ハクビシンのフンの特徴とは?見分け方やフンの処理法を解説

害獣・害虫別

ハクビシンは、人々の健康や食べ物・建物などに多くの被害をもたらす害獣です。

もしお住いの家屋周辺で大量のフンを発見した場合は、ハクビシンなど害獣の存在を疑うべきといえます。

この記事では、ハクビシンのフンの特徴についてご紹介します。

他の害獣とのフンの見分け方やフンの処理法についても解説しておりますので、適切な対処をおこないハクビシンの被害を未然に防ぎましょう。

ハクビシンのフンの特徴とは?

本章では、ハクビシンのフンの特徴についてご紹介します。

ハクビシンとは、体長約90cmほどのスリムな体型かつしっぽが長い動物です。

見た目がタヌキと似ているものの、ハクビシンは額から鼻先にかけて白い模様がついており、これが判別のポイントとなるでしょう。

フンにもハクビシン特有の特徴があるため、もし家の周囲にフンらしきものを発見した際は参考にしてみましょう。

フンの大きさや形

その形は、丸みがあり+細長い点が特徴に挙げられるでしょう。

また、ハクビシンは雑食性であり、かつ野菜や果物を好んで食べる習性があるため、フンに果実の種や野菜が混じっていることが多いとされています。

フンの色

フンの色は黒色もしくは茶色であることが多いでしょう。

ただし、好物である果物や野菜以外にもさまざまなものを口するため、ハクビシンが住む環境(食べたもの)によって色が異なる可能性もあります。

フンの色だけでハクビシンかどうかを判断するのは難しいといえるでしょう。

フンの臭い

ハクビシンは、好物の果物や野菜を優先的に食す傾向にあるため、果物や野菜を食べることが多い場合はフンにそこまでの臭いはつきません。

雑食のなかでも肉を好むイタチなどはフンの臭いが強烈であり、これに比べると臭いが抑えめなハクビシンのフンは発見が遅くなりやすい原因の一つといわれています。

ただし、食べるものによって変化するため、かならずしも上記に該当するものばかりではありません。

対して、尿は強烈なアンモニア臭がするため注意が必要です。

ハクビシンのフンを判別する際のポイント

ハクビシンのフンを判別する際のポイントは、主に以下2つが挙げられます。

臭いが強くなく果実の種が混じりやすい

ハクビシンは雑食性で、特に果物や野菜を好んで食すため、もし果物を多く食べていれば甘い香りがすることもあります。

そのため、他の害獣に比べるとフンの臭いはさほど強くありません。

また、果実の種や野菜などがフンに混ざっていることも多いでしょう。

フンでハクビシンかどうかを判別する場合は、上記を参考にしてみましょう。

ただし、フンが大量にあるほど臭いは強くなりますし、ハクビシンが食すエサによっても条件は変わるため、かならずしもこれらが一致するとは限らない点に注意が必要です。

「溜め糞」をする習性がある

溜め糞とは、決まった場所に糞尿をする動物の習性のことを指しています。

動物が溜め糞をする理由は、仲間にエサ場の情報を伝えたり、他の動物に対して自身の存在を示すためです。

ハクビシンの場合、エサ場やねぐらへの通路・ねぐらの中で見つかることが多く、住宅に棲みついた場合は以下のような箇所で発見されることが多いでしょう。

  • ベランダ
  • 屋根の上
  • 雨どい
  • 屋根裏
  • 庭の隅
  • 側溝 など

なお、ハクビシンは木登りが得意であり、屋根の上や雨どいを通路とすることが多いとされています。

もし人の目が届かない高所に溜め糞をされると、気づかないうちに被害が拡大する可能性もあるでしょう。

糞尿を放置しておくと、悪臭による健康被害や建物の腐敗といったさまざまな被害をもたらすため、注意が必要です。

また、溜め糞をする害獣はハクビシン以外にも多いため、ただ「糞が同じ箇所に大量にある」だけではハクビシンかどうかを判別するのは難しいといえます。

溜め糞に加え、フンの特徴を考慮し、どの害獣が棲みついているかを判別するとよいでしょう。

他の害獣のフンとの違い・判別方法とは?

ハクビシン以外にも、家屋に棲みつく害獣は複数存在します。

本章では、ハクビシンとその他害獣のフンの違いや判別方法についてご紹介します。

タヌキのフンとの違い・見分け方

【タヌキのフンの特徴】

  • 大きさは2~3cm
  • 楕円形のような形
  • 動物の骨や植物の種子が混じっている
  • 臭いがとても強い
  • 溜め糞をする など

ハクビシンと似たタヌキも、雑食性でありなんでも口にする傾向があります。

ハクビシンほど果物や野菜を優先的に食す傾向はないため、フンの臭いが強めで、消化しきれなかった動物の骨・昆虫の身体の一部・植物の種が残ることもあるでしょう。

イタチのフンとの違い・見分け方

【イタチのフンの特徴】

  • 大きさが6mm程度と小さい
  • 先端が細くねじれている
  • 動物の毛が混じっている
  • 臭いが強烈
  • 溜め糞をする など

イタチのフンは水分を多く含んでいるため湿っており、果物や野菜などの種や体毛が混ざっていることが多いでしょう。

また、イタチは雑食性のなかでも特に肉を好む肉食獣のため、他の害獣と比べてフンの臭いが強烈な点が特徴に挙げられます。

アライグマのフンとの違い・見分け方

【アライグマのフンの特徴】

  • 溜め糞はしない
  • 目立つ場所にフンをする
  • 泥状や固形状など餌によって形が変わる
  • 昆虫の破片・動物の骨が混じっていることがある など

アライグマは、ハクビシン・タヌキ・イタチのように溜め糞をすることはなく、目立つ場所(ねぐらの近く・道路沿い・石の上など)にフンをすることが多いとされています。

雑食性に加え、フンの色や形状は食べたものに影響されやすいため、見た目だけでは判別しづらいといえるでしょう。

猫のフンとの違い・見分け方

【猫のフンの特徴】

  • 直径2cm程度の棒状もしくは丸っこい形をしている
  • 臭いがとても強い
  • やわらかい場所(花壇・砂・芝生など)でする傾向にある など

猫は害獣ではなく駆除する業者もありませんが、野良猫の被害も想定されるため記載しておきます。

もし野良猫などに敷地内にフンをされてしまう場合は、木酢液・ミカンの皮・ミントといった猫の苦手とする匂いのものを置いて追い払うとよいでしょう。

被害を危惧される場合は、お住いの自治体に相談するのもおすすめです。

ハクビシンのフンによる害獣被害とは?

家屋に浸入・棲みついたハクビシンのフンを放置しておくと、お住いの住人や建物に甚大な被害をおよぼします。

本章では、ハクビシンのフンによる害獣被害をご紹介します。

感染症の危険性

そのため、野生のハクビシンに接触するだけでなく、通り道となった場所にも病原菌や寄生虫が付着しており、さまざまな病気や感染症を引き起こす恐れがあるでしょう。

ハクビシンのフンが原因で発症する、主な病気や感染症は以下の通りです。

  • ノミ・ダニによるアレルギー
  • サルモネラ菌やエルシニア菌による食中毒
  • カンピロバクターによる食中毒や感染症 など

「今のところは」上記から人に感染した事例はないようですが、他にもさまざまなウイルスや病原菌に感染する恐れもあるため、念のため素手で触ることがないよう注意しておきましょう。

また、ペットと一緒にお住いの方は、上記に関する病気や感染症に要注意といえます。

悪臭による健康被害

場合によっては、他の害獣に比べてフンの臭いは抑えめではあるものの、それでも数が増えるほどに悪臭の被害は増大していきます。

臭いが控えめ=気づきにくいということでもあり、ハクビシンからの被害が遅れる可能性があるばかりか、知らず知らずのうちに健康に害をおよぼす恐れもあるでしょう。

臭いの大小に関わらず、フンは不衛生なものであることに間違いはないため、放置するほど被害が拡大する点に注意しておきましょう。

家屋への腐敗被害

ハクビシンは溜め糞をする習性があるため、糞尿が蓄積されることでシミができたり腐敗を引き起こす原因となります。

この被害を放置しすぎると場合によっては建物の倒壊の危険性すらあり得るため、ハクビシンに限らず糞尿などの痕跡を確認次第、早急に対処を講じるべきといえるでしょう。

ハクビシンにフンをさせない対策法とは?

ハクビシンにフンをさせない=ハクビシンを家屋(敷地内)に入れないことが重要です。

本章では、ハクビシンを建物に浸入させないための手段をご紹介します。

エサとなるものを出しっぱなしにしない

ハクビシンなど害獣の類のほとんどは、もともと山の中など自然界で暮らしていました。

そのため、エサとなるものを極力出しっぱなしにしないことが重要です。

エサとなり得るものは、食料品・ペットのエサ・生ごみ・庭木に実った果実・家庭菜園などさまざまに存在します。

特に常温で保存できる食材はエサとなりやすいため、米→米びつ・シリアル→密閉できる容器・野菜や果物→冷蔵庫に入れるなどして、ハクビシンにとってエサにありつけない環境にすることが好ましいといえるでしょう。

庭木に実った果実や家庭菜園で育てた野菜類も、放置せず収穫(食べられないものは処理)し、害獣の手が届かないようにしておきましょう。

生ごみは密閉して保管する

生ごみもハクビシンのエサとなり得るため、家の内外で保管する場合はフタつきのごみ箱にいれて密封し、極力溜め込まずにゴミとして出してしまいましょう。

また、ペットボトルやヨーグルトなどの容器もハクビシンなどの害獣を引き寄せる原因となるため、捨てる前に水ですすいで中身を綺麗に洗い落としておくことをおすすめします。

ハクビシンによっては、容器に付着したわずかな糖分であっても貴重な栄養源となり得ます。

ペットのエサはその日のうちに片付ける

ハクビシンはペットのエサも食べる恐れがあるため、外に出しっぱなしにしていると引き寄せる原因となってしまいます。

ハクビシンは夜行性のため、遅くても夕方ごろにはエサを下げるようにしましょう。

対策グッズを用いて遠ざける

ハクビシンの対策グッズは、ホームセンターやネット通販などで簡単に入手できます。

特に、ハクビシンは嗅覚に優れているため、忌避剤(ハクビシンの嫌いな匂いを発するもの)を設置するのが効果的といえるでしょう。

忌避剤を設置する際は、以下を参考にしてください。

  • 敷地全体を囲うように、複数の忌避剤を設置する
  • ハクビシンの鼻の高さ(地際から15cm程の高さ)に合わせて設置する

ただし、いずれは苦手とする匂いに慣れ・警戒心を緩めて侵入してくるケースもあるため、同じ忌避剤を使い続けないことがポイントです。

侵入経路を封鎖する

ハクビシンのフンがあった場所=ハクビシンが居座ったor通り道となった場所のため、その付近の侵入口となり得る場所を徹底的に塞ぎましょう。

仮に家屋内に潜むハクビシンを駆除できたとしても、侵入経路がそのままだといずれ被害が再発する恐れがあります。

ハクビシンは、窓・ドアの隙間・通気口・排水溝・軒下など、非常に小さな隙間からでも侵入してきます。

侵入経路を特定して、目の細かい金網を設置・パテで補修などして対策するとよいでしょう。

また、家の周囲に防獣ネットや柵を設置する、家に接する木の枝などから侵入してくるケースもあるため、周囲の木を剪定するのもおすすめです。

ハクビシンのフンを安全に除去する方法とは?

ハクビシンやそのフンは非常に不衛生なため、処理する際は十分な対策が必要です。

本章では、ハクビシンのフンを安全に除去する方法についてご紹介します。

ハクビシンのフンを処理する際に必要なもの

【防護に必要なもの】

  • 肌をすべて覆う丈夫な服
  • 粉塵を防ぐ防護ゴーグル
  • 分厚い手袋
  • 口周りをすべて覆う防塵マスク など

フンを取り除く際は粉塵が舞わないように注意し、汚染をできる限り広げないような工夫が必要です。

また、フンを掃除する際にほうきやチリトリなどを利用しますが、使用後は病原体が多数付着している可能性があります。

基本的には使い捨てにすることをおすすめしますが、もし再利用する場合は、使用後にしっかりと洗浄・消毒しておきましょう。

殺菌・消毒・消臭をする

目の前にあるフンを除去しても、その周囲にはさまざまな病原菌や寄生虫が付着しています。

また、糞の量が多いほど臭いもきつくなるでしょう。

清楚後は、感染症や悪臭による健康被害、他の害虫などを寄せ付けないためにも、しっかりと殺菌・消毒・消臭をおこなってください。

防腐剤を塗布・散布する

ハクビシンは溜め糞をする習性があることから、糞尿の量が多いほど建物への被害が増大します。

木材の腐敗を防ぐためにも、清掃・消毒後は防腐剤の塗布や散布をおこなっておきましょう。

要注意!ハクビシンは許可なく駆除できない!

仮に無許可で駆除をおこなった場合は罪に問われるため、注意しておきましょう。

ただし、許可を得るには相当の手間と時間がかかり、そもそも不慣れな方が害獣の駆除~後処理までおこなうには、多大な手間とリスクが生じます。

自身で対処するに比べると費用は高くなるものの、もし「安心・安全、かつ手間をかけずにハクビシンなどの害獣を駆除したい」という方は、害獣駆除の専門業者に相談することをおすすめします。

業者に依頼すれば、駆除・清掃・除菌・侵入経路の封鎖などの徹底作業はもちろん、被害が再発した際にも(保証が充実していれば)安心できるでしょう。

業者にもさまざまな種類が存在するため、複数社に現地調査・見積もりを依頼し・比較したうえで、より自身が納得できる業者に依頼してみましょう。

まとめ

住人や建物に甚大な被害をおよぼす恐れがあるハクビシンは、そのフンにもいくつかの特徴があります。

害獣によってその特徴は異なるため、さまざまな痕跡を参考に害獣の種類を特定し、効果的な対処を実施してみましょう。

もし、自身の手に負えない・被害が心配…という方は、被害が軽微なほど依頼時にかかる費用も安くなるため、できるだけ早めにプロの業者に相談することをおすすめします。

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