皆さんはイタチの被害の実態についてどのくらい知っているでしょうか。
一見非常に可愛らしい見た目をしていますが、反面私達の生活に様々な悪影響を与える害獣でもあります。今回はそんなイタチの被害の実態に着目し、被害の詳細と対策について解説していきます。
イタチの被害に遭った事がある方もイタチの対策を行いたいという方も是非読んでみてください。
目次
イタチの生態と特徴について
一見非常に愛くるしい顔をしているイタチですが、反面野菜や農作物を荒らす害獣としても知られています。その被害は農作物だけに留まらず、家屋や私達人間にも及ぶ場合があります。
夜行性である野生動物のイタチは、木登りが得意であり家の近くなどに木が立っている場合木を伝って家屋に侵入してくる恐れがあります。
また3cmほどの大きさの穴であれば侵入できてしまう為、壁の隙間などから侵入してくる場合もあります。
そんなイタチは現在日本にて2つの種類が確認されています。
ニホンイタチ
茶褐色の体が特徴のニホンイタチは鼻の周りが暗褐色である事が特徴であり、本州や四国、九州など日本に幅広く生息しています。
チョウセンイタチとの見分け方としては尾の長さがポイントとなり、尾の長さが胴体の長さより短ければニホンイタチとなります。
3月から5月に後尾を行い、1ヶ月後に1から10頭ほどの子供を産みます。
チョウセンイタチ
元は対馬にしか生息していなかったイタチですが、現在は本州にも生息地が広がっており家屋への被害が見られる場合は殆どがチョウセンイタチとされています。
黄褐色の毛色が特徴であり、ニホンイタチとの見分け方としては尾の長さが胴体の長さより長ければチョウセンイタチです。
4月から5月に後尾を行い、6月頃から8月に子育てを行います。
どちらのイタチにも共通している特徴が夜行性であり、私達が寝静まる深夜に活動を行います。
イタチの被害の実態とは
それではいよいよイタチの被害の実態について解説していきます。イタチは様々な被害を巻き起こしますが今回は大きく分けて3つに絞って解説していきます。
騒音被害
先ほども解説した通り、深夜に行動を開始する為家屋に侵入された場合睡眠障害などを引き起こす可能性があります。ネズミよりも体が大きいイタチは走り回ると当然足音も響きます。足音が原因となり睡眠不足を引き起こし、悪化した場合ノイローゼに発展します。
もし屋根裏から深夜にドタバタと足音が聞こえた場合、イタチの侵入を疑ってみましょう。
健康被害
イタチが巻き起こす被害として健康被害も挙げられます。イタチはイタチ自身の体やフンに様々な菌を保有しており、中には命の危険を伴う感染症も存在します。
ここではイタチが保有している菌をいくつか紹介していきます。
レプトスピラ菌
レプトスピラ菌とは、イタチが排泄をした際に糞尿に含まれたレプトスピラ菌が水や土壌を経る事で感染する可能性がある感染症です。
レプトスピラ菌が発症した場合の症状として頭痛や発熱、悪寒や筋肉痛が発症し皮膚に発疹が現れる場合もあります。
重症化した場合はワイル病に発展すると言われており、身体が黄色くなる黄疸を発症する他様々な臓器の機能が侵されます。ワイル病は1970年代前半までは年間で50人以上の被害が挙げられていましたが近年日本での被害は減少しています。
狂犬病
狂犬病もイタチが保有している可能性がある病原菌の一種です。
狂犬病の症状としては発熱や頭痛、倦怠感や疲労感など風邪のような症状を発症したの後、咬まれた部分の痛みといった知覚異常、錯乱や不安状態などを発症します。
また幻覚や錯乱、攻撃的な状態、水を怖がるなどの脳炎症状を発症し、昏睡状態に陥った後死亡するとされています。
狂犬病は感染するとほぼ100%死亡すると言われている危険な病気であり、日本は現在狂犬病発生清浄国とされています。
ハンタウイルス
ハンタウイルスもまたイタチを媒介して発症する可能性があるといわれいる病原菌の一種です。ハンタウイルスには主に二種類の病型が存在しており、それぞれ腎臓と肺にて発症すると言われています。
腎症候性出血熱
腎臓に発症するハンタウイルスの病型です。
症状としては突然の発熱や頭痛、悪寒、背部痛、腹痛などが発生し、目の充血や発疹などの出血症状が現れます。
重症化した場合、低血圧や尿の増減、強い腎機能障害などが発生し、死に至るケースも存在します。
ハンタウイルス肺症候群
肺に発症するハンタウイルスの病型です。
症状としては突然の発熱や頭痛、悪寒などが現れた後、呼吸困難や酸素欠乏症が急激に発症するのが特徴です。他にもめまいや背部痛、胸痛、腹痛や発汗などがみられ、鼻水や嘔喉痛の症状が現れる場合もあります。
サルモネラ菌
サルモネラ菌もイタチが保有している可能性がある病原菌の一種です。
イタチに直接触れたりしなくとも、イタチが触れた箇所に触った場合何らかの形で菌が体内に入ると食中毒を発症する可能性があります。
主な症状としては急な発熱と嘔吐、腹痛や下痢などが特徴で殆どの場合は一週間程度で快方に向かいますが、免疫の低い乳幼児や高齢者が感染した場合脱水を併発し命の危険を伴う場合があります。
ダニやノミの被害
イタチが家屋に侵入している場合、ダニやノミの被害も考えられます。
ダニやノミは本来、動物の体を住処としていますが繁殖する事で大所帯になると溢れた個体が人間にも寄生する可能性があります。
またダニの中にはマダニという種類も存在し、咬まれてしまうとSFTSやツツガムシ病などの病気に感染する危険性もあります。
マダニを媒介する感染症は致死率が高いものも多く、その為イタチが家屋に侵入してしまった場合、早急の対応が必要になります。
汚損被害
イタチは時に建物の汚損の原因となりえる場合があります。
家屋内の断熱材をほぐしてしまうことで耐震性に悪影響を与える危険があります。
またイタチは溜めフンという習性を持っており、一箇所に糞尿を溜め込んでしまいます。
屋根裏などに住み着いてしまった場合、溜まったフンで床板が腐ってしまうだけでなくフンの重みで床が抜け落ちてしまう可能性があります。
また糞尿を放置してしまうと悪臭被害に繋がる可能性も考えられます。
悪臭被害
イタチが住み着いてしまった場合、糞尿を放置してしまうと悪臭被害に繋がる可能性も考えられます。
イタチの糞尿は強烈な匂いを発する為、家屋内だけでなく近隣の住宅にも悪臭被害が広まる可能性があるのです。
匂いの強さによっては家の中にいられないほどになる場合もあります。
ペットや幼児を襲う可能性がある
イタチは攻撃性が強い面もあり、うっかり手を出して襲われたなどの被害も報告されています。イタチは夜行性ではありますが昼間でも活動していることがあるため、ペットや幼い子供が咬まれてしまう危険もあります。
咬まれたり引っかかれたりする事で様々な感染症の危険性もあるため、イタチの対策は早めに行う事をおすすめします。
畑などを荒らしてしまう
庭などで家庭菜園を行っている場合、畑が荒らされてしまうなどの可能性も考えられます。
雑食性であるイタチは野菜や果物も大好物であり、餌を求めたイタチによって食い荒らされてしまう危険があります。
イタチは駆除しては行けない?鳥獣保護法とは
そんなにイタチの被害が酷いのであれば個人で駆除するべきと考えた方もいるのではないでしょうか?実はイタチを始め一部を除いた害獣は鳥獣保護法によって守られており、個人が駆除や保護をする事は禁止されています。
ここでは鳥獣保護法について解説していきます。
鳥獣保護法とは
この法律は野生の哺乳類や鳥類の保護や環境の保護などを目的とした法律であり、特定の免許を保持していない個人が捕獲や駆除を行う事を禁止するというものです。
この法律に反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられる場合があります。
その為、イタチが侵入した場合は専門業者に依頼するかまたは追い出すなどの対策が必要となります。
必要となる免許
イタチを始めとした害獣を個人で捕獲する場合、狩猟免許というものが必要となります。
狩猟免許は主に以下の4区分に分かれます。
わな猟免許
第一銃猟免許
第二種銃猟免許
網漁免許
この免許を各都道府県で合格する事によって初めて免許の取得となります。
その為、イタチの対策を考えている場合これらの免許を保持した専門の業者に依頼するほうが効率的です。
イタチの対策について
それではいよいよイタチの対策について解説していきます。イタチは個人での駆除や保護こそ禁止されていますが、追い出すことや対策をすることは個人でも可能です。
それでも完全に追い出してしまうのは非常に難しい為、専門業者への相談も視野に入れてみて下さい。
侵入経路の封鎖
イタチを予防したい、再侵入を防ぎたい場合は侵入経路の封鎖も対策として有効です。
先ほども解説した通りイタチは3cmほどの隙間であれば侵入する事ができてしまいます。
その為屋根の隙間や縁の下、エアコンの導入部や排水管や換気扇などから侵入する事が可能です。
壁や屋根の隙間にはホームセンターなどで購入できる隙間パテを塗るなどで対策し、エアコンなどの通気口には目の細かい金網をしっかり固定する事で侵入を防ぎましょう。
換気扇には専用のフィルターが有効です。
また家の近くに木が立っている場合、可能であれば切ってしまう事で侵入を防ぐ事ができます。
忌避剤の使用
イタチを追い出す際やイタチの再侵入を防止したい場合に有効なのが忌避剤の仕様です。
イタチは非常に敏感である為、忌避剤を撒くことでイタチが近寄る事を防ぐ事ができます。
忌避剤はホームセンターや通販などで購入する事が可能であり、様々なタイプのものがあります。
殺虫剤の容量でプッシュする事で忌避剤を散布できるスプレータイプや簡単に設置することができる固形タイプなどあるので自分の環境に合わせたものを使用するようにしましょう。
また効果の期間がそれぞれ異なるので購入前に必ず効果の期間を確認しましょう。
またイタチを追い出す際に忌避剤を使用する場合、イタチの出入り口に忌避剤を設置してしまうとイタチが出ていかなくなってしまうため、反対の方角に忌避剤を設置することが大切です。
LEDライトの使用
夜行性であるイタチは強い光を苦手とします。その為ホームセンターなどで購入できるLEDライトを利用しイタチが寄り付くのを防ぐことができます。
充電式や電池式など様々なタイプのものがありますが、夜行性の害獣を追い払う目的で利用する場合、日光で充電が可能となるソーラー式のものがオススメです。
専門業者へ依頼する
既にイタチの被害に遭っている場合、一番最適な手段が専門業者への依頼です。
しっかりとした会社の専門業者に依頼をすれば、必要な免許を保持しているスタッフにより適切な対策を行ってくれます。
専門の業者に依頼する場合の基準として以下のポイントを参考にしてみてください。
口コミなどで評価の高い会社を複数選ぶ
会社のホームページを確認して成功事例が豊富な会社を選ぶ
現地調査を行ってくれる会社を選び、調査の際に現状などの確認ができる
保証期間やアフターケアなどの料金が含まれているかどうかを確認する
複数の会社から見積もり書を貰い、自分の予算に合ったものを選ぶ
まとめ
イタチの被害と対策、いかがでしたでしょうか?イタチは様々な被害をもたらす為、一度侵入されてしまうと大変厄介な動物です。
しっかりと予防対策を行い、被害に遭った際は専門業者に依頼するなどしていきましょう。
害獣駆除ガイドでは様々な害獣についての対策と解説を掲載しています。是非一度他の記事もご覧ください。
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