自然界に生息し、どこからともなくやってくるハチ…。
気づいたら、家の庭やベランダ・軒下などに巣を作られてしまうケースも珍しくありません。
素人がハチや巣を駆除するのは多大な手間とリスクを伴うため、早急に業者へ依頼すべきといえますが「費用相場がわからず、高額な費用を請求されたらどうしよう…」と不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、ハチの駆除にかかる費用相場や、悪徳業者に騙されないためのポイントをご紹介します。
目次
ハチの駆除にかかる費用相場はどのくらい?
この章では、ハチやハチの巣駆除にかかる費用相場をご紹介します。
なお、本章でご紹介するのはあくまで相場であり、実際にかかる費用は業者に現地調査・見積もりを依頼しなければ判明しないため、この点には注意しておきましょう。
ハチの駆除にかかる費用は1万円からが基本となる
ハチの駆除にかかる料金は「最低1万円から」と考えておきましょう。
その理由は、ハチの巣を駆除するには、それなりの時間や道具・周囲への配慮などが必要であり、単に「巣を取るだけで終わり」ではないからです。
業者のなかには、5,000円~などとより安い価格をうたっているところもありますが、これは「基本料金のみの金額」であることが多く、後からオプション料金などが加算されていくケースがほとんどです。
なかには、実際に契約が決まってから(作業が実施されてから)追加費用を請求してくる悪徳業者もいるため、注意しておきましょう。
また、後述の通りハチの駆除にかかる費用は3つの要素で構成され、被害状況に応じて駆除費用は変動します。
1万円は最低ラインであり、おおよそ数万円(5万円前後くらい)はかかると踏んでおいたほうがよいといえるでしょう。
ハチ駆除の費用は3つの要素で決定される
ハチの駆除にかかる費用は「ハチの種類」「ハチの巣の大きさ」「ハチの巣がある場所」の3つの要素で決定されます。
ハチの駆除に関する費用が曖昧になりがちな理由は、この3つの情報が現地調査をしてみないと判断しきれないからです。
言い方を変えると、この3つの情報を正確に業者へ伝えることができれば、電話の聞き取り時点でも大まかな駆除費用がわかるといえるでしょう。
以下、それぞれの詳細を解説していきます。
要素①:ハチの種類
ハチの駆除に関する費用は、ハチの種類…つまり駆除するハチの危険性によって変わります。
人を刺すハチは、アシナガバチ・ミツバチ・スズメバチの3種が主であり、その危険性は「アシナガバチ < ミツバチ < スズメバチ」となります。
特に、スズメバチは攻撃性・毒性ともにトップクラスに危険な害虫であり、駆除費用はもっとも高額となります(最低でも2万円くらいが相場となる)。
ミツバチはスズメバチに比べると危険度は低いものの、巣の数が多い・蜜の処理に手間がかかるなどで、アシナガバチよりも駆除費用が高くなりやすいでしょう。
アシナガバチは、比較的おとなしい性格をしており、かつ巣もさほど大きくはならないため、他2種に比べると駆除費用は抑えめです。
要素②:ハチの巣の大きさ
ハチの巣が大きいほど「巣の中に大量のハチが潜んでいる」恐れがあるため、危険度が増し・駆除費用も高額となります。
各ハチの巣の最大サイズは、おおむね以下の通りです。
- アシナガバチ:最大15cmほど
- ミツバチ :最大1mほど
- スズメバチ :最大80cmほど
ハチおよびハチの巣は素人でも駆除することは可能ですが、ハチの巣が大きくなるほど危険性も増していきます。
あくまで目安ではありますが、15cm以上する巣がある場合は、業者へ駆除を依頼することをおすすめします。
また、巣が大きくなるほど駆除にかかる費用が高額となるため、できるだけ巣が小さいうちに駆除を依頼すれば費用を安く抑えることができるでしょう。
要素③:ハチの巣がある場所
ハチの巣がある場所によって、駆除にかかる費用が変動する可能性があります。
費用が高額となりやすいのは、高所と閉鎖空間にある巣です。
高所の場合は、高さによって金額が増加します。はしごでの作業はもちろん、高所作業車が必要な場合はより駆除費用が高額となるでしょう。
閉鎖空間とは、屋根裏や床下、他にも換気口などが該当します。
閉鎖空間であるほど駆除にかかる危険性が増大し、床下など侵入口(入口)がない場合は、さらに工事費用が追加で発生することもあるでしょう。
良質な業者へ依頼したい方は「相見積もり」が必須!
「駆除費用をできるだけ安くしつつ、サービス内容も充実させたい」という方は、相見積もりを取ることが重要です。
相見積もりとは複数の業者に見積もりを依頼することであり、相見積もりを取ることで、駆除費用の適正価格や業者の良し悪しを比較することができます。
一社からしか見積もりを依頼しないと詳細を比較しようがないため、できれば3~4社ほどから現地調査・見積もりを依頼するのが好ましいといえるでしょう。
比較する際は、以下の4点を意識してみましょう。
- 駆除費用
- サービス内容
- 保証内容
- 業者の対応の良し悪し
なお、駆除費用はサービス(保証)内容も含めて判断してください。
ただ単に駆除費用が安いだけだと適切なサービスが受けられない(追加費用が発生する)場合がありますし、費用が高くても求めているサービスが入っていない(自身にとって不要なサービスが含まれている)ケースも考えられます。
自身にとって「本当に必要なサービスが含まれている状態で、かつサービスに見合った適正価格を提示されている」ことが、もっとも望ましいといえるでしょう。
ハチ駆除にかかる費用は決して安くはなく、どれだけ防除を徹底しても再発する可能性はあるため、業者選びはできる限りこだわることをおすすめします。
業者選びで失敗しないための3つのポイント
害虫駆除業者にもさまざまな種類が存在し、それぞれで特徴が異なります。
この章では、業者選びで失敗しないための3つのポイントをご紹介しましょう。
作業内容と費用が明確である
作業内容やかかる費用に関して、良質な業者ほど明確に提示し、悪質な業者ほど曖昧にしようとします。
電話応対時点では大まかな費用しか出せない場合であっても、現地調査をしっかりとおこなえば、具体的な作業内容と駆除にかかる費用はある程度明確に出せるはずです。
また、万が一作業中に追加費用が発生する恐れがあったとしても、良質な業者であれば事前に「追加費用が発生する際の対応の流れ」についても説明されるでしょう。
良質な業者に依頼したいという方は、現地調査・見積もり時点で「作業の流れ」がしっかりとイメージできる業者を選択することをおすすめします。
丁寧な説明をしてくれる
良質な業者ほど、現地調査の結果や作業の流れを丁寧に説明してくれることでしょう。
たとえば、現地調査の結果を写真や動画付きで丁寧に説明してくれる、作業に追加費用が発生する場合の流れ…などです。
また、見積もり提示時(本契約前)に不明点がある場合は、徹底的に質問してみましょう。
良質な業者ほど丁寧に解説し、悪質な業者ほど曖昧にしようとするはずです。
作業内容やかかる費用には、それ相応の理由があります。
害虫駆除にかかる費用は決して安い買い物ではないため、詳細を曖昧まなままにせず、少しでも多く疑問点を解消してから依頼すべきといえるでしょう。
実績や口コミ
業者の実績や利用者の口コミは、良質な業者を選ぶ際の参考材料となり得ます。
もちろん、実際に依頼してみないとわからないこともありますし、ネットの情報をすべて鵜呑みにするのも危険ではあります。
実績や口コミを参考にしつつ業者を絞り込む。そのうえで電話応対・現地調査・見積もりなどを介して自身の印象をもとに依頼する業者を選ぶ…。
悪徳業者の類には後述のようにいくつかの特徴があるため、上記だけでも優良業者を選ぶ手掛かりにはなるでしょう。
悪徳業者によくある手口とは…?
残念ながら、害虫駆除業者のなかには悪徳業者の類も存在します。
本章にて悪徳業者によくある手口をご紹介しますので、こういった業者には相談・依頼しないようご注意ください。
現地調査をせずに見積もりに移行しようとする
現地調査をしなくても、お客様からの情報を頼りに大まかな費用を出すことは可能です。
ただし、実際に現場を確認しないことには、より正確な見積もりを提示することは難しいでしょう。
業者のなかには、現地調査をせずに見積もりに移行しようとする・現場をロクに調査せずに契約へ進めようとするところがあり、こういった業者は候補から外すことをおすすめします。
業者を選ぶ際は、電話応対時点で大まかな費用を教えてくれる・現地調査を実施し、写真や動画などを添えて丁寧に作業の詳細を教えてくれるところを選ぶのがよいでしょう。
現地調査しないと大まかな費用すら教えてもらえない
業者のなかには、実際に現場を見ないことには概算費用すら教えてもらえないケースもあります。
現場の状況があまりにも不鮮明であれば上記も致し方ありませんが、状況を正確に伝えているにも関わらず「実際に見ないとわからない」と対面を希望する場合は注意が必要です。
悪徳業者の類は対面でのやり取りを好み、あれこれと理由をつけて断りづらい雰囲気を作り強引に契約を進めようとします。
きちんとした業者であれば、電話応対時点で大まかでも費用の目安を教えてくれますし、優良な業者ほど丁寧に対応してくれるでしょう。
あまりにも雑な対応をする
業者のなかにも素人業者がいることも事実であり、なかにはハチの駆除を専門としていない業者が現地調査に来ることもあります。
以下のように「明らかに知識がなさそう…」と感じたら、その業者は候補から外したほうがよいでしょう。
- 軽装で来る、専用の道具などを持っていない
- ものの数分で現地調査が終了する
- 調査の結果や見積もり書の内容が不鮮明で、質問しても曖昧な回答しか返ってこない など
対面時に名刺を渡してこない(社名や名前を名乗らない)業者にも警戒が必要です。
どこの誰ともわからない業者に契約してしまうと、トラブルが発生した際に連絡先がわからず問題が解決できません。
また、悪徳業者の類はかかった費用が記録に残るのを嫌がるため、領収書の発行をしないこともあります。
気になる方は、本契約前に領収書の発行についても質問しておくとよいでしょう。
現場での強引な請求
悪徳業者のなかでも厄介なのが「ホームページや電話で言っていたことと違う」というケースです。
たとえば、無料見積もりをうたっているにも関わらず、訪問後に現場で強引に作業を進めて費用を請求してくるなどが挙げられます。
なかには2人で来てプレッシャーをかけてくる悪質な詐欺業者もいるため、注意が必要です。
こういった被害を未然に防ぐためにも、口コミを参考にしたり、電話応対でスタッフの対応の良し悪しを事前に確認しておくことをおすすめします。
必要な作業による追加費用の請求
業者によっては、必要のない作業を業者の判断で勝手におこない、それを「特殊作業」などといって追加費用を請求してくることがあります。
確かに、駆除作業を実際におこなってから別の作業が必要となるケースもあります。
しかし普通の業者であれば、見積もり時点で追加費用が発生する際の説明があったり、追加作業をおこなう前に連絡が入るはずです(勝手な判断で作業をおこなうことはない)。
追加作業とそれにかかる費用に関しては、顧客側も見積もり提示時点でその詳細を明確にしておきましょう。
契約を急かしてくる
悪徳業者の類は、契約を急かしてきます。
その理由は、他の業者と比較されると勝負にならないからです。
- 「すぐに駆除しないと危険」などといって不安を煽ってくる
- 「今契約すれば値引きする」といって極端な値引きを提示してくる など
こういった業者は後から追加請求してきたり・いい加減な作業しかしないケースが多いため、仮に駆除費用が安くても候補から外したほうがよいでしょう。
契約を迷っている場合であっても、一旦保留にし他の業者と比較してから最終決定することをおすすめします。
ずさんなハチの駆除作業
業者によっては駆除作業をずさんにおこなうところがあり、作業がいい加減であるほど再発の可能性は高まります。
そのため、見積もり時点で「どのような作業をおこなうのか?」「万が一再発した場合はどうすればよいか?(保証)」を確認しておくことが重要です。
これは、悪徳業者の類だけでなく、経験のない(浅い)業者でも起こり得るため、事前に業者の実績や口コミなどを確認しておくとよいでしょう。
ウェブサイトのこんな文言にご注意を!
害虫駆除業者の多くは、集客のために自社のウェブサイトを用意しています。
業者を選定する際はウェブサイトの情報も参考にし、もし本章で記載するような文言があった場合は少し注意しておきましょう。
「安さ」だけをウリにしている
本記事でもご紹介した通り、ハチの駆除は最低でも1万円~と考えておく必要があります。
しかし、業者のなかには「5,000円から」など相場よりも低価格を大々的にアピールしているところもあり、こういった業者は注意が必要です。
このウェブサイトに記載されている金額は「基本料」であることが多く、後からオプションなどが付いて結果的に数万円ほどの費用が発生する恐れがあります。
ハチの駆除には、スタッフの人件費・移動にかかる費用・作業に使う道具や薬剤・周辺環境への配慮・駆除時のリスク対策などさまざまな要素が関わってくるため、数千円でおこなうことはできません。
できたとしても、それでは業者は利益を出せずに大赤字です。
安さの裏にはかならずなにかしらの理由があるため、費用だけなく、サービス(保証)内容やスタッフの対応の良し悪しなど総合的に判断することをおすすめします。
「全国対応」という文言がある
全国対応している業者そのものに問題があるわけではありません。
ただ全国対応している業者の場合、自社施工ではなく「契約する窓口(紹介業者)」と「実際に作業する業者(仲介業者)」が異なる点に注意が必要です。
この場合、以下のような問題が発生することがあります。
- 駆除にかかる費用が高くなる(紹介業者と仲介業者の両方に料金が発生するため)
- 紹介業者と仲介業者の間でうまく情報共有されないことがある
- 仲介業者のサービスの質が実際に対面するまで判断できない など
基本的には、自社施工で駆除対応している業者を選ぶのがよいでしょう(対応エリアが複数の地域に展開していても自社施工の業者もある)。
費用・サービス面などに不安を感じる方は、複数の業者に見積もりを依頼して比較するのがおすすめです。
ハチ駆除を業者に依頼する際によくある質問
本章では、ハチ駆除を業者に依頼する際によくある質問をご紹介します。
ハチ駆除は自力でできないの?
ハチの駆除は、どの種類であっても自力で駆除することは可能です。
ただし、ハチの生態や防除に関する知識と技術を持っている方でも入念な準備をおこなったうえで慎重におこなうため、素人ではむやみに対処しないほうがよいといえます。
特に、スズメバチや15cm以上の大きな巣を駆除する際は多大な手間とリスクを伴うため、真っ先にプロの業者へ相談すべきでしょう。
仮に自力で駆除するとしても、アシナガバチやミツバチ、かつできたばかりの小さな巣に限定すべきです。
アシナガバチやミツバチも人間を攻撃することはあり、かつ毒性も持っているため、かならず防護服や専用の道具を用意して対応してください。
詐欺被害に遭わないためにできることは?
悪徳業者などによる詐欺被害に遭わないためには、以下の4点に注意しておきましょう。
- 駆除にかかる費用相場を理解する
- 面倒くさがらずに複数社に見積もりを依頼する
- 金額に納得がいかない場合は、絶対に契約しない
- 困ったときは消費者ホットラインに相談する
悪質な業者のなかには強引に契約を迫ってくるケースもありますが、契約してしまう・費用を支払ってしまうと取り返しがつかなくなる恐れもあります。
プレッシャーを与えられたとしてもその場で契約をしないこと。何かあれば消費者ホットラインに相談することが重要です。
事前の情報収集を徹底し、かつ相見積もりを取って複数社を比較すれば、少なくとも悪徳業者の類に依頼する確率は大幅に下がるでしょう。
もしトラブルが発生したらどうしたらよい?
万が一業者との間でトラブルが発生した場合は、まずは施工した業者に問い合わせをしてみましょう。
(仲介業者を利用した場合は、仲介業者へ連絡すること)
それでも問題が解決しない場合は、お住いの地域にある消費者生活センターへ連絡してください。
消費者生活センターが設置している「消費者ホットライン」(電話番号:188)には専門の相談員が常駐しており、トラブルの相談に乗ってくれます。
消費者ホットラインの詳細は、消費者庁のホームページをご確認ください。
また、無用なトラブルを避けるため、そして万が一の際に依頼時の詳細を確認するためにも、作業員の名刺や作業にかかった領収書などはかならず入手しておきましょう。
ハチの駆除は自治体へ依頼できる?
自治体によっては、ハチの駆除に関するサポートを提供しているケースもあります。
無料相談・業者の紹介・防護服などの貸し出しをしている場合や、数や条件こそ限定されるものの補助金制度や無料駆除を実施している自治体もあります。
「いきなり業者へ連絡するのは不安…」という方は、まずは自治体へ相談してみるのもよいでしょう。
ただし、サポートの有無や内容は自治体によって異なるため、まずはお住いの自治体のホームページなどで詳細をご確認ください。
まとめ
ハチの駆除を素人がおこなうには手間とリスクが生じるため、プロの業者へ依頼したほうが安心です。
ただし、業者によって駆除費用やサービス・保証内容には違いがあり、なかには悪徳業者の類も存在するため、業者選びは慎重におこなうべきといえます。
費用相場を理解し、複数の業者に見積もりを依頼して比較すれば、悪徳業者へ依頼する確率は大幅に減少するでしょう。
また、少しでも不安がある方はまずは自治体へ相談してみるのもよいですし、万が一トラブルに巻き込まれた場合は消費者ホットラインなどに連絡してみましょう。
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