ムクドリを撃退する方法とは?自身でできる対策や業者依頼時の費用を解説!

害獣・害虫別

かつては益鳥と呼ばれた「ムクドリ」も、現代では人々の生活に支障をきたす害鳥として認識されています。

都市部にも群れを成して出現する可能性が高く、万が一お住いのベランダなどをねぐらにされてしまうとその被害は甚大なものとなるでしょう。

本記事では、ムクドリに対して自身ができる対策法や、業者依頼時の費用などをご紹介します。

ムクドリの被害に悩まされているという方は、ぜひ本記事を参考に対策を講じてみてください。

自分でできるムクドリ対策法とは?

本章では、ムクドリによる被害を抑えるために、自身でできる対策法をいくつかご紹介します。

都市部にお住いの方であっても、ベランダなどに巣を作られたり・ねぐらにされて、騒音・糞尿被害など多大な被害を被る可能性があるため、できる範囲で対策を講じておくことをおすすめします。

「防鳥ネット」(防鳥網)を設置する

ムクドリが通り抜けることのできない大きさの網を対象物(ベランダなど)に張ることで、被害をなくすor軽減できる可能性があります。

防鳥ネットは「カラスなど他の鳥の侵入も同時に妨害できる」ことや「騒音・糞尿被害、感染症などを防止できる」ことから、複合的な防止効果が期待できます。

ただし、ムクドリの体長は約24cmほどのため、侵入されない+網を食い破られないように、網目が細かく・耐久性のあるものを設置する必要があります。

基本的には30mm程度の網目サイズがあればよいといわれています。

また、網を設置する場所の規模に比例してコストも高くなる可能性があるため、費用面にも若干の注意が必要といえるでしょう。

ムクドリにとって「居心地の悪い環境」を作る

万が一お住いの建物に侵入されたとしても「ムクドリにとって居心地の悪い環境」であれば、ねぐらにされる可能性は低くなります。

ムクドリにとって「居心地が悪いと感じさせる」方法(対策)としては、主に以下が挙げられます。

  • バードスパイク(トゲトゲシート)や電気ショックを設置する
  • 天敵となる鳥(カラス・フクロウ・鷹など)の「かかし」を設置する
  • 天敵の鳴き声を発するスピーカーを設置する
  • 光を乱反射させるCDやDVDなどを設置する
  • 爆音機を設置する など

いずれも、警戒心を与えることでムクドリが近づかなくなる可能性があります。

ただし、ムクドリは頭のよい鳥であるため、ただ単に罠を設置するだけだといずれは「敵意はない(襲われる心配はない)」と警戒を緩め、侵入してくるかもしれません。

罠の設置場所を適度に変えるなどして、慣れさせないための工夫が必要といえるでしょう。

また、爆音機を設置する方法は、主に農地など人気の少ない場所に設置するものです。

住宅地や市街地に設置すると、自他ともに迷惑になる可能性があるため注意しておきましょう。

「居処」となる場所を撤去する

もしも、ムクドリが自身の所有物である庭の木などに棲みついている場合は、枝を剪定したり・思い切って木自体を伐採するのも一つの手段といえます。

「止まる枝がなくなる=住処を失う」ため、ムクドリが棲みつく可能性は低くなるといえるでしょう。

ただし、剪定・伐採するのは自身が所有する場所だけにしなければなりません。

公共の場や他者の土地のものを勝手に剪定・伐採することはできないため、この点には注意しておきましょう。

市販の防鳥グッズを活用しよう!

ムクドリに限らず、害鳥を撃退するためのアイテムはさまざまな企業から販売されています。

「被害に悩まされている」または「被害を事前に予防したい」という方は、市販の防鳥グッズの購入・設置を検討してみるとよいでしょう。

各種対策アイテムはホームセンターやネット通販などで簡単に購入できますが、用途や設置場所によって適切なものが異なる可能性があるため、自身の置かれている状況に合わせて効果的と判断できるものを購入しましょう。

「このアイテムは自分には合わないな…」と感じたら、適度に対策アイテムを変更してみるのも有効といえます。

【要注意】自身でできるのは「対策」のみ!

その理由は「鳥獣保護管理法」という法律によって、ムクドリが守られているからです。

この法律は野生鳥獣を保護する(生態系バランスを保つ)ために定められている法律であり、許可や資格なく駆除したり、駆除する際に殺傷することが禁じられています。

同時に、ムクドリを許可なく飼育することも禁止されています。

仮にこの法律に違反すると、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処される可能性があるため、違反しないような適切な対応が求められます。

ムクドリは一見すると可愛らしい容姿をしており、そもそも懐きやすい性格でもあるため、情が移って「飼いたい…」と考える方もいるかもしれません。

駆除にせよ飼育にせよ、許可なくおこなうことはできないため、この点には十分注意しておきましょう。

ムクドリの「巣」は撤去してもよい?

本章では、ムクドリの「巣」についてご紹介します。

  • 巣を見つけた場合、自身の判断で巣を撤去してもよいのか?
  • 撤去する際に注意すべきことは?

上記のような点を解説しておりますので、お住いの家屋にムクドリの巣を発見した際の参考にしていただけると幸いです。

巣は自身の判断で撤去できるのか

結論からいうと「空の巣を撤去する」こと自体は問題にはなりません。

ただし、上記の通りムクドリは鳥獣保護管理法によって守られているため、巣にムクドリがいる・ヒナがいる・卵があるという場合は、勝手に巣を撤去すると法律違反となる可能性があります。

もしも巣を見つけた時点で卵やヒナの姿があった場合は、各自治体へ「有害鳥獣捕獲申請」をしてから撤去するか、巣立ちを待ってから撤去をおこなうとよいでしょう。

巣は「いつ頃」「どこにできる」のか

ムクドリの繁殖期は3月~7月ごろであり、この時期はペアごとに単体で過ごすこととなります。

その後、8月以降に群れを成して行動する機会が多くなり、特に11月以降の秋~冬にかけて大群で活動する可能性が高くなるでしょう。

つまり「時期的には夏~冬にかけて群れを成す可能性が高く、都市部や市街地で被害が多発するケースが高い」といえます。

ムクドリの巣として選ばれる可能性があるのは「木がまばらに生えた林の樹洞や建物の隙間」などが挙げられます。

一軒家の場合は、雨戸をしまう戸袋がもっとも対象となりやすく、他にも以下が巣を作る候補になりやすいといえるでしょう。

  • エアコンがあった場所の穴・換気扇・天井裏などの、ちょっとした隙間や穴
  • 敷地内の植木やベランダ など

現在では被害件数が減少しているものの、一時は都市部でもカラスによる被害が多発していました。

これと同じように「ムクドリの被害は都市部でも発生する可能性が高い」といえるため、決して都市部に住んでいるからといって他人事で済まされる問題ではありません。

実際、自治体単位でムクドリへの対策を講じているケースも多いため、他人事で済ませずにできる限り自身でできる対策は施しておいた方がよいといえるでしょう。

巣の撤去時は「防護」を忘れずに!

家屋内でムクドリの巣を確認・撤去する場合は、まず「巣にヒナや卵がないか」をチェックすることから始めましょう。

空の巣であれば、許可を取らずに撤去することができます。

そして、実際に巣を撤去する際は「防護」を徹底してから作業に移るようにしましょう。

野生の鳥が生息していた場所には、多数のダニや病原菌が付着しているため、感染症が発症しないよう防護を徹底する必要があります。

  • 長袖・長ズボンの作業着などを着用して、肌の露出は避ける
  • ウイルスや病原菌が体内に入らないように、ゴーグル・使い捨てのゴム手袋・マスクなどを装着する

上記の点を意識しながら、撤去作業に入ることをおすすめします。

巣を撤去する具体的な方法

巣を撤去する前に、まず殺虫剤や消毒液を巣に噴射しておくとよいでしょう。

これにより、ダニの除去や菌を抑制する効果が期待できます。
(巣のなかの羽・糞を湿らせることで、菌が舞うことを抑える役割もある)

ただし、勢いよくスプレーを噴射し過ぎてしまうと、逆に菌を撒き散らす可能性があるため注意しておきましょう。

巣を撤去したあとは、撤去の際に使用したもの(キッチンペーパー・ティッシュ・新聞紙など)や撤去した巣などをすべてゴミ袋に入れ、菌が舞い上がらないようにしっかりと密閉します。

また、巣があった場所には寄生虫・病原菌・ウイルスなどが残っている可能性があるため、隅々までしっかりと清掃することが重要です。

もしもこびりついた糞がある場合は、ぬるま湯を使って掃除をしましょう。

ぬるま湯でふやかし、キッチンペーパーや新聞紙で念入りに拭き取ることで綺麗に掃除できます。

糞が綺麗に取れたら、エタノールなどの消毒液で消毒し、念押しでもう一度殺虫スプレーをしておくのが効果的です。

巣の撤去後は「燻煙剤」を焚くのも効果的である

もしも、巣が戸袋・ベランダなどの「部屋の近く」にあった場合は、ヒナが巣立って巣を完全に撤去するまでの間に、ダニやノミが家のなかにも侵入している可能性があります。

気になる方は、巣を撤去した後に家庭用の燻煙剤を焚き、部屋のなかも殺虫しておくとよいでしょう。

戸袋のなかは狭くて奥行きがあるため、隅々まで掃除するのはなかなかに困難です。

できる限り丁寧に掃除した後は、雨戸に強力なダニ駆除剤を貼って戸袋に収納するなど、ノミ・ダニ対策を万全にしておくことをおすすめします。

ムクドリ対策は自治体や専門業者に相談するのもよい

残念ながら、自身でできるムクドリ対策には限界があります。

なぜなら、街路樹・電線・公共の建物など、自身が住まう家屋以外で被害が発生する可能性もあるからです。

そのため、ムクドリの被害に悩まされている方は、早めにお住いの自治体や害鳥駆除などの専門業者に相談してみるのもよいといえるでしょう。

実際、自治体単位でムクドリ被害を抑えるための対策を講じているケースも多くあります。

自身がお住いの建物だけの問題では済まされない可能性も高いため、気になる方は早めに他者へ相談することをおすすめします。

ムクドリ駆除に関するよくある質問

本章では、ムクドリ駆除に関するよくある質問をいくつかご紹介します。

ムクドリ駆除は市役所で対応してもらえるの?

ムクドリの被害は全国的に広がっている+周辺地域に多大な影響をおよぼす可能性があることから、市役所などの各自治体でも駆除の対応を受け付けているケースがあります。

担当する課は被害を受けている場所によって決まっていることが多く「道路管理課」や「公園管理課」などが対応する可能性が高いといえるでしょう。

上述の通り、ムクドリは許可なく駆除することができず、お住いの建物で対策するだけでは被害が収まらない可能性が高いため、気になる方は早めにお住いの自治体に相談してみることをおすすめします。

「自治体」と「専門業者」どちらの相談するのよい?

各種自治体でもムクドリの撃退を実施してくれるケースもありますが、行政機関であっても完全に撃退しきることは難しいといえます。

もし、家屋内に棲みつくムクドリの駆除を徹底的におこないたいのであれば、専門の害鳥駆除業者に相談してみるのもよいといえるでしょう。

専門業者であれば、鳥獣保護管理法による規制で駆除が難しいムクドリにも対処してくれるだけでなく、再発防止にも貢献してくれる可能性が高いはずです。

専門業者=ムクドリに関する知識を持ったプロが対応してくれるため、安心して駆除・再発防止を依頼することができるでしょう。

ただし、駆除業者は全国さまざまに存在し、それぞれで特徴が異なるため、かならず相見積もりを取り「信頼できる業者」を選ぶことが重要といえます。

業者に依頼する際の費用相場は?

ムクドリ駆除を専門業者に依頼する際に費用相場は、主に以下の通りです。

  • 巣撤去・清掃:4,500~5,500円(1㎡毎)
  • 追出し煙霧処理:350~500円(1㎡毎)
  • 点検口新設:12,000~14,000円(1個毎)
  • 侵入口塞ぎ:1,500~2,500円(1箇所毎)
  • 消毒作業:500~1,000円(1㎡毎) など

ただし、あくまで相場(目安)であり、費用は依頼する業者・被害状況・作業面積によって変動する可能性があります。

相見積もりを取れば、業者間での費用の違いや業者の良し悪しを的確に判断することができます。

また、見積もりの時点で「見積もり内容が曖昧」「この業者は質問した内容を曖昧に返される」といった場合は、その業者を依頼候補から外すこともできるでしょう。

見積もりは基本的に無料のケースが多いため、サービス内容・費用・アフターフォローの充実具合などを比較しながら、自身がより納得できる業者に依頼することをおすすめします。

ムクドリ対策は他の鳥にも有効?

たとえば「カラス」など、ムクドリ以外の害鳥も家屋内に棲みつく可能性がありますが、防鳥ネットなどは害鳥全般に効力があるといえます。

ただし、鳥によって習性や特徴は異なるため、かならずしもすべての害鳥に有効とは限りません。

対策を講じる際は「どの鳥に対して有効か?」「どの害鳥の侵入を防止したいのか?」を明確にしたうえで、状況に応じて適切な罠などを設置するのがよいといえるでしょう。

ムクドリに「超音波」は効く?

ムクドリの撃退方法の一つに「超音波発生装置の設置」が挙げられるケースもありますが、超音波はムクドリに有効なのでしょうか。

結論をお伝えすると「鳥に対して、超音波はあまり効力がない」といえます。

鳥の可聴領域は人間よりも低いため、ムクドリに対して設置した超音波発生装置の効果で、ヒトやペットなどにも被害がおよぶ可能性があります。

ムクドリ対策のためだけに超音波発生装置を使用することはあまりおすすめできないため、本記事でご紹介した別の内容を実践することから始めてみるとよいでしょう。

まとめ

ムクドリへの対策は、自身でできるものもいくつかあるものの、できることには限界があるといえます。

敷地内以外の場所への対処は自身で勝手におこなうことはできず、かつムクドリを許可なく駆除することもできないため「自身の手に負えない」と判断した場合は、早めにお住いの自治体や害鳥駆除の専門業者に依頼した方がよいといえるでしょう。

自身でできる対策を試しつつ他者へ協力を要請しつつ、できる限りムクドリによる被害をなくしていきましょう。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

TOP
CLOSE