家に害獣が出た! 一般家庭で害獣駆除するなら、知っておきたい注意点まとめ

ネズミ

はじめに

近年、何かと耳にする機会が多くなった「害獣」という言葉。
害獣は商業施設や農作地にとどまらず、時に私たちの自宅をはじめとする生活空間にまで忍び寄り、害をなす獣の名の通りにさまざまな被害をもたらします。
本来ならリラックスできる空間であるはずの家。そんな場所に害獣が棲みついてしまえば、種々の被害に怯えて夜も安心して眠れないことは想像に難くありません。
そこで今回は、自宅が害獣被害に遭ってしまった不運な方に向けて、害獣駆除の方法や注意点を詳しく解説していきたいと思います!

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ここ最近、私の家に動物が棲みついてしまったみたいなのよ…。
屋根裏から足音みたいなのか聞こえてきて、最初は気のせいかと思ってのだけど、つい数日前に屋根の上を移動する動物の影を見たから間違いないわ!
一体どうしたらいいのかしら?

害獣被害とは?

端的に言えば、害獣被害とは動物や野生生物が人間の生活や財産に対して与える被害を指します。
具体的には建物の破壊、農作物の損失、健康へのリスクなどがこれにあたります。
害獣は生態系における重要な役割を果たす一方で、人口増加に伴い都市や農村が拡大するにつれて、人間の生活圏と野生生物の生息地が重なるケースが増え、結果として人々と害獣の間で軋轢が生じる機会が増えるようになりました。
歴史的に見ても害獣被害は人類にとって重大な問題であり続けており、近代では都市化や農業の発展に伴い、害獣の被害は多様化・複雑化しています。
特に家屋の構造に侵入するネズミや、農作物を荒らす鳥類や野生動物などが、現代の私たちの生活に深刻な影響を与えています。

具体的な害獣被害の内容

害獣被害は多岐にわたり、さまざまな形で私たちの生活に影響を及ぼします。
以下では、具体的な害獣被害の内容を詳しく解説します。

物理的損害:建物、インフラ、農作物への影響

害獣は建物の構造を破壊することがあります。
天井裏・屋根裏などに侵入した野生動物は、木材や断熱材などを損傷させ、糞尿の堆積によって建物の強度を低下させます。
これにより修理や補修にかかる費用が増加し、場合によっては建物全体を再建する必要が生じることもあります。
特にネズミによる配線設備への損傷は火災のリスクを高める危険なものです。

また、農作物への被害も深刻です。
鳥類を含む害獣の多くは、作物を食い荒らしたり、土壌を踏み荒らしたりすることで穀物・果樹・野菜などさまざまな農作物の収穫量を大幅に減少させます。

健康被害:アレルギー、病気の伝染

害獣は人間の健康にも重大な影響を及ぼします。
代表的な例として、ネズミは糞や尿を通じて引き起こされるアレルギー、またはサルモネラ菌やレプトスピラ症などの深刻な感染症が挙げられます。
また、ネズミに限らず野生動物は基本的になにかしらの病原菌を保有しており、野生動物に寄生するダニやノミからの感染リスクがあることも忘れてはなりません。
Q熱、日本脳炎、トキソプラズマ症、ブルセラ症、腎症候性出血熱、ペスト、回虫症など、害獣を介して罹患する感染症は数多く存在するのです。

経済的損失:修繕費用、農作物の損失、事業への影響

他にも、害獣被害の深刻な側面として経済的損失があります。
害獣駆除にかかる費用はもちろん、害獣によって損傷を受けた建物の修繕に要する費用も安くありません。
これは構造的に重要な部位が被害を受け、かつ被害への対処が遅れれば遅れるほど顕著になります。
また、前述した農作物被害は収穫量の減少だけでなく、作物の品質低下を招き、商品価値の低下にもつながります。

事業活動への影響も無視できません。
飲食店やホテルなどの業界では、害獣が顧客に不快感を与えることで売上が減少し、長期的には事業の存続にも影響を及ぼすことがあります。

社会的・精神的影響:不安、ストレス、生活の質の低下

害獣被害は物理的、経済的な損害だけでなく、精神的なストレスや不安感も引き起こします。
特に自宅で害獣と遭遇した場合は、感染症や怪我のリスクだけでなく、夜な夜な鳴り響く異音やフンが放つ悪臭が居住者の生活環境を悪化させます。
こうした状況が長期にわたって続けば、ノイローゼや強迫症などの精神的な悪影響を避けられません。

家庭を襲う害獣たち

一般家庭に被害をもたらしうる害獣は実にさまざまですが、遭遇する確率の高い動物は決して多くありません。
ここでは、一般家庭に被害を与える可能性の高い5種の害獣を紹介したいと思います。

ネズミ

  • ネズミは、世界中に分布する小型の齧歯(げっし)類です。特に都市部や農村部に多く生息し、温暖な場所を好みます。
  • 身体は小さく、体長は約10〜20cmで、尾は体とほぼ同じ長さです。毛色は灰色や茶色、黒など、種によって異なります。
  • 夜行性で、非常に活動的です。短い足と鋭い歯を持ち、壁を登ったり、狭い隙間を通り抜けたりすることができます。
  • ネズミの歯は一生伸び続けるため、硬いものをかじる習性があり、これが建物や電気配線の損傷を引き起こすことがあります。
  • 繁殖力が非常に強く、短期間で大量に増殖します。一般的に、1回の出産で6〜12匹の子ネズミを産み、年間に数回繁殖します。

コウモリ

  • コウモリは、飛ぶことができる唯一の哺乳類で、世界中に約1,200種類以上が存在します。日本ではアブラコウモリが最も一般的です。
  • 夜行性で、エコロケーションを使って暗闇の中でも自在に飛行し、餌となる昆虫を捕らえます。
  • コウモリの翼は、手が進化したもので、骨と膜で構成されています。翼を広げた時の幅は種によって異なりますが、一般的には20〜30cmほどです。
  • 集団での生活を好み、屋根裏や洞窟、樹洞などにコロニーを形成します。
  • フンは非常に栄養価が高く、昔から肥料として利用されてきましたが、屋内では悪臭や建物の劣化を引き起こします。

アライグマ

  • アライグマは、顔のマスク状の模様と縞模様の尾が特徴的な北アメリカ原産の中型の哺乳類です。
  • 高い知能と器用さを持ち、手先が非常に発達しており、食べ物の扱いやゴミ箱の蓋を開けることができます。
  • 夜行性で、都市部、農村部、森林地帯などさまざまな環境に適応し、雑食性であるため、人間の生活圏でも餌を探すことができます。
  • 体長は約40〜70cm、体重は5〜15kgと個体差があります。冬眠はしないものの、冬場は活動が減少し、暖かい場所で過ごします。
  • 巣を作るために屋根裏や壁の中に侵入することがあり、非常に強力な爪で木や建物に登ることができます。

イタチ

  • イタチは、小型の肉食性哺乳類で、細長い体と短い脚を持ち、俊敏な動きをします。日本にはニホンイタチチョウセンイタチの2種が分布しています。
  • 体長は20〜40cm、尾の長さは10〜20cmほどで、体重は500g〜1kgです。毛色は季節や地域によって異なり、茶色や黒、時には白い個体も見られます。
  • 夜行性で、主に小型の哺乳類や鳥類、昆虫を捕食します。また、狭い隙間や穴を見つけると簡単に通り抜けることができるため、家屋の中にも侵入しやすいです。
  • 冬には毛が密になり、防寒対策が施されるため、寒冷地でも生息可能です。農村部ではニワトリなどの小型の家畜を襲うこともあり、農家にとっては害獣とされることがあります。

ハクビシン

  • ハクビシンは、体長は50〜60cm、尾は40〜50cmほどの東アジア原産の中型の哺乳類で、顔に一本の白い縦線があるのが特徴です。
  • 主に夜行性で、森林地帯や農村部、さらには都市部でも適応して生息しています。木登りが得意で、高い場所に巣を作る習性があります。
  • 雑食性で、果物や昆虫、小型哺乳類などを食べます。特に果樹園で被害を与えることが多く、農作物の被害が深刻です。
  • 繁殖期は春から夏にかけてで、1回に2〜4匹の子供を産みます。ハクビシンは単独で行動することが多いですが、時には家族単位で生活することもあります。
  • 非常に鋭い歯と爪を持ち、建物の屋根や壁を破壊して侵入することができます。また、屋内で大量のフンをするため、悪臭や衛生問題を引き起こします。

駆除の手段

自宅に害獣が棲みついている事実が判明したら、誰もがすぐに駆除したいと考えるでしょう。
しかし、害獣駆除の難易度は決して低くなく、さまざまな危険も伴います。
取り返しのつかない事態を避けるためにも、ここで害獣駆除の詳しい手順や手段をご紹介します。

自力での駆除

害獣を駆除する場合、専門業者に依頼するのが最も一般的な方法ですが、コストを抑えたいなどの理由から自身で対処したいと考える方も多いでしょう。
ここでは、自力で害獣駆除を行う際の具体的な手順と、その際にかかる手間暇について詳しく解説します。

1. 害獣の特定と調査

駆除の具体的な手段や危険性を判断するためには、まず初めにどの種類の害獣が問題となっているのかを特定する必要があります。
人目を避けて活動する動物を直に目視することは容易ではないため、多くの場合残された痕跡から種類を特定する必要があります。
また、この段階で被害箇所の特定も行います。

  • 特徴を観察する: フン、足跡、かじった跡などを確認します。
  • 行動パターンを把握する: 昼夜問わず行動するか、どの時間帯に活動が活発かを調べることが重要です。

2. 駆除のための準備

駆除に使用する道具や薬剤を準備します。
特定の害獣に適したトラップや駆除剤を選ぶことが成功の鍵です。

  • 適切な道具の選定: 駆除に使用するトラップ、忌避剤などを選びます。
  • 安全対策: ゴム手袋、マスク、保護メガネなどを使用し、自身の安全を確保します。

3. 害獣の捕獲または駆除

準備が整ったら、実際に駆除を行います。
この段階では慎重に計画を進めることが重要です。

  • トラップの設置: 害獣がよく通る場所に設置し、エサを適切に配置します。
  • 監視とチェック: トラップや駆除剤を定期的に確認し、効果を確認します。

ただし、駆除を行う際には以下に詳述する鳥獣保護管理法」および「動物愛護法に従う必要があります。自力での駆除を検討されている方は必ずお読みください。

鳥獣保護管理法

この法律は、日本国内の野生動物(特に鳥類や哺乳類)の保護と管理を目的としており、特定の害獣に対して駆除を行う場合、事前に都道府県知事の許可を得ることを定めています。
特に、狩猟対象外の動物や、保護対象に指定されている動物を捕獲または殺傷する行為は、厳しく制限されています。

  • 許可の取得: 害獣駆除を行う前に、該当する動物が保護対象でないかを確認し、必要であれば許可を取得します。
  • 狩猟免許の必要性: 一部の害獣を捕獲するには、狩猟免許が必要です。無許可での捕獲は違法行為となります。
動物愛護法

動物愛護法は、動物に対する非倫理的な扱いを防ぐための法律で、この法律によって駆除する際には可能な限り動物に苦痛を与えない方法を選ぶことが求められます。

  • 人道的な駆除: 駆除する際には、動物の苦痛を最小限に抑える方法を選ぶことが重要です。動物に過度な苦痛を与える行為は、法律違反となる可能性があります。
  • 不要な捕獲や殺傷の禁止: 必要以上の捕獲や殺傷は、動物愛護法に抵触する可能性があるため注意が必要です。

例えば、害獣を水に沈めて溺死させるといった、かつては一般的だった駆除方法も現在では動物愛護法に抵触する恐れがあります。

法律を遵守した駆除の進め方
  • 駆除方法の選定: 駆除対象の動物に適した方法を選び、法律に反しない手段を使用します。
  • 法律相談の活用: 不安な場合は、専門家や自治体の相談窓口に相談し、法的に問題のない方法を確認しましょう。
  • 記録の保持: 許可証や駆除活動の記録を保管しておくことで、後から問題が発生した際に対応できるようにしておきます。

4. 捕獲後の処理と清掃

駆除後には、捕獲・駆除した害獣の処理や住み処となった場所の清掃が必要です。
疎かになりがちですが、これは衛生管理上欠かせない工程です。

  • 捕獲後の処理: 地方自治体の指示に従い、適切に処理します。
  • 清掃と消毒: フンや痕跡を徹底的に掃除し、消毒します。

5. 再発防止策の実施

害獣が侵入する可能性のある場所を特定し、必要に応じて修繕を行います。
これにより、害獣の再侵入を防ぐことができます。

  • 侵入経路の発見: 屋根裏、通風口、配管周りなどを注意深く調べます。
  • 修繕作業: 隙間や穴を塞ぐためのパテや金網、シーリング材を使用します。
  • 環境管理: 生ごみの処理や、食べ物の管理を徹底し、害獣の餌となるものを排除します。

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害獣の駆除って思いのほか手間のかかるものなのね…。
それに免許や行政の許可の取り方だって分からないし、屋根裏での作業はすごく危ないわ。
一刻も早く解決したいけど、難しいのかしら?

専門業者への依頼

以上のような自力での駆除も害獣駆除の選択肢の一つですが、害獣の種類や状況によっては、専門的な知識や技術が必要となります。
そこで今回は、専門業者に駆除を依頼するメリットと、その際に注意すべき点について解説します。

専門業者に依頼するメリット

1. 高い専門知識と経験

専門業者は、さまざまな害獣に対する豊富な知識と経験を持っているため、害獣の生態や行動パターンを熟知しており、それに基づいた最適な駆除方法を提案できます。
また、専門の機材や技術を駆使して、効率的かつ確実に害獣を駆除します。
自力での駆除では難しいケースでも、専門業者であれば効果的に対応することが可能かもしれません。

2. 効率的で安全な駆除

専門業者は、短時間で効率的に害獣を駆除します。
駆除作業は住人やペットに危険が及ばないよう安全を最優先に行われ、例えば毒餌やトラップを使用する際にも、適切な場所に設置し、万が一の事故を防ぐための対策が取られます。
野生動物と対峙する危険な作業も、安心して任せられるでしょう。

3. 法的適合性の確保

先述したように、日本には「鳥獣保護管理法」や「動物愛護法」といった害獣駆除に密接に関わる法律が存在しますが、無鉄砲な自力駆除にはこうした法律に違反するリスクが付きまといます。
その点、専門業者はこれらの法律を熟知しており、適法に基づいた駆除を行います。
許可が必要な場合や法的な手続きが求められるケースでも、業者がすべて対応するため法的トラブルを回避できるでしょう。

4. アフターケアと再発防止策

駆除後のアフターケアや再発防止策も、専門業者を利用する大きなメリットです。
例えば再侵入を防ぐための修繕作業などがこれにあたりますが、中には修繕を施した後も、追加料金無しで定期的な点検・メンテナンスを提供する業者も存在します。
また、衛生管理や消毒作業も行なってくれるケースもあるため、長期的に安心できる環境が整います。

専門業者に依頼する際の注意点

1. 業者選びのポイント

専門業者を選ぶ際には、信頼性の高い業者を選ぶことが重要です。
ネット上での業者探しの際には、まず口コミやレビューを確認し、過去の実績や評判を調べましょう。
害獣駆除に関連する資格や認証を持っているかも確認することが大切であり、また、複数の業者から見積もりを取って料金やサービス内容を比較することで、最適な業者を選ぶことも忘れてはいけません。

2. 契約内容の確認

契約を結ぶ際には、駆除範囲やアフターケアの対応期間などについて明確にし、契約書の内容をよく読んだうえで署名することが重要です。
特に追加料金や保証内容については事前に確認し、不明点があれば業者に質問することが大切です。

3. 法的責任の明確化

駆除業者に依頼する際は、業者が法律を遵守しているかどうかを確認することが不可欠です。
許可証や契約書を保管し、必要に応じて業者に法的な手続きを依頼することも考慮しましょう。
これにより、後から問題が発生した場合でも、法的に対応できる準備が整います。

結論

以上のように、専門業者に駆除を依頼することで、高い専門知識と効率的な作業、安全性の確保、そして法的適合性を担保することができます。
ただし、業者選びや契約内容の確認には十分な注意が必要ですので、自力駆除と専門業者への依頼を比較検討し、状況に応じて最適な方法を選択することが、害獣問題の解決に繋がります。

費用について

害獣被害に遭われた方が一番心配されているのは、おそらく費用に関することではないでしょうか?
想定外の急な出費は家計に響きますが、かといって害獣を放置するわけにもいきません。
そこで、この章では害獣駆除にまつわるお金事情について色々と深掘りしてみたいと思います。

駆除費用の相場

まずはじめに気になるのが駆除にかかる費用についてです。
自宅が害獣被害に遭った際の駆除費用は、害獣の種類、被害の規模、地域、業者によって異なりますが、おおよそ以下のような相場に収まることが多いでしょう。

  1. ネズミ駆除
    • 費用相場: 3万円〜10万円
  2. ハクビシン駆除
    • 費用相場: 5万円〜20万円
  3. アライグマ駆除
    • 費用相場: 5万円〜20万円
  4. コウモリ駆除
    • 費用相場: 5万円〜15万円
  5. イタチ駆除
    • 費用相場: 5万円〜20万円

被害の場所や規模によって大きく変動するため上記の数字はあくまで参考値ですが、おおむねコウモリ、ネズミ、その他の害獣の順に高価格になるケースが多いです。
また、被害の程度や業者によっては以下のような追加料金が発生することも考えられるでしょう。

  • 再発防止策: 侵入経路の封鎖や家屋の修繕が必要な場合、追加費用が発生することがあります。
  • アフターケア: 定期的な点検やメンテナンスを依頼する場合、その都度費用がかかることがあります。
  • 消毒・清掃: 害獣が残したフンや汚染物の清掃や消毒を行う場合、追加で1万〜5万円程度かかることがあります。

火災保険

高額な出費を迫られた人の中には、これらの費用を火災保険で賄うことができないか?とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
実際、火災保険は火災以外にもさまざまな災害に対応する損害保険ですが、害獣被害も災害だと考えられなくもありません。
しかし、結論から言うと基本的に火災保険は害獣被害に対して適用されません。

理由と背景

火災保険は、主に火災や落雷、爆発などの災害による損害を補償するための保険である一方、通常の火災保険には、害獣による被害(ネズミやハクビシン、アライグマなどの動物が家屋に与えた損害)は含まれていません。

  • 自然災害と人為的リスク: 火災保険は予測できない災害に備えるもので、害獣による損害は予防できるリスクと見なされることが多いため、対象外とされています。
  • 経年劣化や自力対応の問題: 害獣による被害は、家屋の管理状態や経年劣化と関係している場合があり、これらも火災保険では補償対象とならない理由の一つです。

例外的な場合

しかし、一部の火災保険や特約では特定の害獣被害が補償対象になる場合もあります。
例えば、ハクビシンやコウモリによる被害を補償する「動物侵入特約」などが追加できる保険もありますが、こうした特約は標準的な火災保険に含まれていないため、別途契約が必要です。

  • 動物侵入特約: この特約を追加することで、動物による侵入や損害が補償される場合があります。ただし、保険会社や契約内容によって適用範囲が異なるため、詳細を確認することが重要です。

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火災保険も適応されないの…?
すぐにでも業者に駆除してもらうべきだって分かってるけど、駆除費用の相場を見ると少し考えてしまうわ。

雑損控除

害獣被害に伴う費用負担をできるだけ軽減したい方が活用するべき制度に「雑損控除」と呼ばれるものがあります。
雑損控除とは、災害や盗難、横領などによって資産に損害が発生した場合に、その損失を所得から控除することで、所得税や住民税の負担を軽減することができる制度ですが、実は害獣駆除や害獣被害に伴う修繕に要した費用も控除の対象にできる可能性もあるのです。

適用される条件

雑損控除が適用されるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 災害や盗難、横領による損失: 雑損控除は、天災(地震、台風、洪水など)や人為的な被害(盗難、横領など)による損害が対象です。害獣による被害も、広義の「災害」に含まれると判断される場合があり、控除の対象となる可能性があります。
  2. 対象資産: 雑損控除の対象となるのは、生活に通常必要な資産(自宅や家財など)です。事業用資産や投資用不動産などは対象外となります。
  3. 実際の損害額: 損害の程度が重要であり、修繕費用や害獣駆除の費用が発生した場合、その費用が雑損控除の対象となります。

雑損控除の計算方法

雑損控除額は、以下のいずれか大きい方の金額が適用されます。

  • 損失額 – 保険金などで補填された額 – (総所得金額 × 10%)
  • 災害関連支出の額 – 5万円

この控除額を、所得から差し引くことができます。

手続き

雑損控除を受けるためには確定申告が必要になります。
控除を受けたい方は以下の書類を準備して税務署に申告してください。

  • 損害を証明する書類: 被害の状況や損失額を証明するための写真、見積書、領収書など。
  • 保険金の支払い証明: 火災保険などで補填を受けた場合、その証明書。
  • 確定申告書: 雑損控除を受けるための欄に記入。

賃貸で害獣駆除に遭った場合の責任について

持ち家の場合、害獣被害の責任を負うのは家主であることは自明ですが、害獣被害の現場が賃貸になるケースも少なくありません。
この場合、貸主(家主)と賃借人(入居者)のどちらに責任があり、誰が費用を負担しなければならないのでしょうか?
状況により異なりますが、以下の基準で判断されることが一般的です。

責任の基準

  1. 建物の構造上の問題や経年劣化が原因の場合
    • 責任者: 貸主(家主)
    • 理由: 建物の老朽化や構造上の欠陥が原因で害獣が侵入した場合、貸主に修繕義務があると考えられます。賃貸借契約に基づいて、貸主は建物の適切な維持管理を行う義務を負っており、害獣侵入を防ぐための対応もこの義務の範疇に含まれます。
  1. 賃借人の不注意や生活習慣が原因の場合
    • 責任者: 賃借人(入居者)
    • 理由: 賃借人が原因で害獣が発生したと判断される場合、例えば食べ物を放置したり、ゴミの管理が不適切だったりする場合、賃借人が駆除費用を負担する責任が生じます。居住者である賃借人も、物件の使用において善管注意義務(善良なる管理者の注意義務)を負っており、この義務を怠ることで責任を問われる可能性があります。
  2. 責任の分担が曖昧な場合
    • 共同責任: 貸主と賃借人の双方で話し合い、費用や対応を分担することが考えられます。このようなケースでは、状況に応じた柔軟な対応が求められることが多いです。

善管注意義務とは

善管注意義務とは、賃貸物件を使用・管理する上で、通常要求される注意義務を意味します。貸主と賃借人の双方が、この義務を果たすことが求められます。

  • 貸主の善管注意義務: 建物の適切な維持管理を行い、経年劣化や欠陥が原因で発生する害獣被害を防ぐための対策を講じることが求められます。
  • 賃借人の善管注意義務: 賃借人は物件を通常通り使用する際に、他者に迷惑をかけないよう注意を払う義務があります。これは、ゴミを適切に処理するなどして物件内外の衛生状態を保つことを意味し、これを怠ると害獣被害が発生した際に責任を負うことになる場合があります。

責任を決めるための基準

  1. 賃貸借契約の内容
    • 賃貸借契約書に害獣駆除に関する条項が記載されている場合、それが責任を決定する基準となります。契約書には、修繕や管理に関する責任分担が明記されていることが多いです。
  2. 害獣発生の原因
    • 害獣がどのようにして侵入したか、その原因が責任の所在を決める上で重要になります。建物の隙間や老朽化が原因であれば貸主の責任、賃借人の生活環境が原因であれば賃借人の責任となります。
  3. 地域や建物の特性
    • 一部の地域や建物は、特定の害獣の発生が頻繁に見られることがあります。その場合、貸主が事前に対策を講じていないことが問題となることがあります。

対処法

  1. 問題発生時のコミュニケーション
    • まず、害獣被害が発生したことを貸主に報告し、対応を相談することが重要です。報告の遅れが善管注意義務の不履行だと捉えられる可能性があるので注意しましょう。
  2. 契約内容の確認
    • 賃貸借契約書を確認し、害獣駆除に関する責任の分担が明記されているか確認します。必要に応じて、契約内容に基づいて対応を進めます。
  3. 専門家の相談
    • 必要であれば、害獣駆除の専門業者に相談し、適切な駆除方法を提案してもらいます。また、責任分担について法律的な問題が生じた場合、弁護士や不動産管理会社に相談することも検討しましょう。

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雑損控除なんて制度があるのは知らなかったわ。
費用の高さから業者への依頼を躊躇してたけど、この制度を活用したらかなり負担を減らせそうね!
このサイトを参考にしつつ、さっそく業者探しを始めるわ!

終わりに

最後までご覧いただき誠にありがとうございました!
マイホームに害獣が棲みついたとなると気が気ではないでしょうが、大切な資産を守るためにも十分な知識を身につけたうえで適切な害獣対策を実施するようにしましょう。
幸いにも当サイトでは害獣にまつわる幅広い情報を取り扱っておりますので、分からないことや不安な点などがございましたら、ぜひ参考になさってください!

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