白蟻駆除剤を自分で選ぶ!白蟻と殺虫成分の基本、駆除剤の特徴を解説

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「自分で白蟻駆除剤を買いたいけど、どれを選べばいいか分からない」
そう悩んでいませんか?

どの駆除剤を選ぶかで効果の度合いや駆除スピードは大きく変わります。
また家族やペットの健康を考え、安全性にもこだわりたいですよね。

この記事では駆除剤を選ぶために必要な、白蟻と殺虫成分の基礎知識、各駆除剤の特徴について解説します。

駆除剤選びに役立つ白蟻3つの知識

駆除剤の容器には白蟻に関する用語が記載されているため、白蟻の生態を知っておくと選びやすくなります。

ここでは駆除剤の選定に役立つ、白蟻の基本知識を3つ紹介します。

1.住宅に被害を与える白蟻は3種類

日本に生息する白蟻のうち、住宅へ被害を与えるのは「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」の3種です。

国土交通省のシロアリ被害実態調査によると「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」による被害が全体の99.7%を占め、「アメリカカンザイシロアリ」による被害は0.3%にとどまります。

そのため駆除剤は最低でも「ヤマトシロアリ・イエシロアリ」に効くものを選んでください。

2.白蟻は地中から床下へ侵入する

白蟻は暗く湿気の多い環境を好む昆虫です。

地中に巣を作って活動するため、白蟻被害で最も多いのは「地中から床下へ侵入され、木材を食べられる」というパターンです。

このことから床下の白蟻駆除では、地面に薬剤をまく「土壌処理」と、木の部分に薬剤を塗る「木部処理」が必要になります。

3.白蟻は「蟻道」の中を移動する

白蟻は直射日光や風にあたると体表面の水分が乾燥して死んでしまいます。
そのため、よく見かける黒アリのように地表を歩いて移動することはありません。
必ず「蟻道(ぎどう)」というトンネルを作り、そこを通って移動します。

蟻道は土を塗り固めたような外見で、地面から上に向かって伸びるのが特徴です。
蟻道の有無で白蟻がいるか判別できるので外見を覚えておきましょう(※下写真を参照)。

床下の基礎表面に作られた蟻道1
床下に作られた蟻道1
床下の基礎表面に作られた蟻道2
床下に作られた蟻道2

駆除剤に使われる3つの殺虫成分

駆除剤に含まれる殺虫成分にはたくさんの種類があり、効果も大きく違います。
それぞれの特徴を知って状況に合ったものを選びましょう。

ここでは市販の白蟻駆除剤によく使われる殺虫成分を3つ紹介します。

1.ピレスロイド

「ピレスロイド」は蚊取り線香にも使われる身近な殺虫成分です。
殺虫力が高く、白蟻を速効駆除できるほか、白蟻を寄せ付けない効果(忌避効果)もあるので予防にも役立ちます。

一方、ピレスロイドに触れた白蟻はその場で死んでしまうため、下記の「ネオニコチノイド」「脱皮阻害剤」のように、殺虫成分を巣へ持ち込ませて全滅させることはできません

人体や犬・猫への影響が少なく安全とされますが、魚類(金魚やコイなど)に対しては毒性が強いので、近くで使わないなどの注意が必要です。

成分表示に「ビフェントリン、フタルスリン、トラロメトリン」などと記載された駆除剤は、ピレスロイドが主成分と考えてください。

2.ネオニコチノイド

「ネオニコチノイド」は白蟻駆除で最も多く使われる殺虫成分です。
ピレスロイドのような速効性や忌避効果はありませんが、巣を含めた白蟻の完全駆除に向きます

具体的には、

  1. 白蟻が「ネオニコチノイド」に触れる
  2. 体に薬剤がついたまま巣に戻る
  3. 薬剤が付いた白蟻に別の白蟻が触れる
  4. 3の白蟻に、また別の白蟻が触れる

という流れで巣全体に殺虫成分が伝播し全滅させます。

成分表示に「クロチアニジン、ジノテフラン」などの記載があるものは、ネオニコチノイド系の駆除剤です。

3.脱皮阻害剤

「脱皮阻害剤」は、白蟻の脱皮を失敗させて駆除する殺虫成分です。
ネオニコチノイドと同様、殺虫成分が巣全体に伝わるため完全駆除に向きますが、白蟻が脱皮するときに初めて効果が出るので時間がかかるのがデメリットです。

健康への安全性が高く、人や犬など脱皮しない動物へは害を与えません
ただし脱皮する魚類や昆虫を飼っている場合は薬剤に触れさせないよう注意してください。

成分表示に「IGR、ビストリフルロン、ヘキサフルムロン」などの記載があるものは、脱皮阻害剤が主成分です。

市販の駆除剤は4種類!特徴やメリットを紹介

市販の白蟻駆除剤は4種類あり、それぞれ使い方や効果が異なります。

ここでは各駆除剤の特徴やメリット・デメリットを解説します。

1.スプレータイプ

ゴキブリ用の殺虫スプレーと同じく、白蟻に直接噴射して使います。
ピレスロイドが主成分で殺虫効果が高く、その場の白蟻をさっと退治したいときに便利です。
またピレスロイドの忌避効果でウッドデッキや木製テラスの白蟻予防にも使えます。

手軽な反面、ピレスロイドを避けた白蟻が別の場所に移動し、被害箇所を広げてしまうリスクもあります
スプレーだけで白蟻を完全駆除するのは難しいと考えてください。

2.くん煙タイプ

殺虫成分を含んだ煙を床下に充満させ、白蟻の侵入を防ぐ駆除剤です。
木材内部の白蟻には効かないため「予防」がメインですが、1つで床下を丸ごと処理でき、予防効果が1年続きます。

使用の際は室内に煙が上がってこないよう目張りし、魚類や昆虫を飼っている場合は煙が当たらない場所に移動させてください。

また床下の構造によっては使えないこともあるので、購入前に仕様を確認しましょう。

3.液体タイプ

床下の白蟻駆除と予防に向き、プロの業者にもよく使われます。
地面にまいて地中からの白蟻侵入を防止する「土壌処理用」と木材に塗って使う「木部処理用」の2種類あります。

浸透性が高く、木の中に潜む白蟻も駆除できるのが特徴です。
また予防効果が長期間(約5年)続くので、本格的な白蟻対策をしたい人に向きます。
水性と油性がありますが、油性はにおいが強いので低臭の水性タイプを選びましょう。

床下へ大量に散布するため、家族にアレルギー持ちの方や化学物質過敏症の方がいる場合は、下記の毒餌タイプ(ベイト剤)への切り替えが必要なこともあります。

4.毒餌タイプ

ベイト剤とも呼ばれ、白蟻の好物に「脱皮阻害剤」などの殺虫成分を含ませたものです。
白蟻の発生場所の近くに埋めたり、蟻道の近くに固定したりして使います。
また庭のウッドデッキや木製柵の白蟻予防にもおすすめです。

上記の液体タイプと異なり、床下に駆除剤をまく必要がないため、家族にアレルギー持ちの方がいる場合でも安心して使えます。

巣を含めた完全駆除も可能ですが、設置場所によって効果が大きく変わり、駆除完了に数ヶ月かかることもあるので被害が深刻な場合には向きません

自分でできないと感じたら駆除業者へ依頼

自力駆除で白蟻がいなくならないときは、駆除業者へ依頼しましょう。
プロには「これをやったらダメ、こうした方がいい」という「経験値」があります。
現場の状況を把握し、一番合う駆除剤や施工方法で対策するので、結果に大きな差が出ます

またプロに頼めば「保証」がつき、白蟻が再発しても無償で駆除してもらえる点も安心です。
大半の業者は相談・現地調査・見積もりは無料で行ってくれ、分割払いが可能な駆除会社もあります。

「自分では駆除しきれない」と感じたら一度相談してみてください。

まとめ

最後に記事のポイントをまとめます。

  1. 駆除剤は最低でも「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」に効くものを選ぶ
  2. 簡易予防なら「スプレータイプ」「くん煙タイプ」がおすすめ
  3. 完全駆除なら「ネオニコチノイド」を含む液体タイプ、または「脱皮阻害剤」を含む毒餌タイプが最適

白蟻を完全駆除するには駆除剤選びだけでなく、適切な場所に正しく施工することが重要です。
床下での作業が難しい場合や、被害が大きく早急な駆除が必要なときはプロに依頼しましょう。

当サイト(害獣駆除ガイド)でも白蟻被害の相談を受け付けていますので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。

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