3月～5月にかけて「天井裏でイタチが動く音がする」「以前より臭いが強くなった」と感じるケースが増えてきます。原因と考えられるのが、繁殖期です。
イタチは繁殖期に入ると、巣作りや子育てのために行動が活発になり、住宅への侵入頻度が高まります。放置すると被害が長期化・深刻化する恐れがあるため、迅速な対応が必要です。
本記事では、繁殖期のイタチの生態や子イタチがいるサイン、早めに駆除すべき理由などについてわかりやすく解説します。被害拡大を未然に防ぎ、安心して暮らせる日常を取り戻すためにもぜひご一読ください。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定
イタチの繁殖期はいつからいつまで？
まずは、繁殖期におけるイタチの生態について確認しましょう。
繁殖期は3月～5月の春
イタチの繁殖期は3月～5月です。
春になると気温が上がり、イタチが活発に行動を始め交尾の機会が増えます。交尾成立後、出産までの期間は約1ヵ月です。
繁殖活動が盛んな春には、イタチが住宅の天井裏や床下などに巣を作りやすく、被害が増える傾向にあります。放置すると糞尿や騒音、断熱材の破損などの重大な問題に発展する恐れがあるため注意が必要です。
1回の出産で3〜6匹産まれる
メスのイタチは、1回の出産で平均3〜6匹の子どもを産みます。
子育てをするのはメスのイタチのみで、子どもは夏ごろには巣立ちます。繁殖期は多くの子イタチが巣に住み着くため、放置しておくと個体数が急増し家屋の損傷や健康リスクが短期間で拡大する恐れがあります。
なお、イタチと思っていた害獣が実際にはテンやハクビシンだったというケースも少なくありませんが、生態や繁殖期、適切な駆除方法は異なります。誤った対策を講じると効果が出ない場合もあるため、害獣の違いについて以下の記事も参考にしてください。
子イタチが産まれているサイン
天井裏や床下で子イタチが産まれると、行動や音に以下のような変化が現れます。
- 日中も物音が聞こえる
- 鳴き声が頻繁に聞こえる
繁殖期に入ったイタチは子育てを最優先に行動するため、夜行性の生活リズムが崩れ、音や鳴き声が増加します。イタチ被害の規模は、早期に気づけるかどうかで大きく変わります。もし違和感を覚えた場合は、早めの対応を検討しましょう。
日中も物音が聞こえる
日中に天井裏などから足音や走り回る音が聞こえる場合、子イタチが産まれている可能性が高いといえます。
イタチは夜行性で昼間は巣で休息しますが、子育て期間に入った親イタチは子どもの餌を確保するため、昼間も頻繁に動き回ります。
「ドタドタ」と走る音が聞こえたり「ゴソゴソ」と何かを引っ搔くような音が聞こえてきたら、子どもが産まれている可能性を疑いましょう。
鳴き声が頻繁に聞こえる
天井や床下から高い鳴き声が繰り返し聞こえる場合、子イタチが母親を呼んでいると考えられます。
子イタチと大人のイタチの鳴き声には、聞き分けの目安として以下のような違いがあります。
| 聞き分けるポイント | 子イタチ | 大人のイタチ |
|---|---|---|
| 音の高さ | 高くて細い | 低くて太い |
| 音の種類 | 「キュッキュッ」「チチチ」「ピィピィ」など | 「キーッ」「ギャッ」「シャー」など |
| 音の頻度 | 短時間に何度も繰り返す | 断続的で回数は少なめ |
子イタチは、空腹や不安を母親に知らせるために鳴きます。高くて細い声は、すでに子イタチが産まれているサインです。見逃さず適切な対処につなげましょう。
子どもが産まれるとイタチ駆除の難易度が上がる理由
イタチの繁殖期に駆除の難易度が上がる理由としては、以下の2つが挙げられます。
- 親イタチの警戒心が強まるから
- 子イタチが巣の奥で死んでしまう可能性があるから
子イタチが産まれた後は、講じられる対策手段が大きく制限されます。無理に追い出そうとすると、二次被害につながるリスクも高まるため、なるべく繁殖期前までに駆除を終わらせることが大切です。
なお自分でできる駆除方法については以下の記事でも詳しく紹介しているので、あわせて参考にして下さい。
親イタチの警戒心が強まるから
子イタチがいると、親イタチの警戒心と攻撃性は通常より強まります。
子育て期間に追い出そうとして音や光で刺激すると、親イタチは家の外ではなく子どもを連れて屋内の別の場所へ逃げ込む場合があります。その結果、被害の範囲が拡大したり、原状回復に時間がかかるケースも少なくありません。
また子どもを守ろうとする本能から、威嚇や突進行動が増える傾向があります。噛みつきによる怪我のリスクも高まるため、不用意な対応は危険です。
くん煙剤を使うと子イタチが死んでしまう可能性があるから
くん煙剤を使うと、自力で逃げられない子イタチが煙に巻き込まれ、巣の中で死んでしまう恐れがあります。
イタチの追い出しにくん煙剤は効果的ですが、子イタチがいる状態での使用は推奨できません。多くの場合、イタチが子育てをしている場所は狭い隙間や断熱材の奥深くです。逃げ遅れた子イタチを見つけられず死骸が腐敗すると、ウジやハエが発生したり腐敗臭が続いたりすることもあります。
またイタチは「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律（通称：鳥獣保護管理法）」によって保護されています。意図せず殺傷してしまったとしても、罰則の対象になる可能性がある点にも注意が必要です。
特にくん煙剤を使った駆除を考えている場合は、可能な限り出産前の時期に済ませるようにしましょう。
参考：e-GOV法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」
イタチを放置すると発生する被害
イタチ被害は、放置すると以下のような二次被害につながる恐れがあります。
- 家屋の劣化
- アレルギー・健康被害
- 再度の侵入
イタチの繁殖期は、活動が活発になったり頭数自体が増えたりして被害が拡大しやすい時期でもあります。「もういなくなったと思っていた」という油断が二次被害につながらないよう、早い段階からリスクを理解し、行動に移すことが大切です。
家屋の劣化
イタチ被害を放置すると家屋の劣化につながり、高額な修繕費用が必要になる恐れがあります。特に繁殖期のイタチは行動量が増え、劣化の進行が早まりやすいため注意しましょう。
たとえばイタチが断熱材を引き裂き、巣作りに利用するのはよくある話です。断熱材が荒らされると、本来の機能を失い家屋の快適性が低下します。
またイタチには同じ場所に排泄を繰り返す「ため糞」という習性があります。蓄積された糞尿は悪臭の原因になるだけでなく、天井板のシミや腐食の原因にもなりかねません。
家屋自体の資産価値低下につながるケースもあるため、音や臭いだけの問題と軽視せず、早めの対策を心がけましょう。
アレルギー・健康被害
イタチ被害を放置すると、家屋だけでなく家族の健康にも深刻な影響を及ぼす恐れがあります。個体数が増える繁殖期は、特に衛生環境が急速に悪化しやすいため注意が必要です。
イタチの糞尿には、重篤な感染症を引き起こすウイルスや細菌が含まれている恐れがあります。蓄積した糞尿は乾燥すると微細な粉塵となり、室内に入り込みます。万が一家族が吸い込んでしまうと、せきやくしゃみだけでなく深刻な感染症の原因になりかねないため、要注意です。
さらに、イタチの体にはダニやノミが寄生している場合があります。寄生虫が室内に侵入すると、人やペットが刺される恐れも否定できません。
イタチのフン尿が原因で起きる被害や糞尿を清掃する際の注意点などについては、以下の記事も詳しく紹介しています。
再度の侵入
イタチが自然に出て行ったとしても、放置したままでは問題は解決しません。
イタチには一度住みついた場所に戻ってこようとする「帰巣本能」が備わっています。静かになったからと安心して侵入口や巣跡がそのままになっていると、再び侵入され騒音や悪臭に悩まされるケースも少なくありません。
再侵入を防ぐためには、イタチの侵入経路をすべて特定し封鎖する必要があります。また糞尿のニオイがイタチを引き寄せないよう、徹底した清掃・消毒作業も不可欠です。
再侵入対策は、専門知識のない一般の方には難易度が高い作業です。少しでも作業に不安がある場合は、無理せず駆除業者に頼ることをおすすめします。
イタチ被害でお悩みなら協会の無料相談をご活用ください
「すでに繁殖期に入っているようだが、駆除作業の何から手を付けたらいいか分からない」「自分だけのイタチ対策に自信がない」このような悩みを抱えている方は、ぜひ「日本有害鳥獣駆除・防除管理協会」の無料相談をご活用ください。
当協会は、イタチをはじめとした鳥類・害獣による家屋被害に対し、安全で安心な生活環境を守るための防除・管理を専門とする団体です。
経験豊富な担当者が状況を聞き、効果的な対策のアドバイスや専門業者探しをお手伝いします。全国の信頼できる加盟業者をご紹介するので、悪質な業者トラブルを避けられます。
「こんなことを聞いても良いのかな？」と思うような内容でも、もちろん大丈夫です。ぜひお気軽にご相談ください。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定
まとめ
イタチの繁殖期は3月～5月です。
繁殖期以降はイタチの行動パターンが変化したり個体数が増えたりするため、駆除の難易度が高くなります。駆除作業をスムーズに進めるためにも、イタチの存在に気づいたら放置せず早めの対処を心がけましょう。
日本有害鳥獣駆除・防除管理協会では、無料相談を行っているため、イタチの被害でお困りの際はぜひ一度ご相談ください。
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