野生動物と共存するための知識:イタチ駆除と適切な対策とは

害獣・害虫別

イタチは農地や住宅地に被害をもたらすことがある害獣の一つです。
かわいらしい見た目とは裏腹に、彼らが住環境や家畜や畑に悪影響を及ぼすことがあります。
頻繁に見かけるようになったら近くに巣をつくっているかもしれません。適切な駆除方法で対応をしましょう。
このブログ記事では、イタチ駆除の方法について詳しく説明します。

イタチの生態と行動の理解

イタチを効果的に駆除するためには、まず彼らの生態と行動を理解することが重要です。
彼らの生息地、繁殖サイクル、摂食習慣などについて説明します。

イタチの生態と特徴

イタチは、細長い体型を持つ小型哺乳動物です。一般的には背中が茶色で、腹部が白い毛皮を持ち、顔には白い斑点があります。体長は約25〜30センチメートルで、尾は約10〜15センチメートルあります。
イタチは夜行性動物で、夜間に活動する傾向があります。彼らは夜に餌を探し、昼間は巣穴や隠れた場所で休息します。
イタチは広範な生息地に適応できる動物で、森林、草原、農地、湿地、都市部などで見られます。彼らは適応力が高く、さまざまな環境で生息できます。

主に春から初夏にかけて繁殖し、メスは1カ月程度の妊娠期間を経て、一度に平均4~5匹の子供を産みます。
1つの巣の中に子どもから成体まで、複数のイタチが共存し生息します。

イタチによる被害

そんなイタチは主に肉食動物で、小動物(齧歯類、鳥、昆虫など)を捕食します。また、果物や草なども食べることがあり、なんでも食料とすることから都市部や住宅地でも見られることがあります。

食料被害

イタチは食物を探し回り、食料庫やゴミ箱を荒らすことがあります。彼らは食料の匂いを嗅ぎつけて、ゴミを散乱させたり、貯蔵された食品を食べ尽くすことがあります。
家庭庭園や農地で果物や野菜を食害することがあり、農作物に損害を与える可能性があります。

家屋の損傷

イタチは屋根裏や壁内に巣穴を作り、これにより建物の構造に損傷を与えることがあります。壁や天井に穴や隙間を開け、絶縁材を引き裂いたり、電気配線を噛み切ったりすることがあります。
屋根裏や壁内に住むと、夜間に活動するため、騒音を引き起こすことがあります。
3cm程度の穴があれば出入りすることが可能な為、一度寄せ付けないようにしても、壁や天井の穴を見つけ再発を防止することが重要となります。

また、イタチは肛門の近くに臭腺を持っており、臭いを放つことや、排泄物による糞尿被害もあります。

伝染病を拡散させる可能性があります。彼らとの接触には注意が必要です。

・サルモネラ菌
・レプトスピラ菌
・ペスト菌
・鼠咬症スピリウム、モニリホルムレンサ桿菌
・ハンタウイルス

これらの被害が見つかった場合にどのような対処をすればいいのでしょうか。

鳥獣保護管理法の保護対象であるイタチ

イタチは「鳥獣保護管理法」という法律により、保護の対象となっており、個人で捕獲や殺処分を行うことは禁じられています。

勝手に捕獲することは法律違反となります。駆除許可申請が必要であり申請をしたい方は、お住まいの市区町村の決まりに従って市役所や保健所に相談をすることになります。

もし、個人で無許可で駆除を行った場合、法律違反に罰せられることがあります。
許可申請や駆除を自身で対応するのが難しいと判断した際には、専門業者へ依頼することをおススメします。

害獣駆除業者に頼む

自身での駆除が難しい場合には専門家の助けを借りることを検討しましょう。
一刻も早くなんとかしたい!と思うのは当然のことだと思います。
ですが、害獣駆除業者に依頼する際、見積もりや契約の前に下記の点に注意しましょう。

正規の資格と許可

駆除業者が正規の資格や許可を持っていることを確認しましょう。イタチ駆除に関する専門的なスキルと知識を持つ業者を選ぶことができます。

保護法規の順守

上記にあげた、「鳥獣保護管理法」という法律によりイタチは保護されています。駆除業者が許可申請をしているかどうか、地域の野生動物保護法規や規制に従っているかに気を付けて業者を選びましょう。

作業方法と使用駆除剤の確認

駆除業者が使用する方法や駆除剤について質問し、その安全性と環境への影響を確認しましょう。人体への影響や住環境に配慮した方法を使用する業者を選びましょう。
作業をしてもらう際にプライバシーを尊重してもらえるか、特に屋内での作業や住宅地での駆除作業では、配慮があるかが重要です。

こういった点に注意して、3~4社の相見積もりを取って料金や作業について比較検討してから契約をすることがおススメです。
なかには、イタチ駆除とは全く関係のない商品や作業がセットになっていたり、勧めてくるなど悪徳な業者があるかもしれません。
作業内容など比較をして良心的な業者を選びましょう。

自分でなんとかしたい場合

イタチは「鳥獣保護管理法」という法律による保護対象であり、許可のない個人での対処は難易度が高いです。
専門業者へ依頼することが一番ですが、依頼を検討している間、来てもらうまでの間など、なんとか自分で対処したい!と考える方もいらっしゃると思います。

どうしても自力でイタチの対策をしたい場合には、法律に違反しない下記のような対応があります。

イタチを寄せ付けないようにする

イタチは嗅覚が発達しており、嫌がるニオイのものを置いて寄せ付けないようにすることができます。

・お酢
・漂白剤(カルキ)
・木酢液
・クレゾール石鹸液
・ハーブ類

などをスプレーボトルに用意し、布にこまめに染み込ませて、イタチの巣穴と思われるところの近くに設置します。

忌避剤を使う

ホームセンターなどにイタチ用の忌避剤が売っています。
イタチが出入りしているところから遠いところで忌避剤を使用し、追い出すように使用します。
1つ1,000円~3,000円程度で手に入れることができます。
スプレー式やバルサンのように焚くタイプがあります。
ペットや家畜など他に影響がないか確認して選びましょう。
1度使うと2カ月程度の効能があるので、その間に他の対処を行うことがおススメです。

糞尿の掃除をする

イタチの糞尿にはマーキングの意味もあります。
一度追い出したとしても、何も対処しないとまた戻ってきてしまう可能性があります。
糞尿は臭いの被害だけでなく、病原菌や感染症の恐れもあり衛生面で注意が必要です。
難易度が高いですが、きれいに清掃を行い、イタチが嫌がるニオイの物を設置することで再発を防ぐことができます。

すき間や穴をふさぐ

追い出して清掃したのちに、今度は再発を防ぐことが重要です。
イタチは体が細長く、3cm程度や500円玉くらいの穴でも通り抜けることが可能です。
出入りに使用されていそうな穴を見つけたら、ホームセンターで売られている金網や金属板などを活用し、侵入されないように塞いでいきましょう。

まとめ

生態や特徴、そして鳥獣保護の観点を踏まえての対処法など、対応の難しいイタチ駆除。
専門業者に頼む場合と、自分で対応できることを紹介しました。
被害は身体的や精神的に負担になることもあり、大変つらいことですが、野生動物と共存できるように適切な対処が必要です。
なんでも自分で!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、専門業者に相談し再発を防ぐことを一番に対応していきましょう。

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