皆さんはネズミと超音波の関係について知っていますか?
ネズミ対策において超音波は効果的とありますが、人によって意見は賛否があり対策として利用するか迷っている方も多いのではないかと思います。
今回はそんなネズミと超音波の関係性と効果に着目し、効果の実態を解説していきます。
目次
ネズミはどういう生き物?見分け方は?
始めに、ネズミとはどういう生態なのでしょうか?
日本に生息するネズミは現在約10種類であり、その中でも私達の生活に悪影響を及ぼすネズミは3種類であり、この3種類を総称して家ネズミといいます。
ドブネズミ
体長約25cmという大型のネズミであり、家屋内で大きなネズミを見たらドブネズミである可能性があります。
性格は非常に獰猛で攻撃的であり、人を恐れない個体が多いです。
下手に手を出すと噛みつかれたり引っ掻かれたりする場合があるので注意が必要になります。
ドブネズミは泳ぎを得意とし、下水管を通って家屋内に侵入しますが木登りや壁を登るのは苦手です。反面、毒餌や罠にかかりやすいという特徴も持ち合わせたネズミです。
フンの形状
太く両端が丸みを帯びているのが特徴で、まとまって落ちている事が多いです。
主な生息場所
湿気が多い場所を好む特徴があり、床下や水回りなどを主に住み着きます。天井裏などに住み着く事は少ないと言われています。
クマネズミ
体長約20cmという中型に分類されるネズミです。
私達の家屋内にて起きる被害の9割はクマネズミの仕業と言われています。
またクマネズミは学習能力が高く警戒心も高い為、人間の罠を見破ってしまう事も多くスーパーラットと呼ばれる毒餌に耐性をつけた個体が多いのもクマネズミです。
運動能力は高いものの泳ぎは苦手とされています。
フンの形状
形状は細長く。片端が尖っているという特徴があります。
また他のネズミのフンとの見分け方としては散らばって落ちています。
主な生息場所
運動能力が優れているクマネズミは壁の中や天井裏などに住み着く事が多く、ジャンプ力もある為マンションなどの建物に住み着くこともあります。
ハツカネズミ
体長約9cmという小型に分類されるネズミです。
農業や家屋に被害をもたらす事が多いネズミであり、一度住み着いてしまうと完全な駆除が難しいのもハツカネズミです。
性格は好奇心が強く、ネズミの中では穏やかと言われています。
乾燥に強い種類であり、綱渡りが得意です。
フンの形状
米粒と同じくらいの大きさと、両端が尖っているという特徴があります。
またハツカネズミのフンは散らばって落ちている事が多いです。
主な生息場所
普段は畑や雑木林などに生息していますが、寒い季節になると家屋内に侵入してくると言う特徴があります。
ネズミの被害について
次にネズミの被害の実態について解説していきます。
他の害獣と呼ばれる野生動物に比べても小さいネズミですが、ネズミが引き起こす被害は時として甚大なものになります。
騒音被害
ネズミが住み着く事で起こる被害として挙げられるのが騒音被害です。
何故かと言うとネズミは夜行性であり、私達人間が寝静まる深夜に活動を始めます。
深夜に屋根裏や床下、壁の中を走り回ったり鳴き声が一晩中聞こえてくる為寝不足やストレスの原因になると言われています。
また被害が悪化した場合、ノイローゼを引き起こした事例もあります。
健康被害
ネズミが住み着く事で引き起こるのは騒音被害だけではありません。
ネズミはフンや体に様々な病原菌や寄生虫を保有しており、放置しておくと深刻な感染症を引き起こしたり、被害が大きくなる可能性があります。
ネズミによって感染する病原菌は主に以下の3点になります。
サルモネラ菌
食中毒を引き起こす事で知られるサルモネラ菌もネズミを媒介して感染する病原菌の一種です。
ネズミが触った食器や齧った食材から感染する為、食材などの放置は避けましょう。
決して致死率が高い病気ではないものの酷い腹痛や下痢などの症状が現れ、免疫のない高齢者や乳幼児が感染すると、脱水などが併発し命に関わる危険があります。
レプトスピラ菌
レプトスピラ菌はネズミの糞尿などから感染する可能性があるとされる病原菌です。
症状として発熱や悪寒などが現れますが特殊な症状がない為、初期診断が難しいとされています。
症状が進行し重症化すると腎障害を伴うワイル病に発展する可能性があります。
ワイル病を発症すると頭痛や発熱、吐き気を始め様々な臓器の機能に悪影響を与える為適切な処置が行われない場合、致死率が20%~30%という非常に危険な病気です。
鼠咬症
鼠咬症はネズミに咬まれる事で発症されるとされる感染症の一種です。
鼠咬症を発症すると初期症状として悪寒を伴う発熱や多発関節痛を引き起こす他、重症化すると意識障害や肺炎といった合併症を引き起こす場合があります。
適切な治療を行わない場合、致死率が10%となるので油断は禁物です。
電気配線などを齧る事による火災事故
またネズミが引き起こす被害の中には火災事故の事例もあります。
ネズミはげっ歯類であり、何でも齧ってしまうと言う特徴があります。その為電気配線を齧った事で漏電による火災事故に発展してしまうのです。
また冷蔵庫の底に巣を作りサーミスタという温度センサーの役割を果たす部品が絶縁不良を起こした事で火災に発展したケースも報告されています。
ラットサインとは?
ではどうやってネズミが住み着いたかどうかを判断すれば良いのでしょうか?
実はネズミは住み着くと目印を残していく事が多く、この目印は通称ラットサインと呼ばれています。
ラットサインの特徴として挙げられるのは以下の3点です。
壁や床下が黒ずんで汚れている
ネズミは壁や柱に沿って移動するという習性を持っており、ネズミの通り道は黒ずんでいます。
その為、壁や家財の端に黒ずみが見つかった場合はネズミが住み着いている可能性が高いです。
他の汚れとの違いはネズミは何度も同じルートを通る特徴がある為、黒ずみがどんどん濃ゆくなっていくというものがあります。
フンが落ちている
その為ネズミの巣の近くには糞尿が散らばっている事が多く、ここでもネズミが住み着いているかを判断する事が可能です。ネズミのフンの見分け方については上記の項目をご覧ください。
またネズミは移動しながら排泄を行う為ネズミの侵入経路を把握する手がかりにもなります。
家財や柱などに齧られた痕跡がある
ネズミによる被害の項目でもお話した通り、ネズミはげっ歯類であり、何かを齧る事で歯の伸びすぎを抑えています。
その為、ネズミが住み着いていると家財や柱などに齧り跡が見つかる事があります。家財や柱などから齧り跡を見つけたらネズミが住み着いていると考えて良いでしょう。
超音波はネズミに効果ない?
さて、この項目からいよいよネズミと超音波の関係に迫っていきます。
ネズミ対策に超音波機器は効果が無いという話を聞きますが、実は効かない理由があります。この項目では何故超音波機器がネズミに効果が無いのかを解説していきます。
ネズミに超音波は効果がないと言われている原因のひとつに「ネズミの慣れ」というものがあります。
ネズミは人間が聞き取れない周波数の音を聞き取る事が出来る為、超音波を流すとストレスを感じ逃げてしまいます。
ですがこの超音波の種類が1種類だけになるとネズミはその種類の音に慣れてしまい、逃げなくなってしまうのです。
超音波を活かしたネズミ対策
それでは、どうすれば超音波機器を利用してネズミ対策を行えば良いのでしょうか?ここでは主に 種類の方法について解説していきます。
複数種類の音が鳴る機器を購入する
先程も解説した通り、ネズミは1種類だけの超音波では耐性がついてしまい効果がなくなってしまいます。
この対策として、機器の購入の際に音波の種類が複数あるものを購入する事があります。複数の音波を定期的に入れ替えて流す事で効果を持続させる事が可能になります。ただしネズミは慣れてしまうのが早い為頻繁に種類を変えないといけないという手間もあります。
複数台購入し、音が届かない範囲を減らす
超音波は置き方によっては壁や家財などに阻まれて、範囲が狭くなってしまいます。その為、機器を複数台購入し、なるべく音が届かない範囲を減らすのも有効な手段です。
超音波機器はコンセントタイプと充電タイプがあるので、環境によって使い分ける事も可能です。
その他の対策について
ネズミ対策として役立つのは超音波機器だけではありません。
ここでは超音波以外のネズミ対策について解説していきます。
毒餌や忌避剤を利用する
毒餌や忌避剤を使用する事もネズミ対策として有効です。
忌避剤の場合
忌避剤は現在様々なタイプのものが販売されている為、ご自身の環境に合わせたものを使用することができます。
殺虫剤の要領でワンプッシュするだけで使えるものから、ネズミの巣の近くに設置する事で効果を発揮する固形タイプのものがあります。
ただし製品によって効果の期間がそれぞれ違うので購入の際にしっかり確認する事が大切です。
毒餌の場合
ネズミ用の毒餌についてはホームセンターや通販などでも購入する事が出来ますが自作する事もできます。
トウモロコシやパンなど、ネズミの好物を食べやすいサイズに刻み殺鼠剤の粉末と一緒にビニール袋に入れて混ぜ合わせるだけと大変簡単なのでどなたでも簡単に作る事が出来ます。
ただし、上記の項目でも解説した通りネズミの中には毒餌に対する耐性を付けたスーパーラットという個体が存在します。
そういった意味で必ず効果があるとは言い切れないので注意しましょう。
罠を仕掛ける
また罠を仕掛けて捕獲する事もネズミ対策として有効です。
現在ネズミ用の罠は様々な種類のものがありますので、製品によっては場所を取る事なく使用できるものも多くあります。
罠を使用する際は設置時に手袋などをして人間の匂いがつかないように注意しましょう。
次に先ほど解説したラットサインがある場所の近くに罠を設置する事でネズミを捕らえる事が出来ます。
ただしクマネズミなどの警戒心が高い個体には効果が薄い場合があるので、ネズミの種類に応じて使い分けるようにしましょう。
専門の業者に依頼する
また、素人ではネズミの完全駆除は難しい場合が多いです。
個体によっては凶暴で危害を加えてくる場合もありますので、そんな時はネズミの駆除に特化した専門業者に依頼してみましょう。
「でも専門業者に頼んだ経験がないから分からないし…」という不安もあるかもしれません。そんな時は以下のポイントを守る事で安全な業者に出会う事が出来ます。
会社のホームページやインターネット上の口コミを確認して評価の高い業者を選ぶ
保証期間やアフターケアを細かく確認し、自分の状況に合わせたものを選ぶ
必ず現地調査有りの会社を選び、作業内容や見積もりの内訳を細かく出してくれる会社を選ぶ
複数社から見積もりを貰い、予算に近いものを選ぶ
まとめ
ネズミと超音波の効果についての解説、いかがでしたでしょうか?
超音波機器は使い方によってはしっかりと効果を発揮する対策アイテムでもあります。上手く利用する事でネズミによる被害を防ぎましょう。
害獣駆除ガイドではネズミを始めとした害獣、害虫についての様々な対策記事を公開しています。ぜひ他の記事も読んでみてください。
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