるからです。
東京都のねずみ防除指針の資料編には、ねずみが関わる疾患としてレプトスピラ症や鼠咬症が挙げられています。
レプトスピラ症は尿で汚れた水や土が傷口や粘膜に触れて感染し、重症例では黄疸や腎障害に至ります。
かじられた食品を口にして発熱や下痢が出た場合、またはかまれた場合は、いつ何があったかを伝えて医療機関を受診してください。

ごみの区分は自治体や施設の規則で違います。
飲食店などの事業者は、自店の衛生管理計画と自治体の指示に従って記録・廃棄しましょう。

参考:FDA(How to Handle Food Products That Have Been Exposed to Filth)東京都保健医療局(ねずみ防除指針 資料編)厚生労働省(管理運営基準に関する指針)

関連記事:ネズミに噛まれた場合の対処法!注意すべき症状も解説

4−2. フン・尿・巣材は乾いたまま掃除機やほうきで扱わない

乾いた状態でほうきや掃除機を使うと、粉じんを舞い上げてしまいます。
次の順で処理してください。

  1. 窓を開けて30分ほど換気し、その間は室内に入らない
  2. 使い捨ての手袋を着ける
  3. 消毒液または家庭用漂白剤の希釈液でフン・尿を十分に湿らせ、5分置く(希釈の割合は製品表示、または下記のCDCが示す条件に従う)
  4. 紙タオルでふき取り、袋に入れて口を閉じる
  5. 周辺の床・棚を消毒液でふき、手袋を外して石けんで手を洗う

漂白剤は酸性洗剤など他の薬剤と混ぜないでください。
有害な気体が発生します。
巣材になった段ボールや布は廃棄し、金属や樹脂などの硬い物は消毒して再利用できます。

参考:CDC(Clean Up After Rodents)

5. 罠に使う餌の選び方と量:好物の順位より「今食べられている食品」

5. 罠に使う餌の選び方と量:好物の順位より「今食べられている食品」

捕獲の結果を決めるのは餌の種類だけではありません。
体格に合った大きさの罠を、痕跡のある範囲に十分な数そろえ、通り道に沿って置くことが土台です。
大型のドブネズミ用の罠でハツカネズミを狙う、痕跡がある区画に1個だけ置くという条件では、ネズミの好物をどれだけ吟味しても結果は変わりません。

参考:UC IPM(Rats)EPA(Options for Dealing with Rodent Infestations)

5−1. 餌はエンドウ豆大の少量にして作動部へ固定する

餌はエンドウ豆ほどの少量にとどめ、餌皿に付けて作動部(餌に触れると罠が動く部品)へ確実に触れさせます。

大量に盛ると、作動部に触れないまま端だけ食べて去られてしまいます。
ナッツや乾いたペットフードなど固形の餌は、糸で作動部に結ぶと持ち逃げを防げます。
針状の細い材料は扱う人がけがをするおそれがあるため使わず、製品の説明書に従ってください。
米粒のように単体では固定できない餌なら、粒入りピーナッツバターのような粘りのある餌を餌皿へ薄く付け、そこへ押し付けると動きません。

参考:UC IPM(Rats)

5−2. 設置場所と向き:食害痕・フンのある壁際にT字で置く

置き方には型があります。
餌側を壁に向け、壁と直角のT字になるように設置します。

ネズミは壁沿いを移動するため、フン、尿、かじり跡、食害のある動線上が候補です。
設置後は数日動かさず、毎日確認しましょう。

参考:CDC(Trap Up)

5−3. 警戒されるときは作動させず餌だけを置く(事前給餌)

クマネズミやドブネズミで新しい罠への警戒がみられる場合は、事前給餌(罠を作動させない状態で置き、餌だけを食べさせる方法)が使えます。
餌が食べられ始めたと確認できた時点で作動させる流れになり、必要な期間は個体や環境で変わるものです。
新しい物を避ける相手ほど、この待ち時間が結果を左右します。

参考:CDC(Trap Up)

5−4. 罠タイプ別の餌の使い方:捕獲カゴ・バネ式・粘着シート・毒餌

家庭での第一選択は、対象の体格に合ったバネ式の罠です。

  • バネ式:餌皿に少量を付け、壁とT字に設置する。設置時に指を挟まないよう注意する
  • 捕獲カゴ:餌を奥に置いて誘い込む構造だが、CDCは生け捕り罠を推奨していない。使う場合も放置しない
  • 粘着シート:CDCは推奨していない。餌を追加する使い方は製品説明書と自治体の指示を優先する
  • 毒餌:日本国内では、ねずみ駆除用として適法に販売されている製品(防除用医薬部外品など)を選び、対象場所、使用量、設置方法、回収方法といった製品表示を厳守する。市販の殺鼠剤に家庭の食品を追加したり、有効成分や粉末を自己調合したりせず、子ども・ペット・食品から隔離する

毒餌は、穀類などの食べやすい基材に殺鼠成分を混ぜた製品です。
効き始めるまで日数がかかる製品もあり、その間に見えない場所で死ぬ、子どもやペットが誤食するといった問題が残ります。

参考:PMDA(殺そ剤に関する審議結果報告書)EPA(Safely Use Rodent Bait Products)大阪市西成区(ネズミ対策)

関連記事:ネズミの駆除に効く市販薬は?効果と対策を徹底解説

6. 食べ物を片付けても出る理由と再発を防ぐ保管方法

6. 食べ物を片付けても出る理由と再発を防ぐ保管方法

食品を全部しまったのに音が続く家は珍しくありません。
主な理由は、見落とした餌や水、侵入口、巣や通り道が残っているためです。

生ごみ、こぼれた粉、ペットの餌、屋外のえさ台、結露やこぼれた水まで含めて見直してください。
米国CDCは、餌・水・住みかを減らす手当てと、すき間の封鎖、必要な捕獲を組み合わせる方針を示しています。

参考:CDC(Seal Up)

関連記事:ネズミは何日で餓死する?食べ物がないのに生きている理由は?疑問をまとめて解説!

6−1. 密閉容器の材質比較:厚手プラスチック・金属・ガラス

材質選びより先に効くのは、ふたが最後まで閉まっているか、傷や欠けがないかです。
容器の耐かじり性を評価する試験手法は存在し、鋼製容器はビニールやプラスチックより侵入されにくいとする専門機関の記述もありますが、家庭用の3材質を同一条件で順位付けした公的な比較試験は調べた範囲では見当たらないため、下表は特徴と使い分けの整理として見てください。

材質向いている食品扱いやすさ注意点
厚手プラスチック米、ペットフードなど重量のある食品軽く割れにくい薄い容器や角、傷のある部分は破られることがある
金属(缶・米びつ)米、小麦粉、乾麺重いが丈夫変形やさびでふたが浮くとすき間ができる
ガラス瓶ナッツ、種子、乾物など少量の食品中身が見える重く割れる。落下と欠けに注意

参考:CDC(Seal Up)UC IPM(House Mouse)ICWDM(Norway Rat Damage Prevention and Control Methods)(確認日:2026年8月)

6−2. ペットフードは元袋ごと密閉容器へ・夜間は出しっぱなしにしない

ペットの餌は、袋から出さずに元袋ごと容器へ入れる方法が実用的です。
FDAは、乾燥ペットフードを別の容器で保管する場合、可能なら元袋ごと容器に入れるよう案内しています。
直接移し替えるなら、清潔で乾燥し、ふたがしっかり閉まる容器を使い、ロット番号や賞味期限を控えておきましょう。
元袋を残せば製品を後から追えるため、体調不良が起きたときの確認が早く進みます。

食べ残した餌は、夜になる前に片付けてください。
ネズミが利用できる餌源を減らすことが目的で、皿の周囲にこぼれた粒も一緒に取り除きます。
一方、飲み水は常に用意しておきます。こぼれにくい器を清潔な場所に置き、周囲の水滴はふき取りましょう。
給餌・給水に獣医師の指示がある場合は、その指示が優先です。

参考:FDA(Proper Storage of Pet Food & Treats)FDA(Save Your Pet Food Lot Number!)

関連記事:ネズミは夜行性!家から追い出す方法や昼間どこにいるかまで解説

7. 自力の駆除で解決しないケースとプロ(専門業者)へ相談する目安

7. 自力の駆除で解決しないケースとプロ(専門業者)へ相談する目安

被害が軽く活動場所が特定できているなら、表示どおりのバネ式の罠、食品管理、侵入口のふさぎ込みは自分でも進められます。
判断の軸は日数ではなく痕跡の増減です。
次に当てはまるなら、専門業者への相談へ切り替えたほうが早く収まります。

  • 適切な位置と数で罠を運用しても、新しいフン・かじり跡・食害・足音が減らない
  • 侵入箇所や汚染範囲に安全に手が届かない(天井裏、壁の中、高所)
  • 空調の配管内に痕跡がある、または複数の部屋で同時に活動している
  • 死骸やフンの量が多く、健康被害のおそれがある

駆除のプロが最初に確認するのは、捕れた数ではなく配管の壁貫通部、換気口、基礎のすき間といった外周の開口部です。
保健所・自治体が対応できる範囲は地域ごとに異なり、助言や業者案内にとどまる場合もあります。

参考:CDC(Trap Up)国民生活センター(ネズミの予防と駆除)

7−1. 罠や餌が効かない原因の切り分け

効かない原因は一つに限りませんが、まず次の点を確認すると整理しやすくなります。

  1. 数が足りない:痕跡がある区画に1〜2個しか置いていない
  2. 場所が違う:壁沿いや通り道から外れている
  3. 代替食品が残る:ペットの餌や生ごみが同じ部屋にある
  4. 日数が足りない:警戒が解ける前に動かしている
  5. サイズ違い:体格に合わない罠を使っている

このほかにも、新しい物を避ける習性、餌の量や固定の仕方、作動部の感度設定、侵入が続いていること、罠を覚えて避ける学習など、関わる要因は複数あります。
上の5点に限定せず、現場の痕跡を見ながら見直してください。
1つずつ変えると原因が見えます。
全部同時に変えると、次に何を直すべきか分からなくなるため避けてください。

参考:UC IPM(Rats)CDC(Trap Up)

関連記事:ネズミは1匹いたら何匹いる?家から追い出す方法も解説

7−2. 罠と毒エサだけで駆除が終わりにくい理由(プロが見る侵入口・巣)

罠と毒餌は今いる個体を減らす手段で、入り口をふさぐ手段ではありません。
餌、水、隠れ場所、侵入口が残れば、別の個体が同じ経路で入ります。
配管の壁貫通部や換気口が開いたまま捕獲だけを続けると、一時的に静かになっても再侵入が起こり得るのです。

自分で進める場合は、罠の置き方を「5. 罠に使う餌の選び方と量」に沿ってそろえたうえで、餌の減り方と新しいフンの位置を毎日書き残してください。
この記録があると、原因が「場所」なのか「日数」なのかを後から切り分けられます。

当協会が受けた東京都新宿区の飲食店のご依頼では、営業中に厨房や客席へネズミが現れ、食材のかじり被害と保健所からの指導が重なっていました。
市販の罠や毒餌では効果が出ていなかったため、建物内外を調査して侵入経路を特定し、封鎖と駆除を実施した結果、被害は収束し衛生状態も改善しています。
一般に収束の判断は日数だけで決めず、封鎖後に新しいフンやかじり跡が出ない状態が続くかどうかを見ていきます。
侵入口の位置や必要な工事は建物ごとに違うため、同じ手順がそのまま当てはまるとは限りません。

捕獲、食品管理、侵入口の封鎖、巣材の安全な清掃をそろえることが、再発を止める条件になります。

関連記事:ネズミが天井にいる?うるさいカリカリ音の正体や理由を解説

7−3. 協会の無料相談でできること

当協会(一般社団法人日本有害鳥獣駆除・防除管理協会)は、害獣・害虫・害鳥に関する無料の電話相談を受け付けています。
扱う内容は、痕跡から考えられる動物の見当、自分で進められる範囲の整理、必要な場合の専門業者のご紹介です。
通話・相談は無料で、匿名でも構いません。
関東・中部・近畿・中国・四国・九州の各地域からご相談いただけます(中部地方は一部地域の対応です)。
2025年度までの実績では、電話相談のみで解決に至ったご相談が6,775件ありました(当協会集計・2026年3月時点)。

費用は害獣の種類、建物の広さ、被害状況、作業内容で変わります。
当協会がご案内している目安は、忌避剤や毒餌などの簡易的な対策で数万円、侵入口の封鎖まで含む再発防止型の防除で20万円〜50万円です。
高所作業などで足場の設置が必要な場合は、これに足場代が加算されます。
国民生活センターも、害虫・害獣駆除の料金は発生状況や作業内容によって大きく異なるとしているため、税込総額・施工範囲・保証条件をそろえて複数社の見積書を比べましょう。

参考:ネズミ駆除の費用相場(当協会)国民生活センター(害虫駆除サービスのトラブルに注意)国民生活センター(注意喚起)

関連記事:ネズミ駆除を業者に任せて「失敗した」「意味がない」と感じる人が多い理由を解説!

害獣被害のホットライン”
一般社団法人 日本有害鳥獣駆除・防除管理協会
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  • 処方法
  • 者選び
  • 獣の特定
無料相談窓口
害獣相談の受付担当者

8. ネズミの好きな食べ物に関するよくある質問

8−1. ネズミが嫌いな食べ物・寄せつけない食品はある?

家庭の食品やにおいだけで確実に寄せ付けなくする方法は確認できていません。
米国の防除ハンドブックは、超音波装置に抑制効果は証明されていないとし、忌避剤の価値も限定的だと整理しています。
柱になるのは侵入を防ぐ構造、清掃と整理、罠による削減です。

参考:Prevention and Control of Wildlife Damage Handbook(House Mice)

8−2. 何日痕跡がなければ収束と判断できる?

米国CDCは、1週間捕獲がなく新しいフン・尿・かじり跡もない状態を目安としています。
ただしクマネズミは新しい物を強く警戒し、数日から数週間罠を避ける個体があります。
警戒が強いと感じた家では、確認期間を長めに取ってください。

参考:CDC(Trap Up)UC IPM(Rats)

8−3. 子どもやペットがいる家庭では罠・毒餌をどう置く?

手の届かない区画に限定し、罠は保護箱の中など直接触れられない状態で使います。
殺鼠剤は製品ごとに用量や使用場所が異なるため、容器・添付文書の表示を厳守してください
日本国内の製品には、乳幼児・小児やペットが容易に近づける場所では使用しないよう求めているものがあり、設置箱(ベイトステーション)に入れればその場所で使えるとは限りません。
表示上その場所での使用方法が明確に認められていない場合は毒餌を使わず、罠の活用や専門業者への相談を選んでください。

参考:PMDA(殺鼠剤の審査報告書)EPA(Safely Use Rodent Bait Products)EPA(Choosing a Bait Station Product for Household Use)

9. まとめ:好物を知ることは「守る」と「相談する」の起点

今夜からできることは3つです。

  • ネズミの好物になりやすい米・パン・種子・油脂とペットの餌を、ふたの閉まる容器へ移す
  • 包装に穴がある食品を廃棄基準に沿って処分し、フンは湿らせてからふき取る
  • 痕跡のある壁際に、体格に合った罠を少量の餌で複数設置する

実施したら、1週間は毎日「新しいフン・かじり跡・足音」を記録してください。
減っていれば方向は合っています。
減らない場合、あるいは天井裏や壁の中に手が届かない場合は、自力の範囲を超えたと考えて構いません。
痕跡の写真とフンが出た位置のメモを用意してから当協会の無料相談窓口へご連絡いただくと、自分で進められる範囲と依頼すべき範囲をその場で切り分けられます。

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