突然庭にできた穴を見つけて、ネズミの巣穴かもしれないと不安になっていませんか。
穴を掘るのは、ネズミだけではありません。
他の動物によって作られた穴の可能性もあります。
当記事では、動物別の穴の特徴やネズミの巣穴かどうかを調べる方法、ネズミの巣穴があった場合のリスクなどについて解説します。
ネズミをはじめとする害獣の被害が拡大してしまわないよう、適切な対処を行いましょう。
1. 庭の穴はネズミの仕業?動物別に穴の特徴を解説

庭に穴を作る動物は、次の5種類が考えられます。
- ネズミ
- モグラ
- イタチ
- ヘビ
- アナグマ
いずれの動物も被害をもたらす危険なイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。
それぞれの動物が作る穴の特徴とその生態、また考えられる被害についても説明します。
1-1. ネズミ
庭の穴を掘った可能性がある候補の1つとして、ネズミが挙げられます。
ネズミの中にも種類がありますが、穴を掘る習性があるのはドブネズミとハツカネズミです。
ドブネズミは体長18〜26cmほどでハツカネズミは体長5〜10cmほどと、ネズミの中では体格差のある2種類です。
穴は直径5〜10cm程度で浅く作られるため、穴の大きさで種類を特定できます。
また、掘られた穴がネズミの巣穴である場合、穴の横には盛り上がっている土が見られるでしょう。
そして、穴の中には枯れ葉や紙類、布類を持ち込んでいることがあります。
巣穴を屋外に作っているのなら家の中に侵入しないかというと、そうではありません。
巣穴を拠点として、エサや巣材の捜索をしに、あるいは暖を取ったり外敵から身を守ったりするために家の中に侵入する可能性があります。
1-2. モグラ
穴を掘る動物として代表的なモグラは、体長約15〜20cmの小動物です。
モグラが作る穴は直径と穴の横に盛り上がった土(塚)があることで、一見するとネズミの穴とよく似ています。
しかし、地中を生活圏とするモグラの穴は深く作られていて、他の穴とつながっていることもあります。
庭に穴と塚が見られ、歩いていて地面が沈み込むような感覚やふわふわとした感覚があれば、モグラが掘った穴である可能性が高いです。
モグラによる害の一例を挙げてみましょう。
- 農作物や植栽の根を切られる
- 土壌を荒らされる
- 地盤を緩められてしまう
- ネズミが穴を利用して農作物を食べてしまう
庭で農作物を作っている方やガーデニングを楽しまれている方にとっては、大変厄介な被害をもたらします。
ただ、庭に農作物や植栽のない場合でも、地盤の緩みやネズミ被害の誘発といったトラブルが起こり得ます。
1-3. イタチ
体長20〜30cmのイタチもまた、モグラのように複数の穴を掘ることがあります。
イタチが作る穴は直径3〜5cmで、地中の虫やネズミなどを食べるために至るところへ穴を掘ります。
イタチが掘る穴の特徴は、穴の中や周辺から糞尿の悪臭がするところです。
イタチによる害の一例は、以下の通りです。
- 引っかかれる・噛まれることによる怪我や疾病
- 糞尿による悪臭
- 糞尿やイタチの体に付着した害虫・寄生虫の発生
- 農作物を食べられる
- 家畜のニワトリが襲われる
イタチは雑食ですが、肉食寄りでカエルやネズミ、ニワトリなどを好みます。
ネズミを捕食するという点で農林業においては有益ともされますが、農作物も食べられたり荒らされたりするリスクがあります。
1-4. ヘビ
ヘビが穴を掘るのは、冬眠をするためです。
穴の中にいるのは冬のみで、春には穴を出て生活を始めます。
つまり、冬に穴が掘られていれば、ヘビが掘った穴である可能性も考えられるでしょう。
ヘビの穴は、直径4cmほどの穴で浅く作られているのが特徴です。
ヘビの被害は噛まれてしまうことですが、こちらから干渉する気がないことを示せば襲ってくることはありません。
ヘビはネズミを捕食するため、ネズミを遠ざけてくれる存在でもあります。
見かけた際はそっとしておくようにしましょう。
逆にヘビを遠ざけたい場合は、昆虫やネズミといったエサになるものの駆除が必要です。
また、ヘビは木の根元や柔らかい土の中に巣を作るため、草刈りをしたり巣になりそうな隙間を埋めたりして敷地内に棲み着くのを防ぎましょう。
1-5. アナグマ
アナグマは目の周辺に黒い模様があり、ハクビシンに似た外見をしています。
名前がアナグマとされているように穴掘りが得意で、巣穴を作るために穴を掘ります。
全長45〜70cmほどの体はふっくらしており、穴はネズミやイタチのものよりも大きいのが特徴です。
巣穴では数頭と共存するため、地中に伸びた穴は複数の部屋に分かれています。
本来は森林や竹林で昆虫・カエル・ミミズ・きのこなどを食べて暮らしていますが、近年では人里にやってくることも珍しくありません。
甘い果実を好み、農作物を食い荒らす被害が増加しています。
害獣被害については、以下の記事でより詳しく解説しています。
2. 穴がネズミによるものか調べる方法

掘られている穴がネズミのものであるかどうかを確かめるには、ネズミ特有のラットサインを確認しましょう。
ラットサインとは、ネズミが通過した箇所に残す痕跡のことです。
具体的なラットサインは、次の3つが挙げられます。
- 糞や尿
- 黒い汚れ
- かじった跡
「探してみてもラットサインらしいものが何も見つからない…」
そんな場合でも、諦める必要はありません。
実は、ラットサインを見つけやすくする簡単な方法があるのです。
以下の記事では、ベビーパウダーやブラックライトを使って、ネズミの足跡もしくは尿跡を可視化する方法を解説しています。
ラットサインはネズミ侵入の手がかりですので、ぜひ一度ご覧ください。
3. 庭の穴がネズミによるものだった場合のリスク

ネズミが庭を拠点としている場合、様々なリスクを伴います。
考えられるリスクは、主に次の3つです。
- 配線をかじられるリスク
- 健康被害につながるリスク
- ストレスによる精神的な被害につながるリスク
それぞれのリスクについて、具体的な被害内容を説明します。
3-1. 配線をかじられるリスク
ネズミが家に侵入してしまうと、配線をかじられるリスクがあります。
ネズミは生涯伸び続ける前歯を研ぐために、いろいろなものをかじります。
中でも「適度に硬さがあって簡単に削れる素材」を好み、プラスチックやゴムを外皮にしている配線が該当してしまうのです。
配線がかじられると、家電製品の故障・停電・漏電・ショートが起こり得ます。
特に漏電やショートは危険性が高く、散った火花からホコリやネズミに着火して火災を招きかねません。
他にも通信トラブルを引き起こす恐れがあり、大変危険です。
配線をかじられる被害についての詳細は、以下の記事からご確認いただけます。
3-2. 健康被害につながるリスク
不衛生な場所を徘徊するネズミの体表には、数々の寄生虫や病原体が付着しています。
ネズミの体が直接触れることはもちろん、ネズミのかじったものやネズミの糞尿で汚染されたものを口にしたり触ったりするだけでも、様々な感染症を罹患する恐れがあります。
また、ネズミを介してイエダニやノミによる皮膚炎になることもあり、注意が必要です。
特にイエダニは、ダニアレルギーを引き起こしかねません。
3-3. ストレスによる精神的な被害につながるリスク
ネズミが庭に穴を作っているということは、家に棲み着いてしまうのも時間の問題です。
家に侵入したネズミは、人が寝静まった頃に活動を始めます。
したがって、鳴き声や足音、何かをかじる音などの騒音で睡眠を妨げられることが考えられます。
また、ネズミそのものが苦手な方にとっては、ネズミに棲み着かれていることに不安や不快感を覚えるでしょう。
睡眠不足やストレスが積み重なると、不眠症やノイローゼに転じてしまう恐れもあります。
4. 完璧に対策するのは個人では難しい

ネズミに対しては、市販または手作りの忌避剤などで簡易的な対策は可能です。
しかし、根本的に家への侵入を防止するには、小さな隙間を全て塞がなければいけません。
ネズミの侵入口は人の目や手の届きにくいところにもあり、全ての侵入口を確認するのも難航するでしょう。
そのうえ、きっちりと侵入経路を塞ぎきる施工技術も必要です。
また、ネズミの巣穴かもしれないと穴を埋めてしまう行為はおすすめできません。
もしもその穴がネズミの巣穴でなかった場合、勝手に埋めてしまうと土地基本法という法律に抵触する可能性があります。
加えて、むやみにネズミ以外の害獣の捕獲や殺傷を行っても、鳥獣保護管理法に反します。
埋めた穴の中でイタチやアナグマなどが死んでしまうと、2つの法を犯しかねないのです。
よって、完璧に害獣対策をするのであれば、業者への依頼をおすすめします。
5. 庭に動物の穴を見つけたら協会の無料相談窓口へ

多くの場合、庭にできた穴は家屋や農作物に被害をもたらす害獣のものです。
いずれの害獣でも、個人で対策・対処することは難しいでしょう。
日本有害鳥獣駆除・防除管理協会では、ネズミをはじめとする害獣被害の無料相談を行っています。
悩みを共有したり、対処法や次に取るべき行動が分かったりするだけでも、ストレスは軽減されるものです。
害獣による悩みを増幅させてしまう前に、ぜひご活用ください。
まとめ
ネズミは巣穴を作るために、庭へ穴を掘る場合があります。
しかし、穴を掘る害獣はネズミだけではありません。
ネズミの巣穴だと特定できても、家につながる全ての侵入口を完璧に塞ぐことは困難です。
庭にできた穴がどの害獣によるものであっても、あらゆる被害を未然に防ぐため専門家の手を借りて早急な対処を行いましょう。
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