害虫を自分で駆除する方法とは?駆除剤の種類や手順・注意点も解説!

害獣・害虫別

家屋に棲みつく害虫にはさまざまな種類が存在し、放置するほどにその家に住まう人の健康や建物に深刻な被害を与えます。

害虫を発見次第、早急に駆除をおこなう必要がありますが「殺虫剤を使用する以外で害虫を駆除する適切な方法がわからない」「駆除してもすぐに再発してしまう」など、具体策がわからずやみくもに対処してしまう方もいるでしょう。

本記事では、自身で害虫を駆除する方法についてご紹介します。

駆除剤の種類や手順、駆除時の注意点なども解説しておりますので、害虫の存在にお悩みの方はぜひ当記事を参考にしてください。

害虫駆除を自身でおこなうための基礎知識

本章では、害虫駆除を自身でおこなう際の基本的な知識をご紹介します。

基礎を理解したうえで、具体的な対処を進めていきましょう。

害虫の習性を知る

害虫にもさまざまな種類が存在し、それぞれで特徴が異なります。

害虫によって有効な駆除・予防方法が異なりますし、なかには不慣れな方が対処するには危険な害虫も存在します。

また、害虫(不快害虫)として認識されているものの、実際は人間に益をもたらす「益虫」もおり、虫だからといってむやみやたらに駆除すればいいというわけでもありません。

たとえば、さまざまな害虫を捕食する「クモ」やゴキブリを捕食する「ゲジ」などは、あまりに駆除し過ぎると他の害虫が棲みつきやすい環境となる可能性もあるため、注意が必要といえます。

建物に出没しやすい虫がいれば、まずはその虫の習性を知ることから始めてみるのもよいでしょう。

防護手段を用意しておく

屋外から侵入する害虫=野生の生き物であり、体にはさまざまな病原体や菌が付着している可能性が高いことから、素手で触ることは避けた方がよいでしょう。

また、虫も生き物のため糞をしますが、この処理を虫たちが自身でおこなうことはないため、これが積もり積もって悪臭・健康状態の悪化につながるケースもあります。

そのため、害虫を徹底的に駆除・巣を破壊する場合などは、ある程度の防護手段を用意しておくことをおすすめします。

とくに、害虫の通り道や巣付近は清潔な環境とは言い難いため注意が必要です。

最低でも、マスク・手袋・汚れてもいい服装(できれば肌の露出は避けた方がいい)などは準備しておいた方がよいでしょう。

目の前の害虫を駆除するだけでは意味がない

害虫は繁殖力が高いものが多く、目の前の害虫を駆除するだけでは被害を防ぐことは難しいといえます。

とはいえ、害虫駆除に精通している人でもない限り徹底駆除することは至難の業であり、下手に対処して被害が悪化するケースもあり得ます。

駆除には相応の時間も必要とするため「自身の手に負えない」と判断した場合は、害虫駆除の専門業者に相談してみるのもよいでしょう。

害虫の主な侵入経路と塞ぎ方について

本章では、害虫の主な侵入経路と、侵入経路の塞ぎ方についてご紹介します。

害虫は体長が非常に小さく・ほんの小さな隙間からでも侵入できるため「隙間をしっかりと塞ぐ」ことが重要です。

窓・網戸

害虫の侵入経路の代表例といえば「窓」でしょう。

網戸もせずに窓を全開にしていれば、当然害虫だけでなくさまざまな生き物の侵入経路を作ってしまうため、窓を開ける際は必ず網戸をしておきましょう。

また、窓サッシの隙間や網戸に空いた小さな穴も害虫の侵入経路となるため、この隙間はしっかりと埋めておくことをおすすめします。

窓のサッシは、ナイロン製の毛が植毛された「すきまテープ」を貼るとよいでしょう。

テープの幅・毛の長さなどさまざまなタイプの商品が販売されているため、自宅の窓に合ったものを選択してください。

網戸に空いた穴は、網そのものを張り替えるか「網戸補修テープ」で補修しましょう。

玄関

もし玄関に郵便受けがある場合は、ここから害虫が侵入する可能性があります。

とくに郵便物や新聞などが挟まっている際は隙間ができるため、要注意です。

害虫の侵入を防ぎたいという場合は、郵便受けを使用せずにテープで塞いでしまうとよいでしょう。

排水口(排水溝)

排水口(排水溝)は下水管とつながっているため、排水口(排水溝)を伝って害虫が侵入してくることもあります。

排水口(排水溝)が汚いほど悪臭を放ち害虫を引き寄せる原因になるため、適度に掃除する癖をつけておくとよいでしょう。

ゴミ受けにネットをかけたり、目の細かいゴミ受けに交換することもおすすめです。

また、排水口を使用していないときは、フタをして侵入口を封鎖するのも効果的といえます。

排水ホース

エアコンの排水をおこなうホースは暖かく・湿気が溜まりやすいため、害虫にとって最適な環境といえるでしょう。

この排水ホースから侵入し室内に入り込む可能性が高いため、侵入防止用の防虫キャップを取り付けておくことをおすすめします。

防虫キャップのなかには虫が嫌う薬剤が練りこまれているものもあり、このタイプだと大小さまざまな害虫の侵入を防ぐ効果が期待できるはずです。

換気口

換気口は室外とつながっているため、ここも害虫の侵入口となりえます。

そのため、換気口にはフィルターをつけておくことをおすすめします。

フィルターを付けることで、害虫の侵入だけでなく換気扇の汚れ防止にも一役買ってくれることでしょう。

また、フィルターのなかには虫を寄せ付けない成分が配合されている商品もあります。

虫に対する忌避剤の効果は虫に対して有効なもののため(人体への害は基本的にない)、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも安心して使用できるはずです。

薬剤の種類について

害虫駆除で使用する薬剤にも、さまざまな種類が存在します。

本章では、市販の薬剤の種類についてご紹介します。

「スプレー」タイプ

スプレータイプの殺虫剤は殺虫成分を直接吹きかけるため、目の前にいる害虫を即座に駆除したいというときに役立ちます。

距離をとって殺虫したい場合は「ジェット噴射タイプ」を、冷蔵庫や家具などの隙間に吹きかけたいときは「ノズルタイプ」を使用すると的確な駆除ができるはずです。

他にも、凍らせて駆除する「冷凍ジェットスプレー」や一度スプレーするだけで部屋全体に殺虫成分が行き渡る「ワンプッシュタイプ」など、さまざまなスプレータイプの殺虫剤が販売されています。

お住いの環境に応じて、必要なタイプを購入しましょう。

「置き型」タイプ

スプレータイプは殺虫成分を噴射してしまうため「殺虫成分をまき散らしたくない」という場合は使用しづらいというデメリットがあります。

この場合は「置き型」タイプの駆除剤を検討してみましょう。

置くだけ+殺虫成分が浮遊しないため、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも安心して利用できます。

置き型タイプは、殺虫成分入りの毒エサで駆除するものや、害虫が好む臭いでおびき寄せ捕獲するものなどがあります。

とくに、毒エサタイプは「毒エサを巣に持ち帰り、巣にいる害虫や隠れて出てこない害虫も駆除できる」ため、巣ごと駆除したいという方におすすめです。

ただし、スプレータイプは即効性があるのに対し、置き型タイプは遅効性のため、駆除するには時間がかかる点に注意しておきましょう。

「燻煙」タイプ

燻煙タイプは「バルサン」のようなもので、殺虫効果のある成分を煙で噴射し部屋内にいる害虫を駆除します。

部屋の隅々まで煙が行き渡ることから、家具や家電に隠れている害虫にも効果があり「部屋の害虫を短時間でまとめて駆除したい」というときに有効です。

また、引っ越しの際は、新居の各部屋を燻煙タイプで殺虫してから荷物を運びこむと殺虫効果を最大限に発揮できるでしょう(害虫が身をひそめる家具や家電がないため)。

ただし、煙が出ることから「家具や家電はカバーで守る」「使用中は部屋から退出する」「処理後は十分な換気をおこない掃除器や乾拭きなどで掃除する」といった、使用時の注意点もあります。

賃貸物件であれば、事前に管理会社や大家さんに声をかけてからおこなった方がよいでしょう。

使い方や注意点は購入した商品に説明書きがされているため、使用法を守って正しく使ってください。

家屋に出現しやすい害虫の対象法を具体的に紹介!

本章では、家屋に出現しやすい害虫の具体的な対処法をご紹介します。

被害状況によっては自身で対処しきれない可能性もあるため、ここでご紹介する内容は参考程度にとどめておき、状況に応じて「自身で対処する」か「業者に依頼する」かを決定しましょう。

ゴキブリ駆除の方法

どの家庭でも遭遇する可能性が高いゴキブリは、食品害虫・衛生害虫・不快害虫のすべてに該当する害虫のなかの害虫です。

ゴキブリに対して嫌悪感を抱く方は多く「できるだけ(絶対に)遭遇したくない」という方も大勢いるでしょう。

「一匹いたら…」というほど繁殖力・生命力が強いゴキブリは、一度侵入されるとどんどん増殖します。

そのため、まずはゴキブリの侵入口となりやすい以下の隙間を、徹底的に塞ぐべきといえるでしょう。

  • 外壁や外壁のひび割れ
  • 水回りの排水溝
  • 換気扇
  • 通風孔 など

外壁のひび割れを塞ぐことはもちろん、排水口や通風孔はネットなどを張り付けてガードし、できる限り侵入口となる場所を封鎖しましょう。

また、家の外周にホウ酸水溶液を撒いておくのも効果的です。

また、バルサンなどの燻煙剤の使用、毒エサ(ゴキブリホイホイ)などの設置、いざというときのためにスプレータイプの殺虫剤も用意し、撃退体制を整えておきましょう。

ゴキブリの侵入口は非常に幅広く、またマンションなどにお住いの方は自身がどれだけ対策していても周囲の部屋などから侵入してくるケースもあるため、完全に対処しきることは難しいといえます。

どうしてもゴキブリの存在が気になる方は、ゴキブリ駆除の専門業者に相談してみるのもよいでしょう。

ノミ駆除の方法

ノミは、体長わずか1mm~4mm程度であり、肉眼で確認することはほぼできません。

ノミの特徴は「成虫になると、エサを求めて吸血する」ことにあり、人間を含む動物の血液を吸う傾向にあります。

猫や犬などペットを飼っている方だと、とくにノミの存在は驚異といえるでしょう。

ノミは「幼虫」と「成虫」で駆除方法が異なります。

卵または幼虫期のノミを退治する方法は、ノミの居そうな場所にホウ酸を撒き、そのまま一日ほど放置して掃除機で吸い取ることです。

幼虫は動きが鈍い傾向にあるため、成虫よりも駆除しやすいでしょう。

成虫のノミは「光に集まる習性がある」ため、以下の方法で集めることができます。

  • 部屋を暗くし、懐中電灯などの発光する物を床上15㎝の場所に設置する
  • その光の下に漂白剤入りの水を入れた薄い皿を置いておく

一晩ほど経過すれば、驚くほどノミが取れていることでしょう。

ダニ駆除の方法

ダニの体長はノミよりも小さい0.3mm~1mm程度であり、肉眼で確認することはできません。

また「ダニはすべての家にいる」といっても過言ではなく、布団・カーペット・ソファなど家のあらゆる場所に生息しています。

燻煙剤は部屋の隅々まで入り込むため、人の手・目が届かない場所のダニ駆除に効果を発揮します。

また、ダニは温度20~30℃・湿度60~80%の環境を好む傾向があるため、布団などを適度に天日干ししたり、除湿器を使用するのも効果的といえるでしょう。

ダニは、アレルギーの原因になりやすい+繁殖力が高い+肉眼で確認できない(駆除できているかが判別できない)ため、気になる方は早めにダニ駆除の専門業者に相談するのもおすすめです。

シロアリ駆除の方法

シロアリの好物は「木材」であり、家屋に浸入したうえで建材を食し、お住いの建物に甚大な被害をもたらします。

シロアリを自身で駆除する方法は、エアゾールという成分が配合されたスプレー+市販の燻煙剤を使用するのが効果的です。

  • シロアリが食べた木材にスプレーを吹き付ける
  • 部屋全体を閉め切り燻煙剤を炊く
  • シロアリの通り道に毒エサ(おおよそ3mごと)の入った木材を土のなかに埋め込む

ただし、シロアリは巣を起点に大量発生することから、目に見えるシロアリを退治しても根本的な解決にはなりません。

シロアリ+シロアリの巣を完全に駆除しきることは素人には難しいため、シロアリの存在が気になるという方は、できるだけ早期にシロアリ駆除の専門業者に相談した方がよいといえるでしょう。

ハチ駆除の方法

ハチおよびハチの巣は、自身で駆除することはできるもののリスクを伴うため、できれば専門業者に相談することをおすすめします。

ハチにもさまざまな種類があり、総じて「刺される危険性」があります。

スズメバチは攻撃性が高く防蜂ネットの上からでも攻撃してきますし、アシナガバチは小型の割に高い攻撃性と猛毒を持っています。

不慣れな方が対処するのは難しい(危険を伴う)ため、被害が広がる前に専門業者に駆除を依頼した方が賢明といえるでしょう。

ムカデ駆除の方法

ムカデは、都市部では見かける機会が少ないかもしれませんが、絶対に出現しないとは限りません。

毒性が強く、噛まれた箇所は野球ボールほどに膨れ上がるため、とくに小さなお子さんがいるご家庭では注意が必要です。

仮に遭遇した場合は、新聞紙やスリッパなどでムカデを抑え込み、専用の殺虫スプレーで駆除しましょう。

殺虫スプレーがないという場合は、洗面器やバケツなどに熱湯を張り、そこにに食器用洗剤を少量入れてムカデを浸けることで退治できます。

ムカデを目にする機会がある場合は、目に見えないムカデを駆除するためにも燻煙タイプの駆除剤を利用しましょう。

また、侵入されないための処置として、晴れが続く日に家の壁に沿って粉末タイプの殺虫剤を撒いておくのも効果的といえます。

ムカデは毒性や見た目の不気味さだけでなく、床下など自身で駆除しづらい場所に生息していることが多いため、不慣れな方が完全に駆除することは至難の業です。

安全かつ再発率を低くするためにも、ムカデ駆除の専門業者に相談した方がよいといえるでしょう。

害虫駆除を自身でおこなう際の注意点

本章では、害虫駆除を自身でおこなう際の注意点をいくつかご紹介します。

害虫駆除剤の取り扱いに要注意!

市販の害虫駆除剤は、業者が利用する薬剤に比べると効果を抑えめに調整しています。

その理由は、プロの専門家ではない方(=素人)でも扱えるように安全性を重視しているためです。

とはいえ、市販の害虫駆除剤でも危険な薬物であることに変わりはなく、なかには人体に影響をおよぼす可能性がある化学薬品が使用されているケースもあります。

小さなお子さんやペットがいるご家庭であれば、より注意が必要といえるでしょう。

市販の駆除剤は、詳細を確認(不明点があれば担当スタッフに相談するなど)したうえで、購入・利用するようにしましょう。

危険な害虫は無理に駆除しない

害虫にも、クモやゲジのような「人間に直接的な害はない(少ない)タイプ」もいれば、スズメバチやムカデのような「人間に危害を加え、被害を被る可能性があるタイプ」も存在します。

刺された・噛まれたなど人間に直接的な害をおよぼす害虫は、無理に駆除しようとせず、害虫駆除の専門業者に依頼することをおすすめします。

害虫によっては命に関わる危険性を持った危険な生物もいるため、絶対に無理はしないでください。

部屋や家具を傷つけないよう注意する

部屋のなかにいる害虫を徹底的に駆除する場合、大きな家具を動かすこともあるでしょう。

その際は、部屋や家具を傷つけないように配慮することが大切です。

傷ついた小さな傷(隙間)から害虫が侵入することもあるため、慎重に駆除作業を進める必要があります。

害虫はどれだけ対策しても「出るときは出る」

害虫は、どれだけ対策をしても出るときは出ます。

仮に害虫駆除業者に依頼(どれだけ駆除や再発防止を徹底)しても、どこから侵入してくるかはわかりません。

そのため、ある程度の割り切りも必要といえるでしょう。

アフターフォローがしっかりしている害虫駆除業者であれば、万が一再発した際にも、期間内であれば無料or格安で対処してくれます。

害虫の駆除・予防を自身で対処しきるのは限界があるため、気になる方は早めに専門業者に相談することをおすすめします。

まとめ

害虫にはさまざまな種類が存在し、それぞれで適切な駆除・予防法が異なります。

自身で駆除をおこなう場合は、まず対象となる害虫の習性を理解したうえで、効果的な対処を実施していく必要があるでしょう。

もし「自身では対処しきれない」と感じた場合は、被害が拡大する前に害虫駆除の専門業者に相談することをおすすめします。

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