- 「ハクビシンが庭に居座り困っている」
- 「庭のあちこちにハクビシンのフンがあって気持ち悪い」
- 「家庭菜園の果物をハクビシンに食べられてしまう」
そう悩んでいませんか?
家の庭をあらすハクビシンの撃退方法の1つに「天敵」の利用があり、農業の現場でも農作物を守るためによく使われます。
この記事ではハクビシンの天敵となる動物の詳細、天敵を使った追い払い方法と注意点について解説するので、ぜひ最後までお読みください。
目次
ハクビシン最大の天敵「肉食動物」がいない日本
ハクビシンはもともと日本に生息しておらず、江戸から昭和にかけて海外から持ちこまれた「外来生物」です。
「ジャコウネコ科」という種類の動物で、東南アジア(マレーシア、タイ、インドネシアなど)を中心に中国や台湾にも生息しています。
これらの国にはトラやヒョウ、全長7mにも達するニシキヘビなどの大型肉食動物が生息しており、ハクビシン最大の天敵でした。
しかし日本にはこのような動物がおらず、ハクビシンにとって天敵不在の状況となっています。
「イノシシ」や「ヒグマ」が一見、天敵になりそうですがイノシシは草食動物で、ヒグマのいる北海道にハクビシンは生息していないため天敵となりません。
昔はとてもめずらしかったハクビシンがほぼ日本全国で見られるようになったのは、ハクビシンを捕食する動物がいないことが理由の1つといえるでしょう。
日本でハクビシンの天敵になりえる動物3種
大型肉食動物がいない日本ですが、ハクビシンにとってまったくの敵なしというわけではありません。
ここでは日本でハクビシンの天敵となりえる動物を3種類紹介します。
1.アライグマ
ハクビシン一番の天敵が「アライグマ」です。
アライグマもハクビシンと同じ「外来生物」で、昭和50年ごろに放映されたアニメをきっかけにブームが起こり、アメリカやカナダからペットとして輸入されました。
そのアライグマが逃げ出したり捨てられたりして野生化し、現在は日本全国に生息しています。
アライグマとハクビシンはともに夜行性で、住む場所や食べ物をめぐって争う関係です。
互いに威嚇したり取っ組み合いになったりしますが、体が大きく気性のあらいアライグマが勝つことが多いため、ハクビシンにとって最も苦手な動物といえるでしょう。
2.犬
「犬」は田畑の農作物を食べるシカ、サル、イノシシの追い払いに利用されるほか、クマを撃退することも可能です。
近年、野生動物が山から降りてきて農作物をあらすようになったのは野良犬や放し飼いの犬が減ったためという説もあるほど、多くの動物が犬を恐れます。
東南アジアでも「アカオオカミ」という肉食の野生犬がハクビシンの天敵となっていました。
そのためハクビシンは犬も苦手であるといえます。
3.フクロウ
「フクロウ」はペットとしても人気がありますが、じつは猛禽類(もうきんるい)と呼ばれる肉食性の鳥です。
ネズミやヒヨコなどの小動物なら丸飲みできるため、生まれて間もないハクビシンの子供(体長約15センチ)には脅威となります。
しかしハクビシンの成獣(大人)がフクロウの巣を襲うこともあり、フクロウが天敵になるのはあくまでも子供の時期だけといえるでしょう。
以上からハクビシンの天敵となるのはとくに「アライグマ」「犬」であるといえます。
上記2種類の動物を利用すれば効果的にハクビシンを追い払えるでしょう。
【猫はハクビシンの天敵になる?】
猫はペットとして人気が高く、日本では10世帯のうち1世帯が猫を飼育しています。
そのため猫でハクビシンを追い払えないかと考える方もいるかもしれません。
しかしハクビシンは猫に威嚇されても動じないうえ、エサを横取りして食べたり、猫がいる家の床下や屋根裏にも住みついたりします。
また子猫がハクビシンに襲われて命を落とすこともあり、ハクビシンにとって猫は天敵にならないと考えられます。
「アライグマ・犬」でハクビシン追い払いは可能?
ここではアライグマと犬でハクビシン対策が可能かについて解説します。
1.「アライグマ」の利用は事実上できない
アライグマはハクビシンと喧嘩になっても勝てるため、追い払いに最適といえます。
しかしアライグマによるハクビシン対策は「アライグマの性格」と「法律」の面から非常に難しいです。
アライグマは本能的に人になつかない動物で、生後4~6ヶ月たつと飼い主に噛み付いたり暴れたりするなど手に負えなくなります。
その凶暴さから「アライグマはぜったいに飼ってはいけない」と警告する本が出版されたほどです。
また現在アライグマは「特定外来生物法」と「鳥獣保護管理法」で飼育、販売、譲渡、捕獲が禁止されており、ペットにすること自体が違法行為となります。
以上からアライグマによるハクビシン対策は事実上不可能といえるでしょう。
2.「犬」の利用が最も現実的
ハクビシン追い払いに効果的なのは「秋田犬、ドーベルマン、シェパード」などです。
上記は番犬や猟犬に向く犬種で、農作物をあらすニホンザルやイノシシの追い払いにも利用されています。
次の方法で犬の存在をアピールしハクビシンを警戒させれば、追い払いと寄り付き防止が期待できます。
- ハクビシンが来る場所に犬をつなぎ、吠えて威嚇する
- 家の周りにマーキング(排尿)する
また犬の毛をネット袋に入れて吊るすとハクビシンが寄り付きにくくなります。
(出典:ブドウ栽培園におけるイヌの被毛設置によるハクビシン食害防止)
すでに犬を飼っている方はぜひ試してみてください。
犬によるハクビシン対策の注意点
先に紹介した「秋田犬、ドーベルマン、シェパード」は頑固で攻撃性が高い犬種です。
そのため犬の特性や性格をよく理解し、正しくしつけないと飼い主の指示をきいてくれません。
また茨城県・佐賀県では上記の犬種を「特定犬」に指定しており、
- 檻(おり)で飼育する
- 特定犬を飼育していると分かるように標識をつける
- 逃げた場合は保健所と警察へ通報する
などの条件を守って飼育する必要があります。
現在は動物愛護の観点からも「終生飼育」が強く求められており、ハクビシン対策のためだけに犬を飼うのはおすすめできません。
下記の3つに当てはまる場合はハクビシン駆除業者へ依頼するか、ハクビシンの弱点を突いて追い払う方法に切り替えましょう。
- 環境・経済的に犬を飼えない
- すでに別の犬がいる
- 犬が吠えてもマーキングしても追い払えない
なおハクビシンの弱点は以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】ハクビシンを追い払って寄せつけない!一番効く「弱点」を詳しく解説
【まとめ】犬を頼れないならハクビシン駆除業者へ
ハクビシンの天敵について解説しました。
記事のポイントは次の5つです。
- ハクビシン最大の天敵は「トラ」「ヒョウ」など大型肉食動物
- 日本では「アライグマ」「犬」が天敵となる
- アライグマは性格と法律の面からハクビシン対策に使えない
- ハクビシン対策に効果的なのは「秋田犬」「ドーベルマン」「シェパード」
- 上記3犬種はしつけが難しく、飼育に条件がつく地域もある
ハクビシンを追い払うには犬が効果的ですが「犬を飼う余裕がない」「犬が苦手」という方にはハードルが高い方法です。
ハクビシン被害が出た場合は無理に犬を頼ろうとせず、ハクビシン駆除業者へ依頼しましょう。
害獣駆除ガイド(当サイトのこと)でもハクビシン被害のご相談を受け付けていますので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。
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