「家屋に棲みついたシロアリを徹底除去し、再発をできる限り防止してほしい」となった場合、シロアリ駆除の害虫駆除業者に依頼すべきといえます。
しかし、害虫駆除を業者に依頼する機会もそう多くはないため「どの業者を選べばよいかわからない」「口コミやランキングなどは本当に信用できるの?」と不安を感じる方もいるでしょう。
この記事では、シロアリ駆除を依頼する際の業者の選び方についてご紹介します。
なかには悪徳業者の類も存在するため、本記事を参考に、より信頼できる業者に依頼してみてください。
シロアリ駆除はどこにお願いすればいいの?
本章では、シロアリ駆除を依頼する際の業者についてご紹介します。
シロアリの駆除を依頼する先は、主に以下の3つに大別することができます。
- 大手ハウスクリーニング事業者
- 地域に密着した中小企業
- ホームセンター
いずれも害虫駆除に精通したプロが在籍している可能性は高いものの、それぞれで特徴や費用相場が異なるため注意しておきましょう。
「大手ハウスクリーニング事業者」
大手ハウスクリーニング事業者とは、全国各地に系列店舗を構える事業者のことです。
ここでは、大手ハウスクリーニング事業者の特徴や、依頼時の費用相場についてご紹介します。
特徴
大手ハウスクリーニング事業者のメリットとしては、以下が挙げられます。
- 全国的に展開している=探しやすい
- 会社の規模が大きく、どこでも同じクオリティのサービスを受けられる可能性が高い
- 大手のため知名度が高く、比較的安心して依頼できる
ただし、チェーン展開しているため「細かな希望に対応しづらい(融通が利きづらい)」や「中小企業に比べて費用が高くなりやすい」という注意点もあります。
高額であっても、知名度の高い大手に安心・期待感を感じる方におすすめといえるでしょう。
なかには「仲介業者で、実際の施工をするのは下請けの会社となるケースもあります。
この場合は、依頼者→仲介業者→下請けの施工会社と情報が正確に伝わりづらくなる可能性もあるため、基本的には大手であっても「すべて自社施工している業者」を選択するのがよいといえます。
費用相場
大手ハウスクリーニング事業者にシロアリ駆除を依頼した場合、費用相場は以下ほどとなります。
- 1坪あたり:8,000円~10,000円程度
- 1㎡あたり:2,500円~3,000円程度
中小企業に比べると費用が割高になる可能性が高いため、この点には注意しておきましょう。
ただし、大手であっても業者によって費用やサービス内容には違いがあります。
「大手だから安心」と安易に即決せず、かならず複数の業者に見積もりを依頼するのがよいといえるでしょう。
「地域に密着した中小企業」
地域に密着した中小企業とは、大手のようにチェーン展開していない「あなたの街の害虫駆除業者」のような存在です。
ここでは、地域密着型の専門業者の特徴や、依頼時の費用相場についてご紹介します。
特徴
地域に密着した業者だけに「大手にはない柔軟な対応」と「地元ならではの迅速な対応」が魅力として挙げられるでしょう。
歴史のある業者ほどシロアリ駆除の専門知識が豊富なスタッフが在籍している可能性も高く、大手に比べて駆除費用がリーズナブルである点もメリットとして挙げられます。
ただし、地域密着型は比較的小規模な企業が多く「評判のよい事業者を探しにくい」という注意点もあります。
地域密着型は、ネットで探すよりもリアルな口コミ(ご近所さんとの会話など)で探した方が見つかりやすいともいえます。
もちろん、地域密着型だからといってすべての企業が上記メリットのすべてに該当するわけではないため、企業の良し悪しは事前のチェックが必要不可欠といえるでしょう。
費用相場
地域密着型の業者にシロアリ駆除を依頼した場合、費用相場は以下ほどとなります。
- 1坪あたり:7,000円~8,000円程度
- 1㎡あたり:2,100円~2,500円程度
大手企業に比べると費用が抑えめであるケースが多いのですが、企業によって費用やサービス内容にバラつきがあるともいえます。
なかには悪徳業者の類も存在するため、事前のチェックは必要不可欠といえるでしょう。
「ホームセンター」
一部のホームセンターでは、シロアリ駆除を依頼することも可能です。
ここでは、ホームセンターに依頼した際の特徴や費用相場についてご紹介します。
特徴
お住いの街に展開しているホームセンターであれば「買い物ついでにシロアリ駆除を依頼できる」ため、わざわざ専門業者を探して依頼をする手間が省けます。
その他のリフォーム工事などを同時に依頼することもでき、店舗によってはポイントが付くなどのメリットが得られることもあるでしょう。
ただし、実際の駆除はホームセンターのスタッフではなく「提携している駆除業者がおこなう」ため、施工事業者を自身で選べないという注意点もあります。
駆除の実績やスタッフの技術力が不透明であるケースが多く、安易に依頼するのも考え物です。
実際に施工を依頼した方からのリアルな口コミなどを参考にしながら、依頼するべきかどうかを判断してみるとよいでしょう。
費用相場
ホームセンターにシロアリ駆除を依頼した場合、費用相場は以下ほどとなります。
- 1坪あたり:6,000円程度~
- 1㎡あたり:1,800円程度~
大手企業や地域密着型の中小企業に比べて、駆除費用はリーズナブルなケースが多いといえます。
ただし、店舗や地域によって費用はもちろんサービス内容にも違いが生じる可能性があるため、事前の確認は徹底しておくべきといえるでしょう。
シロアリ駆除業者を選ぶ際の注意点
本章では、シロアリ駆除業者を選ぶ際の注意点をいくつかご紹介します。
業者によって企業規模・駆除費用・サービス内容には違いがあるため、本章で紹介する内容を参考に、より自身が納得できる業者を探してみましょう。
「相見積もり」を取ること
「相見積もり」とは、複数の業者から見積もりを依頼することであり、業者選定時は可能な限り相見積もりを取ることをおすすめします。
その理由は、相見積もりを取ることで「業者の良し悪しを判断できる」ことと「その地域の費用相場を知ることができる」からです。
もしも一社からしか見積もりを取っていないと、費用を含めその業者の良し悪しを判断することができません。
複数の業者から見積もりを取ることで、それぞれの比較ができ、より良い業者を選定することができるでしょう。
相見積もりは、最低でも3~4社ほどから取ることが理想といえます。
ネットの情報を鵜呑みにしない
ネット社会である現在では、スマホやPCから簡単に業者の情報を入手することができます。
しかし、業者の公式ホームページは(顧客を増やすために)基本的に自社の印象が悪くなるような内容を書くことはありません。
また、ランキングなどで見られる口コミも(利用の有無に関わらず)匿名希望の意見しか確認できないことが多く、利用者の印象によって評価は大きく変化します。
これは、リアルの口コミであっても同様です。
とくにネットの情報は参考までにとどめておき、依頼するかどうかは現地調査や見積もり時に自身が感じた印象を第一に決めてみることをおすすめします。
逆に、いくら口コミなどで高評価が記載されていたとしても、電話応対・現地調査・見積もり時のスタッフの印象に違和感を感じた場合は、できれば候補から外した方がよいともいえます。
違和感を持ったまま依頼すると「思っていたのと違った。この業者を選ばなければよかった…」と後から後悔する可能性もあるため、基本的には自身が感じた印象を第一に決めてみましょう。
「安さ」だけを重視しない
シロアリは、業者が駆除しても100%再発を防止できるとは限りません。
アフターフォローが充実している業者であれば、万が一被害が再発した際にも期間内であれば格安or無料で駆除を依頼できる可能性があります。
他社との差別化を図るために「安さだけをウリにしてくる業者」もいますが、このケースは悪徳業者であることも多く、徹底した駆除がなされない・後から追加費用を請求してくる・再発して被害がより甚大となり余計に費用がかかる、といった問題に発展する可能性も少なくありません。
然るべき業者に依頼すると費用が割高になるケースもありますが、その分だけ「中・長期的にシロアリ被害に悩まされる可能性が少なくなる」ともいえます。
業者選定時は「安さ」だけでなく「サービス内容」や「アフターフォローの充実度」にも目を向けてみるとよいでしょう。
すべて「自社施工」で対応している業者を選ぶ
シロアリ駆除を業者に依頼する場合は、すべて「自社施工」で対応している業者を選ぶようにしましょう。
業者のなかには仲介業者として仕事を引き受け、実際の作業は下請けの業者が実施するケースがあります。
酷い場合は、その請け負った会社もさらに個人の業者などに丸投げする可能性もあるかもしれません。
仲介業者→下請けとなると、仲介料が発生して費用が割高になるだけでなく、情報共有がうまく成されずにサービス提供が不安定になる可能性もあります。
業者に依頼する際は高額な駆除費用を支払うことになるため、一貫した自社体制が確立している業者を選ぶのがよいといえるでしょう。
現地調査後に確認すべきことはなに?
業者に見積もりを依頼した際は、かならず「現地調査」がおこなわれます。
現地調査をしないと、被害箇所や侵入経路が特定できず、正確な見積もりを出すことができないからです。
仮に、見積もり依頼時に現地調査を渋る業者は、その時点で候補から外した方がよいといえるでしょう。
本章では、より質の良い業者を選ぶために、現地調査をおこなった後に確認すべきことをいくつかご紹介します。
点検は丁寧におこなわれていたか
点検や施工品質は業者によってバラバラであり、なかには「(覗くだけなど)簡単な点検しかされなかった」というケースもあります。
シロアリの住処や経路は複雑であり、隅々まで丁寧にチェックしないと詳細は確認できません。
- しっかりと奥まで点検してくれているか?
- 写真は撮ってくれたか?
- 疑問に丁寧に答えてくれるか?
- 床下からホコリが舞い上がらないように対策はしてくれるか? など
現地調査時は、業者の動きをしっかりと確認しておくことが重要です。
合わせて、業者の応対時の態度や身だしなみなどもチェックしておくのもよいでしょう。
見積もりや保証内容は明確であったか
業者によっては、見積書や報告書の内容が不明確で、後から「問題が発生した(追加で施工する必要があった)」と追加費用を請求してくる可能性もあります。
そのため、見積もりを提示された際はかならず詳細を確認し、不明点があれば納得するまで業者に質問しましょう。
人によっては「この質問をするのは失礼かな…?」「質問のし過ぎで迷惑がられないかな?」と躊躇してしまう場合もありますが、お金を払って依頼するのですから遠慮することはありません。
むしろ違和感をそのままにして後からトラブルに発展してしまう方が問題となるため、少なくとも以下の点はかならず事前にチェックしておきましょう。
- 見積もりはサイトの金額と同じか?
- よくわからない経費が含まれていないか?
- オプション内容は納得できるか?
- シロアリ駆除と関係ない工事は含まれていないか? など
加えて、以下の保証内容もチェックしておくことをおすすめします。
- 保証期間はどのくらいか?(基本は5年が目安となる)
- 保証がない場合の理由はなにか?
- 保証内容は損害賠償保証・施工保証のどちらか?
- 保証の範囲はどこか? など
保証が曖昧だと、のちに被害が再発した際に後悔する可能性が高くなるため、見積もり・保証ともに明確な内容を提示してくれる業者に依頼しましょう。
担当者がシロアリの生態・工法・薬剤などに詳しかったか
「シロアリそのものの知識」「薬剤の使用方法」「その建物に最適な工法」など、現地調査に来たスタッフが確かな知識を有しているかは重要です。
実際に施工をするのが経験豊富なプロであったとしても、知識の浅い方が現地調査をしてしまうと、後から施工箇所が増えてしまう可能性もあるかもしれません。
現地調査に来るスタッフからして確かな知識を有していれば、それは「社員教育がしっかりと行き届いている業者である」という証明にもなります。
現地調査時点でスタッフの質を確かめておくのも大切といえるでしょう。
担当者が「しろあり防除施工士」の有資格者だったか
「しろあり防除施工士」とは、シロアリ防除工事に従事する施工者の資格制度であり、日本しろあり対策協会が検定・管理をしています。
実は、シロアリの調査や施工は本資格がなくてもおこなえるため、現地調査はもちろん実際の施工時にも経験の浅いスタッフが対応する可能性もあります。
経験の浅いスタッフが対応すれば被害がより拡大する可能性もあるため、できれば有資格者に駆除を依頼した方がよいといえるでしょう。
なお、しろあり防除施工士の上位資格として「蟻害・腐朽検査士」もあります。
しろあり防除施工士の資格取得から3年が経過していなければ受験資格を得られないため、この資格を有している方であればより経験が豊富なスタッフということが証明できるでしょう。
業者との間で起こりやすいトラブルとは?
どんなに事前のチェックを徹底していたとしても、施工後にトラブルが発生する可能性はあります。
本章では、業者依頼時に起こりやすいトラブルや対処法についてご紹介します。
起こりやすいトラブル①:料金
トラブルのなかでもとくに多いのが「料金」に関するものです。
とくに「施工後に追加料金を請求される」というケースはあり得るでしょう。
(実施、施工後に想定よりも被害が大きいことが判明する可能性もある)
トラブルを防ぐ方法は、追加料金が発生する可能性がないかを事前に確認し、かならず書面やメールなどで見積もり金額を残してもらうことです。
また「料金を支払ったのに、工事日になっても誰も来ず・連絡も取れない」というトラブルも起こり得る可能性があります。
シロアリ工事の料金は後払いが基本となるため、決して先払いしないよう注意しておきましょう。
起こりやすいトラブル②:工事内容
工事内容に関するトラブルの代表例として、以下が挙げられます。
- 工事中の建物内へ傷をつけられてしまう
- 必要以上の工事をされてしまう
どちらも、事前の確認である程度トラブルを防止することが可能です。
前者の場合は「どのくらい室内を養生してもらえるのか?」を確認し、施工時に気を付けてほしいところがあれば事前に伝えておきましょう。
後者の場合は、見積もり内容を確認すればある程度判別できます。
自身にとっては不要であっても、なかには被害を防ぐために必要な工事もあるため、詳細を確認し納得のいく説明を受けてから作業してもらうことが大切です。
起こりやすいトラブル③:薬剤
施工時に使用される薬剤にはさまざまな種類が存在し、業者によって使用するものが異なるケースもあります。
なかには「臭いがきつい…」と施工後に不満を感じるかもしれません。
薬剤に関して不安・心配などがある場合は、現地調査・見積もり提示時などに質問し、十分な説明を受けてから(納得してから)依頼するとよいでしょう。
起こりやすいトラブル④:施工後の保証
施工後の保証内容も、事前のチェックが重要です。
シロアリ駆除に使用した薬剤の有効期限は5年であることが多く、多くの業者が5年間の保証を付けています。
この期間内で再発した場合は基本的に格安or無料で再施工してくれますが、事前の確認が不十分だと曖昧にされてしまう可能性もあるかもしれません。
また、業者によっては「廃業してしまい連絡が取れなくなった」というケースもあります。
廃業の可能性を事前に確認する術はありませんが、少なくとも見積もり提示時にアフターフォローの内容はしっかりと確認しておきましょう。
トラブルが発生した際の対処法
トラブルが発生した際の対処法としては、主に以下2点が挙げられます。
- クーリングオフを活用する
- 消費者生活センターへ相談する
以下で、それぞれの特徴を解説します。
クーリングオフを活用する
万が一、訪問・電話営業などで契約をした場合は「契約書(法定書面)を受け取った日から数えて8日以内に申し出れば、クーリングオフ制度で契約を解除できる」ため、できるだけ早めに申し出をおこないましょう。
業者が提示する契約書にはクーリングオフについての記載がされていることが基本ではありますが、なかには口約束や簡易的なもので済ませようとする悪徳業者もいるため、注意が必要です。
仮に契約する場合であっても、事前にクーリングオフの記載があるかどうか契約書を確認しておくとよいでしょう。
消費者生活センターへ相談する
もしも業者側に「クーリングオフはできない」といわれた場合は、消費者生活センターへ相談してみましょう。
クーリングオフが適用されるケースで「クーリングオフはできない」と虚偽の説明をされた場合、または脅迫行為が伴っていた場合などには、所定の期間を過ぎてもクーリングオフが適用されるケースもあります。
消費者生活センターでも解決しない問題であれば、警察へ被害届を出すのも一つの方法といえます。
悪徳業者の類は支払いの請求などをしつこく迫ってくる可能性があるため、万が一被害に遭われた方は、一人で悩まずに消費者生活センターや警察などに相談してください。
まとめ
シロアリ駆除の専門業者は全国各地さまざまに存在し、業者によって費用やサービス内容に違いが生じます。
ネットの情報などは参考程度にとどめておき、かならず「相見積もり」を取って複数の業者を比較してから依頼するようにしましょう。
のちのトラブルに発展することのないよう、現地調査・見積もり提示時に不明点をすべて解消しておくことも大切です。
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