【害獣情報】コウモリって撃退できるの?詳しい方法と手順を深掘り!

コウモリ

記事の概略

「自宅敷地内で、コウモリに糞尿を撒き散らかされる…」
「一度棲みついてしまったコウモリを追い出すことって出来るの?」
そんなお悩みをお待ちの方はいらっしゃいませんか?
業者に相談すると費用が掛かりそうだし、できたら自分でどうにかしてしまいたい、と思うのが自然な発想かと存じます。
しかし、害獣駆除の知識が全く無い方には少しハードルが高いのも事実です。
そこでこの記事では、コウモリ撃退に役立つ知識や便利な撃退グッズ注意点などをご紹介したいと思います!
お気軽にご覧くださいね。

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1ヶ月ぐらい前に、自宅の1階の天井裏にコウモリが棲みついているのを見つけたの!
その何ヶ月も前から、突然コウモリが家の中に入って来たり、天井裏から変な物音が聞こえてたりしたんだけど、たまたま入り込んだだけだと思い込んでたわ…。
私が巣を発見した時には、もう…そこらじゅう糞だらけよ!

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それはお気の毒ですね…。
1階天井裏ということは、侵入経路は外壁に空いた隙間の可能性が高いですね。
コウモリは昼間は巣の中でじっとして日没後に活動を始めるので、その時間帯に自宅周辺を見張っていれば、コウモリがどこから出入りしているか突き止められるはずです。

コウモリによる害獣被害

糞尿による被害

コウモリは棲みついた場所で大量の糞尿を撒き散らかします
一匹一匹は非常に小さいですが、集団でコウモリが棲みつくと、やがて糞はこんもりと堆積するほどの量になります。
また、糞には病原菌や寄生虫が含まれており、感染症やアレルギーの原因になる上、糞尿が天井や壁に染み込んでシミや悪臭を発生させたり、建材を劣化させたりすることもあります。

騒音による被害

コウモリは夜行性で、夕方から夜にかけて活動的になります。
ちょうど人々が寝静まる時間帯にバサバサと羽音キィキィという鳴き声を出すので、睡眠の妨げになるのは勿論、快適な住環境を壊すストレス原因になりえます。

ダニやノミによる被害

コウモリの体にはダニやノミなどの寄生虫が大量に付着しており、コウモリが家に侵入する事で、これらの寄生虫も屋内に持ち込まれます。
ダニやノミに刺されると強いかゆみや赤みなどの症状が出るほか、重症熱性血小板減少症候群やハンタウイルス感染症などの危険な病気に感染する可能性もあります。

設備機器への被害

コウモリは驚くほど小さな隙間から家に侵入できます。
エアコンや換気扇の通気孔などに入り込んで、その中で糞をしてしまうので、その状態でエアコンや換気扇を稼働させると、乾燥した糞が室内に撒き散らされてしまいます。
これは感染症のリスクだけでなく、設備の故障の原因にもなるものです。
また、死んだコウモリが放置されると、悪臭や害虫の発生の原因にもなります。

コウモリに効く撃退グッズ

匂いを利用したもの

忌避スプレー

コウモリ撃退法として最もスタンダードなものは、ハッカ成分の入った忌避剤を使用する方法でしょう。
ハッカとは別名ペパーミントとも呼ばれ、その名の通りメントールの香りのする植物で、清涼飲料、お茶、菓子、タバコなどのあらゆる製品に利用されてきた歴史を持つポピュラーなミントです。
ハッカを摂取すると独特な清涼感と刺激を感じますが、多くの動物はこれを嫌い、そのため動物向けの忌避剤として広く利用されています。
スプレータイプのものは特に即効性があり、ピンポイントで特定の場所に忌避成分を散布することが可能です。
ただし、その効果は数時間程度しか継続しないため、長期間にわたって害獣の侵入を予防する目的には適していないでしょう。

燻煙剤

燻煙剤(くんえんざい)は、発熱剤を使用して固体状の有効成分を不完全燃焼させ、有効成分を煙に乗せて拡散させるタイプの忌避剤です。
ゴキブリ用の燻煙剤が有名ですが、コウモリなどの動物用のものも存在し、ワサビ・唐辛子の刺激臭&よもぎ・どくだみ・月桃といった害獣の嫌う成分含んだ製品が市販されています。
手軽に広い範囲に忌避成分を散布することができ、コウモリの棲みついている閉鎖空間内で使用すると効果は絶大です。
効果は2ヶ月程度持続するので大変便利ですが、大量の煙が発生するので、誤って人間の居住空間にまで煙が侵入する可能性があります。その場合は家具、カーテン、絨毯などへの成分の付着、煙による火災報知器の作動に注意してください。

置き型忌避剤

置き型忌避剤は、設置するだけで有効成分が徐々に揮発して拡散する仕組みの忌避剤です。
このタイプの忌避剤は、封を開けて設置するだけでよく、火をつける必要も、自ら散布する必要もありません。
さらに効果の持続時間は2ヶ月〜3ヶ月と非常に長く、長期にわたって放置でき、こまめな使用や調整を必要としないのが最大のメリットと言えるでしょう。

音・光を利用したもの

超音波装置

コウモリは超音波を出して、その反響具合から周囲の状況を把握する”反響定位”という能力を使って飛行しています。
コウモリにとっての超音波は、我々人間にとっての光のようなものなので、ノイズになる超音波を発生させることで彼らを撹乱させられるのです。
超音波を発生させる装置はネットショップなどで市販されているので、どなたでも購入できます。
価格は1000円〜5000円程度とお求めやすく、さまざまな周波数域の可変に対応するので、コウモリに限らずネズミ、ネコ、アライグマ、ハクビシンなどの動物はもちろん、クモ、ゴキブリ、蚊、アリなどの昆虫にも有効であるとされています。
また、超音波は人間には聞こえない周波数の音なので、人間の住環境を妨げないというメリットもあります。
一方で、超音波によるノイズはコウモリを一時的に混乱させる効果はあるものの、コウモリは反響定位に利用する超音波の周波数を変えることで、飛行への支障を回避することができます。
一度順応されてしまえば効果が減少するだけでなく、そもそも超音波は全方位に拡散するわけではないため、コウモリを撃退するためにはピンポイントで超音波を当てる必要があるというデメリットもあります。

センサーライト

コウモリは夜行性の動物なので光が苦手であるとされています。
ライトはコウモリのこの特性を利用して、コウモリを撃退するために有効なグッズであると言えます。
センサーによってコウモリを感知するとライトを点灯するタイプのものが一般的で、電源供給は電池式、充電式、ソーラーパネルによる発電式と様々です。
その手軽さから、コウモリのみならず多種多様な害獣被害に用いられているセンサー付きライトですが、その効果については懐疑的な見方も存在します。
そもそも光が苦手であるというのは一部のコウモリにのみ当てはまる事実に過ぎず、日本で最も多く見られる”アブラコウモリ”は光に対して耐性を持っています。
そのうえ、光に釣られて集まった虫1を食べようと、コウモリまでもが逆に引き寄せられる可能性も考えられます。
近年広く見られるLEDライトは、従来の白熱球・蛍光灯とは違って、ほとんど紫外線を出しませんが、わずかに放出された紫外線が虫、もといコウモリまでも呼び寄せてしまうかもしれません。

  1. 厳密には光全般ではなく、高い周波数の紫外線に対して反応しています。 ↩︎

その他

獣用線香

蚊に効く蚊取り線香があるように、コウモリなどの動物に対して有効な獣用線香が存在します。
1000円〜購入でき、蚊取り線香と同様に火をつけるだけで使用できるので大変手軽です。
線香には唐辛子の成分が入っており、線香が燃えると同時に、煙となってこれらの成分が周囲に拡散されます。
ただし、煙の性質上風に流されてしまうため、屋内の密閉された空間でないと十分な効力を発揮しないでしょう。

虫取り網

虫取り網を使ってコウモリを捕獲する原始的な方法もかんがえられます。
コウモリの飛行速度は鳥などに比べると速くなく、また、コウモリが寝ぐらとしている具体的な場所(雨戸、天井裏など)を把握している場合は、ほぼ確実にコウモリを捕獲できます。
しかし、コウモリの捕獲には免許と許可が必要な点に注意が必要であり、コウモリの体には大量の菌やウイルスが付着しているため、感染症に罹患するリスクも付き纏います。
また、コウモリが人家に定着している場合、多ければ数十匹〜数百匹が棲みついているケースも見られるため、全てのコウモリを捕獲するのは気が遠くなるような作業となるでしょう。

効果の期待できないもの

CD・DVD

紐などで吊るしたCD・DVDに光を反射させて、農作物を狙う鳥を驚かせ、撃退する手法は古くから頻繁ひ見られました。
コウモリに対しても全く効果が無い訳ではありませんが、日本で一般的な小型のコウモリは視力が極めて弱く、また、自然光を反射する仕組み上、夜間には効果を発揮できません。
残念ながら、敷地の景観を損なうだけに終わる可能性が高いでしょう。

磁石

一部インターネット上に、「強力な磁石を設置すると、コウモリが方向感覚を失って寄り付かなくなる」といった情報が散見されます。
渡り鳥などの一部の動物は、磁場の向きを捉える「磁覚」と呼ばれる器官を体内に持っており、まるでコンパスのように地球の磁場の向き(方角)を感じることができ、それを元に自らの進行方向を決定します。
このような事実から、上記のような言説が生じたと考えられます。
しかし磁石が磁覚に与える影響はもとより、そもそもコウモリは磁覚を持っておらず、視覚と聴覚によって周囲の環境を把握するので、磁石を用いたコウモリ撃退法には”一切効果が無い”と言わざるをえません。

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ええ! 磁石って効果ないの!?
手軽だし安いから、コウモリ除けに使おうとしてたんだけど、効果が無いならやめておくわ!
燻煙剤とか便利そう!って思ったけど、うちの天井裏には点検口が無いから、自分でやるのは難しいかもしれないわ…。

再発防止策

日本で一般的なコウモリであるアブラコウモリは、たった1.5cm程度の隙間から様々な場所に侵入可能です。
コウモリが再び侵入しないよう、一般的な民家における主な侵入経路をあらかじめ理解しておくと良いでしょう。

戸袋

戸袋は雨戸を収納するためのスペースで、よっぽどの事がない限り使用しない場所です。
そのため、万が一コウモリが侵入しても気が付かないケースも多く、非常に狭い空間ですが、アブラコウモリが身を潜めるには十分な広さになっています。

屋根裏

コウモリにとって屋根裏は非常に広い空間でありながら滅多に人間が入ってこず、暗くて雨風をしのぐ事もできる快適な環境です。
古い瓦屋根の住宅の場合、ずれた瓦と瓦の隙間から屋根全体を覆う野地板を通って屋根裏に侵入するケースが見られるほか、比較的新しい住宅でも、調湿・排熱を目的に設置された通気口などを通って屋根裏に侵入される危険があります。

換気口

普通の換気口であれば、動物が出入りしないよう侵入防止用の網・格子が埋め込まれています。
しかし経年劣化によって網・格子が壊れたり、隙間が空いているような状態になれば、そこからコウモリが屋内に侵入できます。
侵入すると言っても、部屋にまで侵入するのではなく、換気扇付近の構造内部に棲みつくケースも多く見られ、こうしたケースでは発見が遅れやすいのに加えて、換気口内部に溜まった糞尿がコンロやキッチンに衛生的な悪影響をもたらします。

配管穴

エアコンの配管を通すための壁穴もコウモリの侵入経路として考えられます。
この穴は通常、エアコンを設置する際に設置業者によってパテ(隙間を塞ぐための専用の粘土)塞がれますが、施工品質の悪い業者ですと、十分に穴を埋められていないケースがありす。
壁穴から侵入したコウモリはエアコン室内機の裏などに棲みつき、糞尿もそこで行います。
それによって室内に悪臭が立ち込めるほか、壁にシミができてしまいます。

注意点

作業の危険

コウモリの撃退を自分で行う場合は、その危険性に十分配慮した上で行なって下さい。
まず、比較的高所に住み処を設けるコウモリの駆除には、落下の危険が伴います。
脚立を使用する際は、補助となる人がいると安心できるでしょう。

感染症の危険

コウモリは様々なウイルスを保有しており、とりわけ人家の狭いスペースを住み処とするコウモリは、自らが垂れ流した糞尿に直接触れながら生活しています。
そのため、以下のような感染症の危険を常に孕んだ存在だと言えます。

ニパウイルス感染症

オオコウモリによって感染した豚から人に間接的に感染した事例と、オオコウモリから人に直接感染した事例がある感染症です。
発熱や頭痛、筋肉痛などの症状に始まり、痙攣や昏睡、見当識障害などの脳炎症状をきたします。
日本ではまだ直接的な被害はないものの、四類感染症に指定されています。

ヘンドラウイルス感染症

オオコウモリから馬に感染したヘンドラウイルスが、馬の体液や排泄物と接触することで人間にも感染する感染症です。
主な症状は発熱や筋肉痛、肺炎や脳炎などで、日本では感染報告はありませんが、オーストラリアではコウモリに接触することの多い人は狂犬病ワクチンの接種を勧められています。

ヒストプラズマ症

コウモリの糞に汚染された土壌やほこりの中で生育した真菌の胞子を吸い込むことで発症する肺感染症です。
多くの人には症状が出ませんが、肺炎や全身感染などの重症化する場合もあります。
日本では感染が疑われる患者も報告され始めてきており、現在日本でも27例ほどの報告があります。

リッサウイルス感染症

食虫コウモリや食果実コウモリなどの野生コウモリの唾液中に含まれているウイルスが原因の病気です。
咬まれたり引っかかれたり、傷口をなめられたりすることで感染します。
症状は発熱や頭痛、倦怠感、精神錯乱などで、最終的には筋力の脱力から呼吸困難をきたして、発症後1か月前後で亡くなるケースの多い病気です。
日本では感染報告はありませんが、海外ではコウモリが媒介した感染症の症例があります。

世界中で猛威を振るい、全世界で累積感染者数3億2,361万370人、累積死亡者数552万9,693人を出した新型コロナウイルスは記憶に新しいですが、この新型コロナウイルスの起源がコウモリにあるとする説があります。
一説によると、中国で初めて発見された新型コロナウイルスはキクガシラコウモリ属の一種であるキクガシラコウモリからも検出され、これが2002〜2003に流行したコウモリ由来の感染症、SARS(重症急性呼吸器症候群)と遺伝的に類似しているとのことです。

適法性

鳥獣保護管理法

まず、コウモリは鳥獣保護管理法で保護されている動物です。
この法律は鳥類や哺乳類に属する野生動物の保護と管理を目的として整備されたもので、狩猟免許保有者が許可を得て行う場合以外の捕獲や駆除を原則として禁止し、違反した者には1年以下の懲役または100万円以下の罰金を課すことを定めています。

ただし、例外的に許可される場合もあります。
たとえば、コウモリが農林水産業や公共の利益に重大な被害を与えるおそれがある場合、都道府県知事の許可を得れば、捕獲や駆除を行うことが出来ます。
また、コウモリが怪我をしているなどの理由で保護する場合、自治体に連絡をした上で一時的に保護できるケースもあるようです。

動物愛護法

次に、動物愛護法は、動物の命や健康を守ることを目的としています。
この法律は動物の虐待や殺傷を禁止しており、違反すると2年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられます。
コウモリも動物愛護法の対象となるため、不必要に傷つけたり殺したりすることはできません。

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コウモリに触れるのだけは絶対に嫌だわ…。
自宅のコウモリ対策のために、わざわざ狩猟免許を取って行政に許可まで貰うなんて面倒よ!

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忌避剤などを使用してコウモリが自ら出ていってくれれば良いのですが、そうでない場合は、免許保有者が許可を取った上で捕獲や駆除を行わななければなりません。
また、巣の中でコウモリが死んでいる可能性もあり、衛生上放置するのは好ましく無いので、適切に処理する必要もあります。
糞尿の後始末や再発防止策を安全かつ確実に行うのであれば、やはり専門の駆除業者に依頼するのが賢明でしょう。

締めの言葉

解説はこれにて終了です!
コウモリ撃退法について解説しましたが、参考になりましたでしょうか?
駆除作業には大変危険が伴いますので、ご自身で駆除される場合はなにより安全確保を優先して作業なさって下さい。
また、画面右上のハンバーガーメニュー(横三本線)ボタンをタップして、カテゴリ一覧からコウモリを選択すると、コウモリに関連する情報が表示されます。
コウモリにまつわる情報をもっと知りたい方は、是非そちらの方もご覧ください!

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有益な情報をありがとう!とても参考になったわ!
コウモリの撃退がこんなに難しくて危険なものだって知らなかった…。
多少お金はかかるけど、家族に相談して専門の駆除業者への依頼を検討してみるわ。
業者選びに、またこのサイトの記事を参考にさせてもらうわね!

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