屋根裏に潜む害獣の種類・特徴とは?効果的な駆除や対策方法を解説

害獣・害虫別

「真夜中に屋根裏からドタドタと物音が聞こえる」という場合、屋根裏に害獣が棲みついているかもしれません。

屋根裏に潜んでいる生き物がわからずに不安を感じる方もいるでしょうし、棲みついた害獣を放置するほどさまざまな被害に発展する恐れもあるでしょう。

この記事では、屋根裏に棲みつく傾向がある害獣の種類・特徴に加え、害獣の効果的な駆除・対策方法を解説します。

屋根裏に潜む害獣に不安を感じている方は、ぜひ本記事を参考に対処を講じてみましょう。

屋根裏に侵入しやすい害獣とは?

害獣といわれる生き物のなかには、家屋…特に屋根裏に棲みついて住人や建物に多大な被害を与えるものも少なくありません。

本章では、特に屋根裏に棲みつきやすい生き物についてご紹介します。

ネズミ

他の動物に比べて小柄なものの、繁殖力が非常に高いため、一度住処にされるとあっという間に増殖してしまいます。

ネズミのもっとも厄介な点は、歯を研ぐために硬い建材をかじり、梁や柱をボロボロにしてしまうことです。

時には電源コードをかじり・漏電し、火災につながる恐れもあるため注意が必要といえるでしょう。

ハクビシン

その名の通り鼻筋に白いラインが入っており、体長90~130cm程度のネコと同じくらいの大きさをした動物です。

見た目は可愛らしいものの、性格は獰猛で家屋への被害が大きな害獣の一つといえます。

頭が細く、小さな隙間からでも屋根裏に侵入が可能。また、警戒心が強く記憶力もよいため、一度安全だと判断した場所であれば毎年その場所で巣作りすることもあります。

近年では都市部でも見かけるケースが増えているため、ネズミ同様に注意すべき害獣といえるでしょう。

イタチ

イタチは、体長20~40cmほどの細長い体型・2kgに満たない小柄な動物です。

しかし、肉食かつ獰猛な性格をしており、人間にも襲い掛かってくることがあります。

イタチも、近年都市部での目撃例が増えており、そのほとんどが外来種であるシベリアイタチ(旧チョウセンイタイ)とされています。

アライグマ

全国に生息するアライグマは、近年急速に生息地を増やしている動物であり、都市部でも目撃例が上がっています。

全長70~90cmほどで容姿こそ可愛らしいものの、肉食で気が荒く、自身より大きな相手にも飛びかかることがあります。

人間でも、近づけば襲い掛かってくる可能性があるため、見かけても不用意に手を出さないようにしましょう。

なお、外見がタヌキと似ていますが、尻尾の縞々模様などで違いを判別できます。

タヌキ

森林地域で生活していることが多いタヌキですが、近年ではエサを求めて人が暮らす地域にまで行動範囲を広げています。

都心部でもタヌキの目撃例は増えており、屋根裏に棲みついて害獣被害をもたらす恐れもあるでしょう。

体長は60~80cmほどで、他の害獣と違い臆病かつ繊細な性格をしています。

また、非常に警戒心が強いため、駆除が難しい動物ともいわれています。

コウモリ

コウモリと聞くと、薄暗い洞窟に棲みついているイメージを持つ方もいるかもしれませんが、実際は全国的に広く生息しており、天井裏に浸入し巣を作って棲みつくことがあります。

屋根裏に棲みつくのは、アブラコウモリと呼ばれる小型のコウモリがほとんどです。

小柄かつ身体が非常に柔らかいため、1~2cmほどの隙間があれば簡単に侵入できるでしょう。

飛行する生き物のため他の害獣のように足音を発することはありませんが、羽音や鳴き声に悩まされる方が多くいます。

なお、コウモリは多くの害虫を食べてくれるという「益獣」と、さまざまな疫病の媒介者である「害獣」の両面を持ち合わせています。

家屋に棲みつくとさまざまな被害をもたらす恐れがあるため、もし痕跡などを発見した際は早急に対処すべきといえるでしょう。

屋根裏に棲みつく害獣に共通する特徴

屋根裏に棲みつく害獣には、いくつか共通する特徴があります。

本章にて、その共通する特徴をご紹介しましょう。

夜行性で夜中に活発に活動する

害獣の多くは夜行性であり、人々が寝静まった夜中に活発に活動するケースが多いといえます。

夜中は周囲の生活音もあまりしないため、屋根裏を動き回る足音や鳴き声などが耳に入りやすく、騒音被害をもたらします。

当然、子どもが生まれるなど個体数が増えるほど被害は拡大し、睡眠不足やひどい場合は幻聴などが聞こえるようになるなど、騒音被害には注意が必要です。

なお、夜に活動が活発化する害獣は多いものの、昼間でもまったく活動しないわけではありません。

雑食性でなんでも口にする

害獣は、基本的に雑食性でなんでも口にします。

人が口にする食べ物はもちろん、生ごみ・残飯・カビの生えた食材なども食べられるため、屋根裏に棲みつかれると食害の被害が発生する恐れが高まるでしょう。

また、雑食性が基本ではあるものの、害獣の種類によって好物とするものが変わり、もし好物があった場合は優先的に食す傾向があります。

農業を営んでいる方や家庭菜園をしている方であれば、農作物も被害にあう恐れがあるでしょう。

体に多数の菌が付着している

害獣・害虫など野生の生き物は総じて不衛生であり、その体にさまざまな病原菌や寄生虫が付着しています。

そのため、体に触れることはもちろん、引っかきや噛みつきによる攻撃を受けた場合、そこから菌が入り込み感染症などの病気を引き起こす原因となってしまうでしょう。

害獣を見かけても、不用意に近づかないことをおすすめします。

見た目に反して気性が荒い

害獣のなかには見た目が可愛いらしい動物もいますが、可愛いからと不用意に接触しようとすると攻撃される恐れがあります。

特に、ハクビシン・イタチ・アライグマなどは気性が荒く獰猛なため、襲われる危険性が高まるでしょう。

タヌキのように臆病な動物もいますが、下手に刺激するとびっくりして襲い掛かってくることもあります。

ケガを負うだけでなく病気にかかる恐れもあるため、野生動物にはむやみに近づかないようご注意ください。

建物が荒らされる

たとえば、ネズミなどが屋根裏に侵入している場合、屋根裏に設置してある電機の配線などを噛んでしまうことがあるでしょう。

配線を噛まれてしまうと、断線はもちろん火災にまで発展する可能性があるため、注意が必要です。

また、屋根裏にある断熱材を噛み千切るなどして、断熱材を用いて巣を作るケースもあります。

建材をかじる・糞尿被害なども含め、害獣に棲みつかれると建物の劣化が早まる恐れがあるでしょう。

「溜め糞」をする習性がある

溜め糞とは、同じ箇所に糞尿をすることを指しています。

特に、アライグマやイタチのような肉類を好む害獣は糞尿の臭いが強烈であり、悪臭による健康被害が発生します。

糞尿が原因で、ダニやノミなどの害虫が大量発生する原因にもなり得るでしょう。

また、糞尿は放置すればするほど蓄積し、建材が腐敗・天井が抜ける可能性が高まります。

下手をすれば建物の倒壊の危険性もあるため、放置するのは大変危険といえるでしょう。

「鳥獣保護法」の対象となっており許可なく駆除できない

上述でご紹介した6種の害獣は、ネズミを除きすべて「鳥獣保護法」によって保護されています。

そのため、仮に自身が住まう建物や住人に被害がおよんでいても、無許可で捕獲・駆除することはできません。

許可を申請するには、該当する狩猟免許を取得する必要があるため、誰でも簡単に申請できるものでもありません。

そのため、もし害獣の被害に遭っている方や害獣の被害を危惧される方は、早めに害獣駆除の専門業者に相談してみるとよいでしょう。

害獣が屋根裏に棲みつく理由とは?

本章では、害獣が屋根裏に棲みつく理由を解説していきましょう。

理由①:外敵に襲われにくい

屋根裏に浸入できる隙間は非常に小さいため、害獣の天敵となり得る動物に襲われにくい環境です。

また、屋根裏に頻繁に出入りする人もほとんどいないため、人間という天敵との接触も避けることができます。

子育ての時期は子どもを守るための安全な空間を手に入れる必要があるため、特に繁殖期は屋根裏に棲みつかれる可能性が高いといえるでしょう。

総じて安全かつ快適な環境であることから、一度棲みつかれると自分から住処を手放すということもほぼありません。

理由②:エサが豊富にある

屋根裏には、害獣のエサとなり得るものが豊富に存在します。

たとえば、冬場の屋根裏は外よりも暖かいため、さまざまな虫や小動物が集まり、それを捕食できます。

また、家の中に浸入すれば人が口にする食べ物を入手することができますし、人が捨てた生ごみや残飯などをエサとすることもできるでしょう。

現在は自然環境が激減しているため、自然界で住処となる場所を作りづらく、エサとなるものも見つけづらくなっています。

そのため、エサとなるものを求めて人が住まう地域に出没する動物が増加しているのです。

害獣にとって、屋根裏は安全かつエサに困らない快適な空間といえるでしょう。

理由③:天候に左右されない快適な環境

屋根裏は、害獣にとって天候に左右されることのない快適な空間です。

屋根裏には熱の移動(伝導)を遅らせる素材である「断熱材」が入っていることが多く、暑すぎず寒すぎずの環境で安全に過ごすことができます。

その断熱材を寝床代わりにする害獣もおり、たとえばアライグマやハクビシンなどの力が強く器用な動物であれば、断熱材を引きちぎり自分好みの巣を作ることもあるでしょう。

屋根裏の害獣:こんな現象が起きたら要注意!

屋根裏に動物が潜んでいる場合、どのように見分ければよいでしょうか。

本章では、室内や家の外からチェックできる特徴的なポイントをご紹介します。

もし一つでも該当するものがあれば、害獣が侵入・棲みついている可能性が高いため、できるだけ早めにプロの業者に相談してみましょう。

なにかがいるような気配や音がする

どんなに小さな生き物でも、動物の気配は意外と(なんとなくでも)察知できます。

「屋根裏になにかいるような気がする…」と感じる場合は、足音や羽音・木材が擦れる音・鳴き声などがしないか耳を澄ませてみましょう。

本記事でご紹介した害獣は基本的に夜行性のため、夜の静かな環境下で確認するのがおすすめです。

なお、もし屋根裏を実際に確認する場合は、かならず2人以上で作業をおこない防護手段も用意してからおこなってください。

屋根裏は普段入ることがほとんどなく、以下のようなさまざまな危険が潜んでいます。

  • 年数とともに積もった埃や劣化した断熱材の飛散
  • 天井板の釘が貫いて刺さる
  • 足を踏み外して下の階に落下する
  • 電気配線に触れる
  • 害獣・害虫と出くわす
  • (害獣がいる場合)乾燥したフンを吸い込む など

万が一のことがあっても即座に対処できるよう、かならず2人以上かつ連絡が取れる状態で確認を実施してください。

また、清潔とはいえない場所を確認するため、防護手段(防護マスク・ゴーグル・ゴム製の手袋・ツナギ服・安全靴・防止など)も用意して万全な対策をしておきましょう。

悪臭がする・天井にたわみやシミができている

屋根裏に害獣が侵入・棲みついている場合は、糞尿が堆積している可能性が高いでしょう。

悪臭がする・水分が染み込んで色が変わっている・天井版にたわみや歪みが出ているといった場合は、注意が必要です。

痕跡がないか探してみる

害獣が棲みついている場合、かならずどこかに浸入ルート(通り道)が存在します。

天井裏への浸入ルートとしては、たとえば以下が挙げられるでしょう。

  • 屋根裏の通気口
  • 換気扇のすき間
  • 排水管
  • 電柱の引き込み口
  • 壁の破損部分や亀裂 など

こういった害獣の通り道には、なにかしらの痕跡が残されていることが多いため、家の周辺を細かくチェックしてみましょう。

ネズミの場合、ラットサインという特有の痕跡が発見できることがあります(糞尿・足跡・黒いこすり跡・かじった跡など)。

害獣によって痕跡の特徴は異なるため、もし痕跡らしきものを見つけたらネットなどで調べてみるとよいでしょう。

また、浸入経路を発見した場合は、被害が拡大しないよう塞ぐことも重要です。

ただし、害獣がすでに棲みついている場合は、家屋内の害獣を駆除してからでなければ棲みついた害獣を閉じ込めることになります。

害獣駆除業者に依頼すれば、駆除だけでなく侵入経路を特定し封鎖もしてくれるため、被害が気になる方は業者に依頼したほうが安心できるでしょう。

近隣で害獣の被害が出ている

家の周辺で害獣が目撃されたor近隣住民に害獣の被害に遭っている方がいた場合、自身の家にも侵入してくる可能性があるでしょう。

たとえば、害獣はエサ場の近くに巣を作り棲みつく傾向があります。

もし家庭菜園や近隣の畑などで食害が発生している場合、近くに害獣の巣があるかもしれません。

念のため、家の中や周囲にて痕跡がないかチェックしてみるとよいでしょう。

屋根裏に浸入した害獣を追い出す方法とは?

ネズミを除く害獣の多くは許可なく捕獲・駆除することはできませんが、建物から追い出すことは可能です。

本章では、屋根裏に浸入した害獣を追い出す方法をご紹介します。

侵入経路を塞ぐための道具(金網・害獣侵入防止用のカバー・穴埋めパテなど)は、ホームセンターやネット通販で入手できます。

市販の対策グッズを利用する

害獣対策グッズ…たとえば忌避剤や超音波発生装置などは、ホームセンターやネット通販などで簡単に手に入ります。

害獣が侵入しやすい場所に設置することで、動物の侵入をある程度防ぐことができるかもしれません。

ただし、害獣の種類によって効果は異なりますし、ペットとお住いの方であればペットにとって好ましくない成分が含まれているケースもあるため、事前の情報収集はしておくべきといえるでしょう。

ライトを仕掛ける

害獣の多くは夜行性であり、多くの野生動物は強い光を嫌う傾向にあります。

そのため、侵入する害獣に警戒心を与えるためにライトを設置してみるのもよいでしょう。

害獣用の撃退ライトも、ホームセンターやネット通販などで入手できます。

ただし、害獣もいずれは光に慣れるため、単にライトを設置するだけだと徐々に警戒心が緩まり気にせず侵入してくる可能性もあるため注意が必要です。

害獣駆除業者に依頼する

害獣を建物から追い出すだけであれば、確かに自身でおこなうこともできます。

しかし、追い出し以外にも侵入経路の特定と封鎖・害獣の住処や通り道の清掃や消毒など、やらなければならないことがたくさんあります。

不慣れな方ほど対策には膨大な手間とリスクがかかり、下手をすればそれでも効果が得られない可能性もあるでしょう。

そのため、下手に自身でどうこうしようとせず、害獣や痕跡を発見した場合(もしくは被害を危惧される方)は、早めに害獣駆除業者に相談することをおすすめします。

被害が軽微であるほど駆除費用は安くなりますし、保証が充実していれば万が一被害が再発しても安心です。

現地調査・見積もりまでは無料で対応してくれる業者も多いため、依頼するかは別としても、まずは相談してみるとよいでしょう。

まとめ

屋根裏に潜む害獣にもさまざまな種類があり、それぞれで特徴が異なります。

害獣の捕獲・駆除にはかなりの手間がかかるため、害獣の被害を危惧される方は、早めにプロの業者に相談したほうがよいでしょう。

自身で対処するより費用はかかりますが、費用に見合った効果が期待できるはずです。

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