巷では、「LEDライトでネズミを退治できる」と言われることがあります。
手軽に準備ができて安全性も高いことから、試してみたいと思われる方もいらっしゃるでしょう。
当記事では、ネズミが光に弱いとされる理由やLEDライトによるネズミ対策のメリットとデメリットを解説します。
本当に効果のあるネズミ対策を知り、ネズミ被害から解放された明るい暮らしを取り戻しましょう。
1. LEDライトによるネズミ対策は有効?効果と限界

結論から言えば、LEDライトはネズミ対策としてある程度有効です。
ネズミは夜行性で、明るいところを怖がり光を嫌います。
特にフラッシュのような光り方や赤い光、緑の光が苦手です。
そのため、LEDライトが設置されているところは警戒し、離れていくことが多いとされています。
しかし、個体によっては元々光に恐怖心のない個体がおり、その場合LEDライトの効果はありません。
加えて、学習能力に長けているネズミが光に慣れてしまえば、効果は薄れてしまいます。
そもそもネズミは夜行性ではあるものの、光が苦手というだけで昼間も活動しています。
光の下を移動せざるを得ない状況であれば、嫌がりながらも光の先にある餌場や巣がある場所へ向かうでしょう。
いずれにせよ、LEDライトによる長期的な忌避効果は期待できないのが現実です。
あくまで一時的な処置として効果が見込めるだけで、効果には限界があることを把握しておきましょう。
2. LEDライトを使ったネズミ対策のメリットとデメリット

LEDライトを使用してのネズミ対策には、他の方法にはないメリットもあれば、手軽さゆえのデメリットもあります。
ご家庭の状況やネズミ被害の大小などに応じ、導入の可否を検討してみましょう。
2-1. メリット:安全性の高さと手軽さ
LEDライトを使用する大きなメリットは、安全性の高さと入手・使用の手軽さが挙げられます。
LEDライトは、照明として日常的にも使われているものです。
他のネズミ対策に比べて小さなお子様やペットがいても使用できる、圧倒的に安全性の高い方法と言えます。
例えば、ネズミ用の毒餌や固形の忌避剤を使用する際は、小さなお子様やペットの誤飲を防ぐ策を練らなければなりません。
また、忌避剤として使われることのある唐辛子やハーブなども人体には優しいですが、ペットの心身に負担をかけたり、最悪の場合中毒症状を引き起こしたりする恐れがあります。
対して、LEDライトは光こそ発しますが、化学物質やニオイを発するものではありません。
入手も容易で、LEDを設置するにも難しい作業は不要です。
精神的負担がかかりやすく、衛生面への配慮も必要な死骸の処理をする必要もありません。
唐辛子やハーブによるネズミ対策の詳細は、以下の記事でご紹介しています。
ペットのいないご家庭で手軽なネズミ対策を試したい方は、ご参考にしてください。
2-2. デメリット:効果が不十分なケースもある
先述したように、LEDライトのデメリットは個体によって効果が不十分なこともあるという点です。
光を苦手とする個体も、持ち前の学習能力の高さから光に慣れて恐怖心を持たなくなる場合があります。
中には、元々光に苦手意識を持たない個体もいます。
始めやすい対策で安全性も高いですが、その手軽さと引き換えに効果の確実性はあまりないと言えます。
また、LEDライトによるネズミ対策は、電源の確保もしくは電池の交換が必要な手段です。
電源の場所によっては出入りしようとするネズミの目に届かない場合もありますし、電池の交換を忘れてしまえば対策をしていないも同然の状況に陥ります。
手間がかかるうえに出入りしようとする全てのネズミに作用させることは難しく、実際は手軽な方法とは言いきれないところがあります。
3. 根本からネズミ被害を解決するために重要なポイント

LEDライトでは、ネズミ被害を根絶できません。
ネズミを息絶えさせられる方法でもなければ、長期的にネズミを遠ざけられる方法でもないためです。
根本からネズミ被害を解決するためには、以下の2つのポイントが重要になります。
- 衛生環境を整える
- 侵入経路の特定と封鎖が最重要
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきましょう。
3-1. 衛生環境を整える
ネズミは、エサを求めて家屋に侵入してきます。
そのため繁華街や飲食店、古びた家屋、不衛生な場所に現れるイメージがあるかもしれませんが、エサさえあればどのような場所にも現れます。
近所に繁華街や飲食店がなく、新築で清掃の行き届いている家にも、ネズミが出入りする可能性は否めません。
ご自宅の衛生環境を整え、ネズミの入る隙を与えないようにしましょう。
具体的には、次のような方法があります。
- 食材は冷蔵庫やふた付きの容器、扉付きの戸棚にしまう
- 仏壇のお供え物やペットフードを出しっぱなしにしない
- 生ゴミはふた付き容器に入れて保管しこまめに処分する
- 食べかすは放置せずすぐに片付ける
- 巣材になり得る布・紙・ビニールを整理する
3-2. 侵入経路の特定と封鎖が最重要
ネズミが光に慣れてしまっても、侵入経路が断たれていれば侵入はできません。
新たにやってきたネズミの被害も、一度追い出したネズミによる被害の再発も防ぐには、最も効果的な方法です。
侵入口付近や侵入口内部に捕獲用のトラップを仕掛けるのもよいですが、1つのトラップに対して捕獲できる数には限りがあります。
また、トラップで捕獲したネズミの処理を忘れてしまうと、餓死したネズミの死骸に群がる害虫や細菌による被害を生むかもしれません。
そして、害虫がまたネズミのエサにもなりますので、トラップを仕掛けるのであれば、こまめに確認・処分・交換が必要です。
物理的に侵入口を塞ぐのであれば、次のような対策がおすすめです。
ネズミは2.5cmほど(500円玉大)の大きさがあれば通過できますので、穴や隙間は埋めてしまいましょう。
- 金網やパンチングメタルを取り付ける
- 速乾性のセメントやパテ(充填剤)で充填する
- 金たわしを詰める
侵入口の恐れがある箇所は、糞尿汚れや足跡などのラットサインが目安になります。
ラットサインについては下記の記事でご紹介していますので、一度ご確認ください。
4. 侵入経路の封鎖を個人で行うのは高難易度

侵入口の塞ぎ方は前章でもご紹介しましたが、侵入経路を個人で封鎖することは非常に困難です。
なぜ侵入経路の封鎖が難しいかというと、次の2点に起因します。
- 侵入経路を全て見つけるのが難しい
- 漏れなく隙間を塞ぐのが難しい
ネズミは、人目のつかないところで活動するのが得意です。
ご自身による対策では「抜け」が生じやすく、ネズミもその「抜け」を利用して侵入します。
なぜ上記の2点が難しいのか、それぞれ説明しましょう。
4-1. 侵入経路を全て見つけるのが難しい
ネズミの侵入口となりやすい箇所は、次の通りです。
- 玄関や窓
- 壁にできた穴や隙間
- 換気口・換気扇
- 屋根の隙間
- エアコン導入部
- 戸袋 など
あくまで一例に過ぎませんが、目に見える隙間もあれば、目の届かない部分の隙間も侵入口になります。
高所にある隙間は、特定するだけでも危険が伴うでしょう。
また、ネズミは適応力が高いため、塞がれた侵入口があれば他の侵入口を探し出します。
したがって、ご自身で全ての侵入口を見つけ出すには、相当な手間と時間がかかります。
4-2. 漏れなく隙間を塞ぐのが難しい
侵入口が見つけにくいということは、侵入口を完璧に塞ぎきるのも難しいということです。
金網やパテなどで対策をしても、網が破損したりパテが剥がれたりしていては、簡単に突破されてしまいます。
また、学習能力がありながら執着心の強い動物でもあるネズミは、塞がれた侵入口でも突破しようと試みます。
何度もネズミが突破しようとするうちに、対策が意味をなさなくなっていくこともあるでしょう。
独自に行うネズミ対策は、手軽に思えても実はそう簡単ではありません。
万全なネズミ対策を取るのであれば、業者への依頼がベストな選択と言えます。
とはいえ、複数ある業者の技術はピンキリです。
実績と技術があり、適正価格でネズミ駆除を請け負ってもらえる業者を見つけるのも、初心者では難しいでしょう。
5. ネズミ被害にお悩みなら協会の無料相談をご活用ください

「ご自身のネズミ対策に不安を感じる」「すぐにネズミ被害から開放されたい」という方は、日本有害鳥獣駆除・防除管理協会の無料相談をご検討ください。
ネズミ対策に関することはもちろん、優良な業者の見つけ方までご相談いただけます。
実際に被害がなくとも、ネズミが出入りしているかもしれないと感じたら、お気軽にご相談ください。
まとめ
夜行性のネズミに対し、LEDライトは一定の忌避効果があります。
ただし、その効果は限定的で、光に慣れてしまう個体や元々光が苦手ではない個体もいます。
根本的な解決を目指すのであれば、専門家へのご相談が必要です。
処置が遅くなればなるほど、被害は拡大してしまいます。
お早めに専門家という武器を選択し、ネズミに屈しない住まいを目指しましょう。
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