野生のアライグマは、その見た目こそとても可愛らしい姿をしているものの、その性格は狂暴で攻撃的です。
もしも野生のアライグマが家屋に浸入し巣を作って繁殖されると、お住いの住人だけでなく建物にも甚大な被害をもたらす恐れがあるでしょう。
本記事では、野生のアライグマが棲みつく・巣を作る場所、巣作りや繁殖を防ぐ方法についてご紹介します。
アライグマの被害を危惧される方・被害を最小限に抑えたいという方は、ぜひ本記事を参考に対処を講じてください。
目次
野生のアライグマはどこに巣を作る?
本章では「野生のアライグマが家屋内のどこに巣を作るのか?」「なぜ家屋内に巣を作ろうとするのか?」について、詳しくご紹介します。
害獣の被害を最小限に抑えるためにも、まずは基礎的な知識から理解していきましょう。
アライグマの巣は「屋根裏」がもっとも多い
家屋に浸入した野生のアライグマが、棲みつく・巣を作る場所は「屋根裏」がもっとも多いとされています。
その理由は、屋根裏は「雨風をしのげる快適な空間」かつ「天敵となる存在が入ってくることが少ない場所」だからです。
屋根裏には、断熱材が設置されています。
断熱材とは建物の天井や壁などに入れる建築資材であり、室内と室外の熱の移動を遮断し、室外の温度が室内に伝わりにくくする素材のことです。
「冷気や熱の伝達を遅らせ、暑さや寒さを防ぐ役割がある」のですが、夏は涼しく・冬は暖かいため、アライグマなどの害獣にとっても過ごしやすい環境となります。
天敵に襲われる可能性が低く+食料を確保しやすい
アライグマはもともと北米を原産とする外来種であり、日本にはほぼ天敵と呼べる動物が存在しません。
(アライグマの天敵は、コヨーテ・オオカミ・オオヤマネコ・クズリ・ワシミミズク・ピューマ・コヨーテなどが該当する)
唯一警戒すべきは「人間」ですが、屋根裏に人間が頻繁に入ってくることもそうはないでしょう。
上記とは逆に、アライグマの餌となり得る小動物や虫が入ってくることは多く、一部のご家庭では屋根裏とキッチンの距離が近い構造になっており、食料を簡単に確保しやすい環境が整っている状況も見受けられます。
「外敵に襲われる心配が少ない+食料の確保がしやすい」という理由で、屋根裏がアライグマにとって好ましい環境といえるのです。
屋根裏以外で棲みつく可能性が高い場所はどこ?
家屋内でアライグマが好んで巣を作る場所は屋根裏がもっとも多いものの、屋根裏以外でも「床下」に棲みつく・巣を作るケースがあるとされています。
その理由は屋根裏とほぼ同じであり、「断熱材がある+餌が周囲に豊富にある」といった快適な環境になり得るためです。
野生のアライグマが巣を作っているときの特徴とは?
本章では、アライグマが屋根裏などに巣を作っている場合に見られる特徴をご紹介します。
これらの特徴は、アライグマだけでなく他の害獣にも共通する点です。
いずれにせよ家屋内に害獣が潜んでいる=被害を受ける可能性が高いため、早急な対処が必要といえるでしょう。
鳴き声や足音が聞こえる
アライグマは日中に活動することがあるものの、基本的に夜行性のため、人々が寝静まった夜間に活動する傾向があります。
そのため、夜間に「天井裏でドタドタと足音や鳴き声が聞こえる」といった場合は、アライグマを含め害獣が棲みついている可能性を考慮すべきといえるでしょう。
アライグマの鳴き声は、通常時は「クルルル」といった声で鳴き、威嚇時は「シャーシャー」という鳴き声に変わります。
夜間=人々の活動が少なく・その他の騒音も減少することから、より害獣の足音や鳴き声が鮮明に聞こえるはずです。
こういった騒音は、不眠や精神的なストレスの原因にもなるため、早急な対処が必要といえるでしょう。
足跡を目にする
もしも「不審な足音がする…」という場合は、家の周辺を探ってみましょう。
場合によっては家の近くで動物の足跡が確認できる場合があります。
アライグマの体長は60~100cmほどといわれていますが、頭が通るほどの隙間があれば、どこにでも侵入される可能性があるでしょう。
また、知能が高く・手先が器用なため、仮に侵入口となり得る場所に物が置いてあっても、動かして入ってしまうこともあるのです。
ただし、屋根裏や床下などに棲みつく・巣を作っても「外と住処を行き来することが多い」ことから、移動経路に足跡などの痕跡を残すケースは見受けられます。
アライグマの足跡は独特な形をしており、人間のようなくっきりとした5本指であることが特徴です。
また、爪が長く鋭いことから、足跡には爪の痕が付いています。
加えて、歩く際に前後の足がほぼ同じ位置に着地するため、足跡が重なって見えることもあるでしょう。
他の害獣と比べても区別がしやすいため、足跡を確認して特定するのも有効な手段といえます。
糞尿がたまっているor悪臭がする
アライグマの糞の形や色は食べたものによって変化するものの、長さは約5~18cm・直径は約2~3cmほどが一般的です。
雑食で小型の動物・昆虫・魚介・果物・野菜・穀物などを食べ、かつあまり噛まないで飲み込むことが多いため、糞にそのままの形が残っているor動物の骨・昆虫の羽・果物の種などが混ざっていることがあります。
こういった糞の痕跡を見つけた場合は、アライグマの存在を疑ってみるのもよいでしょう。
また、アライグマの糞は以下のような特徴も見受けられます。
- 糞尿ともに強烈なにおいを発する
- 目立つ場所で糞をする(住宅の周辺であれば、ベランダ・庭・道路沿いなど)
- 溜め糞(同じ場所に糞尿をする)をする習性がある など
糞尿によっても、アライグマかどうかを判別することは可能です。
ただし、糞尿およびその周辺には多数の病原菌が付着しているため、不用意に近づくべきではありません。
ここまでにご紹介した「足音や鳴き声がする」「足跡や糞尿が確認できる」ということは、周辺にアライグマなどの害獣が潜んでいる証拠となります。
不慣れな方は自身で対処しようとせず、早めに専門業者などに相談したほうがよいといえるでしょう。
アライグマの存在・痕跡を発見した際にすべきこと
アライグマの存在or痕跡を発見した場合、周囲に棲みつかれている可能性が高いでしょう。
被害の発生・拡大を防ぐには、一刻も早く対処すべきといえます。
本章では、アライグマが身近にいる場合にできる対処法をご紹介します。
専門業者や自治体に相談する
アライグマが棲みついている場合、素人ができることは少ないため、被害を拡大しないためにも早急に害獣駆除の専門業者に相談すべきといえます。
その理由は、アライグマは「鳥獣保護管理法」や「外来生物法」といった法律により保護されており、許可なく捕獲・殺傷ができないためです。
素人ができることは「追い出し」「侵入経路の封鎖」が基本となるため、手をこまねいていると被害はどんどん拡大していくでしょう。
自治体によっては害獣駆除業者の斡旋などのサポートをおこなっているところもあるため、「いきなり業者に相談するのはちょっと不安がある…」という方は、事前に確認したうえでお住いの自治体に相談してみるのもよいかもしれません。
いずれにせよ、素人ができることには限界がある+手間が非常にかかるため、被害を最小限に抑えるためにも、早めに専門業者や自治体に相談してみることをおすすめします。
自身でできる限りの「予防」をする
上記の通り、無許可で捕獲・殺傷ができないため、素人ができる対策は「追い出しor侵入経路の封鎖」が基本となります。
追い出しを図る際は、アライグマが嫌う臭いを発するものや苦手な光(LEDライトなど)を利用するとよいでしょう。
アライグマが嫌う臭いは、市販の忌避剤を利用するのもよいですし、唐辛子・ハーブなどを周囲に設置してみるのもおすすめです。
また、いずれ被害が再発する恐れがあるため、侵入経路を封鎖する作業も欠かすことはできません。
アライグマの侵入経路は、主に以下が挙げられます。
- 屋根裏付近に空いた隙間
- 床下や基礎部分にある通気口 など
封鎖する際は、アライグマにこじ開けられることがないよう、金網やパンチングメタルなどの壊れにくく・しっかり固定できるものを使用しましょう。
ただし、臭いにしろ光にしろ、いずれは「アライグマが慣れてしまう」可能性があります。
また、アライグマは直径10cm程度の隙間(頭が入る隙間)であれば侵入できるため、不慣れな方がすべての侵入経路を塞ぐことも難しいでしょう。
一時的に追い出すことには成功しても、いずれは再発する可能性が高いため、長期的に被害を防ぎたいと考える方は早めに専門業者などに相談することをおすすめします。
自力での対策はリスクをともなうため要注意!
アライグマの追い出しや侵入経路の封鎖は、素人でも対処できます。
しかし、野生のアライグマは体に多数の病原菌や寄生虫を有している(=清潔ではない)ため、不用意に接触すると感染症などに発病するかもしれません。
また、アライグマは攻撃的な性格をしているため、引っ掻きや噛みつきなど襲われる可能性もあり、その傷口から菌が侵入し病気を患う危険性もあるでしょう。
アライグマを媒介とする病原体は数多く、なかには「発病すれば致死率100%」といわれる狂犬病に感染する恐れもあります。
このことから、アライグマに不要に接触するべきではありませんし、自身で対処するならば徹底した防護をおこなう必要があるといえるでしょう。
リスクを避けるためにも、できる限り専門業者などのプロに駆除を依頼したほうが賢明です。
害獣駆除業者を選ぶ際の注意点
害獣駆除業者はそれぞれで費用やサービス内容が異なるため、事前にしっかりとリサーチしたうえで自身に合った業者を選ぶ必要があります。
本章では、害獣駆除業者を選ぶ際の注意点をご紹介します。
注意点①:複数の業者に見積もりを依頼する
業者を選ぶ際は、かならず複数の業者に見積もりを依頼しましょう。
相見積もりをとらないと費用やサービス内容の比較ができず、業者の良し悪しが判断できません。
後になって「別の業者に依頼したほうがよかった…」と後悔することがないよう、複数の業者をしっかり吟味することをおすすめします。
注意点②:現地調査・見積もりが無料の業者を選ぶこと
多くの業者が現地調査・見積もりまで無料としていることが多いものの、なかにはこの時点で費用が発生するケースもあります。
複数の業者を比較するうえでも、現地調査・見積もりまでは無料で対応してくれる業者を選んだほうがよいといえるでしょう。
また、業者のなかには現地調査をせずに、すぐに見積もりを提示してくることがあります。
被害状況は現地を確認しないと把握できないため、現地調査をしてくれない(渋る)場合は、候補から外したほうが賢明です。
また、現地調査を丁寧におこなってくれる業者・見積もりの詳細がしっかり明記されている業者を選ぶことも重要といえます。
不明点があれば徹底的に質問し、疑問をすべて解消・納得したうえで正式に依頼することをおすすめします。
注意点③:保証が充実している業者を選ぶこと
業者に徹底駆除を依頼しても、侵入経路が豊富に存在する野生動物の被害を100%防ぎきることは難しく、いずれは再発する恐れがあります。
そのため、費用の安さだけでなく、保証内容・保証期間がしっかりしている業者を選ぶことも重要です。
保証が充実していれば、被害が再発した際にも迅速かつ格安で対処してくれます。
費用にばかり目が行きがちではありますが、安さだけをウリにする業者はサービスが不十分であることも多いため、被害の再発をできる限り防げるようサービス内容もしっかり確認しておきましょう。
注意点④:実績が豊富な業者を選ぶこと
害獣の被害は状況によって千差万別であり、ときに予期せぬ事態に陥ることもあります。
実績な豊富な業者ほどその場その場で臨機応変に対応してくれる可能性が高まるため、依頼前に業者の実績も確認しておくことをおすすめします。
注意点⑤:被害が最小限のうちに駆除を依頼すること
業者に依頼する際の駆除費用は数万円~数十万円と高額であり、なかなか即決するのは難しいでしょう。
ただし、問題を後回しにするほど被害が拡大し、結果的に駆除・修繕費用がより高額となるケースもあります。
そのため「問題が発生してから依頼する」のではなく「被害が最小限のうちに対処をお願いする」ほうが、結果的に費用を安く抑え、長期的に安心して過ごせるようになるでしょう。
とはいえ、決して安い買い物ではないため、検討の際は焦らずしっかり吟味して業者を選定しましょう。
まとめ
アライグマが家屋に浸入した際は、とくに屋根裏に巣を作ることが多いとされています。
棲みつかれると繁殖されて被害がどんどん拡大する恐れがあるため、できるだけ早急な対策が求められるでしょう。
ただし、自力でできる対策には限界があり、襲われたり感染などのリスクを引き起こす可能性があります。
安全かつ効果的にアライグマを駆除したい場合は、専門業者や自治体に相談するのがおすすめです。
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