コウモリが棲みついて家がボロボロに。駆除も修理もしたいけど、火災保険って適応されるの?されないの?

コウモリ

前書き

もし自分の家が害獣被害に遭ってしまったら…。皆さんは、そんな事を想像したことがありますか?
害獣が住宅に棲みつくことで発生する被害は多岐に渡りますが、とりわけ厄介なのが駆除や損傷を受けた家屋の修理にかかる金銭的負担です。
例え小さなコウモリであっても、動物が棲みついているだけだと、たかをくくっていれば取り返しのつかない事態になりかねません。
そこで今回は、害獣によってもたらされる被害と火災保険の関係について詳しく解説したいと思います。

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つい最近、自宅の天井に雨漏りみたいなシミができてて、気になって点検口から覗いてみたら、コウモリが棲みついてたのよ!
いつから棲みついてたのか知らないけど、私が見た時にはもう何十匹も繁殖してて、大量のフンが屋根裏に転がってたわ。
できれば業者に駆除を依頼したいし天井も張り替えたいけど、費用が気掛かりになっちゃって……。
火災保険って使えるのかしら?

コウモリによる害獣被害

まず、コウモリによってもたらされる害獣被害の実態について理解しなければなりません。
日本にはおよそ34種類コウモリが生息していますが、その中で人家に棲みつく習性を持っている種は”アブラコウモリ”だけだと言われています。
そのアブラコウモリも野生動物の例に漏れず、エボラウイルス、ハンタウイルス、リッサウイルスといった数多くの細菌やウイルスを保有しており、ひとたび接触すれば感染症のリスクを晒されてしまいます。
これらのリスクも決して無視できない脅威ですが、もっと現実的なリスクとして住宅や倉庫といった建物などへの被害が考えられます。

建物への被害

コウモリによってもたらされる建物への被害の多くは、コウモリの排出するフンや尿で原因で発生します。
その小さな体とは裏腹にアブラコウモリの糞の量は凄まじく主食となる蛾・甲虫・蚊などの昆虫は1時間程度で消化され、一晩でコウモリ自身の体重のおよそ30%にも及ぶ量のフンをするとされています。
一般的なアブラコウモリの体長は3〜6cm、体重は5〜10gほどと大変小さく、わずか1.5cmほどの隙間から建物の内部に侵入する事ができるとされ、具体的には反った外壁にできた隙間、雨戸と戸袋の隙間、ズレた瓦に生じた隙間、換気口の隙間といった場所など、コウモリが侵入可能な経路は実は意外にも至るところに存在しているのです。
さらに、アブラコウモリは通常50〜200匹程度の繁殖集団を形成し生活するため、仮にこれだけの規模の群れが住宅に棲みつけば、その被害も群れの数に比例して甚大なものとなるでしょう。
例えば屋根裏や天井裏にコウモリの群れが棲みついてしまった場合、大量のコウモリが排出したおびただしい量のフン尿はあっという間に堆積していき、フン尿の湿気などが原因で建物の構造や内装に使用された木材が腐食してしまうのです。

対処にかかる費用

薄暗く狭い空間を好むアブラコウモリが人家に棲みつく場合、特に太陽の光が届きにくい屋根裏や天井裏、出入りが容易な雨戸の戸袋などはコウモリの標的となりやすい場所です。

こうした場所がコウモリの寝床となることで発生する金銭的な損害は、一体どれほどになるのでしょうか。
以下で具体的にみていきましょう。

天井の張り替え

コウモリが天井裏や屋根裏に棲みついてしまえば、当然そこにはフン尿が堆積していきます。
とりわけ尿は天井板とクロスに染み込んで雨漏りのようなシミを作ることで、天井を腐食させ、やがて家主に修繕を余儀なくさせるでしょう。
天井の張り替えにかかる費用は工事の種類や面積、材料の選択などによって異なりますが、一般的な相場は以下のとおりです。

  • クロスの張り替え:約3万円~4.5万円(8畳間)
  • 石膏ボードの張り替え:約3万円~6万円(20㎡)
  • 板張り天井の張り替え:約5万円~10万円(20㎡)
  • 一部の破損部分の補修:約2万円~5万円

伝統的な日本家屋には板張りの天井が多く、最近の一般住宅は下地材に石膏ボードを使用しますが、それぞれでリフォームにかかる費用が異なってくるので注意してください。

雨戸・戸袋の交換

戸袋内部にコウモリが棲みついた場合、堆積したフン尿がサッシのレール部分を錆びさせるなどの損傷を与えます。
雨戸と戸袋の修理や交換にかかる費用は、雨戸の種類やサイズ、状態、工事の内容などによって異なりますが以下のようになります。

対応別の費用の相場
  • 塗装:約2,000~5,000円
  • 補修・修理:約2万~5万円
  • 交換:約7万~30万円
種類別の交換費用(本体価格+工事費用)
  • 引き違い戸(1枚):約7万~13万円
  • 手動シャッター:約18万~30万円
  • 電動シャッター:約20万~40万円

これはあくまで目安であり、実際の費用は業者によって異なります。
また、施工場所によっては別途足場費用がかかるケースがあります。

一番安いのが一般的な引き違い戸の交換となっていますが、損傷が戸袋やサッシにまで及んでいれば、その数倍の交換費用が発生する可能性もあります。
古い住宅の場合、窓枠の下地となる木材そのものが腐食して、さらに大規模な工事が必要になることも…。
このような事態にならないように、やはり害獣対策は早め早めに済ませておくべきでしょう。

清掃

害獣のフン尿は家屋の劣化を早めるだけでなく、悪臭や病気などの二次被害を招きます。
堆積したフンが微粒子状に空気中に拡散するエアロゾル現象を引き起こすほか、ノミや寄生虫などの温床となってしまうのです。
また、家屋に染みついた悪臭を取り除くには、単にフンを掃除するだけでは不十分であり、清掃と除菌・消毒をセットで行わなければなりません。

害獣のフン尿の清掃にかかる費用は、以下のような条件によって決まります。

  • 糞尿の量や汚染範囲
  • 清掃する場所(屋根裏、床下、玄関など)
  • 清掃方法(自分で行うか業者に依頼するか)
  • 業者の料金体系(時間制、坪数制、一律料金など)

自分で清掃する場合は必要な道具や材料の費用だけで済みますが、貴重な時間や手間を費やすだけでなく、場所によっては専門外の方による清掃が難しいケースもあります。
感染症のリスクを避けるためにも、業者に依頼することをオススメします。

業者に依頼した場合の費用相場はケースバイケースですが、一般的に以下のようになっています。

  • 屋根裏の清掃:約5万円~10万円
  • 床下の清掃:約3万円~5万円
  • 玄関の清掃:約1万円~3万円

清掃・除菌にかかる費用が駆除料金に含まれている業者とそうでない業者が存在します。
あとから清掃にかかる費用を追加請求されたり、除菌・消毒がサービスに含まれていないケースもあるので、見積もりの段階で詳しく確認しておきましょう。

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うーん。やっぱり結構かかっちゃうのね…。
一応ウチで確認できたのは天井のシミだけだけど、ちゃんと調べたらもっと色々直さないといけない箇所が出てきそうで怖いわ…。
もともと屋根裏の変な物音が気になってたんだけど、「まさか…」と思って放置したのが馬鹿だったわ。

火災保険は適応されるのか…?

もし仮に、コウモリによって自宅の修理をしなければならない状況に陥ったらどうするべきでしょうか。
例えフン尿による腐食が起こった箇所が一部分であったとしても、修理に要する費用は安くはなく、ましてそのような損傷が建物の構造ににまで及んでいた場合は、さらに高額な出費を迫られることになります。
そこで気になるのが、こうしたケースにおいて”火災保険は適応されるのか…?“という点です。

火災保険とは何か

結論を知る前に、まず火災保険とは何か、改めておさらいしておきましょう。
火災保険とは、火災や自然災害などによって、住宅や家財などの財産が損害を受けたときに、その復旧のための費用を補償する保険です。
火災保険は、住まいや暮らしを守るために必要な保険のひとつで、火災保険の補償内容は、火災だけでなく、破裂・爆発、水濡れ、物体の落下・衝突、騒擾、盗難、落雷、風災、ひょう災、雪災、水災などの事故にも対応しています。
ちなみに、日本の持ち家世帯における火災保険加入率は2015年時点で82%となり、8割強の世帯が加入していることになります。
また、火災保険には補償範囲の異なる様々なプランが存在し、水害による損害を補償するものや地震による損害を補償するものなどが存在していますが、加入率は前者が66%、後者は49%ほどに留まっています。

適応の具体的な基準

火災保険が適応されるかどうかの基準は、以下のようになります。

  1. 損害の原因が火災保険の補償対象に含まれるものであること
  2. 損害の発生日から3年以内に保険金を請求すること
  3. 損害が重大な過失や故意によるものでないこと
  4. 損害が経年劣化や外観のみの損傷でないこと
  5. 損害の範囲や金額が保険会社の定める基準を満たすこと

補償対象は主に火災・落雷・爆発・風災・雪災・水災・盗難・水漏れ・破損などですが、保険商品や契約内容によって補償対象や範囲が異なる場合がありますので、ご自身の保険証券を確認することをおすすめします。

火災保険の補償対象について、具体的な事例を見てみましょう。

火災に対する補償
  • 落雷によってエアコンが故障した場合、建物の補償が適用されます。
  • ガス漏れに気付かずに火を付けて爆発した場合、建物と家財の補償が適用されます。
風災に対する補償
  • 台風による強風で屋根瓦が飛ばされた場合、建物の補償が適用されます。
  • 突風による飛来物がぶつかって窓ガラスが割れた場合、建物の補償が適用されます。
雪災に対する補償
  • 雪の重みで屋根が壊れた場合、建物の補償が適用されます。
  • 隣家からの落雪で窓ガラスが割れた場合、建物の補償が適用されます。
水災に対する補償
  • 洪水で家が床上まで浸水した場合、建物と家財の補償が適用されます。
  • 大雨で土砂崩れが起きて建物が流された場合、建物の補償が適用されます。
盗難に対する補償
  • 空き巣にテレビを盗まれた場合、家財の補償が適用されます。
  • 泥棒に窓ガラスを割られた場合、建物の補償が適用されます。
水漏れに対する補償
  • 水道管から水漏れが発生し、家具が損害を受けた場合、家財の補償が適用されます。
  • 上階で発生した水の事故で、建物が水浸しになった場合、建物の補償が適用されます。
破損に対する補償
  • 子供がボールを投げて窓ガラスを割った場合、建物の補償が適用されます。
  • ネコが部屋を走り回ってテレビを倒した場合、家財の補償が適用されます。

争点

害獣によって生じた損害が火災保険の補償対象となるかどうかの争点は、①予測できない事態か、②突発的な事故か、の2点になります。
一般的に、火災保険の補償は予期できない突発的なトラブルや事故の場合に適用され、害獣被害の場合もこの原則は変わらないでしょう。

結論

残念ながら害獣による建物への損害は、基本的に火災保険や地震保険の補償対象にはなりません。 
これは、害獣の被害は「予測できる管理不備や経年劣化によるもの」として扱われるからです。

例えばコウモリが長期に渡って住宅に棲みつき、その結果として建物に損害が発生したのであれば、家主はコウモリの存在に気付いてその損害を予測できたと解釈でき、また、突発的な事故ではないので早期の対処によって損害を回避または軽減できたと見做されます。
他にも、住宅内で繁殖したネズミよって噛み切られた電源コードによって火災が起きたり、家財や柱などの構造体に被害が及んでも、衛生管理上の不手際(過失)、あるいは経年劣化によって生じた建物の隙間が原因であるとして火災保険は適用されないのです。
そのため、あくまで個人の自己負担で修理を行う必要があります。

害獣による被害そのものが補償対象外であっても、害獣被害が原因となって別の(突発的な)二次被害が生じた場合は、稀に火災保険が適応されることがあります。
ご利用の保険会社に一度相談してみましょう。

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火災保険は使えないみたいね…。
ウチは決して金銭的に余裕があるわけじゃないから、害獣の駆除依頼も家の修繕依頼も諦めないといけないのかしら。

雑損控除

害獣被害に火災保険が適応されないと聞いて、駆除の依頼や自宅の修理を断念しようとしている方に耳寄りな情報があります。
害獣被害によって損害が出た場合、実は雑損控除という制度を利用すれば所得税の控除を受けることができるのです。
雑損控除とは災害や盗難などで資産に損害を受けた場合に、一定の金額の所得控除を受けることができる制度のことで、害獣被害による損害にも適応されるお得な制度になっています。
雑損控除の対象となる資産は、次の条件を満たすものに限られます。

  • 資産の所有者が納税者本人やその扶養親族であること
  • 資産が事業用や趣味・娯楽用を除く生活に必要不可欠な物であること

雑損控除の対象となる損害は、害獣や害虫などの生物による被害をはじめ、盗難、横領といった人の行為が要因となる損害を受けた場合にも適用可能です。
したがって、害獣によって自宅や家財などに被害が生じた場合には、その修繕費用や駆除費用などを控除の対象とすることができます。
実際の雑損控除の額は、損害金額や災害関連支出の金額から保険金などを差し引いた額から、さらに総所得金額の10%の額、あるいは5万円を差し引いた額のうち、より大きい方の金額となります。
具体的な計算方法は以下の通りです。

① 控除額=(損害金額+災害に伴う出費の金額-受け取った保険金の額)-(総所得金額)×10%
② 控除額=(災害に伴う出費の金額-受け取った保険金の額)-5万円

雑損控除を受けるためには確定申告を行う必要がありますが、お困りの際は是非ともこの制度をご活用ください。
詳しい計算方法は、国税庁のホームページや確定申告書の添付書類をご覧ください。

国税庁の該当ページ:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1110.htm

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こんな制度がったのね…。
大雑把だけど試しに計算してみたら、結構な額が控除されるみたいだから驚いたわ!
知らない人は損してるわね。

賃貸の害獣被害

その建物の所有者と実際に居住している人が一致しているなら、害獣被害の責任の所在は明確です。
しかし、賃貸のように建物を所有する人とそこに居住する人、あるいは管理する人が異なる場合は、害獣被害は誰の責任になるのでしょうか。

建物の所有者(賃貸人)に責任があるケース

賃貸物件の状態や構造に不備があって害獣被害が発生した場合は、賃貸人(大家)の責任になります。
賃貸人は、賃借人に対して使用に適切な状態で物件を引き渡す義務があります(民法第601条)。
例えば、入居時点で外壁に穴が空いていた、換気口の隙間が大きいといった問題を抱えていた場合、賃貸人は害獣の駆除や侵入防止策、損傷箇所の修繕などを行わなければなりません。

入居者(賃借人)に責任があるケース

賃借人(入居者)は賃貸物件に対して、社会通念上必要とされる最低限の注意を払わなければならないとする善管注意義務があります(民法第400条、同法第615条)。
そのため、ゴミを溜め込んでいた、窓を開けっぱなしにしていた…などのように、賃借人の生活環境や行為が原因で害獣被害が発生した場合は、その責任は賃借人が負うことになります。
この場合は、もちろん賃借人が駆除や清掃などを自己負担で行わなければなりませんが、被害が近隣の入居者の部屋や家財にまで及んでいた場合、さらにその責任も追求されてしまう恐れがあります。

ただし、害獣の発生原因を特定することは難しく、その点を巡ってトラブルに発展するケースも見られるので、賃貸借契約時には、駆除費用や責任の範囲について特約で取り決めておくことが望ましいでしょう。

関連する判例としては、以下のようなものがあります。

  • 東京地裁平成21年1月28日判決:建物にネズミが侵入した場合、賃貸人に駆除義務はなく、賃借人が行うべきと判断した。
  • 東京地裁平成25年12月25日判決:建物にゴキブリが発生した場合、賃貸人は専門業者に駆除を依頼して必要かつ可能な対応をすれば足り、完全駆除を達成できなくても債務不履行にはならないと判断した。

害獣被害は予防が大切!

自分で予防する

火災保険が適応されないとなると、雑損控除を利用したとしても住宅の修繕は痛すぎる出費になってしまいます。
最悪の事態を避けたいのなら、やはり害獣被害を未然に防ぐための防止策をとることが大切になるでしょう。
まずは自分自身でできる防止策をいくつかご紹介します。

害獣がエサになりそうなものを片付ける。

動物のエサとなる廃棄されたゴミやペットフード、農作物のなどは害獣被害の誘因となるため、密閉した容器に入れるなどの適切な処理を施し、害獣のエサとならないようにしましょう。
特に、腐った生ごみや肉は動物の嗅覚に強く働きかけるので、注意が必要です。

害獣が巣を作りやすい場所を減らす。

コウモリをはじめ、ハクビシやネズミなどの害獣はいずれも、倉庫や納屋、天井裏といった薄暗く人目につきにくい場所を好み、寝床や繁殖場所に選びます。
自宅が害獣たちの標的にならないためにも、こういった場所に忌避剤を置いたり、断熱材を巣にされにくいものに変更する、あるいは木の枝や草木を刈り込んだり、雑多に置かれた荷物を整理したりして害獣が隠れる場所を無くしまあしょう。

害獣の侵入を防ぐ。

家屋の内部に害獣が棲みついているのなら、必ず侵入経路となる隙間や通り道が存在します。
害獣被害を確実に防止するために、これらの侵入経路を塞ぐ必要があります。
農園や養鶏場では電気柵などで畑や鶏舎を囲ったりしますが、一般的な住宅であれば床下の通気口、換気ダクト、外壁の隙間、エアコンのホースなどの侵入経路を断つだけでも十分な効果を発揮するでしょう。

害獣の種類を特定する。

害獣の種類によって効果的な害獣対策の方法が異なるため、まずは害獣の種類を特定することが重要になります。
地面や床に残された足あとやフン、食害などの痕跡を種類の特定に役立たせ、最適な対策を選択しましょう。
例えば1cm未満の小さなフンが散乱している場合、犯人はコウモリかネズミのどちらかであり、フンが黒色であればコウモリが棲みついている可能性が高いと判断できます。
フンの特徴から判別できない場合は、食害や電気コード・柱のかじり跡の有無を確認しましょう。

害獣を追い出す。

害獣の侵入を抑止するのがベストですが、万が一侵入を許してしまったら、被害が深刻化する前にいち早く害獣を家屋から追い出さなければなりません。
動物の嫌う特定の周波数を出す超音波装置、強い光で動物を威嚇するセンサーライトをはじめ、肉食獣の尿などの臭いや、刺激の強い薬用成分が配合された忌避剤といった有用な害獣対策グッズを活用しましょう。
安全のためにも、害獣と直接対峙しない方法を選択するのが賢明です。

害獣を捕獲する。

上で紹介した対策が全て失敗に終わった場合、最終手段として罠や網などで害獣を捕獲・駆除しなければなりません。
これは最も確実な方法になりますが、捕獲するには鳥獣保護管理法や特定外来生物法などの関係法令に従って、狩猟免許や許可を取得する必要があります。
狩猟免許や許可の取得には難解な試験や煩雑な行政手続きを行う必要があり、害獣駆除を生業としない方が取得を目指すのは少々非効率かもしれません。
また、捕獲した害獣は前述の法律のほか、動物愛護法にも基づいて人道的に殺処分するか、適切な場所に移動させる必要があります。

業者に任せる

前述したように、害獣対策を完遂するまでには様々なステップを経る必要があり、これは精神的にも時間的にも多大な負担になってしまいます。
しかし、専門業者に駆除を依頼すれば、これら全てのステップを安心して任せられ、無料の現地調査や見積もりに対応している業者も存在しますので、料金が……と、思わず二の足を踏んでしまう方にもオススメできます!

安全性と確実性

害獣駆除はかなりの危険を伴う作業です。
害獣は人間に噛みついたり、引っ掻いたりするだけでなく、害獣の糞尿や毛に付着した病原菌や寄生虫がもたらす感染症のリスクもあります。
例えば、2002年から2003年にかけて中国で流行した重症急性呼吸器症候群のほか、2019年以降世界的に猛威を振るっているあの新型コロナウイルスも、一説によるとコウモリに起源があるとされています。
他にも、ネズミはハンタウイルスやペストなどの病気を媒介することがあります。また、ハクビシンやアライグマは狂犬病やエキノコックスなどの病気を持っている可能性があります。
その点、専門業者であれば害獣に直接触れないように防護服や手袋、マスクなどを着用したり、害獣を捕獲する際には罠を使用したりするなど、万全の装備を用いて害獣駆除を行なってくれます。
また、駆除完了後には糞尿の清掃や消毒も行ってくれ、自分で駆除するよりも安全性と確実性が高いと言えるでしょう。

鳥獣保護管理法と狩猟免許

動物の生き死にに関わる害獣駆除には、法律によって厳格に定められたルールがあります。
例えば、捕獲した害獣は鳥獣保護管理法によって速やかに殺処分するか、適切な場所に放すことが義務付けられています。
また、ネズミを除くほとんどの害獣の駆除には狩猟免許が必要となり、在来生物のイタチやタヌキなどはもちろん、特定外来生物に指定されたハクビシンやアライグマの捕獲にも狩猟免許が必要な上、狩猟期間や狩猟区域に制限があり、自治体による個別の許可も取得しなければなりません。
鳥獣保護管理法や動物愛護法、特定外来生物被害防止法といった、関連する規則を把握した上での駆除は決して容易ではありませんが、こうした規則を熟知した専門業者になら安心して駆除を任せられるでしょう。

再発防止

害獣駆除は一時的に動物を追い出すだけでは不十分です。
害獣が侵入した経路や巣を特定し、遮断や修繕による再発防止策を講じなければ、再び同じ場所に戻ってきてしまいます。
動物ごとに侵入経路の特徴は異なりますが、専門業者は害獣の生態や習性を熟知しており、再発防止のための最適な対策を提案してくれます。
例えば、コウモリの侵入経路になりがちなエアコンのホース、ネズミの通り道となる配管、ハクビシンやアライグマの寝床にされやすい床下の通気口などに金属製のネットや板を取り付けるといった対策が挙げられます。
また、業者によっては害獣被害が再発した場合の対応や定期点検などのアフターサービスを保証しているケースもあるので、より安心できるでしょう。

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やっぱり業者に頼むのが無難よね。
駆除業者とリフォーム業者に見積もりを依頼して、雑損控除についてもっと詳しく調べた上で駆除依頼を前向きに検討しようかしら。
今日は貴重な情報をありがとう!

後書き

解説はここまでとなります!
不測の事態によって高額な修理費用が発生しないよう、害獣被害は事前防止、早期発見、早期対策がとても重要であり、自宅敷地内に動物のフンが落ちている、天井裏からおかしな足音がするなどの兆候を感じ取ったら、いち早く対策に乗り出さなければなりません。
しかし、一方で普通の方にとって害獣被害を察知することは決して簡単なことではありません。
当サイトではコウモリをはじめ、ハクビシン、アライグマ、イタチ、ネズミ、テンといった、様々な害獣に関するお役立ち情報を発信しておりますので、まずは知識を深めることから始めてみませんか?

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