白蟻駆除に適した時期はいつ?発生時期や兆候を理解し適切な対処を実施しよう!

害獣・害虫別

白蟻は、家屋に浸入し建材を食す害虫の代表格であり、棲みついた白蟻を放置するほど被害は甚大なものとなっていくでしょう。

この白蟻が発生しやすい時期・兆候には、どういった特徴があるのでしょうか。

本記事では、白蟻が発生しやすい時期や発生時の兆候、具体的な対処法についてご紹介します。

白蟻駆除をおこなう際の「工法」には種類があるため、その違いを理解しながら、適切な対処を実施していきましょう。

白蟻駆除に適した時期はあるの?

本章では、白蟻駆除に適した時期についてご紹介します。

白蟻は一年を通して活動する生き物である

白蟻は他の昆虫のように休眠をせず、一年中活動し、一年中卵を産みます。

極端に暑い夏場や、極端に寒い冬場は動きが鈍くなることはあるものの、建物内は極端な寒暖差がないため、よほどのことがない限りは人の生活圏に潜む白蟻の動きが鈍くなることはほとんどないでしょう。

白蟻は春から夏にかけて目撃しやすい

白蟻の一年を通した一般的な活動の流れは、主に以下の通りです。

  • 春:活動が活発になり、羽アリが発生し始める
  • 夏:猛暑日など気温が高い日は活動が鈍くなり、涼しい場所で生活する
  • 秋:活動が活発になる
  • 冬:気温が低い日は活動を停止する

白蟻の活動は主に気温に左右されており、もっとも活発に動くのは約12~30℃ほどといわれています。

特に白蟻を目にしやすいのは、羽蟻が発生しやすい春~夏にかけてといえるでしょう。

白蟻は一年を通して繁殖行動をおこなっており、巣の中の個体が増えすぎると羽蟻を飛ばして巣の中にいる蟻の数を減らそうとします。

そして、巣から飛び出した(群飛)羽蟻は、オスとメスが対となって別の場所で新たなコロニーを作り、繁殖していくのです。

種や地域によって群飛の時期は多少異なりますが、多くは4月~7月ごろが多いといえ、この時期がもっとも白蟻を目撃しやすい時期となります。

羽蟻を見かけたら白蟻の存在に注意しよう

白蟻の翅は取れやすいことが特徴に挙げられ、羽蟻自身さほど長距離を飛ぶこともできません。

そのため、白蟻・羽蟻もしくは大量の翅が落ちているのを確認した場合は、すでに付近に白蟻の巣ができている可能性が高く、これらを目にした場合は早急な対処をすべきといえるでしょう。

なお、日本で防除の対象となっている白蟻は「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種が主であり、各羽蟻の発生時期には多少のズレがあります。

  • ヤマトシロアリ:群飛は4月下旬~5月ごろ(東北エリア~北海道エリアにかけては6月ごろ)に発生しやすい
  • イエシロアリ :群飛は6月~7月頃に発生しやすく、夕方から夜にかけて起こりやすい

白蟻は主に地中で活動しており、上記の羽蟻が発生しやすい時期を除くと、ほとんど目にすることはありません。

しかし、目に見えていなくても地中や木部に作った巣や蟻道の中で活動していることが多く、気づかぬうちに巣が大きくなっていたというケースも考えられます。

白蟻の発生を確認しやすいのは羽蟻が出現しやすい春~夏の時期であり、もし羽蟻や大量の翅を目にした場合は、迅速な駆除をおこなう必要があります。

当てはまったら要注意!白蟻侵入のサイン

普段目にすることが少ない白蟻ですが、目に見えないところで白蟻の被害は広がっているかもしれません。

本章では、白蟻侵入のサインをご紹介します。

「蟻道」ができている

蟻道の特徴は「コンクリート部分が土で盛られたような状態(道)になっている」「砂の線ができている」などであり、蟻道を一カ所でも見つけた場合は、早急な対処が必要といえるでしょう。

白蟻の被害を放置すると、建物の木材がどんどん食べられ、家の寿命が大きく縮んでしまうため要注意です。

床や柱をたたくと空洞音がする

白蟻の侵入が気になる方は、家の床や柱などを軽く叩いてみましょう。

もしポコポコといった中身が抜けているような空洞音がする場合は、白蟻が発生している可能性が高いといえます。

その理由は、白蟻が建材を食べ、中身がスカスカになっているからです。

この場合、白蟻の食害によって家の耐久性が落ちている可能性は非常に高いため、早急な対処が必要といえるでしょう。

羽蟻の確認もしくは大量の翅が落ちている

上述の通り、羽蟻がいることは付近に白蟻が潜んでいる可能性が高いことの証明となります。

また、白蟻の翅は非常に落ちやすく、大量の翅が確認できた場合も付近に白蟻がいる可能性は高いでしょう。

羽蟻は種類によって特徴が異なるものの春~夏の時期にかけて発生する可能性が高いため、この時期は適度に家の周辺を確認し、羽蟻の存在にも注意しておくことをおすすめします。

付近で白蟻の被害が報告された

お隣の家や近所で白蟻被害が確認できた場合は、自身がお住いの家屋にも白蟻がやってくる可能性があります。

白蟻の被害は人の目の届かない場所で拡大するため、他人事と捉えていると痛い目をみることもあるでしょう。

周囲で白蟻の被害が発生した場合は、万が一に備えて点検や予防作業を徹底しておくことをおすすめします。

白蟻駆除の「工法」について

本章では、それぞれの工法の特徴についてご紹介します。

「バリア工法」とは?

バリア工法とは、床下の木部や土に薬剤を散布し、白蟻の防除をおこなうものです。

季節に関係なく一年を通して効果が期待できるため、白蟻防除のなかでもっとも一般的な工法といえるでしょう。

バリア工法のメリット・デメリットとしては、以下が挙げられます。

【バリア工法のメリット】

  • 比較的安価に工事ができる
  • 即効性がある など

【バリア工法のデメリット】

  • 家によっては、床下に入るための点検口を設置する必要がある
  • 化学物質過敏症の方は、専門医への相談が必要 など

バリア工法で使用される薬剤は、人体への安全性が確保されたものであり、揮発性もほとんどなく臭いもあまり気になりません。

施工中であっても普段通りの生活をしていても問題ありませんが、匂いや薬剤に敏感な方であれば、多少気になるケースもあるかもしれません。

バリア工法の費用相場は一坪あたり約6,000円~8,000円です。

ただし、費用は被害状況や依頼する業者によって大なり小なり異なるため、バリア工法の特徴も含め、念のため依頼前に詳細を確認しておいたほうがよいといえるでしょう。

「ベイト工法」とは?

ベイト工法とは「ベイト剤」という白蟻が好む素材を毒餌として使用する方法です。

毒餌で白蟻を誘い込み、それを巣に持ち帰って仲間と食べることで、巣にいる白蟻ごと駆除する効果が期待できます。

ベイト工法は白蟻の行き来が盛んなほど効果が発揮されるため、活動が活発となる4月~9月ごろにおこなうのがよいでしょう。

費用相場は一坪あたり約10,000円~25,000円ほどで、バリア工法よりも高額になるケースが多いとされています。

ベイト工法の特徴は、以下の通りです。

【ベイト工法のメリット】

  • 床下に入るための点検口がなくても駆除できる
  • 臭いがない など

【デイト工法のデメリット】

  • 工事費用が高額になりやすい
  • 年に一回はベイト剤の補充を必要とする
  • 効果が出るまで時間がかかる(1~3ヶ月くらいが目安) など

ベイト工法の場合、効果が出るまで一定の期間が必要であったり、毒餌を補充する手間や費用を必要とします。

ただし、バリア工法のように建材などに直接薬剤を散布するわけではないため、薬剤散布のために建物を一切傷つける必要がありません。

小さなお子さんやペットなどが誤飲するリスクも少ないため、総じて安心・安全に利用できるといえるでしょう。

白蟻の予防はどのくらいの頻度でおこなうべき?

白蟻対策は、建築基準法で義務付けられているため、新築時には薬剤塗布など処置がおこなわれています。

しかし、薬剤の有効期間は5年ほど、かつ時間が経過するほど効果は弱まるため、新築・予防のどちらでも5年ほどを目安に点検を実施すべきといえるでしょう。

また、ベイト工法の場合は年に一回はベイト剤がなくなっていないかの確認と補充が必要です。

白蟻は一年中活動しており、一度予防対策をしたからといって未来永劫その効果が続くことはありません。

薬剤の効果が切れるタイミングを把握しておき、定期的に予防をおこなうことが最善の白蟻予防となるでしょう。

白蟻の防除は害虫駆除業者に相談しよう!

ここまでにご紹介した通り、白蟻は人の目の届かない場所に巣を作り繁殖するため、気づいたときには被害が拡大していることも多いでしょう。

被害が甚大となるほど駆除費用や建物の修繕費用がかかるため、駆除ではなく予防時点から業者に依頼したほうが安心といえます。

また、依頼を検討される方は、害虫駆除業者の繁忙期にも注意しておきましょう。

春~夏にかけて羽蟻の発生が多くなり、業者も繁忙期を迎えます。

この時期は予約が取りづらくなったり、費用がいつもより高額になりやすいため、できれば羽蟻の発生時期を避けて依頼することをおすすめします。

シロアリの防除に適した時期は特にありませんが(被害が確認できればすぐに対処すべき)、新築であれば5年ほど、すでに防除を実施しているなら薬剤の効果が切れるタイミングで依頼するのがベストといえるでしょう。

白蟻の発生を予防する方法とは?

本章では、白蟻被害を予防する方法をご紹介します。

日ごろからの予防を意識していれば、白蟻の侵入確率を減らし、被害を未然に防ぐことができるでしょう。

普段から自身でできる対策を実施し、さらに安全性を高めるために一定期間ごとに業者に点検を依頼するのが理想といえます。

白蟻のエサとなるものを片付ける

特に、木材(パルプ)が原料となっているダンボール・新聞紙は家の中に置きっぱなしとなるご家庭も多いため、適度に処分することをおすすめします。

白蟻のエサとなり得るものを極力なくすことが、白蟻対策の第一歩となります。

日当たりをよくし・換気を徹底する

白蟻は、日光に弱く・日が当たらないジメジメした環境(湿気の高い場所)を好みます。

日当たりが悪い家は湿気が溜まりやすいことから、総じて白蟻が発生しづらくなるでしょう。

白蟻の被害を予防するには、家の中の日当たりを良くし、換気を徹底して湿気を溜まりにくくすることが重要です。

湿気が溜まりやすい場所の一つとしては、浴室が挙げられます。

カビが生えていない状態を維持することは「乾燥がしっかりされている」ことの証明となるため、特に浴室は換気扇を適切に使用し湿気を防ぐとよいでしょう。

換気扇のフィルターを定期的掃除したり、ホコリフィルターを利用するなどして、換気効率を下げないようにすることが重要です。

また、押入れの襖を開けて適度に換気する・基礎通気孔を塞がないという点も意識しておきましょう。

たとえば、基礎通気孔の前に物や鉢などの荷物を置いてしまうと、通気孔を塞ぎ床下の換気が滞る可能性が高まるため、白蟻が発生しやすくなります。

雨漏り・水漏れを放置しない

雨漏りや水漏れをそのままにしていると、柱や床の木材が湿った状態が続きます。

人間の家は気温・湿度が白蟻にとっても過ごしやすい環境のため、雨漏り・水漏れを放置することで、より白蟻が住み着きやすくなります。

水分を多く含んだ木材は白蟻の大好物となるため、放置せずに早めに修繕をおこないましょう。

断熱材の白蟻対策も検討する

住宅の断熱対策のなかでも、特に「基礎断熱」は白蟻の被害に遭いやすいため、あらかじめ予防をしておくと安心です。

基礎断熱のシロアリ対策としては「防蟻加工断熱材」「防蟻メッシュ」が挙げられます。

  • 防蟻加工断熱材:忌避効果のある薬剤などを断熱材に練りこむことで、白蟻を寄せ付けにくくなる
  • 防蟻メッシュ :網目の細かい金属製のメッシュを設置することで、断熱材を守ることが可能

防蟻メッシュは薬剤を使用しないので、健康被害が出ないうえに一度設置すれば再施工の必要もありません。

白蟻が発生していないかを定期的にチェックする

白蟻の予防を実施しても、時間の経過とともに効果は薄れてしまうため、白蟻が発生していないかどうかを定期的にチェックすることも重要です。

白蟻の点検は自身でおこなうこともできますが、発生箇所の多くが普段人が足を踏み入れることがない床下や天井裏のため、なんの対策もなしに浸入すると怪我や感染症などのリスクが発症する恐れもあります。

また、白蟻発生の症状などを素人が判別することも難しく・手間も発生するため、基本的にはプロの業者に点検を依頼したほうが安心といえるでしょう。

白蟻の防除に関するよくある質問

本章では、白蟻駆除に関するよくある質問をご紹介します。

業者選びで注意するポイントは?

害虫駆除業者にもさまざま種類が存在し、かつ費用やサービス内容は業者によって異なります。

複数の業者に現地調査・見積もりを依頼することで、費用・サービス内容・スタッフの対応の良し悪しを比較でき、より自身が納得できる業者を選びやすくなるでしょう。

また、業者を選ぶ際は、安さだけでなく作業内容や保証にも目を向けることをおすすめします。

安さだけをウリにしている業者は、安い代わりになにかが疎かになっている可能性があります(作業が不十分ですぐに被害が再発する・保証がなく再発時に高額な駆除費用がかかるなど)。

なかには悪徳業者の類も存在するため、費用だけでなく、総合的に判断して自身が安心できる業者に依頼してみましょう。

現地調査・見積もりまでは無料で対応してくれる業者も多いため、できれば3~4社ほどから見積もりを依頼し比較することをおすすめします。

白蟻駆除に補助金は出る?

白蟻の駆除をプロの業者に依頼すると、作業面積や被害状況によって金額が変動するものの、おおよそ数十万円程度の高額な費用がかかります。

決して負担は少なくないため、補助金などを活用して、少しでも費用を軽減できないかと考える方も多いのではないでしょうか。

残念ながら、白蟻駆除にかかる費用は、国や自治体から支給される補助金や助成金の対象外となることがほとんどです。

場合によっては火災保険が適用されるケースも極稀にあるようですが、保険を適用させるには「災害が発生する前に木材の腐朽やシロアリ被害がなかったことの証明」が必要となります。

そのため、白蟻の防除にかかる費用を抑えるには、業者選びを徹底しておこなうことが重要といえるでしょう。

ただし、被害を受けた住宅の改修に補助金を用意している・害虫・害獣被害の相談に乗ってくれる自治体は少なからずあります。

気になる方は、お住いの自治体の公式サイトや問い合わせなどで確認を取ってみるのもよいでしょう。

まとめ

白蟻を地上で目撃するのは、主に春から夏にかけての羽蟻が飛ぶ時期のみです。

しかし、白蟻自体は地中や木材内部などの巣の中で一年中活動を続けているため、目に見えていない場所で被害が進行している可能性もあります。

素人では白蟻の防除を徹底しておこなうことが難しいため、被害を危惧される方は定期的にプロの業者に点検を依頼することをおすすめします。

被害を早期発見できれば防除にかかる費用を抑えることができ、かつ大切な家の劣化を遅らせることができるでしょう。

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