ハクビシンに線香は効果がある?獣除け線香の特徴や使い方・注意点を解説!

害獣・害虫別

ハクビシンの被害を未然に防ぐためには、侵入させない工夫が必要です。

その手段として線香が用いられることもありますが、本当に効果はあるのでしょうか。

本記事では、ハクビシンに対する線香の効果の有無や、正しい使い方・注意点についてご紹介します。

線香にも虫除けや獣除けなど用途に応じて種類がわかれているため、それぞれの特徴を理解して効果的に利用しましょう。

ハクビシンに対して線香は有効?

まずは、ハクビシンに対して線香は有効なのか?という点について解説していきます。

一般的な線香では効果は得られない

残念ながら、仏事で使用する線香や蚊取り線香などの一般的な線香では、ハクビシン対策に効果は期待できません。

確かに、ハクビシンは嗅覚が優れている生き物であり、ニオイに敏感です。

しかし、仏事や虫除け用として使用される線香では、ハクビシンの鋭敏な嗅覚を刺激するほどの強烈なニオイを放つことはありません。

ハクビシンの侵入を防ぐ・追い出すために、一般的な線香では十分な効果を期待することは難しいと理解しておきましょう。

獣除け線香であれば効果が見込める

線香のなかには、ハクビシンなど獣除けに利用する専用の線香が市販されています。

こちらは最初から害獣対策用として開発されており、カプサイシン(唐辛子粉末)・木粉・タブ粉・防腐剤といった害獣を遠ざける成分が含まれています。

獣除け線香を使うことで、ハクビシンの侵入防止や追い出しなどに効果が期待できるでしょう。

主な使い方は、専用の獣除け線香をハクビシンの巣や行動範囲などで焚くだけであり、獣除け線香を焚くことで煙とともに成分が広がり、ハクビシンなど害獣の嗅覚を刺激します。

特に、カプサイシン(唐辛子粉末)はハクビシンが嫌う刺激的なニオイを放つため、カプサイシンが含まれた獣除け線香を利用することで、ハクビシンの撃退効果が高まるといえるでしょう。

獣除け線香の正しい使い方

この章では、獣除け専用の線香を使う際の設置・使用手順についてご紹介します。

蚊取り線香とは使い方に若干の違いがあるため、使用する際は注意しておきましょう。

獣除け線香の設置・使用手順

獣除け線香の使用手順は、以下の通りです。

  • 周囲に燃えやすいものがないかを確認したうえで、設置場所を選び・専用の土台にセットする
  • 火をつける前に、線香の先端を軽く振っておく(粉末が落ちないようにする)
  • マッチやライターで火をつけ、火がついたら煙が出るまで待つ
  • 煙が出たら設置場所へ置き、効果が出るのを待つ

設置する場所は、ハクビシンの巣がある(と思われる場所)や行動範囲が効果的です。

また、線香の効果をより高めるために、風向きも意識しておくとよいでしょう。

獣よけ線香は屋外で使用しよう

獣除け線香は、基本的に屋外での使用が推奨されています。

また、屋外で使用する際も、周囲とのトラブルを避けるために近隣住民の方へ承諾を得てから使用することをおすすめします。

獣除け線香を使用するメリットとは?

この章では、ハクビシンなど害獣に対して獣除け線香を使用するメリットをご紹介します。

メリットを生かせるのであれば、獣除け線香の利用も検討する価値は高いといえるでしょう。

コストを大幅に軽減できる

獣除け線香は、ホームセンターやネット通販などで簡単に購入でき、その費用は数千円単位です。

費用は購入する商品によって変動するものの、万を超える金額を必要とするケースはほとんどないため、コストを抑えてハクビシン対策を実施できるでしょう。

利用する際に大した手間がかからない

獣除け線香は、設置場所にこそある程度の工夫・注意が必要なものの、基本的には線香に点火し特定の場所に設置するだけで効果が得られます。

棲み処や侵入経路などの目安となる場所に設置するだけでよいため、他の罠に比べると手間がかからないと感じる人もいるでしょう。

また、継続的な使用を前提としない場合は、予防策として短期間だけ線香を焚くことで一時的にハクビシンを遠ざける効果も期待できます。

「ハクビシンなどの害獣やその痕跡を発見したわけではないものの、なにかが潜んでいる気がする…」といった場合の予防策としても、ある程度の効果が見込める可能性があるでしょう。

特別な知識を必要としない

「獣除け線香に火をつけて気になる場所に設置する」だけでよいため、ハクビシンなど害獣に関する防除の知識・技術がなくても、簡単に設置できる点もメリットといえるでしょう。

ハクビシンなどの害獣の多くは、鳥獣保護管理法によって無許可で捕獲・駆除することができませんが、獣除け線香で侵入を防止する・追い出すだけならこの点も気にする必要はありません。

  • 防除にかかる手間や費用を軽減できる
  • 自治体の許可を得ずとも設置できる
  • 複雑な知識や技術がなくとも簡単に設置できる など

初めてハクビシンへの防除を実施する方やすぐにできる対策を探している方にとって、獣除け線香の使用は、魅力的な選択肢の一つとなるでしょう。

獣除け線香を使用する際のデメリットとは?

獣除け線香を利用する際は、メリットだけでなくデメリットにも目を向けておくべきです。

本章でご紹介するデメリットも合わせて理解したうえで、獣除け線香を利用するかを検討してみましょう。

火事のリスクが発生する

線香の燃焼部分の温度は約700~800℃にも達し、落ちたばかりの灰は約300℃と非常に高温です。

たとえば、これが新聞紙や布団などに接触すると、わずか数秒で火が広がってしまうこともあります。

実際、線香による火災の事例は多く、ハクビシン駆除を考える上で注意すべき大きなリスクの一つといえるでしょう。

効果がさほど持続しない

線香の効果は、(利用する線香によって多少の違いはあるものの)レギュラーサイズで約7時間・ミニサイズであれば約3時間ほどしか効果を発揮しません。

そのため持続性がなく、長期的にハクビシン対策をおこなうには不向きな方法といえるでしょう。

基本的に、昼夜を通してハクビシンの侵入を防ぎたいという場合は、昼・夜など定期的に新しい線香を用意し点火しなければいけません。

獣除け線香であっても基本的には短期間しか効果を発揮せず、中・長期的に侵入防止・追い出し効果を発揮するには、別の方法も併用したほうがよいといえます。

害獣除け線香でなければ効果は得られない

冒頭でも記載した通り、仏事や虫除けなどの線香では(嗅覚が鋭い害獣であっても)効果を得ることはできません。

たとえば、蚊取り線香に含まれる殺虫成分の「ピレスロイド」は、主に昆虫類に対して効果を発揮する成分です。

害獣のほとんどは哺乳類であるため、哺乳類であるハクビシンにも効果は期待できません。

ハクビシンなどの害獣の侵入防止・追い出し効果を求める方は、かならず専用の獣除け線香を利用するようにしましょう。

獣除け線香を使う際に注意すべきこと

獣除け線香を使う際には、いくつか注意すべき点があります。

本章にて、その特徴をご紹介します。

線香を使用する際の環境を考慮する

獣除け線香は、仏事や虫除け用よりもニオイが強いため、基本的には屋外での使用が推奨されています。

仮になにかしらの事情があって屋内で使用する場合は、線香から発生する煙によって人やペットに健康上の影響をおよぼす可能性があるため、十分な換気をしながら利用しなくてはいけません。

特に、呼吸器系に疾患を持つ方や小さなお子さんがいる家庭では注意が必要です。

また、屋外で使用する場合であっても、周辺環境に配慮した使用が求められます。

近隣住民との不要なトラブルを避けるためにも、周囲の承諾を得てから使用することが重要です。

線香の後処理に注意する

線香は点火して使用するものであり、煙が出ているだけでもその箇所は高温を発しています。

そのため、線香を使い終えた後も処理には十分な注意が必要です。

使用後の線香は十分に冷めるまで放置し、確実に火が消えていることを確認してください。

そして、消火した後であっても線香の灰が高温になっている可能性も考えられるため、不燃性の容器に入れるなどして再燃・火傷を防ぐ対策を講じましょう。

対策が不十分だと火災の原因となり得るため、徹底した処理が求められます。

ハクビシン対策はプロの業者への依頼がおすすめ!

ハクビシンの侵入防止・追い出しは、獣除け線香を使う…もしくは後述のような手段を講じることで対処が可能です。

ただし、素人ができる対処は一過性のものが多く、法律の観点から無許可で捕獲・駆除もできないため、一度棲みついてしまうと防除するのは困難といえるでしょう。

【プロの業者へ依頼するメリット】

  • 害獣の駆除を徹底しておこなってくれる
  • 害獣だけでなく、害虫の駆除も実施してくれる
  • 侵入箇所を徹底的に清掃・消毒してくれる
  • 害獣の侵入経路を塞いでくれる
  • 被害再発時も、無料・格安で迅速に対処してくれる(保証内容による) など

防除費用が高くなりがちではあるものの、素人が対処するよりもトータルコストを抑えられる可能性があります。

業者ごとに特徴が異なるため、依頼する際は相見積もりを取って複数社を比較するのがおすすめです。

ある程度は一般の方でも対処できますが、対処に限界を感じた場合もしくは被害を心配される方は、被害が拡大する前にプロへ相談するとよいでしょう。

獣除け線香の効果を高めるためにできること

獣除け線香の効果を高めるため、またハクビシンなどの害獣を寄せ付けなくするために一般の方ができる対策は他にもあります。

本章では、その対策法をご紹介します。

市販の害獣対策グッズを活用する

ハクビシンなどの害獣を寄せ付けない・追い出すための害獣対策グッズは数多く販売されているため、それら害獣対策グッズを併用することで忌避効果を高めることができるでしょう。

忌避剤は自作することも可能なため、予算に応じて適切な害獣対策グッズを併用してみるとよいでしょう。

清潔な環境を保つ

ハクビシンなどの害獣は基本的に雑食性であり、畑や家庭菜園で育てている農作物や人が口にする食材だけでなく、周囲に落ちている食べかすや生ごみまでエサとする可能性があります。

そのため、以下のように日ごろから生活な環境を保つことが重要といえるでしょう。

  • 適度に清掃し、敷地内を生活な環境に保つ
  • 常温保存できる食材を出しっぱなしにしない
  • 熟している作物は早めに収穫する
  • 廃棄予定の作物は早めに廃棄する
  • 生ごみは早めにゴミとして出す
  • 生ごみを保存する場合は、フタつきのものなどで厳重に保管する など

また、敷地の周辺を柵などで囲むのも効果的です(費用はかかるものの、電気柵などを利用すればより効果が増大する)。

ハクビシンなどの小柄な動物は、雑草などを隠れ蓑として侵入してくる可能性があるため、適度に除草したり、木の枝を剪定するのも有効といえるでしょう。

侵入経路を封鎖する

ハクビシンは、個体差こそあれど人間の拳ぐらいの大きさからの隙間(直径9cmほどの円・1辺8cmほどの正方形の隙間など)から侵入できるといわれています。

ハクビシンの家屋への侵入経路は主に以下が挙げられ、その侵入経路を徹底的にふさぐことで侵入を防止することができるでしょう。

【ハクビシンの主な侵入経路】

  • 壁や屋根の穴が空いている場所
  • 屋根同士が重なっている隙間
  • 通風口
  • 床下にある隙間 など

ハクビシンは木登りが得意な動物のため、床下はもちろん屋根裏などにも侵入し棲みつく可能性があります。

いくら獣除け線香などでハクビシンの侵入を防止・追い出しに成功しても、侵入経路が開いたままではいずれ再発する恐れがあるため、侵入経路の封鎖は合わせておこなうべき要件といえるでしょう。

ただし、侵入経路は多岐に渡り、かつ侵入経路の封鎖には多大な手間とリスクが伴うため、対処しきれないと感じた場合は無理をせずプロの業者に依頼することをおすすめします。

まとめ

ハクビシンなどの害獣に対して、線香が有効なケースもあります。

ただし、仏事や虫除けなどの一般的な線香では効果はなく、獣除け専用のものを利用しなければいけません。

また、獣除け線香の利用は一定の効果こそあれど、一過性のものに過ぎない(効果を維持するには多大な手間がかかる)ため、市販の害獣対策グッズや侵入経路の封鎖など、別の手段も併用しておこなうべきといえるでしょう。

このような対処を素人が継続的におこなうのは難しいため、被害を危惧される方はプロの業者へ相談するのがおすすめといえます。

被害が拡大するほど駆除や修繕にかかる費用が増大するため、早め早めに対処を依頼することが重要です。

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