「屋根裏やベランダにコウモリが住み着いて困っている」「夜になるとバサバサ音がして怖い」そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?
コウモリは一度住み着くと毎年同じ場所に戻ってくる習性があるため、早めの対策が大切です。
本記事では、コウモリ対策に使われる代表的な忌避剤の種類と使い方を詳しく解説します。使用のタイミングや注意点、プロに依頼する際のポイントまで分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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- 害獣の特定

1. コウモリ対策に使われる忌避剤の種類

コウモリ対策には、「追い出す」と「寄せつけない」の2つのステップが必要です。忌避剤は、どちらの目的にも使える万能なアイテムです。
種類によって成分・持続時間・使用場所が異なるため、それぞれの特徴を理解して使い分けると良いでしょう。
1-1. スプレータイプの忌避剤
スプレータイプは、最も手軽に使用しやすい即効型の忌避剤です。
コウモリの通り道やフンが見られる場所に直接噴射するだけで、強い匂いによって一時的にコウモリを追い払うことができます。
成分には、メントールなどが配合され、嗅覚の鋭いコウモリには強烈な刺激となります。
ただし、スプレーの効果は1週間前後と短期間で、雨風の影響を受けやすいため、こまめな再噴射が必要です。
スプレーとしても使用できる木酢液については、以下の記事で詳しく解説しています。
1-2. 吊るすタイプの忌避剤
吊るすタイプは、袋状・カプセル状の容器に忌避成分を封入し、ベランダや軒下に吊るすだけで設置できるというお手軽タイプです。成分が空気中にゆっくり広がり、広い範囲に嫌な匂いを拡散します。
効果は1か月程度持続するものが多く、メンテナンスが少ないのがメリットです。
ただし、風通しの良い場所では匂いが拡散しすぎて効き目が弱まることもあるため、風下ではなく出入り口付近の高所に吊るすとより効果的です。
1-3. ジェルタイプの忌避剤
ジェルタイプは、忌避成分をペースト状にしたもので、コウモリが休む壁の角や隙間の縁などに直接塗って使用します。塗布すると、強い匂いと刺激でコウモリが寄りつかなくなります。
一度やってきたコウモリを再び寄せつけない効果が高く、持続期間も2〜3か月(長いものでは1年)と長めです。
ただし、日光や熱で溶けたり埃が付いたりすると効果が落ちるため、雨の当たらない屋根裏・換気口周辺などに使うと良いでしょう。
1-4. くん煙タイプの忌避剤
くん煙タイプは、広範囲から一斉にコウモリを追い出すときに活躍します。
水を注ぐことで薬剤が煙となり、天井裏や床下まで行き渡ります。自力で手の届かない空間を処理できるのが大きなメリットです。
使用後は十分な換気を行い、人やペットの立ち入りを一定時間控えましょう。
1-5. 固形タイプの忌避剤
固形タイプは、薬剤を容器に入れて設置するタイプで、スプレータイプやくん煙タイプに比べて効果が長持ちする忌避剤です。
設置後は置いておくだけで良いため、ベランダ・倉庫・車庫などでの侵入予防に適しています。
匂いが穏やかなタイプも多いため、人の生活スペースが近い場所でも使いやすいのが特徴です。ただし、すでに巣が作られている場所は効果が薄いため、他の忌避剤や封鎖作業と併用するのが良いでしょう。
2. 忌避剤を使うのにおすすめなタイミング

コウモリの行動パターンや繁殖サイクルを理解したうえで忌避剤を使うと、より効果的に追い出すことができます。特に、季節と時間帯を意識することが大切です。
ここでは、忌避剤を使用するのに最適なタイミングを詳しく見ていきましょう。
2-1. 春と秋に駆除を行う
コウモリの駆除や忌避剤の使用に最も適しているのは、春(4〜6月頃)と秋(9〜11月頃)です。
春は冬眠から目覚めたコウモリが、新しい住処を探し始める季節です。このタイミングでスプレータイプや吊るすタイプの忌避剤を使用すれば、侵入を防ぐ予防策として効果を発揮します。
また、秋は子育てを終えたコウモリが巣立ち、冬眠の準備を始める時期です。巣の中に子コウモリが残っていることが少ないため、安全に追い出しやすい季節といえます。
一方、夏(7〜8月頃)は繁殖期のため、巣の中に子コウモリがいることが多いです。この時期に忌避剤を使うと、親が逃げても子どもが残り、子コウモリが屋内で死んでしまうなどのトラブルに繋がる恐れがあります。
また、冬(11〜3月)は冬眠期に入るため、コウモリの活動がほとんどなく、忌避剤を使用しても追い出し効果が出にくい時期のため、忌避剤の使用はおすすめできません。
したがって、「春と秋」が最も効果的な駆除シーズンです。季節を誤ると効果が下がるだけでなく、法的トラブルにも繋がるため、時期選びは慎重に行いましょう。
2-2. 夕方に駆除を行う
忌避剤を使用する時間帯として最もおすすめなのは、夕方(17〜19時頃)です。この時間帯はコウモリが活動を始め、巣の外へ飛び出すタイミングであるため、日中よりも駆除がしやすいといえます。
作業を行う際は、防護手袋やマスクを着用し、忌避剤を使用したあとは侵入口をすぐに塞ぎましょう。
3. コウモリ対策を行う際の注意点

コウモリは「害獣」として扱われることが多い一方で、法律によって保護されている野生動物でもあります。そのため、間違った方法で忌避剤を使うと、思わぬトラブルや健康被害に繋がる可能性があるため、注意が必要です。
ここでは、特に注意すべき2つのポイントを解説します。
3-1. 鳥獣保護法を遵守する
日本では、コウモリは「鳥獣保護法」によって保護対象とされています。
そのため、コウモリを許可なく捕獲・殺傷する行為は原則禁止されており、違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
つまり、忌避剤を使って「追い出す」ことは問題ありませんが、「殺す」「閉じ込める」といった行為は法律違反になる恐れがあるため、注意が必要です。
鳥獣保護法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
参考:e-GOV法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」
3-2. 絶対に手で触れない
コウモリは一見小さく害がないように見えますが、素手で触るのは非常に危険です。
コウモリの体には、ウイルスや細菌、寄生虫などが付着している場合があり、それらが人間に感染する恐れがあります。特に、ヒストプラズマ症や狂犬病ウイルスなどの感染症には注意が必要です。
ヒストプラズマ症はコウモリのフンに含まれる菌が乾燥して空気中に舞い上がり、それを吸い込むことで肺炎のような症状を起こす病気です。また、日本ではコウモリを媒介した狂犬病の発症例はないものの、海外では確認されています。
このような健康被害を避けるためにも、忌避剤を使う際は、マスク・手袋・保護メガネなどを装着して作業を行いましょう。
コウモリが原因の健康被害については、以下の記事でも詳しく解説しています。
4. 本格的な駆除はプロに依頼することを推奨

忌避剤は手軽で効果的な方法ですが、残念ながら一時的な追い出しや予防対策にとどまるケースが多いのが実情です。特に、屋根裏や壁の中に巣ができている場合、個人で完全に封鎖するのは非常に難しいといえます。
また、コウモリ駆除の過程でコウモリやフンに素手で触れることはとても危険です。コウモリの体や排泄物には、細菌・ダニなどの病原体が含まれている可能性があり、誤って触れると感染症のリスクがあります。
その点、プロの駆除業者であれば、まず現地調査によって「どこから侵入しているか」「どの種類のコウモリか」「何匹いるのか」を正確に把握します。
その上で、忌避剤による追い出し→侵入口の封鎖→フンや尿の清掃・除菌という一連の作業を、安全かつ法令に沿って行ってくれるのです。
自分で忌避剤を使ってもすぐに戻ってくる場合や、コウモリによる被害が長期化している場合は、早めにプロへ依頼を検討しましょう。
5. コウモリ被害でお悩みなら協会の無料相談をご活用ください

「何度忌避剤を使っても戻ってくる」「天井裏で鳴き声がするけれど場所がわからない」そんな時は、ぜひ「日本有害鳥獣駆除・防除管理協会」の無料相談をご活用ください。
日本有害鳥獣駆除・防除管理協会は、コウモリをはじめとした鳥類・害獣による家屋被害に対し、安全で安心な生活環境を守るための防除・管理を専門とする団体です。
経験豊富な担当者が状況を聞き、効果的な対策のアドバイスや専門業者探しをお手伝いします。全国の信頼できる登録業者を紹介してもらえるため、悪質な業者トラブルを避けられます。
「こんなことを聞いても良いのかな?」と思うような内容でも、もちろん大丈夫です。ぜひお気軽にご相談ください。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定

まとめ
コウモリは家の小さな隙間から侵入し、フン害や衛生被害をもたらす厄介な存在です。しかし、忌避剤を正しいタイミング・正しい方法で使えば、自力でも一定の効果を上げることが可能です。
特に、春と秋の活動期に、夕方の時間帯を狙って使用することで、追い出しの成功率が上がります。一方で、夏の繁殖期や冬の冬眠期は避けること、そして鳥獣保護法を必ず守ることが大切です。
日本有害鳥獣駆除・防除管理協会では、無料相談を行っているため、コウモリの被害でお困りの際はぜひ一度ご相談ください。
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