「バルサン」は、一軒家はもちろんマンション・アパートといった集合住宅でも気軽に使用できる害虫駆除剤です。
このバルサンにもいくつかの種類があり、それぞれで特徴や使い時が異なります。
本記事では、バルサンの種類や効果的な使い方、使用上の注意点などをご紹介します。
正しい使用方法と効果を理解し、家屋に潜む害虫問題を解決しましょう。
目次
バルサンの種類について
バルサンとは、家のなかに潜む害虫を駆除するために開発されたくん煙剤です。
家屋に潜むさまざまな害虫を退治でき、それらの侵入を防ぐ効果もあります。
使用する部屋の大きさや退治したい害獣によって適切なものを選ぶ必要があるため、本章にてその種類や特徴をご紹介します。
煙タイプ
おすすめの人:強力な殺虫効果で害虫を根こそぎ退治したい人
その名の通り、多量の煙を発生させるタイプであり、ここでご紹介する3つのなかでもっとも害虫駆除効果が高いとされています(2~3時間で駆除できるといわれている)。
室内に殺虫効果のある煙を充満させ、室内の隅々まで行き届いた煙が害虫を根こそぎ駆除してくれます。
ただし、煙が多く出るためマンション・アパートといった集合住宅では近隣住人の迷惑になる恐れがあり、一戸建ての家に適しているといえるでしょう。
また、煙式の警報機が反応してしまうため、使用する際はカバーをかけておきましょう。
霧タイプ
おすすめの人:集合住宅など、煙が出せない家の選択肢として
霧タイプは「ノンスモークタイプ」とも呼ばれており、煙が少なく・匂いが残りにくいという特徴があります。
そのため、集合住宅で使用した際も周囲の住人に迷惑がかかりにくいといえるでしょう。
煙タイプと同じく、殺虫効果のある霧を室内に充満させ、室内に潜む害虫を駆除します。
他2つに比べて駆除効果が弱いという注意点はありますが、何もせず放置するよりはある程度の効果は得られるはずです。
なお、煙が少ないとはいえガス警報器が反応する可能性もあるため、使用前にカバーをかけておくことをおすすめします(火災報知器には反応しない)。
水タイプ
おすすめの人:薬剤のニオイが苦手な方(気密性のあるマンションにお住いの方なら検討してみるのもよい)
水タイプのバルサンは、市販の容器に水を入れ使用するものです。
一定量まで水を入れた容器を部屋の中央に置き放置することで、数十秒後に白い煙が出て部屋のなかにいる害虫を駆除します。
他2つのタイプに比べて煙や匂いが少なく、バルサンの容器に水を入れるだけで使えるため、手間なく利用できるという点が特徴です。
また、水タイプは他と比べて煙の出る量が控えめなため、築浅で気密性のあるマンションなどでの利用がおすすめです。
ただし、煙タイプに比べると効果はやや劣り、そのまま使用すると火災報知器が反応する可能性もあるため、使用前に火災報知機にカバーかけるなどの一手間をかける必要はある点に注意しておきましょう。
バルサンは色で区別されている
バルサンにもいくつかの種類があり、色でも区別されています。
- 赤:通常タイプ
- 黒:強力タイプ
- 黄:ダニ駆除が主目的
煙・霧・水に加え、色でも特徴が異なるため、選択肢は主に6種類となります。
加えてサイズも異なるため、使用する部屋の大きさによっても適切なものを選ぶ必要があるといえるでしょう。
バルサンの使用方法を理解しよう!
バルサンによる駆除効果を高めるためには、正しい使い方を理解しなくてはいけません。
本章にて、効果的な使い方をご紹介していきます。
バルサンの基本的な使い方
まずは、バルサンの使い方をご紹介します。
部屋をしっかりと閉め切る
バルサンを使用する際は、窓や換気口などを締め切り、できる限り室内から空気が逃げない空間を作りましょう。
空気の逃げ道があると、そこから煙(薬剤)が外に流れてしまい十分な効果を得られません。
なお、戸棚・引き出し・押し入れといった場所は害虫の隠れ場所となるため、バルサン使用時に開放しておくと駆除効果が高まります。
精密機器や食品・食器などを袋で覆う
テレビやパソコンといった精密機器は、バルサンの煙に含まれる薬剤が付着することで故障の原因となり得ます。
精密機器がある部屋でバルサンを使用する際は、大きなゴミ袋などに入れて口をしっかりと閉めておきましょう。
おもちゃや寝具、食品や食器・調理器具など人が触れるものも同様であり、ビニールシートや新聞紙などでカバーするか、部屋の外に出しておきましょう。
また、冷蔵庫の扉の隙間から薬剤が侵入する可能性もあるため、冷蔵庫内の食材もビニール袋に入れておくことをおすすめします。
火災報知器にカバーをかける
バルサンの煙などに反応して、警報機や火災報知器が誤作動を起こしてしまう可能性があるため、使用時にはこれらにカバーをかけておきましょう。
別の方法として、本体を取り外したりプラグを抜くといった方法も挙げられますが、カバーをかけておくのがもっとも手間なく手っ取り早いといえます。
仮に、本体を取り外す・プラグを抜くなどをおこなった場合は、バルサン使用後に元に戻すのを忘れないようご注意ください。
バルサンを使用する
事前準備が完了したら、部屋の中央の床面にバルサンを置き、説明書きのとおりに始動します。
フタでこするタイプ・水を入れるなどタイプによって使い方は異なりますが、どの場合でもパッケージや取扱説明書に使い方が記載されているため、それを参考に始動させましょう。
その後、煙が出始めたら部屋の外に出て、説明書きに記載されている時間かそれ以上の間、部屋を閉め切っておく必要があります(締め切る時間は使用するバルサンによって異なる)。
小さなお子さんやペットが間違って入ることのないように、注意しておきましょう。
使用後は十分な換気と掃除をおこなう
バルサン使用後は、以下をおこないましょう。
- 薬剤を吸い込まないよう注意しながら窓や扉を開放し、十分に換気をしてから中に入る
- 駆除した害虫を除去するため、掃除機などで掃除する
- 人が触れるもの(食器・おもちゃなど)に煙が触れていた場合は、水洗いをする
屋内塵性ダニ類は、死骸もアレルギーの原因になるといわれているため、畳・カーペットのダニは掃除機をかけて取り除きましょう。
また、寝具類のダニ退治は、天日干し後に入念に掃除機をかけるか、クリーニングに出すことをおすすめします。
最後に、使用後の容器を各自治体の廃棄方法に従って捨てれば、作業は終了です。
バルサンを効果的に使う方法
バルサンを効果的に使用することで、より駆除効果を高めることができます。
ここで、その効果的な使い方をご紹介しましょう。
家全体で焚く
ゴキブリなど家屋に潜む害虫は非常に小さな隙間を通って逃げるため、一部だけだと別の部屋へ移動して駆除し切れない可能性もあります。
そのため、家全体で一斉に焚くことで、害虫の逃げ場をなくし・効果的に駆除できるでしょう。
ただし、この場合は2~3時間ほど家に入れないという点にご注意ください。
クローゼット・引き出し・押し入れを開放する
害虫は、クローゼット・引き出し・押し入れといった箇所に隠れていることが多いため、バルサン使用時は開放しておくことが重要です。
その際は、閉まっている服やバッグなどを外に出す、動かせない大きな荷物は薬剤がかからないようカバーをかけておきましょう。
これにより、薬剤が室内の隅々まで行き渡り、隠れている害虫を根こそぎ駆除できます。
間を開けて2回目を使用する
バルサンは、約一か月後に2回目の使用をおすすめします。
その理由は、バルサンはゴキブリの卵には効果がないからです。
ゴキブリの卵は「卵鞘」という殻のようなものに覆われており、薬剤の効き目が薄くなります。
そのため、1度目のバルサンでゴキブリを駆除したとしても、卵が残っていればそれが孵化して再び現れる恐れがあります。
ゴキブリの卵は孵化までに約1ヵ月程度かかることが一般的なため、1ヵ月後に2度目を使用すれば、成虫はもちろん孵化したばかりの幼虫まで完全に駆除できるでしょう。
バルサンは「夜」に使用するのが効果的
害虫…とくにゴキブリは夜行性で夜間に活動することが多いため、夜に使用したほうが駆除効果は高まります。
ただし、場合によっては夜間に数時間の外出を余儀なくされるため、使うタイミングはよく考えておきましょう。
もちろん、夜に使用するのが難しい場合は、日中など別の時間帯でも問題ありません。
新居の場合は「引っ越し直後」の使用が理想
引っ越し後の新居でバルサンを焚く場合、もっとも理想的なのは荷物を搬入する前夜、もしくは荷物を搬入する前です。
家の中になにもない状態だと害虫が隠れられる場所が少なく効果的に駆除が可能、また室内の荷物にカバーをかけるといった手間も省けます。
もし、鍵の引き渡し日から荷物の搬入日までに時間がない・引っ越し先が遠く行けないといった場合は、荷解きをする前に焚くとよいでしょう。
バルサンを使用する際の注意点とは?
バルサン使用する際にはいくつか注意すべき点があるため、本章にてその注意点をご紹介します。
乳幼児が手にするものは煙が触れないように注意すること
バルサンに含まれている成分のなかには「フェノトリン」という殺虫成分があります。
毒性は低く、太陽光を浴びると分解されやすい性質を持っているとされており、乳幼児やペットのいるご家庭でも使用には問題ないと記載されてはいます。
ただし、乳幼児の場合は成分を吸い込んだり舐めてしまうことがあるため、乳幼児が触れる可能性があるものにはカバーをつけたり部屋から出しておくことが重要です。
また、妊娠中の方もニオイに敏感になっている場合があるため、使用には注意しておきましょう。
念のため、購入予定の商品は、購入前に詳細を確認しておくことをおすすめします。
バルサン使用前にペットは外に出しておくこと
バルサン使用中は、人間はもちろんペットも部屋の外に退避させておきましょう。
バルサンを使用して所定時間部屋を閉め切ったあとは、十分に換気をおこなったのちに部屋に入るようにし、問題がなければペットも室内に戻すようにしましょう。
昆虫類や魚類にとってはバルサンの成分(毒性)が強いため、十分な換気に加え、3日以上は室内に戻さないことをおすすめします。
ペットと一緒にお住いの方は、購入予定の商品の詳細を事前にチェックしておき、問題ないと判断できるものを使用してください。
バルサンだけでは不十分!?業者へ駆除を依頼する理由
バルサンを使って室内の害虫駆除をおこなったとしても、100%害虫被害を防げるわけではありません。
なぜなら、バルサンの効果範囲は「使用した室内のみ」であり、自然界からやってくる害虫にまで効果はおよばないためです。
体の小さな害虫はどんなに小さな隙間からでも侵入してくるため「バルサンを使ってもすぐに害虫が出没する…」という方は、害虫駆除業者へ防除を依頼することをおすすめします。
プロの業者へ依頼すれば、害虫の駆除はもちろん、被害の再発や室内の清掃・消毒まで徹底的に実施してくれます。
プロに依頼しても被害を100%防げる保証はありませんが、保証内容が充実している業者であれば、再発時にも無料or格安で迅速に対処してもらえるでしょう。
現地調査・見積もり依頼までは無料で対応してもらえる業者も多いため、まずは複数社に見積もりを依頼し、より安心できる業者へ防除を依頼してみましょう。
まとめ
家屋に潜む害虫を駆除する際、バルサンの使用は非常に効果的です。
ただしバルサンにも種類があり、使用する際には注意点も存在するため、事前に詳細を確認し家庭環境に合ったバルサンを使用するようにしましょう。
また、バルサンを使っても害虫被害が発生してしまう場合は、プロの業者へ相談することも重要です。
自然界からやってくる害虫を素人が一掃するのは至難の業のため、無理のない範囲で対処することをおすすめします。
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