都市部や郊外の家庭で「なぜハクビシンがうちの庭に?」という疑問を持つ方が多くなってきました。この記事では、ハクビシンが庭や周囲の家に現れる理由から、追い払う方法まで詳しく解説します。
目次
ハクビシンって何?都市部で増えている被害とガーデニングへの影響
ハクビシンは、小型の肉食動物で、夜行性の生態を持つことで知られています。 その特徴的な尾と体色で、都市部や郊外の住宅地でも頻繁に目撃されるようになりました. しかし、なぜハクビシンは都市部に多く出没しているのでしょうか?またにとってハクビシンがどのような影響を与えているのでしょうか?
ハクビシンの基本的な生態や特徴
ハクビシンデータ
ジャコウネコ科
原産地:東南アジア・中国南東部・台湾など
ハクビシンは、熱帯に生息し、元々は日本にいなかった動物です。頭から尾までの体長は約1m、尾は長いです。尾の長さで他の動物と比較できます。 顔には白い模様があり、尾には黒と白の縞があり、主に昆虫や果物、鳥や小動物を食べる雑食性で、特に夜間に活動することが多い夜行性の動物です。
ハクビシンは夜行性で強い光を嫌うと言われていますが、とある実験ではヘッドライトを当てても驚くことなく光を無視したり、近づいたり、覗き込んだりすることもあるそうです。
都市部や郊外でのハクビシンの増加の背景
近頃、!都市部や郊外でのハクビシンの目撃情報が増加しています。この背景には、以下のような課題が考えられます。
食料が豊富にある
都市部には人間の生活ごみや野菜、果物、昆虫など、ハクビシンの食物となるものが豊富に存在します。ハクビシンは特に甘いものが好物で、桃、ブドウなどの果物によく被害を与えます。都市部に生息するハクビシンは生ゴミを食べるため栄養状態がよく体重も重いそうです。
安全な隠れ家になる場所がある
ハクビシンだけでなく害獣にとって必要な『身をひそめる場所』が人家の周辺にはたくさんあります。静かな住宅の屋根裏や車庫、神社仏閣、草むらなどに住みつき、子供を産む例が増えています。また、木登りがうまく、人家の天井裏、細い枝や、フェンスの細い針金の上も歩くことができます。
ハクビシンの手のひらは吸着版のようになっていてどこでも登れる木登り上手です
ガーデニング・家庭菜園ににおけるハクビシンの影響
ハクビシンの都市部での増加は、ガーデニング・家庭菜園愛好者にとって様々な影響をもたらしています。
ハクビシンは甘いものが好物だと言われています。季節によって様々な甘い果物や花の蜜、植物の種などを好んで食べ、庭の植物が荒らされることがあります。また野菜や果実の少ない時期は、虫やミミズ、ネズミなどの小動物を食べます。
ガーデニング愛好者としては、ハクビシンとの共存方法や追い払う方法を知ることで、より楽しいガーデニングライフを送ることができます。
ハクビシンには魅力的な環境?人家の庭に現れる理由を知る
都市部の庭や家庭菜園に頻繁に現れるハクビシン。 その先には、彼らが都市部の環境を「魅力的」と感じるいくつかの原因があります。なぜハクビシンが出没するのか、そして家庭菜園がハクビシンを引き寄せるのかを探ってみましょう。
ハクビシンが都市部の庭にアクセスする主な理由や処置
食料源がある
都市の庭や家庭菜園は、果物や花、虫や小動物、ミミズなど豊富な食料源がある場所として非常に魅力的です。 特に果物の木や野菜を栽培している場所は、ハクビシンにとって食料供給地となります。
隠れ家になる場所がある
木や庭のオブジェ、草むら、人の出入りの少ない空き家、天井裏などは、ハクビシンにとって安全な隠れ家となり、人家の庭が安全で良い住処になっている例は多くあります。低
水が飲める場所がある
野生動物が都市部に現れる原因の一つに『水』があります。いつでも水が飲める場所がある池や水鉢、散水後の庭など、いつでも水分を確保できる場所はハクビシンにとって大変魅力的です。
ハクビシンが頻繁に現れるのは、その場所が『安全で餌と水が豊富にある』と確信した時です。なので、慣れてくると頻繁に同じ場所へ出没します。 そのため、庭の植物が荒らされる、芽や果実などの収穫物が荒らされるといったことが起こります。せっかく育てた野菜や果物、花などを食いらしてしまうので、手をかけて育てた努力が水の泡となることもあるので注意が必要です。
エサと水と安全な住処がある人の住居周辺はハクビシンにとっても住み心地のいい場所となっています
ガーデニングの際の配植や使用する資材がハクビシンを引き寄せるポイント
果物や野菜を栽培している
ハクビシンは雑食性で、果物や野菜を好んで食べます。 特に甘い果物(桃・なし・ぶどう)はハクビシンの食害が良く見られます。
肥料やコンポスト(生ゴミ)がある
肥料や生ゴミを使うコンポストは、虫やミミズを食べる小動物を引き寄せ、それを求めてハクビシンが侵入する原因となります。またコンポスト内の生ゴミはハクビシンも好んで食べます。ハクビシンは土を掘って餌を探すことはほとんどありません。もし、家庭菜園や庭に土の掘り返し後がある場合は、他の野生動物(たぬき・アナグマ)を疑った方が良さそうです。
庭の樹木や倉庫など住処になる場所がある
人目につきにくく薄暗い安全な場所は、ハクビシンの隠れ家になることがあります。 小さな倉庫や物置などの建物の隙間、身を隠せる程度の樹木や大きな石で隠れられる場所があればそこを住処にすることもあります。
ガーデニングを楽しむ際には、ハクビシンを寄せつけないような工夫だけでなく、庭や家庭菜園を荒らされない工夫、また彼らの生活スタイルを知って共存方法をはかることです。
ハクビシンは鳥獣保護法によって保護されている動物なので勝手に捕獲・駆除することはできません。無闇に自分で駆除しようとせず専門家に加害個体を駆除する依頼をすることも場合によっては必要です。
ハクビシンを寄せ付けない!ガーデニング・家庭菜園のコツ
家庭菜園やガーデニングの愛好者にとって、ハクビシンの出没は悩みの種です。ハクビシンが嫌がる香りを知り、うまく利用しながら、畑のレイアウトや工夫するべきポイント、環境づくりの方法について解説します。
ハクビシンが嫌う香りの植物はある?
ハクビシンは雑食性で多くの植物を食べることが知られていますが、刺激のある一部の植物や香りを嫌うことがあります。
とうがらし
ハクビシンは刺激の強い唐辛子の匂いが苦手です。潰した唐辛子を穴の空いたペットボトルなどに入れ置いておくと近寄らないようになります。
にんにく
にんにくも刺激臭を発するので、 ハクビシンの回避に有効です。にんにくを潰して置いておく、または唐辛子と一緒に置いても効果があります。庭でにんにくや唐辛子を育てるのもハクビシンを追い払うためには良いアイデアです。
木酢液
ハクビシンだけでなく、一般的に動物は煙や石油の匂いを嫌います。木酢液の成分は木タール、酢酸、メタノールなど200以上の成分を含んでおり、ハクビシンが嫌う油、煙の匂いがします。このため、動物の忌避剤・燻煙剤の代わりとして使えます。
ハクビシンの嫌がる香りを使って追い払うことは、環境にもよい方法ではありますが、時間が経つとハクビシンも慣れてきて効果がなくなる場合があるということを知っておきましょう。
家庭菜園のレイアウトと工夫のポイント
視界を遮らない
ハクビシンは人目につかず、他の動物から見つかりにくく、隠れることの出来る暗い場所を好むため、低木や茂みを避け、開放的な庭や畑のレイアウトを心がけると良いです。定期的に草を刈る、樹木を定期的に剪定する、その場合刈った草や樹木をおきっぱなしにしないことも住処になる原因を作るのを減らすことができます。
物置や資材など住処になりそうなものを置かない(撤去する)
定期的に物置や倉庫の中や資材の下をチェックし、ハクビシンの住処がないか確認しましょう。倉庫や物置の周りの穴を塞ぐこともハクビシンに住みつかれることを防ぐ方法の一つです。
庭の清掃を定期的に行う
落ち葉やゴミを定期的に清掃することで、ハクビシンの隠れ場所やハクビシンがこのむ小動物や虫を引き寄せることを減らすことができます。また、果樹を収穫せず放置することもハクビシンの餌場となる場合があるため収穫を行うか、伐採するかしましょう。ハクビシンは人に見つかると住処を移動します。定期的に庭を清掃して見回ることはハクビシン対策として最も有効です。
実は害獣対策で最も有効なのが見回りとも言われています。
ハクビシン対策できる環境づくりの方法
フェンスの設置
ハクビシンの侵入を制限するために、庭の周囲に1.2m〜の高さのフェンスを設置します。フェンスに利用するのにはワイヤーメッシュが有効です。網目が7.5cm以下で線径は3.2〜5mm程度のものがいいでしょう。
水場を作らない
水鉢や池の水、出しっぱなしの水道など飲み水を求めてハクビシンは出没します。家の周りに水場になる場所がないか確認するとともに、きちんと蛇口を閉めて水を出しっぱなしにしないなどの後始末をしっかりしましょう。
コンポストにはカバーをつける
都市部のハクビシンは体重が多いことからもわかるように、生ゴミは最もハクビシンが餌にしている食料源だと言えます。コンポストを使用している時には、しっかりとした蓋をして、ハクビシンが生ゴミに侵入できないようにしましょう。
衛生上のリスクあり!ハクビシンの糞や痕跡への対処法
ハクビシンが都市部や郊外に頻繁に尿が現れるようになり、その糞や、痕跡が畑の周囲や庭で見られることが非常に多くなりました。この記事では、そのリスクと、正しい対処法について説明します。
ハクビシンの糞や尿の健康リスク
感染症
ハクビシンの糞や尿には、トキソプラズマ、レプトスピラ症、サルモネラ症、エキノコックスなど野生動物特有の様々な病原体が含まれている可能性があります。ハクビシンは決まったところにフンをします。フンから雑菌が繁殖することもあります。ハクビシンが野菜や水に接触した場合、食中毒や感染症の原因となることがあるので見つけたらすぐ取り除く必要があります。
アレルギー
ハクビシンに付着しているノミ・ダニから人のアレルギーも起こりえます。ノミが人の血を吸うことでかゆみや腫れが起こり、ノミ・ダニの死骸を吸い込むことでくしゃみや鼻水などアレルギー反応が出ます。
野生動物であるハクビシンには人に害を与える病原体やウイルス、寄生虫が宿っている場合があるのでフンや尿には直接触らないようにしましょう
ハクビシンを追い払った後の正しい消毒方法と清掃のコツ
フンを取り除いて処分する
ハクビシンの糞や尿を取り除く場合は、必ずゴム手袋を着用してください。ほうきやちりとりでフンを集めたらビニール袋に密閉して処分します。
消毒を行う
糞や尿を掃除した後は、消毒を行いましょう。次亜塩素酸ナトリウムまたは漂白剤でしっかりと消毒することが重要です。使用した雑巾は捨ててしまいましょう。
フンを処分した後、住処になっている場所を片付ける、住居への侵入口を塞ぐことも忘れずにしておきましょう。
専門家にハクビシンの駆除を依頼する前に。知っておきたいポイント
ハクビシンは鳥獣保護法で守られており勝手に駆除することは法律で禁止されていてできません。ハクビシンが出没しても私たちは追い払うしか方法はないのです。ハクビシンが住み着くことによる糞尿被害そして健康被害も心配ですよね?
都市部や郊外でもハクビシンの目撃が増えてきており、その結果として駆除を検討する方も増えてきています。
安全にハクビシンを駆除するなら専門家のを借りるのが最も確実な方法です。ただし、駆除の専門家を選ぶ際や依頼を出す前に知っておくべき重要なポイントがいくつかあります。
この記事では、駆除の専門家を選ぶ3つのポイントについてお伝えし、皆さんのハクビシン対策をサポートします。
ハクビシン駆除の専門家の選びかた
鳥獣捕獲許可がある
ハクビシンを捕獲する場合は届出をしなくては捕獲することができません。
HPや名刺、市のHPなどで許可された有資格者かどうか判断することができます。
事前の調査・見積もりがされる
悪徳業者の場合、事前に調査・見積もりを行わない、また、事前に安い料金を請求して駆除後に修繕費などの項目で法外に高い料金を請求することがあります。事前に調査を行っているか?または2〜3者相見積もりをとることで駆除料金の目安や作業内容の料金・内訳がわかるので必ず事前の調査と見積もりは行いたいですね。
実績が多い
過去の駆除の実績があるかどうかは、優良な駆除業者かどうかの判断基準の一つです。実績=信頼といえます。
保証がある
駆除後の保証がある業者は良心的な優良業者だと言えます。保証内容がはっきりとわかりやすい駆除業者を選ぶこともポイントのひとつです。
まとめ
この記事を読まれている方は、ハクビシンの被害に悩まされた経験がある方が多いかと思います。
都市部や郊外のガーデニング・家庭菜園のハクビシンの被害の増加は、ハクビシンの生活スタイルや森や山の野生動物が生息する場の環境の変化とも関係しています。しかし、正しい知識と方法で対処することで、ハクビシンとの共存が可能です。
この記事を読みながら、ハクビシン駆除の方法やポイントをお伝えできたら嬉しいです。 何か質問や疑問点がございましたら、お気軽にコメントやお問い合わせください。
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