「家に侵入してきたイタチを追い出すために、まずは市販の対策グッズを取り入れたい」とお考えではありませんか。
中には、クレゾール石鹸がイタチに有効との噂を聞いたことのある方もいらっしゃるでしょう。
簡単に入手できるものでイタチ対策ができれば時間や手間、費用をかけずに済みますが、実際の効き目は気になるものです。
本記事では、石鹸が持つイタチ退治への効果の真偽、対策に石鹸を使うデメリットなどをご紹介します。
安全にイタチ対策を施すためにも、ぜひ最後までご覧ください。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定

1. イタチに石鹸は効く?噂のクレゾール石鹸とは

ただ「石鹸」と聞くと、清潔感のある優しい香りの固形洗浄剤を思い浮かべる方のほうが多いかもしれません。
しかし、イタチに効果があると噂されるクレゾール石鹸は、通常の石鹸とは大きく異なります。
本章では、クレゾール石鹸の正体とイタチに効果的とされる理由について解説します。
1-1. クレゾール石鹸とは
クレゾール石鹸とは、医療現場における手指や創傷面への消毒、トイレ・病室の清掃などに使用される医薬品の一種です。
黄褐色や赤褐色をした粘性のある液体で、1〜3%に希釈して使用されるほど強い消毒・殺菌効果を持っています。
通販サイトなどでも販売されていて比較的入手しやすいものですが、医療従事者がマニュアルに沿って使用するような薬剤であり、使用には以下の注意が必要です。
- 原液では使用しない
- 扱う際には保護メガネやゴム手袋を着用する
- 使用時は換気を行う
- 粘膜やその付近には使用しない
使用方法を誤ると最悪の場合には命を脅かす危険性があるため、用法・用量の遵守が欠かせません。
1-2. クレゾール石鹸がイタチに効果的と言われる理由
イタチを追い出すのに効果的とされるのには、クレゾール石鹸が発する強力なニオイに理由があります。
通常、イタチをはじめとする害獣は刺激臭を嫌います。
クレゾール石鹸は人間でも不快に感じるほどの強力なニオイがするため、イタチに効果的と言われているのです。
2. イタチ対策に石鹸(クレゾール)を使うデメリット

イタチ対策にクレゾール石鹸を使用するメリットは、追い出しの効果が見込めることと手に入りやすいことです。
しかしながら、クレゾール石鹸によるイタチ対策には次の2つのデメリットも存在します。
- 忌避剤としての使用は非推奨
- そのまま廃棄することができない
それぞれのデメリットの背景について解説します。
2-1. 忌避剤としての使用は非推奨
先述した通り、クレゾール石鹸は強力なニオイを有します。
人間にとっても不快なニオイであると同時に、クレゾール臭を長時間吸入すると慢性中毒を引き起こす可能性があり大変危険です。
そのため、メーカーによっては忌避剤としての購入・使用を禁じているところもあります。
強烈なニオイにより近隣の方とのトラブルも招きかねません。
本来の使用目的である殺菌・消毒・清掃以外での使用は避けましょう。
参考:日本薬局方 クレゾール石ケン液500mL【第2類医薬品】
9.クレゾール石ケン液(Saponated Cresol Solution)
2-2. そのまま廃棄することができない
クレゾール石鹸は、濃度にかかわらず下水や土壌に廃棄することはできません。
そのまま廃棄してしまうと、人・農作物・家畜・水産動植物などへ害を与えるリスクがあるためです。
その危険性から、許可を受けた産業廃棄物処理業者または地方公共団体に委託しての廃棄処分が必要になります。
廃棄に手間がかかるうえ、不適正な廃棄を行った場合には廃掃法の違反として罰せられる可能性もあり、一般家庭での購入はおすすめできません。
3. 石鹸より安全!イタチを家から追い出すための対策

クレゾール石鹸は、イタチどころか人間にまで有害で取り扱いの難しい薬剤であることが前章まででお分かりいただけたでしょう。
ご自身で安全にイタチを追い出すには、次の3つの方法があります。
- 市販の忌避剤(ハッカ油や木酢液など)を活用する
- イタチが嫌がる光や音を使ったグッズを使う
- イタチの侵入経路を特定し封鎖する
3つの対策の詳細をご説明します。
3-1. 市販の忌避剤(ハッカ油や木酢液など)を活用する
イタチの嫌うニオイを利用するという点ではクレゾール石鹸と同じですが、人間に害の少ないハッカ油や木酢液などを活用した忌避剤がおすすめです。
手軽に購入できることに加え、様々なリスクを回避できます。
ただし、忌避剤の効果は一時的です。
時間が経つにつれてニオイが薄まっていくため、一定期間で新しいものに交換しなくてはなりません。
また、複数回嗅いだ忌避剤のニオイに慣れてしまう個体が出てくることもあります。
イタチ対策としては不十分になりやすいため、他の方法との併用やプロへの依頼を検討しましょう。
忌避剤の選び方については、以下の記事で詳しくご紹介していますのでご参考にしてみてください。
3-2. イタチが嫌がる光や音を使ったグッズを使う
イタチを追い出すには、生態を利用することも可能です。
夜行性のイタチは、明るい場所を避ける傾向があります。
そのため、家の周辺や侵入経路にセンサー付きのライトや電飾などの光るものを配置すると、侵入を防止できます。
電気を使わずに対策したい場合は、光を反射しやすいCDやアルミホイルなども有効です。
また、イタチは聴覚が優れており、人間には聞こえない超音波が聞こえます。
超音波はイタチにストレスを与えるため、追い出しの効果が期待されているのです。
超音波発生装置を家の周りに設置すれば、イタチは耳障りな場所と認識して遠ざかっていきます。
とはいえ、忌避剤と同様に、光や音による効果は一時的なものです。
イタチは学習能力が高く、自分に害がないことが分かれば容易に侵入しようとします。
さらに、イタチは比較的音に耐性があるため超音波に慣れてしまう可能性があります。
ご家庭によってはペットが超音波により体調を崩す恐れもあり、万全な対策とは言えません。
なお、超音波によるイタチへの効果の詳細は、以下の記事でご覧いただけます。
3-3. イタチの侵入経路を特定し封鎖する
イタチの侵入を防ぐには、侵入口となる場所を徹底的に封鎖するのが効果的です。
侵入経路となりやすい場所は、主に以下が挙げられます。
- 屋根の隙間
- 換気扇
- エアコン導入部
- 床下の通気口
- 排水管 など
侵入経路の候補となりそうな場所には金網やパテ、パンチングメタルなどを使って隙間を塞ぎましょう。
金網やパテはホームセンターや通販サイトなどで簡単に購入可能です。
しかし、柔軟な体を持つイタチは3cmほどの隙間があれば簡単にすり抜けられます。
塞いでおくべきところは多数あり、中にはプロでないと見つけにくい侵入経路もあります。
屋根などの高所には転落の危険もあるため、全ての侵入経路を塞ぎきるのは難しいでしょう。
4. 本格的なイタチ対策はプロへの依頼がおすすめ!

イタチを確実かつ安全に退治するのであれば、専門駆除業者への依頼を推奨します。
自力でできるイタチ対策は、どれを取ってもベストな方法とは言えないからです。
手軽さやかかる費用の安さからご自身での対策を選択されるケースは多いですが、度重なる忌避剤の交換や大量の金網・パテ類の用意などを考慮するとかえって手間と費用がかかる可能性があります。
また、徹底的に侵入経路を塞ぐことは難しく、予想外の場所から侵入されてしまうことも多いです。
加えてイタチは凶暴な性格をし、あらゆる病原菌や寄生虫を保有しています。
中途半端な対策でイタチの警戒心を高めてしまうと、遭遇した際に攻撃されて怪我や感染症のリスクを伴うでしょう。
そして何より、イタチは鳥獣保護法により無許可での駆除・捕獲は禁止されています。
ご自身で周辺にいるイタチの数を減らせるわけではないため、根本的な解決には至りづらいのが現実です。
対して、駆除業者は費用こそかかるものの、1回の依頼で駆除・清掃から再発予防までを一貫して行ってもらえます。
対策時の身体的被害や法律違反といったリスクを回避できるだけでなく、住人の安全にも配慮した薬剤や駆除グッズを使用するためどんなご家庭でも安心です。
イタチ被害が拡大する前に、ぜひプロへの依頼・相談をご検討ください。
5. イタチ被害でお悩みなら協会の無料相談をご活用ください!

「家の近くでイタチを見かけた」「近所で被害に遭っている家がある」などの状況に置かれている方の場合、まだ駆除業者へ依頼するのは早いのではないかと思われることもあるでしょう。
また、「何かに侵入されているけれど、イタチかどうかは定かでない」といったケースもあるかもしれません。
害獣被害に不安を感じ始めた際には、ぜひ日本有害鳥獣駆除・防除管理協会の無料相談をご活用ください。
当協会ではイタチをはじめとする害獣のお悩みを、何でもご相談いただけます。
本記事に掲載していない対策や害獣の特定方法、優良駆除業者の選び方など、どんなことでも構いません。
早急に事態が深刻化しやすい害獣被害には早めの対策が必要ですので、ぜひお早めにご相談ください。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定

まとめ
クレゾール石鹸が発する強力なニオイは、イタチを忌避する効果が見込めるとされています。
しかし、クレゾール石鹸は1〜3%程度に希釈しての使用に限られるほど人間にとっても毒性が高く、廃棄も困難です。
自力でイタチ対策をするのであれば、市販の忌避剤や光、音などを使用して忌避を図り、その後に侵入経路を完全に封鎖するのがよいでしょう。
ただし、ご自身での対策は万全とは言えません。
より安全かつ確実にイタチ駆除を望まれる場合は、迷わず専門駆除業者へ相談しましょう。
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