「屋根裏で何か物音がする」「家庭菜園が荒らされている」…。 自宅を荒らすアライグマを自分で何とかしたいと考える方は多いでしょう。しかし、自己判断でアライグマを捕まえると、「法律違反」に問われ、罰則を受ける可能性があります。
アライグマは可愛らしい見た目に反して、法律によって厳重に守られ、かつ管理されている動物です。
この記事では、アライグマ駆除に関わる基礎知識から、一般の方ができる対策方法について紹介します。アライグマの被害にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定

1. アライグマ駆除で法律違反になることも

アライグマが自分の家を壊し、庭を荒らしている「加害者」であっても、私たちが独断で殺傷や捕獲を行うことはできません。アライグマは「鳥獣保護管理法」と「特定外来生物法」に指定されているからです。
1-1. 鳥獣保護管理法
日本に生息する野生鳥獣の保護と管理を目的とした法律が「鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)」です。
(野生鳥獣の捕獲等の禁止) 第八条 鳥獣及び鳥類の卵は、捕獲等又は採取等(採取又は損傷をいう。以下同じ。)をしてはならない。
引用:e-Gov法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」
アライグマも鳥獣保護管理法の対象に含まれます。たとえ自分の敷地内であっても、行政の許可なくアライグマを捕まえたり、罠を仕掛けたりすることは、この「第八条」に違反する行為です。
違反した場合には「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。
1-2. 特定外来生物法
アライグマは、もともと日本にいなかった外来種であり、生態系や農林水産業に深刻な被害を与える動物です。そのため「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」に基づき、「特定外来生物」に指定されています。
(飼養等の禁止) 第四条 特定外来生物は、飼養等をしてはならない。
引用:e-Gov法令検索「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」
この法律により、アライグマの「飼育」「譲渡」「生きたままの運搬」は厳しく制限されています。
つまりアライグマを捕まえたあとに別の場所に逃がしに行くといった行為も、生きたまま移動させる「運搬」にあたり、法律違反になるのです。
アライグマは捕獲後の処置も含めて、素人には手を出しにくい動物です。
2. 自分で合法的に駆除するための手続き

では、法律を守りながら自分でアライグマを駆除するにはどうすればよいのでしょうか。
一般の方がアライグマ対策をするには「自治体に捕獲許可申請をする」「狩猟免許を取得する」「忌避剤などで家から追い出す」という3つの方法があります。
2-1. 自治体への捕獲許可を申請する
自治体へ申請をすれば、自身で罠を設置してアライグマを捕獲することも可能です。
自宅に罠を設置したい場合は、まずはお住まいの市区町村の窓口で「有害鳥獣捕獲」の許可申請を行いましょう。
厚木市「有害鳥獣捕獲」の許可申請の例
- 役所へ連絡し、アライグマの被害状況を伝える
- 窓口等で捕獲の許可申請を行う
- 鳥獣の捕獲等許可証及び標識を郵送してもらう
- 借りた箱罠を設置する
- アライグマを捕獲できたら市に連絡する
- 30日以内に箱わなを清掃して返却する
ただし申請には被害状況の証明や、罠を設置する場所の図面などが求められることが多く、手続きには時間がかかります。
参考:厚木市「野生鳥獣の捕獲許可申請はどのようにするのでしょうか?」
2-2. 狩猟免許を取得する
狩猟期間内に、適切な猟具を使用してアライグマを捕獲する方法もあります。
ただし猟具を使用するには「狩猟免許」の取得と、毎年の「狩猟者登録」が必要です。さらに試験のための学習や講習会の受講、登録費用の支払いなど、時間もコストもかかります。
また住宅街でアライグマが出た場合は、そもそも使用できる猟具は限られます。そのため「今すぐアライグマの被害を止めたい」という方には不向きです。
2-3. 【おすすめ】忌避剤などで家から追い出す

自治体の許可を得ての捕獲は難易度が高く、狩猟免許は時間やコストもかかります。
そこでもっとも手軽で有効な方法が「忌避剤(きひざい)」を使ったアライグマの追い出しです。
「捕獲」や「殺傷」は法律で制限されていますが、アライグマが嫌がるニオイを撒いてアライグマ自ら出て行ってもらうことは可能です。
| ニオイ対策グッズ | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 燻煙剤(くんえんざい) | 煙と強いニオイで屋根裏の隅々まで刺激を届ける | 火災警報器に反応する場合がある、効果は一時的 |
| 木酢液・竹酢液 | アライグマが本能的に嫌う「焦げたようなニオイ」を出す | 雨に弱いため、こまめな散布が必要 |
| 刺激臭スプレー | 唐辛子成分などの強い刺激臭で追い出す。即効性が高い | 人間の粘膜にも刺激があるため、使用時はマスク必須 |
自治体の許可を待つ時間は、その分だけ被害が拡大する時間でもあります。まずは忌避剤を使い、アライグマにとって「住み心地の悪い環境」を作り出すことから始めましょう。
3. アライグマを捕獲・追い出しても侵入経路の封鎖が必要
アライグマを一時的に追い出せても、それで安心はできません。そのまま放置すれば、アライグマは再び戻ってきます。アライグマを家から追い出したら、必ず侵入経路を封鎖する必要があります。
3-1. 侵入経路があると被害再発のリスクが残る

アライグマには強い帰巣本能があります。一度「ここは安全で温かい」と認識した場所には、いくら忌避剤などで追い出しても、ニオイが消えた頃に再び戻ってきます。またアライグマがいなくなった隙に、ハクビシンやネズミなどの別の害獣が入り込むケースも少なくありません。
アライグマを二度と入れないためには、追い出した直後に侵入経路の完全封鎖が必要です。
3-2. 直径10cm以上の穴は全て塞ぐ

アライグマは、直径10cm程度の穴(大人の握り拳一つ分)があれば、器用に体をくねらせて通り抜けることができます。以下の場所を入念にチェックし、隙間を徹底的に塞ぎましょう。
- 屋根の重なり部分や瓦のズレ
- 縁の下の通気口や換気口
- 外壁の亀裂や、エアコン配管の導入部
- 軒下と壁の間の隙間
侵入箇所を塞ぐ際には、アライグマの強い爪で破壊されないよう配慮が必要です。木材ではなく「金網」や「パンチングメタル」などの丈夫な金属素材を使用し、ネジやボルトで強く固定することがポイントです。
4. 本格的なアライグマ対策はプロへの依頼がおすすめ

「アライグマを自分で追い出し、全ての穴を塞ぐ」というのは、簡単にできることではありません。本格的な解決を望むなら、専門の駆除業者に依頼をしたほうが良いです。
4-1. 全ての隙間を塞ぐのは難易度が高いから
アライグマは驚くほど身体能力が高く、垂直の壁を登ったり、屋根から屋根へ飛び移ったりします。人間が気づかないような高所の小さな隙間を見つけるには、専門的な視点と機材が必要です。
一般人がそのような機材を準備するのは難しく、すべての隙間を見つけて補修するのもハードルが高いです。しかも1箇所でも塞ぎ残しがあればアライグマは再び家に侵入してくるため、これまでの苦労が水の泡となってしまいます。
4-2. 病気やケガのリスクがあるから
アライグマは非常に気性が荒く、追い詰められると人間に襲いかかることもあります。
また、アライグマの糞尿にはアライグマ回虫や狂犬病、レプトスピラ症といった重篤な感染症を引き起こす病原菌も含まれます。
環境省の資料でも、糞尿の清掃時には徹底した消毒と防護服の着用が推奨されています。ご自身やご家族の健康を守るためにも、危険な作業はプロに任せるのが賢明です。
参考:国立健康危機管理研究機構「アライグマ狂犬病による初の死亡例、2003年-米国・バージニア州」
5. アライグマ被害にお悩みなら協会の無料相談をご活用ください!

「天井裏にアライグマがいるけれど、どうすればいいかわからない」「高額な駆除費用を請求されないか不安」という方は、ぜひ「日本有害鳥獣駆除・防除管理協会」の無料相談窓口をご活用ください。
当協会では、正しい駆除方法のアドバイスから、信頼できる優良業者のご紹介まで幅広くサポートしています。
アライグマ対策は時間との勝負です。放置すれば屋根裏が糞尿で腐り、多額の修繕費用がかかるケースも少なくありません。
まずは現状をお聞かせください。経験豊富な専門スタッフが、家の状況における最適な解決策を一緒に考えます。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定

まとめ
アライグマの駆除は「鳥獣保護管理法」と「特定外来生物法」という2つの法律が関わっています。無許可での捕獲は厳禁であり、まずは忌避剤による「追い出し」から始めるのが大切です。
しかし、アライグマを完全に追い出すには、「完璧な侵入経路の封鎖」と「衛生的な清掃・消毒」が欠かせません。もし、ご自身での対策に少しでも限界を感じたら、迷わず専門家を頼りましょう。
プロの技術であれば法律を遵守し、アライグマに噛みつかれるといったリスクもありません。専門家への依頼は結果として最も早く、費用も抑えた解決策になります。
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