自宅周辺や家の中などで悪臭を放つ黒く細長いものが落ちていた場合、それはイタチのふんかもしれません。
イタチなど害獣のふんを放置するとさまざまな被害を受ける可能性があるため、できる限り早急に対処する必要があります。
この記事では、イタチのふんの特徴やほかの害獣のふんとの見分け方についてご紹介します。
ふんの掃除方法や害獣の防除方法についても解説しておりますので、被害に悩まされている方はぜひ参考にしてください。
目次
イタチのふんの特徴とは?
この章では、イタチのふんの特徴をご紹介します。
ふんの形や大きさ
イタチのふんの大きさは、細長く6mm~1cmほどが一般的です。
人々の生活圏に浸入するイタチはシベリアイタチが多く、その体長はオス(28~39cmほど)とメス(25~31cm)で異なります。
オスのほうが体が大きい分、ふんも大きくなる傾向にあります。
また、色は黒っぽく・水分が多く含まれていること、雑食のため動物の毛や骨・昆虫の一部・果物の種子などがふんに混ざりやすいことも特徴に挙げられるでしょう。
ふんの臭い
イタチは雑食のなかでもとくに肉食を好み、ネズミなどの小型の哺乳類や鳥類を捕食する傾向にあります。
タンパク質や脂肪を多く含むものを食すことから、イタチのふんは非常に強烈な臭いを発することが多いようです。
ただし、魚類・甲殻類・昆虫・果物、果ては人が廃棄する生ごみなどどんなものでも口にするため、イタチの生活環境によって臭いの程度は異なる可能性がある点には留意しておきましょう。
加えて、イタチは刺激を受けた際に、肛門腺にある分泌液をふんに付ける習性を持っています(自己防衛や縄張りを示すため)。
この分泌液の臭いも非常に強烈であり、天井裏から居室まで臭うほどの悪臭を放つ点にも注意が必要です。
ふんをする場所
イタチは3cmほどの小さな隙間や穴からも侵入でき、天井裏や床下に巣を作って棲みつく傾向があります。
棲み処となる場所はもちろん、通り道となる場所にもふんをする恐れがあるため「動物のふんらしきものを見つけた」という場合は、そこがイタチの棲み処につながる通り道である可能性が高いでしょう。
また、イタチは「溜め糞」という同じ箇所に糞尿をする習性があります。
イタチが自分から糞尿を掃除することはなく、放置すればするほど糞尿が蓄積し悪臭や建物の腐食といった被害をもたらすため注意が必要です。
イタチと他の害獣とのふんの違い
害獣によって大きさや好む食べ物は異なるため、排出されるふんにも違いが見られます。
イタチに似た害獣として、ハクビシン・アライグマ・テン・タヌキが挙げられ、それぞれのふんの特徴は以下の通りです。
イタチ | ハクビシン | アライグマ | テン | タヌキ | |
ふんの大きさ | 約6mm~1cm | 約5~15cm | 約5~18cm | 約1cm | 約2~3cm |
ふんの見た目 | 細長く、水分が多い | 丸くて細長い | 環境(食性)によって変化する | 太い形で水分が多い | 丸くて黒い |
ふんの色 | 黒っぽい | 黒or茶色 | 黒色が多い | 黒or茶色 | 黒っぽい |
ふんの臭い | 強烈 | 控えめ | 強烈 | 強い | 強烈 |
固有物 | 体毛や種子など | 種子が多い | 動物の骨や種子など | 体毛や種子など | 種子や昆虫など |
それぞれである程度の違いは見られるものの、害獣駆除に精通していない方がふんだけで害獣を特定するのは困難といえます。
いずれにせよ、ふんが落ちているということは付近に害獣が侵入してきている証拠となり得るため、被害が拡大する前に適切な防除手段を講じるべきといえるでしょう。
ふんを放置することで発生する害獣被害とは?
イタチなどの害獣が排泄するふんを放置しておくと、さまざまな害獣被害をもたらす恐れがあります。
この章にて、ふんを放置することによる主な被害をご紹介します。
菌や害虫による健康被害
イタチに限らず、野生動物にはさまざまな寄生虫や病原菌が付着しており、当然ながら野生動物が排泄した糞尿にもそれらが付着しています。
- ふんを掃除した際に菌が付着し、経口感染を引き起こす可能性がある
- 糞尿が乾燥すると空気中に菌が舞うことがあり、(触れていなくても)吸い込んで感染するリスクがある
- 糞尿の悪臭によって害虫などが引き寄せられる など
イタチは溜め糞をする習性があるため、糞尿を放置すればするほど、なにかしらの健康被害を引き起こす可能性が高まるでしょう。
家屋に広がる悪臭被害
上述でもご紹介した通り、イタチのふんは非常に強烈な悪臭を放つため、天井裏や屋根裏などにふんが溜まるほどその臭いは強烈なものとなっていきます。
溜め糞の習性もあって、放置するほどに建物内に臭いが広がるでしょう。
その臭いは、いずれ家屋に住む住人にとって、健康被害などをもたらす恐れがあります。
汚染や腐食などの建物被害
溜め糞をする習性があるイタチが屋根裏や天井裏に棲みつくと、同じ箇所に糞尿がどんどん蓄積されます。
糞尿が溜まれば溜まるほどシミができ、木材の腐食など建物を劣化させる原因となってしまいます。
最悪の場合、天井が抜け落ちたり、建物が倒壊する危険性もあるため、早急な対処が必要です。
イタチなど害獣のふんを処理する方法とは?
もし、イタチなど害獣のふんを発見した場合は、どのように処理すればよいのでしょうか?
本章にて、害獣のふんの清掃方法や手順をご紹介します。
ふんの掃除に必要なもの
イタチなど害獣のふんを掃除する際は、以下を準備しておきましょう。
【防護手段】
- 長袖長ズボン(肌が出ないような服装)
- 手袋(水分を通さないものがおすすめ)
- マスク
- 防護メガネ など
【清掃手段】
- ぞうきん
- ほうき
- ちりとり
- 新聞紙
- 水(霧吹きなどに入れておくとよい) など
【処分手段】
- ゴミ袋やビニール袋(ふんなどを入れる用)
- 燃えるゴミの袋(動物のふんは可燃物のため) など
【予防手段】
- 消毒液(除菌ができるもの)
- 忌避剤 など
いずれも害獣のふんを処理するうえで欠かせないアイテムのため、事前準備をしっかりとおこなったうえで処理をおこないましょう。
ふんの掃除手順
ふんを掃除する際の手順は、以下の通りです。
- 服装の準備をする
- ほうき・ちりとりでふんを集める(ふんはゴミ袋やビニール袋に入れる)
- ぞうきんで、ふんがあった場所を全体的に拭く
- ふんや掃除で出たゴミなどを「燃えるゴミの袋」にすべて入れる
- ふんがあった場所全体を消毒液を吹きかける
- ふんがあった付近に、忌避剤を設置する
ふんを清掃する際は防護手段を用意したうえでおこない、間違っても素手で触れることがないようご注意ください。
ふんを集める際、もしこびりついて固まっているふんがあれば、水を吹きかけて柔らかくしてから新聞紙でこすって落とすとよいでしょう。
そして、ふんを適切に処理したあとは、消毒液などを吹きかけ周囲を消毒し、イタチが嫌がるニオイを発する忌避剤などを設置して対策しましょう。
掃除する際の注意点
イタチなど害獣のふんを掃除する際は、以下の点に注意しておきましょう。
- 肌の露出を避ける
- 使用した道具までしっかりと廃棄する
- ふんは早めに処理する
- 清掃後、侵入防止対策を施す
害獣のふんがあるということは、周囲に害獣が侵入したことの証明となります。
そのため、ただふんを処理しただけでは被害が収まることはなく、害獣の侵入を防ぐためにも徹底した対策を講じる必要があります。
イタチなど害獣の被害を防ぐためにできることとは?
ふんを掃除しても、なんの対策もしなければいずれ被害は再発します。
そのため、本章でご紹介する侵入防止策を用いて、イタチなど害獣の侵入を予防できるようにしておきましょう。
害獣対策グッズを利用する
イタチなど害獣の被害に遭う方は非常に多く、その対策としてさまざまな企業が害獣対策グッズを開発・販売しています。
ニオイで寄せ付けないようにする「忌避剤」、人間には聞こえない音で警戒心を与える「超音波発生装置」、光で警戒心を与える「ライト」など、数多くの害獣体躯グッズが販売されているため、これらを活用して侵入対策をおこなうとよいでしょう。
これら害獣対策グッズは、ホームセンターやネット通販などで誰でも簡単に購入できます。
ただし、同じ対策グッズを使い続けていると、いずれはイタチなど害獣がその刺激に慣れてしまい、効果が薄くなってしまう恐れがあります。
効果を持続させるためには、いくつかの害獣対策グッズを組み合わせたり、罠の種類や配置場所を変えてみるなどの工夫が必要となるでしょう。
侵入経路を封鎖する
イタチの侵入経路は、通気口・換気扇・屋根と外壁の隙間など複数存在し、これら侵入経路を封鎖することで被害を防ぐことができます。
屋内外への移動手段・侵入経路となる箇所を見つけたら、金網やパンチングメタルなどの頑丈な素材で塞ぎましょう。
また、イタチは身を隠せる場所を通して目的地に浸入してくるため、庭の雑草などを適度に除草する(隠れ蓑をなくす)ことも侵入防止に役立ちます。
家を清潔に保つ
イタチは、エサとなるものを目当てに建物に浸入してくるため、適度に掃除する(家の中や周辺を清潔に保つ)ことで、イタチの侵入を防ぐことができるでしょう。
たとえば、常温保存できる食材を出しっぱなしにしない、収穫可能な農作物は早めに収穫する、生ごみはフタつきのもので保管しゴミの日が来たら早めに出す…などです。
特に、キッチン周辺やごみ置き場、家庭菜園をしている方は育てている農作物などに注意しておきましょう。
イタチなど害獣の防除はプロへ相談しよう!
イタチなど害獣の侵入を防ぐための手段は誰にでもおこなうことができますが、害獣の捕獲・駆除は「鳥獣保護管理法」という法律によって無許可で実施することができません。
また、害獣との接触は多大な手間とリスクを伴うため、不慣れな方は無理をせずプロの業者へ相談することをおすすめします。
プロの業者へ依頼すれば、害獣に対する防除手段・清掃や消毒・再発防止のすべてを徹底的におこない、万が一被害が再発した際にも無料or格安で迅速に対応してくれます。
ただし、害獣駆除にかかる費用やサービス(保証)内容は業者によって異なるため、まずは複数社に見積もりを依頼・業者ごとの良し悪しを確認したうえで本契約に進むとよいでしょう。
自治体によっては、イタチなど害獣駆除に関するサポート(無料相談や業者の斡旋など)をおこなっているところもあるため、事前に確認したうえでお住いの自治体に相談してみるのもおすすめです。
まとめ
イタチやイタチに似た害獣のふんにはそれぞれ特徴があり、よく観察するとふんから害獣を判別することができます。
ふんなどの痕跡をもとに害獣を特定し、然るべき対策を講じるのもよし。もし自身で対処しきれない場合は、プロの業者へ相談してみるのもよいでしょう。
いすれにせよ、家屋周辺でふんを発見した場合は付近に害獣が潜んでいる証となるため、早急に何らかの対処を講じるべきといえます。
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