前書き
「自分の家に蜂の巣ができていた…」
そんな経験はありませんか?
巣ができれば当然、そこで生活する蜂が頻繁に出入りするようになり、大変危険を伴います。
玄関近くに巣があれば、毎日気が気ではないはずですし、自分の家族や近所の人まで蜂の脅威に晒されてしまいます。
今回はそんな事態に陥ってしまった方に向けて、蜂の巣に関する情報をお届けしますので、この機会に必要な知識を身に付けていってください!
目次
状況確認
つい最近、何気なくベランダで洗濯物を干してたら、エアコンの室外機の裏に蜂の巣を見つけたのよ!
一体どうしたら良いのかしら…。
それは災難ですね…。
まず始めに、いくつか確認したいことがあります。
巣の大きさはどれほどですか?
また、実際に蜂が出入りしていますか?
見つけるのが早かったのかもしれないけど、ハンドボールぐらいのサイズだったわ。
怖かったからしっかり確認してないから、蜂が実際に出入りするところは見てないわ。
でも最近、やたら家の周りで蜂を見かけるな、って思ってたの!
お話を聴く限り、巣が作られ始めてまだ間もない状況だと考えられます。
これから蜂の巣に関して詳しく解説しますので、くれぐれも無闇に巣に近づかないよう注意してください!
種類の特定
蜂の巣を発見した後は、適切な対処法を見極めるためにも、蜂の種類を特定する必要があります。
ここでは、簡単に種類ごとの巣の特徴を解説します。
スズメバチ系
スズメバチの巣は、作り始めは下の方の入り口が細くなっており、トックリを逆さにしたような形状が特徴です。
大きさは10~40cm程度で、最大で1mを超すものもあります。
巣が大きくなるとボール状に変化していき、中央に出入り口の穴があります。
表面は光沢のある立派な外皮に覆われていて、マーブルル状のの綺麗な模様をしています。
巣には見張りのの蜂がいて、近づくだけでスズメバチが飛び出して攻撃するため危険です。
営巣場所は開放空間・閉閉鎖空間・土中などど様々ですが、種によって異なります。
オオスズメバチ
オオスズメバチの巣は和紙のような素材でできており、六角形の管が多数集まった巣盤を数段連ねます。
巣の最大直径は80cm、総育房数は8000室にもなります。
蜂の中でもっとも攻撃的かつ強力な毒を持っているので、特に注意してください。
キイロスズメバチ
キイロスズメバチの巣は人家の軒下や壁の間、屋根裏、土中の空洞、樹洞、枝など、さまざまな場所に作られます。
巣は灰色の外皮で覆われており、巣盤は水平に並びます。
巣の最大直径は1m、働きバチの数は1000頭以上にもなります。
キイロスズメバチは個体数が多く、都市部にも広く分布しているため、人への被害がもっとも多いスズメバチです。
モンススズメバチ
モンススズメバチの巣は主に樹洞や土中の空洞に作られますが、人家が設営場所に選ばれることもあります。
巣は茶色の外皮で覆われており、巣盤は垂直に並びます。
巣の最大直径は50cm、働きバチの数は300頭程度です。
一般的な知名度は低いものの、モンススズメバチは攻撃性が高く、毒性も強いため、危険度が高いスズメバチです。
アシナガバチ系
アシナガバチの巣はシャワーヘッドのような形状をしており、六角形の穴が外向きに露出しています。
木の枝や軒下、エアコンの室外機、ベランダ等の開放空間で場所を選ばず営巣します。
巣は白色系・灰色系で、少しし薄い茶色が混ざっている場合があります。
材質はスズメバチと同じく紙紙状で、サイズは最大でも15cmほどと、スズメバチと比べてやや小さめです。
スズメバチと比較すれば大人しい種類ですが、それでも一般の方による駆除には危険が伴います。
ミツバチ系
ミツバチの巣は平らな板状のものがが複数垂れ下がった形をしており、外からも六角形の穴が綺麗に並んでいます。
ミツバチは農業では果物や花卉など作物の受粉に広く用いられる益虫です。
人をを襲うことはほとんどありませんが、つまんだりすると刺されることがあります。
あっ、これよこれ!
私の家に作られてたのは、丸い形にまだら模様の巣だったから、スズメバチに間違いないわね!
スズメバチであれば、より早急な対応が望まれます。
室外機などに巣が作られている場合、外から見ると小さく見えても、実際には室外機の内部にも巣が広がっている可能性があります。
複雑に入り組んだ巣の撤去には、室外機の分解なども必要になるため、専門業者でなければ撤去は難しいでしょう。
やってはいけない事
不用意に近づく
蜂の巣を見つけたとき、まず気をつけるべきは不用意に近付かないということです。
きちんとした知識と、充分な装備がない状態で接近するのは大変危険です。
凶暴性の高いスズメバチでもこちらから刺激しなければ、わざわざ刺してくることはありません。
蜂が身体のまわりを飛び回ったり、カチカチと顎をを鳴らしてて威嚇してくる場合は距離が近すぎ流ので、その場を離れるようにしましょう。
そこに留まらず、蜂を刺激しないよう静かに後ずさるように離れていけば、蜂が攻撃してくることはありません。
黒い服を着る
蜂の巣を見つけた場合、黒い服を着ている人は特に注意が必要です。
黒色は蜂が好む色ではありませんが、黒色の服は体温や動きが隠れやすく、、蜂の警戒心を引きます。
また、黒色の服は汚れや臭いが目立ちやすく、蜂に不快感や危険感を与えます。
そのため、蜂の巣を見つけた場合は白や明るい色の服で観察するようにしましょう
香水を付ける
蜂の巣を見つけた場合、香水やコロンなど強い香り物を使って近づくという行為も絶対に避けてください。
香水やコロンなど強い香り物はは蜂のの嗅覚器官(トンネル)に刺激されて攻撃的になります。
また、香水やコロンなど強い香り物は体臭も強くしますし、周囲の人も不快感や恐怖感を与えます。
そのため、巣に接近するシチュエーションでは、特に香水やコロンを付けた人は注意が必要です。
大声をあげる
蜂の巣を見つけた場合、大声で叫んだり笑ったりするという行為は絶対に避けてください。
蜂は激しい音が鳴ると外敵がやってきたと判断し、とても攻撃的になります。
人の声以外にも、機械の騒音なども蜂を刺激しますし、特に重低音の響く音は蜂にとって強いストレスとなるので注意が必要です。
巣を見つけた場合は、落ち着いて静かに観察するようにしましょう。
危ないところだったわ!
私は黒い服をよく着るし、香水もつけがちなのよね…。
家族やウチに来る人にも教えておあげなきゃいけないわね!
予防策
蜂の巣を作られないためには、以下の3つの方法が有効です。
- 薬剤を使用して蜂が環境を忌避する作る
- 巣作りをする女王ハチを捕らえる
- 蜂の侵入を阻む物理的な対策を行う
それぞれの方法について、順を追って詳しく説明します。
薬剤を使用して蜂が環境を忌避する作る
蜂は巣を作る場所を選ぶときに、雨風や敵から守れるかどうかを重視します。
軒先や物置、雨戸の中や屋根裏など、人家にはこの条件に当てはまる場所がたくさん存在しますが、このような場所に、蜂の苦手なニオイのものを置いておくと、蜂が寄り付かなくなります。
蜂の苦手なニオイのものとしては、以下に紹介する殺虫剤や木酢液があります。
殺虫剤
殺虫剤は、市販のハチ専用のスプレーを使うと便利です。
ハチ専用のスプレーには殺虫効果だけでなく、予防効果も期待できるものがあります。
殺虫剤を使うときは、巣が作られやすい場所にしっかりと噴射してください。目安は噴射した場所が濡れるくらいです。
殺虫剤の効果はおよそ2週間持続しますので、2週間に1回は噴射を繰り返してください。
雨の日は噴射した薬剤が流れてしまう可能性があるので、雨上がりにもう一度噴射しておくとよいでしょう。
ただし、殺虫剤は植物やペットにも影響を与えることがありますので、注意してください。
植物を育てている場合や、殺虫剤の使用に抵抗がある場合は、木酢液を使う方法がおすすめです。
木酢剤
木酢液は、木材や炭を燃やしたときに出る水蒸気や煙を冷却してできる成分を水で溶かしたものです。
焦げ臭いツンとした刺激臭が特徴的で、蜂はこのニオイを嫌がります。
木酢液を使う方法は、ペットボトルに木酢液を入れて巣が作られやすい場所に吊るしておくか、霧吹きなどで庭木に吹きかけるかのどちらかです。
木酢液は人間にとって害ではありませんが、独特なニオイを放つので、少し配慮が必要かもしれません。
巣作りをする女王ハチを捕らえる
蜂の巣を作られないためには、巣作りをする女王ハチを捕らえる方法も有効です。
女王ハチは春先に冬眠から目覚めて巣作りを開始し、最初は単独で巣を作りますが、その後は子作りに専念して、働きハチを増やすことで巣を大きくしていきます。
そのため、女王ハチを捉えることができれば、その後の巣の発展も防げるというわけです。
女王ハチを捕らえる方法としては、市販の蜂用のトラップを使うと便利です。
例えば、粘着シートで蜂を捕獲するタイプの捕獲機が有効でしょう。
蜂用のトラップは、甘い香りの誘引剤で蜂をひきつけて、トラップの中に入れてしまう仕組みです。
トラップを巣が作られやすい場所に吊るしておくと、女王ハチや働きハチを捕獲できます。
トラップの効果はおよそ1ヶ月持続しますので、1ヶ月に1回は交換してください。
ただし、蜂用のトラップはミツバチなどの有益な蜂も捕獲してしまう可能性がありますので、注意しましょう。
ミツバチは人間にとって重要な役割を果たしていますので、できるだけ保護したいですね。
蜂の侵入を阻む物理的な対策を行う
①巣作りされやすい場所を見定める
蜂の巣が作られやすい場所としては、屋根裏の空間や軒下、倉庫などの人気の無い場所や、生垣や庭木などの自然植物があります。 これらの場所は、雨風や敵から守れるため、蜂にとっては巣作りに適した場所なのです。
巣が作られやすい場所を確認するときは、高い位置や危険な場所には近づかないようにしましょう。
蜂の巣がすでに作られている場合は、刺される危険がありますので、専門の業者に依頼するのが安全です。
②網・ネットを選ぶ
網やネットを選ぶときは、蜂の体よりも小さな目のものを選びましょう。
蜂の体の大きさは種類によって異なりますが、一般的には、スズメバチは約2cm、アシナガバチは約1.5cm、ミツバチは約1cmです。
そのため網の目の大きさは、スズメバチの場合は約1cm以下、アシナガバチの場合は約0.5cm以下、ミツバチの場合は約0.2cm以下のものを使用すれば、侵入を阻むことができるでしょう。
網やネットの素材は、金属やプラスチックなどの丈夫なものがおすすめです。
ただし、蜂は網やネットを噛んで破ることができるので、布や紙などの柔らかいものは避けましょう。
③網・ネットを設置する
網やネットを張る場所としては、換気口やフード、窓やドア、外壁の隙間などがあります。
これらの場所は、巣作りに適した場所に侵入するための入り口になりますので、巣を作ろうとする蜂の侵入を網やネットで防ぐことが重要です。
網やネットを張るときは、隙間ができないようにしっかりと固定しましょう。
設置場所に固定する方法としては、釘やビス、ホッチキス、糸などがあります。
高所で網やネットを張る作業を行う際は、転落に気を付けるなど細心の注意を払ってください。
以上が、蜂の巣を作られないようにするための予防策です。
巣の予防は、女王バチが冬眠から目覚める4月〜5月頃までに行っておくことが重要です。
平年より暖かい日が続けば、3月末頃から活動し始める場合もありますので、早めに対策を始めましょう。
後書き
初めての事態に戸惑いはつきものですが、蜂への対応を誤れば、命に危険が及びかねません。
たった数匹に刺されただけでも、アナフィラキシーショックによって重篤な被害が発生しうる以上、蜂への対応は十分な知識を身に付けた上で、慎重を期して行われるべきでしょう。
有用な情報をお求めの際には、さまざまな害獣・害虫情報を発信している当サイトをぜひ参考にしてみては如何でしょうか?
突然のことですごく焦っていたけど、この記事を読んで少し落ち着いたわ!
まだ小さいとはいえ、スズメバチの巣だから、業者に駆除を依頼しようか迷うわね…。
このサイトの他の記事をもっと読んだ上で、もう一度検討してみるわ!
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