コウモリを罠で捕獲してはいけない?合法的な対策を解説

コウモリ

「コウモリを罠で捕まえてしまおう」と考えていませんか?しかしコウモリは法律で保護されており、個人が罠で捕獲することは法律違反となります。

本記事では、コウモリを罠で捕まえてはいけない理由について詳しく解説します。合法的かつ安全に行える対策やコウモリ対策を行う際の注意点まで分かりやすく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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1. コウモリを罠で捕獲するのは法律違反

結論として、コウモリを罠で捕獲することは違法行為にあたります。「迷惑だから捕獲しても良いだろう」と安易に実行すると、思わぬ法的トラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。

ここでは、具体的な法律上の位置づけと、限られた例外について詳しく解説します。

1-1. 鳥獣保護管理法で捕獲が禁止されている

日本で一般的に見られるアブラコウモリをはじめ、国内に生息するコウモリはすべて鳥獣保護管理法の対象に含まれています。

鳥獣保護管理法は「人間の生活環境に影響を与える動物であっても、安易に捕獲・殺傷してはならない」という考え方に基づいて制定されています。そのため、住宅地に侵入してきた場合でも、個人が罠を仕掛けて捕まえることは一切認められていません。

違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があり、知らなかったでは済まされません。「ちょっとした罠だから大丈夫」と思っても、法的には重大な違反になることを理解しておきましょう。

また、コウモリは夜間に飛び回りながら昆虫を捕食するなど、生態系においても大切な役割を担っています。安易な捕獲は生態系のバランスを崩す可能性もあるため、法律だけでなく、自然保護の観点からも避けるべき行為といえます。

参考:e-GOV法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」

1-2. 保護の場合は許可されることも

例外的に、自治体や研究機関が正式に申請を行い、許可を受けた場合に限り、コウモリの捕獲が認められることがあります。

例えば、希少種の保護活動の一環としての捕獲や、病原体の調査を目的として捕獲されるケースです。こうした場合には、厳しい管理のもとで捕獲・観察が行われ、適切に放獣されることが前提となっています。

しかし、一般家庭における「フンが臭いから」「夜にうるさいから」という理由での捕獲許可が下りることは基本的にありません。行政に相談しても、「罠での捕獲は許されない」と明確に回答されるのが通常です。

また、仮に保護や調査のために捕獲が行われる場合でも、専門知識を持った研究者などが適切な方法で行います。捕獲したコウモリに誤って触れば感染症リスクが高まるため、許可があったとしても専門家以外には危険な作業であることを理解しておきましょう。

参考:環境省「野生鳥獣の保護及び管理」

2. 合法的に行えるコウモリ対策

コウモリの捕獲が違法である以上、コウモリ被害を解決するためには合法的な方法を選ぶしかありません。実際には、コウモリを家から追い出し、再侵入を防ぐことで十分にコウモリ被害を抑えられます。

ここでは、合法的に行えるコウモリ対策を紹介します。

2-1. 忌避剤を使った追い出し

コウモリを捕まえるのではなく、忌避剤を使用してコウモリ自ら離れていくように仕向ける方法は最も手軽です。

市販の忌避剤には、匂いや煙でコウモリを刺激するタイプ、超音波で嫌がらせるタイプなどがあります。特に巣作りを始める前の春や夏に使うと効果が高く、コウモリが住み着くことを未然に防ぎやすいです。

コウモリに有効な忌避剤については、以下の記事でも詳しく解説しています。

2-2. フンや尿の清掃

コウモリ被害の代表的なものが、フンや尿による汚れと悪臭です。これらを放置すれば悪臭が広がるだけでなく、建材を腐食させ、さらにはアレルギーや感染症のリスクも高まります

さらに、フンや尿はコウモリが「ここは安全なすみかだ」と認識するためのマーキングの役割を果たしています。そのため、清掃をしなければ、追い出しても再び同じ場所に戻ってきてしまうのです。

清掃する際は、換気をした上でマスク・手袋を着用し、フンを湿らせてから集めて密封廃棄します。尿が染み込んだ部分は拭き取り後にアルコールや次亜塩素酸水で除菌しましょう。最後に使用した道具は廃棄し、手洗いうがいで衛生管理を徹底することも大切です。

コウモリのフンによる被害については、以下の記事で詳しく解説しています。

2-3. 侵入経路の封鎖

コウモリは小型で柔軟な体を持ち、わずか2cm程度の隙間からも侵入できます。屋根の軒下、外壁のひび、換気口など、意外な場所が侵入口になりやすいため、追い出した後は必ず侵入口を封鎖することが不可欠です。

封鎖の際は、シーリング材やコーキング剤、金網、防鳥ネットなどが効果的です。隙間を埋めるだけでなく、通風口には目の細かい金網を取り付けるなど、構造に合わせて工夫しましょう。

また、封鎖のタイミングも大切です。コウモリがまだ屋根裏にいる状態で隙間を塞いでしまうと、コウモリが中で死んでしまい悪臭などの原因になります。必ず追い出したことを確認してから作業を行うようにしましょう。

3. コウモリ対策を行う際の注意点

コウモリ対策は単純に見えて、健康被害や作業の危険性を伴うことがあります。特に、フン清掃や高所での作業は、慎重に行わなければ事故や感染症のリスクを高めるため注意が必要です。

ここでは、コウモリ対策を行う際に押さえておきたい注意点を解説します。

3-1. フンや尿に直接触れない

コウモリのフンや尿には、ヒストプラズマ症やサルモネラ症などの感染症の原因となる病原体が潜んでいる可能性があります。乾燥したフンは粉じんとなって空気中に舞い上がり、吸い込むことで呼吸器系のトラブルを引き起こすこともあります。

そのため、清掃の際は必ず手袋とマスクを着用し、直接触れないよう徹底することが大切です。また、当然ながらコウモリ本体に素手で触れることも避けましょう。

小さな動物だからと油断して触ると、鋭い歯で噛まれることがあり、その際に唾液を介して病原体が感染するリスクがあります。こうした危険性を踏まえて、コウモリのフンや尿には直接触れないように注意してください。

コウモリに噛まれたときの対策、感染症のリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。

参考:厚生労働省検疫所「感染症情報」

3-2. 清掃・除菌の重要性と正しい処理方法

フンや尿を取り除くだけでは十分ではなく、再発防止や衛生管理のためには除菌処理も必要です。具体的には、アルコール消毒や塩素系の薬剤を使い、床や壁、木材の表面をしっかり拭き取ることが大切です。

しかし、天井裏や壁の奥など見えにくい場所にまでフンが入り込んでいることも多く、個人で完全に除去するのは難しいケースがあります。そのような場合は無理をせず、専門業者に依頼するのが良いでしょう。

3-3. 高所での作業は無理をしない

コウモリの侵入口は屋根や換気口など高い場所にあることが多く、作業には必然的に危険が伴います。特に脚立を使った作業は転落事故のリスクが高く、夜間に行うと視界が悪いため危険度が一層増します。

そのため、高所での作業は無理をせず、プロに任せるのが最も安全で確実な方法です。

4. コウモリ駆除はプロに依頼するのがおすすめ

コウモリ被害を完全になくそうとするには、残念ながら自力での対応は難しいです。

例えば、コウモリが屋内に侵入した場合、コウモリが飛び回って壁や天井を傷つけたり、作業中に自分がケガを負ったりする恐れがあります。さらに、屋内にフンや尿をされてしまうと、除菌や消臭など衛生面での処理も必要となります。

また、コウモリは同じ場所に戻ってくる習性があるため、ただ追い出すだけでは不十分です。再発を防ぐには侵入経路の徹底的な封鎖や清掃・除菌といった、専門的な施工が必要です。

そのため、コウモリ被害が深刻な場合は、できるだけ早めに専門の駆除業者へ依頼することをおすすめします。プロであれば、現地調査をもとに被害状況を把握し、法令を遵守した上で効果的な対策を提案してくれます。

5. コウモリ被害でお悩みなら協会の無料相談をご活用ください!

「コウモリを罠で捕まえてよいのか分からず不安」「フンや尿の被害が広がり対処に困っている」など、深刻なコウモリ被害にお困りの方は、ぜひ「日本有害鳥獣駆除・防除管理協会」の無料相談をご活用ください

日本有害鳥獣駆除・防除管理協会は、コウモリをはじめとした鳥類・害獣による家屋被害に対し、安全で安心な生活環境を守るための防除・管理を専門とする団体です。

経験豊富な担当者が状況を聞き、効果的な対策のアドバイスや専門業者探しをお手伝いします。「こんな初歩的なことを聞いても大丈夫かな?」と迷うような内容でも、もちろん大丈夫です。ぜひお気軽にご相談ください。

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  • 者選び
  • 獣の特定
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まとめ

コウモリを罠で捕獲することは鳥獣保護管理法で禁止されており、違反すれば懲役や罰金が科される可能性があります。合法的かつ正しい対策は、忌避剤を使った追い出し、フンや尿の清掃と除菌、侵入経路の封鎖です。

特にフン清掃はマーキングを消す効果もあり、再発防止のために不可欠です。また、作業時はコウモリやフンに直接触れないこと、高所作業を無理に行わないことも大切です。

日本有害鳥獣駆除・防除管理協会では、無料相談を行っているため、コウモリの被害でお困りの際はぜひ一度ご相談ください。

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