「自宅に住み着いたコウモリ、このまま放置しても大丈夫…?」
コウモリによる被害は、ただの騒音やフンの汚れだけに留まりません。健康被害や家屋の劣化など、取り返しのつかない事態に発展する恐れもあるため、放置は避けるべきです。
この記事では、コウモリがもたらす被害の内容やコウモリが住み着きやすい家の特徴、専門家に依頼する必要性についてプロが解説します。
手遅れになる前に正しい判断をするためにも、まずはご一読ください。
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コウモリが引き起こす4つの被害

コウモリが引き起こす被害は、主に以下の4つに分類されます。
| 被害の種類 | 具体的な被害例 |
|---|---|
| フン尿被害 | 天井裏や外壁の汚染、強烈な悪臭、建材の腐食 |
| 健康被害 | ダニ・ノミの発生、アレルギー、感染症リスク |
| 経済被害 | 駆除費用、リフォーム費用、資産価値の低下 |
| 騒音被害 | 夜間の羽音や鳴き声による睡眠不足、精神的ストレス |
ここからは、それぞれの被害について詳しく解説します。
【フン尿被害】悪臭と家屋の劣化
コウモリ被害の中でも特に相談件数が多いのが、フンや尿による被害です。
コウモリのフンはドブのような強烈な悪臭を放ちます。特にコウモリの活動が活発になる春から秋の時期は被害が深刻化しやすいので注意が必要です。
またコウモリのフン尿は建材を急速に劣化させ、住宅の寿命を縮める直接的な原因となり得ます。
コウモリは毎日大量の虫を捕食するため、小さな体に似合わず大量のフン尿を排泄します。同じ場所で排泄をする習性があるため、長期間放置された天井裏では、堆積したフンが数センチの厚さになることも珍しくありません。
中には天井裏に溜まったフン尿の重みと水分で天井板が腐り、部屋の中に崩れ落ちてきた事例もあります。
【健康被害】アレルギーや感染症
コウモリ自体やフン尿はさまざまな病原菌や寄生虫の温床となっているため、放置するのは衛生面でも極めて危険です。
日本の家屋に多く住み着くアブラコウモリの体には、コウモリマルヒメダニやトコジラミ(ナンキンムシ)などが寄生していることがあります。コウモリが家に住み着くと、寄生したダニやノミが室内に侵入、吸血して激しい痒みや皮膚炎などの二次被害の発生も考えられます。
さらに注意すべきは、乾燥したフンが空気中に飛散することによる健康被害です。フンを吸い込むと、アレルギー症状や「ヒストプラズマ症」などの重篤な感染症を引き起こすリスクもゼロではありません。
小さな子どもや高齢者がいるご家庭では、特に厳重な注意が必要です。
コウモリが引き起こす健康被害については、こちらの記事もチェックしてください。
【経済被害】エアコンや換気扇の故障
エアコンや換気扇の故障も、コウモリが引き起こす被害の一つです。
コウモリはわずか1~2cm程度の隙間があれば、容易に侵入します。暖かく狭い場所を好むため、エアコンの室外機内部や換気扇のダクトに入り込んで死亡し、故障を引き起こすケースも少なくありません。
コウモリが原因で故障してしまった場合、修理や買い替えのために予期せぬ費用が発生するだけでなく、内部の清掃・消毒作業も必要となります。
また、フン尿によるシミが外壁や天井に残ると、家屋の資産価値を大きく下げる要因にもなりかねません。コウモリ被害は火災保険の補償対象外となるケースがほとんどなため、被害が進行するほど修繕にかかる経済的負担は増大していきます。
コウモリがエアコンに入り込んで起きるトラブルについては、こちらでも詳しく解説しています。
【騒音被害】鳴き声や羽音によるストレス
コウモリが家屋に住み着くと、鳴き声や羽音による騒音被害にも悩まされます。
天井裏から聞こえる「カサカサ」「ゴソゴソ」という音や「キーキー」という鳴き声は、日中であればあまり気にならないかもしれません。しかし深夜から早朝にかけては想像以上に室内に響き、中には不眠に陥ってしまう方もいるため注意が必要です。
騒音被害による睡眠不足は、日中の活動に支障をきたすだけでなく、長期化すればノイローゼなどの深刻な精神的被害につながる恐れもあります。「たかが音」と軽視せず、安眠できる環境を取り戻すためには早急な対処が不可欠です。
コウモリの被害に遭いやすい環境

コウモリに狙われやすい家の環境には、共通する以下の3つの特徴があります。
- 雨戸やシャッターの開閉をしていない
- 水たまりが多い
- 家の外部に1〜2cmの隙間がある
自宅周辺に該当する場所がないか、ぜひ一度セルフチェックしてみてください。
雨戸やシャッターの開閉をしていない
普段あまり使わない部屋の雨戸や、何年も閉めっぱなしにしているシャッターの戸袋は、コウモリに狙われやすい環境です。
雨風をしのげて天敵から身を守れる暗くて狭い空間は、コウモリが安心して休息し子育てするための格好の場所といえます。
定期的に開け閉めし、コウモリ被害のリスクを減らしましょう。
水たまりが多い
家の近くに水たまりなど湿気の多い場所が多い場合も、注意が必要です。
コウモリは飛行しながら水面に口をつけて水を飲む習性があります。庭に放置された雨水が溜まったバケツや植木鉢の受け皿などがあるとコウモリが寄ってきやすくなります。
また、水辺にはコウモリの主食であるユスリカなどの小さな昆虫が大量に発生します。そのため水たまりが多い家は、コウモリに「捕食に適した場所」と思われかねません。不要な水たまりをなくし家の周りを乾燥した状態に保つことが、被害の予防につながります。
家の外部に1〜2cmの隙間がある
家の外部に1~2㎝程度の隙間があれば、コウモリが住処を求めてやってくる恐れがあります。
コウモリは驚くほど体が柔らかく、大人の指がギリギリ入る程度の隙間さえあれば簡単に家屋に侵入し、さらに被害を拡大させてしまいます。特に、暗くて狭い以下のような箇所には住み着きやすいので要注意です。
- エアコンの配管を通す壁の穴の周り
- 換気扇や通気口のカバーの隙間
- 屋根瓦のズレや漆喰の剥がれ
- 外壁のひび割れやサイディングの継ぎ目
コウモリが家屋に侵入する経路については、以下の記事でも詳細をご確認ください。
本格的なコウモリ対策は専門業者への依頼がおすすめ

コウモリの被害に気づいたとき、多くの方がまずは「自分で何とかできないか」「市役所へ相談しようか」と考えるでしょう。
しかし安易な自己対策はかえって被害を拡大させたり、思わぬリスクを招いたりする恐れがあります。
安全かつ確実な解決を目指すなら、専門業者への依頼を検討しましょう。
個人での完全な対策は難しい
個人でコウモリ対策をする場合、完全に駆除することは困難といえます。
実は市販のコウモリ撃退グッズだけでは、コウモリを一時的に追い払うことはできますが、根本的な解決にならないケースがほとんどです。薬剤の効果が切れたりコウモリが環境に慣れたりすれば、すぐに戻ってきてしまいます。
コウモリを二度と寄せつけないようにするためには、コウモリを追い払った後に侵入経路を徹底的に塞ぐ必要があります。しかし侵入経路をすべて特定することは、素人にはほぼ不可能です。屋根裏や外壁のわずかな亀裂、換気口の隙間など、わずかな隙間が残っていれば、コウモリは再び住処を求めてやってきます。
さらにコウモリ駆除は高所での作業が多いため、思わぬ事故のリスクも伴います。そのため、たとえ費用がかかっても、専門的な知識と技術を持った専門業者に依頼するのが安心です。
健康リスク・法的リスクを減らせる
専門業者に依頼すれば、駆除にかかわる健康リスクや法的なリスクを回避できます。
コウモリのフンには、吸い込むと感染症を引き起こす病原菌やカビが含まれている恐れがあります。専門業者は、健康被害のリスクを完全に排除しながら安全に清掃作業を行います。
また他にも注意が必要なのが、法律上のリスクです。コウモリは「鳥獣保護管理法」という法律で守られており、許可なく捕獲したり殺傷したりすると1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる恐れがあります。専門業者は法律を遵守した手順で対処するため、知らないうちに法律違反を犯してしまう心配はありません。
参考:e-GOV法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」
コウモリ被害でお悩みなら協会の無料相談をご活用ください

「コウモリがどこから侵入しているのか分からない」「自分だけの対策に不安がある」このような悩みを抱えている方は、ぜひ「日本有害鳥獣駆除・防除管理協会」の無料相談をご活用ください。
当協会は、コウモリをはじめとした鳥類・害獣による家屋被害に対し、安全で安心な生活環境を守るための防除・管理を専門とする団体です。
経験豊富な担当者が状況を聞き、効果的な対策のアドバイスや専門業者探しをお手伝いします。全国の信頼できる登録業者を紹介してもらえるため、悪質な業者トラブルを避けられます。
「こんなことを聞いても良いのかな?」と思うような内容でも、もちろん大丈夫です。ぜひお気軽にご相談ください。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定

まとめ
自宅に住み着いたコウモリを放置すると、悪臭や感染症、家屋の損傷などさまざまな被害が起こりかねないため、早めの対策が重要です。
安全かつ確実に対策を進めるためには、専門的な知識や技術をもったコウモリ駆除業者に依頼するのがおすすめです。
一日も早く、物音に悩まされることのない、安心して眠れる静かな夜を取り戻しましょう。
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