【害虫被害】木造家屋を食い荒らす厄介者。「シロアリ」の正体に迫る!

その他

記事の概略

皆さんは、シロアリと聞いて何を思い浮かべますか
シロアリは事あるごとに名前を耳にする生き物である一方、「実際には見たことがない」、「詳しく知らない」という方が大多数を占める、謎に包まれた昆虫です。
もちろん、シロアリと縁のない生活を送れれば、それに越した事はありません。
しかし、日本に存在する住宅のおよそ6割が木造家屋であることを考えると、生涯を通してシロアリと無関係でい続けられる可能性は決して高くはないでしょう。
そこで今回は、「自宅がシロアリ被害に遭った」という方や、「シロアリ被害を未然に防ぎたい」という方に向けて、シロアリ対策に臨む上で必要になる基礎知識をご紹介したいと思います!

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最近、親がシロアリ被害でボロボロになった実家をリフォームしたわ。
古い木造家屋だったからお風呂周りの土台が腐ってしまって、結構な修繕費がかかったのよ!
実家に比べたらウチはまだ築が浅いけど、それでもシロアリが棲みついてないか心配だし、一度ちゃんとシロアリについて勉強したいわね。

基礎情報

シロアリは、昆虫綱ゴキブリ目シロアリ下目に属する昆虫であり、木造住宅などに巣を作り、木材を食害する害虫として広く知られた存在です。
世界中に3000種、日本に限っても20種類以上のシロアリが生息していると言われています。
その詳しい特徴は、一体どのようなものなのでしょうか?

形態

シロアリは、名前の由来にもなった白い体が最大の特徴で、基本的に黒アリ(馴染み深い普通のアリ)に似た外見をしています。
しかし、黒アリやハチなどと比べて、くびれの無い寸胴型の体格をしているのが特徴です。
熱帯地域に生息するシロアリの中には、黒っぽい体色で長い脚を有した種も存在しますが、日本に生息するシロアリの多くは巣から移動しない生活を送るため脚は短く進化しています。
不完全変態昆虫のシロアリは卵から孵った幼虫の時点で成虫とほぼ同じ姿をしており、脱皮を繰り返しながら成長し、様々な階級へと分化していきます。
階級には王・女王、生殖虫、副生殖虫、ニンフ、兵アリ、働きアリなどがあり、例えば兵アリや働きアリには眼が無い、生殖虫にのみ翅がある、といった様々な形質が存在します。
そのため、属する階級によって大きく異なる形態については、後述する社会性の項目でご紹介します。

生態

シロアリはアリやハチなどと同様にコロニーを形成する社会性昆虫であり、最大で数万匹にも及ぶ規模のコロニーを形成します。
主食となるのは枯れ木や朽木などの植物で、シロアリが木造建築に棲みつくのは、木材に含まれるセルロースと呼ばれる成分を特に好むためです。
それ以外にもコンクリートやプラスティック、動物の死骸といったものまで食べてしまいます。
種によって若干異なるものの、概ねエサとなる木材の中や地中に巣を作る習性があり、その中で役割分担された様々な階級のシロアリが生活しています。
また、シロアリは互いにエサを口移しで与え合ったり、他個体の糞を口にしたりする習性があります。
こうした行為は腸内細菌を共有し、フェロモンを集団内に行き渡らせる働きがあるのです。
以上のように害虫としてのイメージが強いですが、セルロースをエサとすることで自然界に存在する植物枯死体のおよそ16~60%を分解しているとされ、分解された木々が土に還り、新たな生命誕生の土壌となる循環サイクルの一端を担っているのです。

社会性

シロアリの社会は専門用語で真社会性とも呼ばれ、独特な構造を持った集団を形成します。
羽アリが巣立った後、雄雌でペアになって新天地でコロニーを作り始め、この雄雌のペアが王・女王となって交尾と産卵を繰り返すことで、まず最初に働きアリの数を増やしていきます。
全てのシロアリは働きアリとして産まれ、幼虫の間働きアリとして王・女王の世話、巣の造成や維持管理を担います。
そして働きアリが成長すると、ある段階で兵アリ、ニンフ、生殖虫、副生殖虫などの他階級に分化し、コロニーの防衛や繁殖といった役割に応じた形態へと変化するのです。

王・女王

王・女王はコロニーの創設者であり、コロニーに属するシロアリは全て王・女王の子供にあたります。
女王の腹部は産卵に伴って大きくなり、イエシロアリでは最大で体長40mmにも達し、一生の間に100万個以上の卵を産みます。
また、シロアリは昆虫の中で最も長寿な種とされ、30年から50年生き続ける個体も存在するとされる。

生殖虫(羽アリ)

生殖虫は羽アリとも呼ばれる王・女王になる可能性のある階級です。
生殖虫は成長すると巣を飛び出し(この習性は群飛と呼ばれます)、別の場所で王・女王となってコロニーを形成します。
また、生殖虫は他の階級には無い4枚の翅を有しており、巣から飛び立つ際にこれを使用しますが、飛行後しばらくして翅は外れます。

副生殖虫

王・女王が死ぬなどして繁殖不能になった際の王・女王候補です。

ニンフ

コロニーの卵や幼虫の世話を担当する階級で、成長すると生殖虫か副生殖虫に変化します。
日本語で若虫とも呼ばれ、働きアリから生殖虫、副生殖虫になるまでの中間段階にあたります。

兵アリ

黒アリなどの外敵からコロニーを守る役目を負った階級です。
兵アリは繁殖をせず、生殖可能な他のどの階級にも分化することもありません。
兵アリは大きな頭部を持ち、巣に敵が侵入してくるのを防ぐ。兵アリには、様々な形のものがあり、種によって独特の形態となる。日本産では、ヤマトシロアリ、イエシロアリは細長い頭の先端に鋭い牙を持っている。

働きアリ

コロニーに属するシロアリの90~95%が働きアリで、エサの確保、巣や通り道の造成と維持管理をはじめ、他階級のシロアリの身繕いや卵・幼虫の世話など、あらゆる雑務をこなす階級です。
エサである木材を調達するのは全階級の中でも働きアリだけで、木材に被害を与えている犯人の正体は働きアリに他なりません。
また、働きアリが成長すると、一部の個体が生殖虫、副生殖虫、ニンフ、兵アリへと分化します。

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シロアリってこんな生態をしているのね…。知らなかったわ。
でも普通のアリみたいに集団で生活してるってことは、家に棲みつかれた時のシロアリの数もすごそうね!

分類

アリとシロアリ

アリとシロアリは、名前と見た目が似たもの同士なので混同されがちですが、実は全く異なる生き物です。
アリがハチ目アリ科に属するのに対し、シロアリはゴキブリ目シロアリ科に属す、別の系統を辿った存在です。
シロアリの祖先はゴキブリであり、ゴキブリの祖先の中で枯れた草木を食べていた集団が社会性を身につけ始め、現在のシロアリに進化したと考えられています。
両者の外見上の違いとしては、アリには胸部と腹部の間に明確なくびれがある一方、シロアリにはこのくびれが無く、また、アリの触角はくの字型で、シロアリの触角は数珠のような形をしている点が挙げられます。
以上のように、アリとシロアリは全く異なる進化の過程を経た関係性にありますが、両者には社会性昆虫という大きな共通点があります。
アリはシロアリと同様にコロニーを形成して、生殖や子育て、エサの獲得といった様々な目的に応じた階級を作ります。
他にも、生殖能力を有する王・女王階級にのみが翅を持った羽アリになる点でも一致しています。

主な種類

日本には20種類以上のシロアリが生息していますが、建物に害をなす主な種はヤマトシロアリやイエシロアリの2種になります。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

イエシロアリ

世界中に存在するシロアリの中でも、とりわけ建物への加害が甚だしい種です。

【生息地
日本では千葉県より西側かつ静岡県より南側の沿岸地域、または南西諸島および小笠原諸島に生息しています。
イエシロアリは寒さに弱く、1月の平均気温4℃、最低気温0℃以上の環境でしか生きられません。
原産地は中国南部・台湾とされており、現在では日本をはじめ北アメリカ、アフリカ東部、スリランカ、ハワイなどに生息域を広げています。

【女王アリ
体長:通常時は7.5mmから9.5mm程度。産卵期には最大で40mmになります。

【羽アリ
体長:7.5mm~9.5mm
体の色:黄色みをおびた褐色、頭部は暗い褐色
羽の長さ:9.5mm~12.5mmm
羽の色:半透明で淡い黄色みのある茶色
飛来時期:6月~7月の夕方から夜にかけて。光のある方向に移動する光走性と呼ばれる習性があります。

【兵アリ】
体長:7.5mm~9.5mm
頭部:卵型で平べったく、アゴは鋭く弯曲しています。体長の1/3もの大きさがあり、ヤマトシロアリの兵アリより全体的に大きい。
粘液:出す。

【働きアリ】
体の大きさ:やや大型
頭部の色:乳白色

巣の特徴】

巣の造営場所は主に建物の内壁と外壁の隙間や浴室下の土中ですが、建物から離れた朽木などに土や木屑でできた塊状の巣を作るケースもあります。
イエシロアリは中心的な巣とは別に、採餌場所付近に分巣を作る習性があるため、コロニーの規模によっては個体数が数百万匹に達することも珍しくありません。
巣に水を運び込む習性があるので、乾燥した環境でも活動することができ、また、行動範囲は中心となる巣から100m先にまで及ぶ事もあります。

ヤマトシロアリ

特徴はイエシロアリと共通している部分が多いものの、ヤマトシロアリは全体的に黒っぽい体色で、少し小さい傾向にあります。

【生息地】
北海道の北部を除いた日本全土に生息します。

【女王アリ
体長:通常時は4.5mmから7.5mm程度で、産卵期には最大で15mmにも達します。

【羽アリ
体長:4.5~7.5mm
体の色:黒く褐色、前胸板は黄色
羽の長さ:7.0mm~7.4mm
羽の色:半透明の茶色
飛来時期:4月~5月の風が弱く、蒸し暑い正午前後に飛びます。(生息地域が広いため地域差が大きく、九州・沖縄は2月くらい、東北から北の地域は6月から飛び始めます)

【兵アリ】
体長:3.5mm~6.0mm
頭部の形:薄い茶色で体長の半分ほどの長さ。前後に長い筒形で、アゴは鋭くはさみ状になっています。
粘液:出さない。

【働きアリ】
体の大きさ:小型
頭部の色:乳白色

巣の特徴

ヤマトシロアリは、イエシロアリのように土や木屑で巣を作らず、エサとなる木材を巣とします。
コロニーに属するシロアリの個体数は平均して1から2万匹程度ですが、行動範囲が非常に狭いため、1戸の住宅に2、3個のコロニーが共存している場合が多いです。
また、ヤマトシロアリは乾燥に弱く、水っ気を帯びた木材にしか巣を作れないため、イエシロアリと比べて食害の規模小さい傾向にあります。
ただし、駆除を試みても少数の生き残りでコロニーを再生させられるので注意が必要です。

アメリカカンザイシロアリ

アメリカカンザイシロアリ元々はアメリカ原産ですが、1970年代ごろから日本に定着し始めた外来種のシロアリです。
家具や建材などの木材内部に潜んでいた生殖虫が、輸入品にまぎれて日本に侵入した事がキッカケとされています。

【生息地】
現在では東京、大阪などの大都市圏を中心に太平洋側の沿岸部、北陸各県で散発的に確認されています。

【女王アリ
体長:体長は約10mm

【羽アリ
体長:体長は約7mm程度
体の色:全体的に濃い茶色で頭部のみ赤褐色
羽の長さ:10mm超
羽の色:半透明の黒

【兵アリ】
体長:約10mm
形態:頭部と顎が特に大きく、頭部から腹部が一直線に近い寸胴型

【働きアリ】
体の大きさ:体長約5~8mmほどで、日本のヤマトシロアリやイエシロアリと比べると少し大きいです。
頭部の色:全体的に白いが、腹部にかけて黒ずんでいます。

巣の特徴

集団に属する個体の数は数百~数千程度で、イエシロアリやヤマトシロアリよりも小規模なコロニーを形成します。
しかし、その分多数の巣が1軒の住宅内に同居しているケースが多いため、駆除が非常に困難になります。

糞(フン)の特徴

ヤマトシロアリとイエシロアリは、自らの糞で蟻道を作ったり食べたりするなど、糞を何らかの形で利用する習性があるため、人間に見える形で糞を残すことはありません。
一方でアメリカカンザイシロアリは、そのように糞を利用することはせず、巣の外にそのまま糞放置します。
固く乾燥した1mm未満の粒状の糞が、盛り塩のように纏まって基礎周辺に残されていたら、アメリカカンザイシロアリが棲みついている可能性があります。

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シロアリにも種類があるのね…。
イエシロアリの方が厄介みたいだけど、生息地から考えるとウチに棲みついててもおかしくないわ。
シロアリ被害に遭う確率ってどのぐらいあるのかしら?

シロアリによる害虫被害

家屋への被害

木に含まれるセルロースを栄養源とするシロアリは、家屋の構造である木材を食べることで土台や柱、床などを食害し、最悪の場合建物の倒壊を引き起こす危険な存在です。
シロアリの被害は、全ての木造建築物にとって深刻な問題です。
日本は世界の国々の中でも特に木造建築が多く、シロアリの生息に適した温暖多湿な気候も相まって、身近な脅威だと言えるでしょう。
あまり知られていない事実ですが、シロアリは屋根瓦やゴム、衣類、皮革類なども食べることがあり、多種多様なものが食害のターゲットとなり得ます。
ひとたびシロアリが定着すれば、副次的に様々なものに被害が及んでしまうのです。

被害に遭いやすい場所

シロアリは湿度が高くて暗い場所を好むため、特に床下や水回りの近く、家の北側などの日陰になる時間の長い場所が被害に遭いやすい傾向にあります。
また、イエシロアリなどは地中に巣を造る習性があるため、地面が露出した伝統的な布基礎住宅は被害のリスクが高いでしょう。
※布基礎とは、建物の壁に沿った部分にのみに敷かれた帯状の基礎のこと。地面の露出した箇所が面積の大半を占める。

実態

シロアリによる家屋や建築物への実際の被害実態を知るための重要な手掛かりとして、シロアリ被害に関連する統計データを見ていきましょう。
以下は、シロアリ被害の件数、経済損失額などに関する情報をまとめた解説になります。

シロアリ被害の件数

2013年に国土交通省の補助事業として行われたシロアリ被害実態調査報告書によって、シロアリ被害に遭う確率が様々な項目別に明らかになっています。

なお、下記の集計データは防蟻処理を施していない、または処理の効果が切れた住宅を対象としたものです。

築年数別(木造在来工法)

・築5〜9年:4.9%
・築10〜14年:6.0%
・築15〜19年:12.9%
・築20〜24年:14.1%
・築25〜29年:18.5%

全体として築年数に比例して蟻害発生率が高くなる傾向にあるものの、築14年以内では低い値に留まりつつ、築15を超えた段階で一気に数字が伸びているのが分かります。
また、築25年を超えた住宅ではの20%に迫る勢いで、5軒に1軒が被害を受けているという恐ろしい結果となっています。
一方で、築5〜9年の4.9%という発生率も、20軒に一軒がシロアリ被害に遭っていると考えると決して低くない数字です。

基礎種類別

住宅に採用されている基礎の種類はいくつかありますが、その中でも特に一般的なベタ基礎と布基礎に焦点を当てて見ていきます。

【ベタ基礎】
・築10〜14年:6.4%
・築15〜19年:9.2%
・築20〜24年:10.5%
・築25〜29年:16.7%

【布基礎+土壌】
・築10〜14年:16.1%
・築15〜19年:16.4%
・築20〜24年:12.8%
・築25〜29年:18.6%

※布基礎+土壌とは、布基礎工法のうち、露出した土壌に防湿シートを被せていない状態のものを指します。

布基礎+土壌の住宅では、築年数の浅い段階から非常に高い発生率であることが伺える反面、ベタ基礎では築10〜14年:6.4%、築15〜19年:9.2%と、明らかに差を感じさせる数字となっています。
しかし、そんなベタ基礎も築年数が経過すると徐々に発生率が高まり、築20〜24年、築25〜29年では布基礎+土壌に迫る値を示しています。
四方八方をコンクリートで固めたベタ基礎も、経年劣化やクラック(ひび割れ)による影響は避けられないようです。

地域別

次に、都道府県別の蟻害発生率を見ていきます。

【蟻害発生率の高い県TOP10】

  1. 佐賀県:66.7%
  2. 大分県:40.8%
  3. 栃木県:34.6%
  4. 熊本県:32.3%
  5. 茨城県:30.0%
  6. 宮崎県:27.9%
  7. 広島県:27.8%
  8. 宮城県:26.0%
  9. 福岡県:17.1%
  10. 奈良県:15.8%

実に5県もランクインした九州の突出した発生率が目立ちます。
温暖な気候を好むシロアリの特徴が顕著に現れていると考えられますが、一方で北関東の栃木県と茨城県、東北の宮城県もTOP10入りしており、近年の温暖化や住宅の高断熱化の影響が垣間見えます。

経済損失額

全国のシロアリ被害の調査では、5,322棟のうち約19%(1,004棟)の住宅で床下にシロアリ被害が発生していることがわかり、これによる経済的な影響は甚大です。
シロアリによる深刻な蟻害は住宅に構造上の問題、ひいては生命の安全に関わる脅威をもたらしますが、内装への被害とは異なり、構造そのものへの損傷は簡単なリフォームでは対応できないため、経済的な被害は甚大なものとなります。
結果的に、シロアリ被害による経済損失は他のどの害虫・害獣被害と比べても大きなものとなってしまいますが、命に関わる以上決して放置できる問題ではありません。
蟻害の厄介な点は、下記のように建物の低い所を中心として被害が及ぶ点にあります。

【蟻害の被害箇所割合】
・床下:46.3%
・外周(基礎の外壁):16.2%
・玄関:15.9%
・その他:21.6%

この統計を見ても分かるように、シロアリは住宅の低い場所を中心に加害対象とします。
木造在来工法の場合、こうした場所には土台や大引き、柱の下部などが存在しますが、いずれも容易に交換・リフォームしづらい箇所となっています。
となると、修理には大規模な施工が必要となり、それに要する費用も大きくなってしまうのです。
早急な修繕を必要としない程度の軽微な被害であっても、損傷を受けた事により住宅の中古市場価格は著しく低下します。

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やっぱり古い家ほどシロアリの標的になりやすいのね。
私の住んでる県は蟻害発生率がかなり高いみたいだし、被害に遭ってる家の割合も思ってた以上に多いわ。
ウチは一応ベタ基礎だけど、築年数が結構いってるから危ないのかしら…。

あなたの家は大丈夫?

前述したようなシロアリ被害は、定期的な点検と予防によってそのリスクを軽減することが可能です。
被害を最小限に抑える上では早期発見と早期対応が鍵となるので、建物の所有者や管理者は、シロアリ対策として適切な防除措置を講じなければなりません。
シロアリの被害があるかどうかを確認する方法はいくつかあります。
以下のチェックリストを参考にして、適切な対策を行うことで貴重な資産を守りましょう。

  1. 住宅の基礎の周辺で羽アリを見たことがあるか
  2. 扉の建て付けが悪い、床が沈み込む等はしないか
  3. 築10年以上経過している建物か
  4. 床下からカビの臭いがするか
  5. これまでに増改築を行ったことがあるか
  6. 雨漏れや水漏れ、浸水の経験があるか

また、シロアリ被害の有無を確認するのに適した場所と点検方法は以下のようになります。

  • 床下点検:シロアリの被害や侵入形跡を確認します。
  • 玄関周りの点検:玄関周りに被害がないかをチェックします。
  • 外回りの点検:建物周りにシロアリが生息していないか、外から侵入していないかを確認します。

こうした点検を行う際には、防塵マスク、ヘッドライトや懐中電灯、保護具、ツナギ、長靴、デジタルカメラ、ペンと図面、マイナスドライバーなどの準備が必要になります。
特に床下の点検では、水回りの周辺や木材に蟻道が付着していないか、木材を叩いて軽い音がしないか、土台が腐っていないかなどを確認することが重要です。

サイン

シロアリは床下や壁の中で巣を作り繁殖するため、被害の初期段階では中々その存在に気付きづらいのが現実です。
シロアリ被害を見過ごさないためも、蟻害を示唆する以下のようなサインを注視してください。

  1. 蟻道(ぎどう):被害が進行すると、床下や壁の内部でシロアリが作った蟻道が見られるようになります。蟻道はシロアリの通り道となるトンネル状の通路で、土や木屑を固めて造られています。主に地中に存在する巣から採餌場所を結ぶルートに造られ、床下や建物外周部、外部基礎などで見かけることがあります。蟻道の存在は、シロアリ被害が進んでいる動かぬ証拠なのです。
  2. 蟻土(ぎど):蟻土は、シロアリが採餌場所などが風に晒されないように造る土の囲いです。円状や扇状に広がって作られることが特徴です。
  3. 木材の亀裂:シロアリは木材の内側を食べて外側を残すため、木材には線状の独特な穴が空きます。この亀裂の中には土が詰まっていることも多く、このような状態の木材は既にシロアリによる腐食が進んでいると判断できます。
  4. 羽アリ:シロアリの羽アリは、春先から夏にかけて大量に巣立ちする習性があります。室内で羽アリが発生した場合は、建物のどこかにシロアリのコロニーが存在する可能性があります。

こうしたサインが確認できた場合は、シロアリの被害が既に進行している可能性が高いです。
直ちに前述の手順に則って点検を行うか、専門の業者に相談してみましょう。

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自分で確認できない事もないみたいね!
早めにシロアリの有無をチェックして、不安に駆られる毎日とおさらばするわ!

あとがき

本コラムはこれで以上となりますが、如何でしたか?
一生に一度の買い物で手に入れた自宅で末永く安全な日々を過ごせるよう、シロアリの出現には気を付けたいものですね。
当サイトでは、これからも引き続きシロアリに関する情報をお届けして参ります。
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