ハクビシンは穴掘りが得意?苦手?間違えやすい害獣の見分け方や対処法を解説

害獣・害虫別

人々の生活圏に浸入し、さまざまな被害をもたらすハクビシンなどの害獣…。

なかには「最近自宅の庭で穴を見かける機会が増えた…。これってハクビシンの仕業!?」と考える方もいるかもしれません。

ハクビシンは穴掘りをするというイメージを持っている方もいるようですが、実際はどうなのでしょうか?

本記事では、穴掘りを得意とする害獣の詳細や、具体的な対処法についてご紹介します。

庭などで穴を見かける機会が増えたということは、いずれにしろ身近に害獣が潜んでいる可能性が高いため、早急に対策を講じてみましょう。

ハクビシンは穴掘りが得意?苦手?

結論からいうとハクビシンは穴を掘るのが苦手な動物であり、もし庭や畑などに穴掘りの形跡が見られた場合は、別の害獣の仕業であると考えるべきです。

ハクビシンは木の上で生活することの多い生き物であり、木登りが得意で、電線の上でも渡れるほどバランス感覚に優れています。

つまり、穴を掘る必要がない生活をしている動物なのです。

穴掘りが苦手な動物としては、他にもアライグマなども挙げられます。

穴掘りをすることが多い害獣とは?

ハクビシンやアライグマではないにしろ、庭や畑などに穴掘りの形跡がある場合、何かしらの害獣が身近に潜んでいる可能性が高いといえます。

本章では、穴掘りをすることが多い害獣を4種ご紹介します。

アナグマ

外見はハクビシンと若干似ているものの、以下のような違いが見られます。

【ハクビシン】

  • 体長:50cm〜1mほど
  • 体色:灰色の体が特徴的で、顔には白い縦線が見られる(目の周りにも白い点模様が付いている)
  • 尻尾:体の約半分が尻尾で、スリムな体にスッと伸びる尻尾が特徴的

【アナグマ】

  • 体長:40~60cmほど
  • 体色:全体にくすんだ茶褐色で、四肢と胸はやや濃い茶褐色をしている
  • 尻尾:11~14cmほどでハクビシンよりも小さい

ハクビシンは目の周りに白い点模様が付いているため、遭遇さえできれば、その違いは明確にわかるでしょう。

また、アナグマは穴掘りを得意とするため、強靭な前脚と鋭い爪を持っていることも特徴に挙げられます。

もし、庭や畑などに複数の穴が確認できた際は、アナグマの仕業であると疑ってもよいといえるでしょう。

ネズミ

ネズミも穴掘りを得意としており、敵から身を隠す・住処を確保する・食料を保管する・暑さ寒さから身を守るといった目的で穴を掘るとされています。

特徴として「入口が小さいものの中は広く、途中で道が分岐する」ことが挙げられ、敵に遭遇しても簡単に逃げられるように工夫がなされています。

イタチ

イタチは、安全な棲み処の確保と獲物を捕らえるため、地中に巣やトンネルを作るとされています。

また、ネズミと同様に外部の気温変動から身を守るために穴を掘ることもあるようです。

イタチが掘る穴は、ネズミと同じく入り口が小さく・中が複雑に入り組んでおり、これが外敵から身を隠したり獲物を追い詰めるのに役立っています。

タヌキ

タヌキは、棲み処を確保するために穴を掘る習性があるといわれています。

アライグマと外見が似ていますが、両者は以下の点で見分けることが可能です。

  • アライグマは灰色・白色が体色の基本となるのに対し、タヌキは胴体が茶色で脚が黒色をしている
  • アライグマの足跡は指球の跡が5つあるが、タヌキの足跡には指球の跡が4つしかない
  • アライグマの顔は眉間から鼻までが黒く、耳のふちの色は白・ひげは白く長いが、タヌキは目の周りから首までが黒く、耳のふちの色とひげの色が黒い など

そもそも、アライグマは穴を掘ることが苦手なため、庭や畑にタヌキが通れるほどの穴があれば、タヌキが身近に潜んでいる可能性が高いといえるでしょう。

害獣の侵入は穴掘り以外にもさまざまな被害をもたらす

ハクビシン 天井

ハクビシンなどの害獣が庭や建物などに浸入すると、以下のようにさまざまな被害をもたらします。

  • 食べ物や生ごみを食い荒らす食害
  • 鳴き声や足音などによる騒音
  • 糞尿による悪臭や健康被害
  • 糞尿による建物の腐食
  • 建材・断熱材・家具・電気ケーブルなどの破損
  • 噛みつきや引っ掻きによる怪我
  • 感染症の発病 など

これらはハクビシンだけでなく、ネズミ・イタチ・アナグマ・タヌキ・コウモリなど多くの害獣に共通する被害であり、放置するほど被害は拡大していきます。

加えて、穴を掘る害獣によって穴が増えていくと、地盤が緩み最悪の場合は建物が倒壊する危険性もあります。

健康被害だけでなく建物の寿命も大幅に削ることになるため、害獣を侵入させない工夫はもちろん、すでに侵入している場合は早急な駆除が大切です。

ハクビシンなどの害獣を防除する方法とは?

本章では、ハクビシンなどの害獣を防除する方法についてご紹介します。

【関連記事】

害獣なのに勝手に駆除できないって本当?!知っておきたい害獣駆除の基礎知識

害獣の侵入対策・追い出し方について

害獣の被害を防ぐ最善の方法は「侵入を予防する」ことと「害獣の存在や痕跡を発見した際に早急に追い出す」ことです。

ここでは、害獣の侵入対策と追い出し方について解説します。

侵入経路を封鎖する

害獣の家屋への侵入経路は、以下のように多岐に渡ります。

  • 屋根の隙間
  • 通風口や換気扇
  • エアコンの導入部・室外機近くの壁穴
  • 排水パイプ など

上記以外にもほんの小さな隙間があれば簡単に家の中へ侵入し、屋根裏や床下などに巣を作って繁殖、害獣被害をもたらします。

害獣の侵入を防ぐには、これら害獣の侵入経路となる場所を徹底的に塞ぐことです。

侵入経路を塞ぐための道具はホームセンターなどで購入できるため、家の周りを定期的に点検し、侵入経路となり得る場所を塞いでみましょう。

庭や畑への侵入を防ぎたい場合は、柵(電気柵も有効)を設置するのもおすすめです。

なお、すでに害獣が家屋内に浸入している場合は、その害獣をすべて追い出した後で侵入経路を塞いでください(追い出す前に侵入経路を塞いでしまうと、害獣を閉じ込めてしまうため)。

また、害獣の侵入経路を探す際に、候補となり得る場所に痕跡(フンや足跡など)がないかも合わせて確認しておきましょう。

もし痕跡があれば、何らかの害獣が建物内に入り込んでいる可能性が高くなるため、速やかに対処を講じましょう。

忌避剤・超音波・ライトなど罠を設置する

害獣にも、天敵・苦手とするニオイや音があり、またほとんどが夜行性であるため光にも弱いという特徴があります。

この害獣ごとの弱点を利用した対策グッズ(忌避剤・超音波発生装置・害獣除けライト)が販売されているため、これらを使って侵入対策や追い出しをおこなってみましょう。

天井裏・床下・庭など、侵入されたくない・追い出したい箇所に対策グッズを設置することで効果が発揮されます(害獣の種類によって専用の罠を設置することが大切)。

また、同じ罠を使い続けているといずれは慣れてしまうため、適度に罠の種類や設置場所を変えるのも重要です。

超音波発生装置のなかには、周波数帯が複数あるものやライト付きなどもあるため、うまく活用してみましょう。

普段から徹底した衛生管理を心掛ける

害獣のほとんどは雑食性であり、人が口する食材・畑や家庭菜園で育てている作物、果ては廃棄予定の生ごみまでエサとします。

これらを出しっぱなしにしておけば害獣にとってはエサの宝庫となり得るため、普段からの徹底した衛生管理が重要です。

  • 常温保存できる食材を、密封したり冷蔵庫で保管する
  • 部屋を適度に掃除し、食べかすやごみをなくす
  • 生ごみはフタつきのもので保管し、回収日が来たらすぐに捨てる
  • 熟した作物は早めに収穫し、廃棄予定のものは早めに処分する
  • 木の剪定や雑草処理をおこない、害獣の侵入経路や隠れ蓑となるものを減らす など

害獣にとって居心地の悪い環境となれば、より棲みやすい(侵入しやすい)場所を求めて去っていく可能性もあるでしょう。

また、害獣だけでなく害虫対策としても効果が期待できます。

ただし、衛生管理の徹底は基本中の基本のため、これだけですべての害獣の被害を防げるとは限りません。

侵入経路の封鎖や対策グッズなども併用して、人にとって住み心地のよい環境を、害獣にとって棲みにくい環境を作り上げていきましょう。

害獣の穴掘りへの対策方法

穴掘りの原因がハクビシンではないものの、別の害獣によって穴が掘られ迷惑している方もいるかもしれません。

本章では、害獣による穴掘りへの対処方法についてご紹介します。

ワイヤーメッシュ柵やトタン板で柵を設置する

特にアナグマは穴を掘ることを得意としており、穴を掘って庭などに浸入してくる可能性も高いため注意が必要です。

トタン板は、侵入防止だけでなく視界を遮る効果も期待できるため、中の様子をわかりにくくしてより警戒心を与えることができます。

この柵を設置する際は、地中からの侵入を防ぐために、柵の下部30cmほどを地面に埋め込むことが大切です。

加えて、地上部分からジャンプで乗り越えられることがないように、地上の柵の高さも40cm以上にしておくとよいでしょう。

もし長さが足りない場合は、ネットの目合いが4mm以下の防風ネットで囲い、爪などが通らないようにするのがおすすめです。

電気柵の設置もおすすめ

電気柵は、畑などの周囲を電気が流れる柵で囲み、害獣などの野生動物の侵入を防ぎます。

柵に触れた動物を駆除することが目的ではない(柵に触れた際に一瞬発生する電気刺激で警戒心を与える程度)ため誰でも設置でき、通常の柵よりもさらに侵入防止対策とした高い効果が期待できます。

ただし、害獣ごとに特徴が異なるため、設置方法に誤りや隙があると動物の侵入を許してしまうため扱いには注意が必要です。

たとえばアナグマの場合は、柵を40cm程度の上りやすい高さにあえて設定し、そこに電流を流すことで刺激を与えるように誘導するのがおすすめです。
(上から上れないとなれば地面から侵入する可能性もあるため、地中深くまで柵を設置することも大切)

この方法は、他の中型動物にも有効な設置方法ですが、実際に設置する際は説明書を読んで設置の仕方を正しく理解してからおこなってください。

設置後も定期的に点検と見回りをしよう

柵を設置した後は、定期的な点検と見回りをおこなうことが大切です。

【チェックポイント】

  • 柵が正しく機能しているか?
  • 柵は破損していないか?
  • 柵周辺の雑草が伸びていないか?
  • 柵の下部に掘り起こしを跡がないか? など

害獣が侵入しようと柵に近づいた場合、周囲に何かしらの痕跡が残っているはずです。

定期的にチェックし、もし問題があれば状況に応じて別の対策も併用してみるとよいでしょう。

ハクビシンなど害獣の防除はプロの業者へ相談しよう

害獣の侵入経路は多岐に渡り、かつ夜間に行動することが多いため、気づかぬうちに家屋に浸入していたというケースもあります。

また、害獣といえど法律で保護・管理されている動物が多く、たとえ被害に遭っていても無許可で駆除することはできません。

そもそも、素人がやみくもに対処しても手間とリスクが伴うだけで、効果的に対処するのも難しいでしょう。

業者に依頼すれば、許可申請から防除まですべての作業を一貫しておこなってくれますし、万が一被害が再発した際にも迅速かつ格安で対処してくれます(保証期間中のみ)。

一見すると駆除費用が高額に感じる人もいるかもしれませんが、手間とリスクをかけずに安心・安全な住まいを確保する場合、総合的に判断すると安い買い物だといえるでしょう。

業者によって費用やサービス内容が異なるため、3~4社ほどから相見積もりを取り、総合的に納得のいく業者へ依頼するとよいでしょう。

まとめ

ハクビシンは穴掘りを苦手とする動物であり、穴掘りの形跡があった場合はアナグマなど別の害獣の可能性が考えられます。

いずれにせよ「何かしらの害獣が侵入しようとしている」ことの証明となるため、発見次第すぐに対処を講じるべきといえるでしょう。

自身でできる対策もありますが、侵入されてからでは被害が出る(拡大する)恐れがあるため、早め早めにプロの業者へ対処を依頼することをおすすめします。

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