白蟻の予防は無駄!?白蟻被害に遭った際にできることや駆除にかかる費用を解説

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白蟻は建物をボロボロにしてしまう害虫であり、被害を予防するには日ごろからの点検や対策が重要です。

しかし、ネット上で白蟻対策について検索すると「シロアリ予防 無駄」といったキーワードが出てくることもあります。

白蟻の被害を防ぐうえで、自身でできる予防はないのでしょうか。

本記事では、白蟻の被害を防ぐ方法だけでなく、被害に遭った際にできることや駆除にかかる費用について解説します。

白蟻の被害を危惧される方・実際に白蟻の被害に遭われている方は、本記事を参考に対処を講じてみましょう。

白蟻予防は必要?不要?予防の重要性について

結論からいうと、白蟻の予防はどのご家庭でも必須です。

本章では、白蟻予防の重要性や、白蟻の被害に遭いやすい・予防が必要な家についてご紹介します。

白蟻の予防が必要な理由

日本で防除の対象となっている白蟻は「イエシロアリ」と「ヤマトシロアリ」の2種類が主であり、どちらも土や木材に巣を作り・棲みつく習性があります。

そして、ターゲットとなる家や木材を見つけると、仲間を呼び寄せ建物の木材(建材)を食べてしまいます。

【イエシロアリの特徴】

  • 古い木材よりも新しい木材を好んで食べる
  • 食欲旺盛で繁殖力が強く、家全体に被害がおよびやすい
  • 屋根裏・床下・土の中などに大きな巣を作る

【ヤマトシロアリの特徴】

  • 湿った木材(古い木材)を好んで食べる
  • 庭や家の土台の湿って腐りかけている木材に集団で棲み着く傾向がある
  • 浴室や湿度の高い床下など、下部に被害が集中しやすい
  • 食欲は旺盛ではないため、被害はゆっくり進行し気づきにくい

家屋に被害を起こす白蟻の8割強がヤマトシロアリといわれています。

家屋には、柱や骨組みはもちろんのこと、家具やフローリングなど多くの場所で木材が利用されており、どんな家でも被害に遭う危険性があるでしょう。

そのため、白蟻の予防はほとんどの建物にとって重要であり、白蟻予防は家のメンテナンスの一つと考え、対応しておくと安心です。

白蟻の被害に遭いやすい家とは?

白蟻のエサとなるのは「木材」であり、特に木造住宅は白蟻にとっての格好のエサ場となります。

白蟻は風通しが悪い・湿気が高い・陽光があまり当たらない暗いところを好むため、この条件に当てはまる木造住宅は特に被害に遭いやすいといえるでしょう。

人によっては「うちは鉄筋コンクリートだから問題ない」と考える人もいるようですが、木造住宅とリスクはそう変わりません。

なぜなら、鉄筋コンクリート造りの建物であっても、柱や梁・家具やフローリングなどに木材が使用されているケースが多いからです。

また、周辺に木造住宅の建物がある、近くに山林があるといった場合、エサを求めて白蟻が侵入してくる可能性もあります。

白蟻の予防は不要という声もありますが、被害を未然に防ぐためにも予防しておくに越したことはありません。

白蟻予防をしなかった場合の弊害とは?

もし白蟻予防をしなかった場合、建物が倒壊してしまうリスクが高まります。

「いくらなんでもそう簡単に建物は倒壊しないでしょう?」と思うかもしれませんが、日本は地震大国と呼ばれるほど地震の発生率が高いため、白蟻の被害と地震が合わさってしまうと倒壊する危険性が極めて高くなってしまいます。

実際、1995年に発生した阪神淡路大震災では、数多くの住宅が地震によって倒壊しました。

震災後に、被害確認のため専門チームによる調査がおこなわれたところ、以下が判明しています。

  • 白蟻被害のある住宅は、8割が倒壊している
  • 白蟻被害のない住宅の倒壊は、2割ほど

もちろん、白蟻の予防をしたからといって地震による倒壊を100%防ぐことはできませんし、現在は地震に強い家造りとして建築技術も大きく進歩しています。

しかし、地震の発生率も増加していることは確かであり、2024年1月に発生した「令和6年能登半島地震」のように大規模が地震がいつ発生するかもわかりません。

白蟻を予防することは、建物倒壊のリスクを減らし、多くの人命を救うことにつながるといえるでしょう。

新築なら白蟻対策は不要?

新築の場合、白蟻予防の薬剤処理が施されるため、新築に住んですぐの対策は必要ないケースが多いでしょう。

ただし、薬剤の有効期間は約5年ほどで、時間が経つほど薬剤の効果は薄れていきます。

そのため、5年を目安に予防対策を講じたほうが安心といえます。

白蟻予防の具体的な方法とは?

白蟻の被害は、床下・壁の中といった人の目に見えない場所で進行することがほとんどです。

そのため、気付かぬうちに床下の土台や木材の中を食害し、被害が拡大していく恐れがあるでしょう。

こういった被害から大切な家を守るには、定期的に点検や予防消毒を実施する必要があります。

業者に依頼すれば、床下・家の中・家の外回りなどさまざまな箇所を徹底的にチェックし、白蟻の発生を早期に対処してくれます。

万が一白蟻が発生しても、早期に駆除すれば駆除や修繕にかかる費用を安く抑えることができるでしょう。

また、白蟻の防除を業者に依頼した場合、薬剤の効果が切れるまでの5年間ほどを目安に、保証期間が設けられているケースもあります。

保証内容が充実している業者であれば、保証期間内は無料で毎年点検をしてもらえるサービスが受けられることもあるため、うまく活用してみましょう。

害虫駆除業者に依頼した際の費用はどのくらい?

害虫駆除業者に予防・駆除を依頼する場合、数万円~数十万円の費用が発生します。

本章では、害虫駆除業者に予防・駆除を依頼した場合の費用相場についてご紹介します。

業者に「白蟻予防」を依頼する際の費用相場

白蟻予防にかかる費用相場は、一軒家の床面積30坪で一回あたり30万円ほどです。

もちろん、家の広さや依頼する業者によって予防にかかる費用は変動します。

いずれにせよいえることは「駆除よりも予防のほうが、かかる費用は少ない」ということです。

予防対策を依頼しなければ、かかる費用は0円です。

しかし、年数が経つほど白蟻被害のリスクは高まり、被害に気付かず年数が経過するほどに、白蟻駆除・建物の修繕にかかる費用は膨れ上がっていきます。

「お金がかかる」「依頼するのが面倒」といった理由で対策をしていないご家庭も少なくありませんが、できることなら定期的に白蟻予防をおこなうことをおすすめします。

「白蟻駆除」の業者依頼時の費用相場

白蟻の被害に遭ったあとに駆除を依頼した場合、一軒家の白蟻駆除にかかる費用相場は以下のようになります。

【地場業者】

  • 1平米あたり:1,000円台前半
  • 1坪あたり :4,000円前後

【中規模業者】

  • 1平米あたり:2,000円弱
  • 1坪あたり :6,000円前後

【大手業者】

  • 1平米あたり:3,000円弱
  • 1坪あたり :10,000円弱

上記は、白蟻駆除のもっとも一般的な方法である「バリア工法」でおこなった場合の相場です。

あくまでも駆除にかかる費用のため、もし修繕・リフォームが必要な場合は、別途費用が加算されます。

なお、予防の場合は基本的に「点検」だけで済むため、さほど手間はかかりません。

しかし、駆除・修繕・リフォームとなれば費用が高額になるだけでなく、作業にかかる手間や日数も増大します。

シロアリ予防をおこなうことで、補修・リフォームを回避できたり、最小限に抑えることが可能です。

できるだけ建物を長く・良い状態で保つためにも、定期的に白蟻予防を業者に依頼することをおすすめします。

要注意!防除にかかる費用は条件によって変動する

白蟻の予防・駆除・修繕にかかる費用は、条件によって変動します。

  • 予防か、駆除か
  • 依頼する業者やサービス内容
  • 対応する敷地面積
  • 被害状況 など

まず、被害が軽微であるほど費用は安く抑えられ、被害が拡大するほどかかる費用は高額となります。

そのため、被害を危惧される方は、できるだけ早めに業者に相談すべきといえるでしょう。

加えて、依頼する業者によって防除にかかる費用、そしてサービス内容にも大きな違いがあります。

なかには悪徳業者の類も存在し、いい加減な作業で高額な防除費用を請求してくるケースもあるでしょう。

業者に依頼する際は、3~4社から見積もりを依頼し、複数社を比較したうえで依頼する業者を決定することをおすすめします。

自身でできる白蟻の予防法とは?

業者に依頼するには数万円~数十万円の費用が発生するため、「できる範囲だけでも自身で予防したい」と考える方もいるでしょう。

本章では、自身でできる白蟻の予防法についてご紹介します。

予防法①:木材を置きっぱなしにしない

庭や物置などに、白蟻のエサとなる木材を放置しないようご注意ください。

特に、ダンボールは古紙とパルプ(木材)が原料であることが多く、白蟻予防をするうえでダンボールの放置は厳禁です。

ダンボールをためておくと、ゴキブリなど他の害虫のエサにもなり得るため、不要なダンボールはすぐに処分することをおすすめします。

「いつか処分しよう」と思って放置していると、さまざまな害虫を呼び寄せる原因となってしまいます。

また「憧れの一軒家におしゃれなウッドデッキを…」という方もいますが、ウッドデッキが白蟻のエサにならないよう注意が必要です。

ウッドデッキや木製のプランターには防腐剤を塗布しておきましょう。

予防法②:日当たりや風通しをよくする

白蟻は湿気を好むため、特に以下の場所には注意が必要です。

  • 床下や日の当たらない(当たりづらい)場所
  • キッチン・浴室などの水回り など

基本的に、家の中は風通しと日当たりをよくすることをおすすめします。

床下は通気口を設け、調湿効果のあるものを置くといった対策を取るとよいでしょう。

予防法③:雨漏れ・水漏れをチェックする

白蟻は湿気の多い箇所を好むため、その場所を経由して白蟻が家屋に侵入してくる可能性があります。

可能であれば、半年~1年に一度くらいの頻度で、建物内で水漏れ・雨漏れしている箇所がないかをチェックしておきましょう。

もし、水漏れ・雨漏れしている箇所を見つけた場合は、早急に対処を施しましょう。

予防法④:防除剤や木材防腐剤を利用する

白蟻の防除はプロの業者に任せるのが一番手っ取り早く、かつ正確です。

しかし、まだ白蟻が発生していない時点での「予防」であれば、市販の防除剤を散布するのも有効な手段といえます。

なかには木材の防腐剤が入っているタイプもありますので、それを利用したほうがより効果は高まるでしょう。

防除剤・木材防腐剤を散布する場所としては、主に以下が挙げられます。

  • 床下
  • 木製プランター
  • 物置の下
  • ウッドデッキ周辺 など

ただし、市販の防除剤は業務用に比べ効果が切れるのが早いため、3ヶ月~半年に一度など、定期的に薬剤を散布することをおすすめします。

白蟻予防に関するよくある質問

本章では、白蟻の予防に関するよくある質問をご紹介します。

白蟻発生の可能性があるサインは?

白蟻発生の可能性があるサインとしては、主に以下が挙げられます。

  • 4〜7月にかけて、羽アリが一斉に飛び出している場所がある
  • 蟻道や蟻土が住宅周辺にある
  • 壁や柱を叩くと空洞音がする
  • 敷居や枠が軟らかくなっている
  • 床がふわふわしている
  • 踏むと、軋むような音がする など

上記のような現象が起こっている場合は、白蟻が棲みついている可能性があるでしょう。

白蟻予防に適した時期ってある?

白蟻の防除をおこなううえで、薬剤散布に適しているのは「3〜5月の快晴で風が弱い日」です。

ヤマトシロアリは4〜5月に羽アリとして一斉に飛び立ち、イエシロアリは6〜7月に羽アリとして移動します。

そのため、3〜5月の快晴かつ風が弱い日に薬剤を散布することで、多くの白蟻を撃退できる可能性が高まるでしょう。

ただし、上記は羽アリ撃退時の話であり、白蟻予防は「木材を放置しない」「風通しを良くする」といった日々の習慣が重要です。

日々の習慣を徹底しつつ、適切な時期に薬剤を散布することで、より防除効果が高まることでしょう。

白蟻が湧く理由はなに?

白蟻が発生する原因は、主に「床下の湿気」「木材の腐食」「日陰」の3つです。

白蟻の発生は普段の生活のなかでも非常にささいな変化のため、気づかないうちに被害が拡大しているケースも多いでしょう。

自身でできる対策を適宜おこない、それでも不安を感じる方は、早め早めにプロの業者に相談することをおすすめします。

白蟻が嫌がるもの・弱点・天敵はなに?

白蟻の天敵は意外に多く、一番の天敵とされているのが「黒蟻」です。

黒蟻は白蟻を見つけると、団体で囲い込んで食べたり、自分の巣まで引きずり込んでから食べたりします。

また「蜘蛛」も天敵の一つに挙げられるでしょう。

クモは肉食であり、白蟻だけでなくハエやゴキブリなど、人によって害虫といわれるのも捕食してくれる「益虫」に分類されます。

クモは、その見た目から不快害虫に分類されるものの、基本的には人体に害を与える害虫でないことがほとんどです。

他にも、白蟻にとって天敵となる生物はたくさんいます。

  • カエル
  • ヤモリ
  • トカゲ
  • モグラ
  • ツバメ
  • 蛇 など

シロアリは栄養価が高く、かつ攻撃性も低い昆虫のため、肉食性の生物たちにとっては格好の餌になりやすいといえます。

上記でご紹介した白蟻の天敵と呼べるものは、人々の生活圏にも多く潜んでいる生き物たちです。

しかし、それでも白蟻の被害がなくなることはありません。

その理由は「天敵に狙われづらい場所に生息していること」と「繁殖力が高い」ことが挙げられます。

自然界に生息する生き物でも白蟻を見つけるのに苦労することから、人間が白蟻を発見し根絶することは困難を極めるでしょう。

害虫駆除に不慣れな方であるほど対処は難しくなるため、被害を心配される方は、早めにプロの業者に相談することをおすすめします。

まとめ

家屋に棲みつく白蟻の根絶はプロの業者でも難しいため、棲みつかれる前に予防するのが好ましいといえます。

自身で予防することもある程度は可能ですが、被害を危惧される方は早めにプロの業者に依頼するのがよいでしょう。

ただし、業者によって防除費用やサービス内容は異なるため、相見積もりを取ったうえで、自身が安心・納得できるところに依頼することをおすすめします。

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