家屋内に棲みついたコウモリを放置しておくと、建物や住人に被害がおよぶため早急に駆除しなければいけません。
しかし、コウモリは自身の判断で勝手に捕獲・殺傷できない害獣のため「どう対処したらいいのかわからない……」と頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。
もしコウモリの被害に遭った場合、自治体に相談すれば駆除してくれるのでしょうか。
また、駆除業者に依頼する場合、自治体に補助金を申請することは可能なのでしょうか。
本記事では、コウモリ駆除における自治体のサポート内容や補助金の有無についてご紹介します。
目次
コウモリの駆除に補助金は出る?
結論からお伝えすると「多くの自治体でコウモリ駆除に関する補助金は設けていない」ようです。
明確に公共の安全を脅かしたり人的被害が懸念されるような害獣(イノシシやスズメバチなど)では補助金のサポートをおこなっていますが、コウモリは自然災害ではなく・そこまでの危険度ではないといった点が理由に挙げられるようです。
また、コウモリは「鳥獣保護法」によって保護されている動物であり、たとえ被害に遭っていても自己の判断で勝手に捕獲・殺傷することはできません。
駆除する場合は「国や自治体に許可を得る」か「害獣駆除業者に依頼する」しか方法がありません。
仮に、無許可で捕獲・殺傷をしてしまうと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となるため注意しておきましょう。
コウモリ被害に関する自治体のサポート内容
補助金が出ないからといって、各自治体がなにもしてくれないというわけではありません。
本章では、コウモリ被害に関する自治体のサポート内容をご紹介します。
ただし、自治体によっては以下で紹介するサポートを実施していないケースもあるため、詳細はお住いの自治体のホームページや電話などで確認をとってみましょう。
対処法・予防策をアドバイスしてくれる
個人によるコウモリ駆除は鳥獣保護法によって禁じられているため、自治体から駆除に関する直接的な対処法を教えてくれることはありません。
しかし、コウモリが家屋に浸入・住処とした場合の対処法や、侵入を予防する方法などをアドバイスしてくれるケースはあります。
自治体によっては、公式ホームページに具体的な対処法を掲載していることもあるため、まずはお住いのエリアを確認してみるとよいでしょう。
専門の害獣駆除業者を紹介してくれる
各自治体では、管轄地域内にある害獣駆除業者の紹介をしてくれるケースもあります。
「駆除業者への依頼の仕方がわからない」「どの業者に相談すればいいかわからない」という方は、業者を探す前に自治体に相談してみるのもいいでしょう。
ただし、自治体が特定業者のみをおすすめすることはできないため、基本的にはいくつかの業者をまとめて紹介されます。
自治体側が紹介するすべての業者の良し悪しまで完全に把握しているわけではないため「自治体から紹介された業者だから任せて大丈夫だろう」と安易に依頼しない方がよいと考えます。
業者を紹介してもらっても、最終的には自身で判断して駆除業者に依頼する必要があるといえるでしょう。
死骸を回収してくれるケースもある
一般道にコウモリの死骸が落ちいていた場合は、市役所へ相談すれば回収してくれるケースもあります。
動物……とくにコウモリの死骸は病原菌などたくさんの菌が体に付着しており、下手に近づく・触れると感染症を引き起こしかねません。
コウモリの死骸を発見した場合は、早急にお住いの自治体に相談してみましょう。
ただし、自身の敷地内・私有地に死骸がある場合や、一般道であっても回収を断られるケースもあります。
断られたからといって勝手に処理することはできないため、その場合は害獣駆除業者に相談するといいでしょう。
業者に依頼する際の駆除費用はどのくらい?
害獣駆除業者にコウモリの駆除を依頼した場合、費用相場はおおよそ以下の通りとなります。
【コウモリの駆除費用】(1カ所)
- コウモリの追い出し作業:2~3万円
- 糞などの清掃作業:5,000~1万円
- 消毒作業 :5,000~1万円
- 侵入口の封鎖:3,000~1万円
- その他(出張費・高所作業費など):1万円前後~
1カ所あたりの費用相場は2~3万円となり、駆除する箇所・コウモリの数・被害状況などで価格は上下します。
場合よっては10~20万円ほどかかる可能性もあるため、まずは見積りを依頼して具体的な費用を確認することからはじめましょう。
コウモリ駆除業者の適切な選び方とは?
本章では、コウモリ駆除業者に依頼する際のポイントをご紹介します。
なかには「悪徳業者」の類も存在するため、業者選びは慎重におこなうことをおすすめします。
必ず「相見積もり」をとること
駆除業者の候補を探す際は、必ず複数の業者に見積もりを依頼する(=相見積もりをとる)ことをおすすめします。
その理由は「複数の業者と接点を持つことで、良し悪しの比較材料となる」からです。
見積もりを一社からしかとらないと、対応の良し悪しや適性費用が把握できず、下手をすれば悪徳業者に依頼してしまい後で後悔することになるかもしれません。
自治体から紹介された業者であっても、必ず相見積もりをとり、自身が納得のできる業者に依頼しましょう。
現地調査・見積もりは無料か
コウモリなど害獣を駆除するにあたって、まずは業者スタッフが現地調査をおこない、そのうえで見積もりを出してくれます。
現地調査や見積もりは基本的に無料で実施してくれるケースが多いものの、業者のなかには「有料」または「現地調査を渋る」可能性もあります。
現地調査をしなければ、被害状況が把握できず正確な見積もりを作ることはできません。
現地調査・見積もりの段階から料金が発生する、提示する見積もりが曖昧……という業者は良心的ではない可能性が高いため、候補から外すのが賢明といえるでしょう。
作業内容を丁寧に説明してくれるか
信用に値する業者であれば、事前に作業内容や料金体系を丁寧に説明してくれるだけでなく、こちらの質問にも丁寧に回答してくれるはずです。
- 見積書に曖昧な項目がある
- 事前の説明が丁寧ではない
- こちらの疑問点や不安点に誠実に答えてくれない
上記のような業者は実際の作業も雑におこなう可能性が高くなるため、注意が必要です。
アフターフォローは充実しているか
害獣の侵入は、仮に専門業者に依頼しても100%防げるわけではなく、いずれは再発する可能性もあります。
そのため、万が一再発して場合のためにアフターフォローが充実している業者を選ぶようにしましょう。
アフターフォローの内容としては、主に以下が挙げられます。
- 問題が再発した際の対応や費用の有無
- 再発防止のための具体的なアドバイス
- 保証期間の設定 など
アフターフォローの内容は駆除業者によって異なるため、詳細は依頼前にしっかりと確認しておきましょう。
実績件数や口コミは豊富か
信頼できる業者を見極めるうえで、対応件数(実績)や口コミ(お客様の声)は非常に参考になります。
対応件数が豊富・口コミにポジティブなものが多い業者ほど作業スキルが高い可能性があり、安心して駆除を任せることができるでしょう。
ただし、インターネットの情報はあくまで参考程度にとどめておくことをおすすめします。
業者の公式サイトはお客様に良いイメージを持ってもらうため、良い評価しか記載されていないことがほとんどです。
インターネットやSNSの口コミも当然人によって受ける印象は異なるため、すべてを鵜呑みにすると「思っていたのと違った」となりかねません。
インターネットの情報はあくまで参考程度にし、最終的には自身の判断で業者を決定するようにしましょう。
「安さ」だけでなく「サービスの質」で決める
害獣駆除業者の数は増加しており、その競争に打ち勝つために各業者はさまざまな施策を施しています。
そのなかで「とにかく安さをウリにする業者」には注意しておきましょう。
安さだけをウリにしている業者は、駆除・対策が不十分であったり、あとから追加費用を請求されるといったケースが見受けられ、結果的に費用が高くなってしまいます。
相見積もりをしっかりとり、「安さ」だけでなく「サービスの質」で業者を決めることをおすすめします。
自身でできる対策はある?
鳥獣保護法で保護されているコウモリは、許可なく捕獲・殺傷することはできません。
そのため、自身でできることは「コウモリを家屋内から追い出す・侵入させない」ことだけです。
【自身でできるコウモリ対策】
- 忌避剤や超音波を使って、コウモリを追い出す
- 侵入経路を特定し、封鎖する
- 糞や食べかすなどの清掃と消毒
忌避剤や超音波はホームセンターやネット通販などで購入できるため、それを利用するといいでしょう。
しかし一時的に追い出すことに成功しても、コウモリにとって棲みやすい環境のままであれば、いずれ再侵入される恐れがあります。
ただし、対処法を理解していない素人だと侵入経路の特定や封鎖は難しく、糞や食べかすの清掃・消毒にもストレスを感じてしまうでしょう(清掃・消毒は感染症を防ぐために、手袋やマスクの着用・汚れてもいい衣服でおこなうこと)。
自身で手に負えないと感じる場合は、被害が大きくなる前に自治体や害獣駆除業者に相談してみることをおすすめします。
コウモリ被害は早めに業者に相談しよう!
コウモリを駆除を業者に依頼すると、自身で対処するよりも費用がかかってしまいます。
しかし、駆除業者はコウモリの生態を知り尽くしたプロの業者であり、徹底した「駆除」「清掃・消毒」「再発防止」をおこなってくれるでしょう。
アフターフォローが万全であれば、万が一再発しても安心できます。
被害が進むほどコウモリの駆除や建物の修繕費用などが高額になっていく可能性も高いため、コウモリの存在に気付いた方は、できるだけ早めに害獣駆除業者に相談してみましょう。
まとめ
各自治体に交付される補助金の対象は「明確に公共の安全を脅かしたり人的被害が懸念されるような害獣」に限られており、コウモリはその対象には含まれていません。
また鳥獣保護法の観点から、コウモリを許可なく駆除することもできません。
しかし、各自治体ではアドバイスや業者の紹介などのサポートをしてくれるケースもあるため、まずはお住いの自治体に相談してみるのもいいでしょう。
具体的に業者に駆除を依頼するとなった際は、相見積もりをとり、より自身が納得・安心できる業者に依頼しましょう。
コウモリの駆除費用は作業範囲に比例して高くなっていくため、専門業者に駆除を依頼する場合は、できるだけ早めに相談することをおすすめします。
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