度々メディアなどで耳にする害獣被害の実態、皆さんはいくつ知っていますか?
害獣被害とは聞くけど自分にはあまり関係ないと思われている方も居れば現在も被害に遭われている方もいらっしゃるかと思います。
今回はそんな害獣全般に着目し、害獣被害ってどういった原因で巻き起こるのか、どういった対策をすればいいのかを解説していきたいと思います。
目次
どんな動物が害獣に分類されるの?害獣の種類を解説
そもそも害獣とはどんな動物が対象になるのでしょうか?
実は都心ではあまり馴染みのないような動物から意外な動物まで私達の生活に悪影響をもたらす害獣とされているのです。
ここではそれぞれの害獣について簡単に解説していきます。
また、個別の害獣について詳しく知りたいという場合は別の記事にも詳しい記載がありますのでそちらをご覧下さい。
ネズミ
ネズミは現在日本で15属と10種類が確認されていますが、私達の生活圏に影響を及ぼすのは主にドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの3種類と言われています。
この3種類はまとめて「家ネズミ」と呼ばれています。
ドブネズミ
家ネズミの中では大型に分類されます。
水回りや床下に住み着く事が多く、木登りなどは苦手です。
性格は人を怖がらず、非常に獰猛な性格をしています。
クマネズミ
家ネズミの中では中型に分類されます。
天井裏や屋根裏に住み着く事が多く、遊泳などは苦手です。
性格は臆病な神経質であり、知能が高いので人間の仕掛けた罠を見破ってしまう事があります。
ハツカネズミ
家ネズミの中では小型に分類されます。
寒さに弱く、寒くなると家屋に浸入してくる場合がある。クマネズミと同じく泳ぐのが苦手です。
性格は好奇心旺盛で何でも食べてしまいます。
アライグマ
アライグマも害獣指定される野生動物の一種です。
器用な手先と太い尻尾が特徴的で、非常に凶暴で攻撃的な性格をしています。
アライグマは溜めフンの習性を持っており、一か所にフンを溜めてしまいます。
木登りが得意な為、家屋の近くに木が立っている場合、木を登って侵入してしまう可能性があります。
人に対して襲い掛かる可能性もある為、侵入が確認された場合は速やかに業者への相談を検討してください。
イタチ
イタチには二ホンイタチとチョウセンイタチの二種類が存在し、私達の生活圏に悪影響をもたらすのは殆どがチョウセンイタチと言われています。
見分ける特徴として、チョウセンイタチの方が二ホンイタチよりも体が大きく尻尾が太いというものがあります。
イタチは見た目に反して気性が荒い為、不用意に近づくと嚙みついたり引っ掻いたりされる場合があります。
イタチは感染症を保有している可能性がある為、家屋内に浸入した場合は自力で追い払わず専門業者に相談してみてくださいね。
コウモリ
コウモリも害獣指定の動物であり、私達の生活圏に悪影響をもたらすのは主にアブラコウモリと言われています。
非常に小さいのが特徴で体長は大きい個体でも6cmほど、羽を広げても20cm程度と言われています。
コウモリは羽ばたく音が騒音となったり、乾燥した糞の粒子が健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
ハクビシン
ハクビシンはアライグマによく似た害獣の一種です。
見分ける特徴としてはハクビシンの花には白い線が入っており、ピンク色の花をしています。
沖縄を除いた日本全国に生息しており、住宅街や都会などでも目にするかもしれません。
ハクビシンは定住しないという特徴があり、屋根裏、軒下と住みかを変える習性があります。中には複数個所の家を行き来する個体も存在するので他の家屋にも被害が及んでしまう可能性があります。
臆病な性格である為私達人間に危害を加える事はありません。しかし生命の危機と判断すると襲い掛かって来る可能性がある為、十分注意しましょう。
テン
テンはイタチ科に分類される害獣の一種です。
大きな特徴として季節によって毛色が変化するというのがあり、夏には少し黒ずんだ黄褐色、冬は明るい黄褐色になります。
テンもまた日本各地に生息しており、本来は森林や水場などで暮らしている事が多いと言われています。
非常に攻撃的な為、迂闊に追い払おうとすると危害を加えてくる可能性がある為、対策の際は注意が必要です。
アナグマ
アナグマは本州や四国、九州を主に生息する害獣の一種です。
性格は温厚であり、人に慣れている個体だと人間が近づいてきても逃げないと言われています。
アナグマがもたらす悪影響は主に畑の農作物や家屋への汚損被害です。
アナグマが建物の下に住みかを作ってしまうとその辺りの地盤がゆるくなるだけでなく、アナグマ以外の害獣を呼び寄せてしまう可能性があります。
害獣被害は一体どういうものが多いの?
それではいよいよ害獣被害の実態に迫っていきます。
害獣の被害は様々ありますが、ここではどういう被害なのかという事と主にどういった動物が巻き起こすのかを解説します。
騒音被害
害獣が住み着く事で最も多い被害が騒音被害です。
害獣の大きさによって音の大小はありますが、害獣に指定される動物は夜行性である事が多く私達が寝静まる深夜に行動します。
音の原因は様々ですが主に走り回る足音や鳴き声、何かを齧る音などでありコウモリの場合だと羽ばたく音が原因になります。
そのせいで寝不足やストレスの元になってしまい、更に悪化するとノイローゼになったというケースも報告されています。
健康被害
また害獣の多くは害獣自体や糞尿などに様々な病原菌を保有しており、安易に素手で触ってしまうと命に関わる感染症を発症する場合があるのです。
ここでは害獣の多くが保有している可能性がある菌の一部を紹介していきます。
サルモネラ菌
サルモネラ菌は害獣の殆どが保有している病原菌です。
食中毒を引き起こす病原菌であり、発症すると下痢や熱、脱水などの症状が見られ免疫のない高齢者や小さなお子様が発症すると命の危険が伴う恐れがあります。
またサルモネラ菌は害獣のフンだけでなく、ネズミが通ったり齧ったりした食材を通じても感染する可能性があります。
狂犬病
主にコウモリの糞やアライグマなどが保有している可能性がある病原菌です。
現在日本では狂犬病の感染はありませんが、害獣を媒介して感染するリスクは非常に高いのです。
感染すると風邪のような症状が現れ、その後狂犬病特有の症状が発症すると言われています。
狂犬病特有の症状として最も特徴的なものが水を怖がるという症状です。他にも幻覚や錯乱が見られたり攻撃的になったりという症状が現れ、精神状態も興奮や不安状態に陥りやすくなってしまいます。また症状が進行すると最終的に昏睡状態に陥り、呼吸が停止してしまうのです。
以上の事から感染すると必ず死に至ると言われている病気なので、害獣の対策や追い出し、糞の後処理を行う際は十分に注意が必要です。
レプトスピラ菌
レプトスピラ菌はアライグマやネズミのフンを媒介して感染する病気と言われています。
感染すると高熱などの症状が現れ、悪化したケースではワイル病を発症したという報告もあります。
ワイル病に掛かった際に現れる症状として無症状の期間が2~3日続いた後頭痛や発熱、悪寒と言った風邪のような症状が現れ、皮膚に発疹が出来るケースもあります。
症状が更に進行すると身体が黄色くなる黄疸という症状が現れ様々な臓器の機能がおかしくなってしまいます。
症状の進行によって死に至る可能性があり、またこの病気はペットにも感染します。
為害獣のフンを処理する際には必ず素肌で触れない格好に着替えましょう。
ダニやノミの被害
殆どの害獣はダニやノミを保有しており、害獣が侵入するとダニやノミが家屋内で大繁殖してしまう恐れがあります。
ダニの中にはマダニなどの危険なダニも存在し、マダニを媒介して感染するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は発症すると発熱などの症状が現れます。
また30%の確率で死に至る危険があると言われている為、日頃からの害獣対策は万全にしておきましょう。
汚損被害
害獣が住み着き放置してしまうと家屋の汚損被害やそれに伴う修繕費などの思わぬ出費が出てしまう可能性もあります。
アライグマやイタチ、ハクビシンの場合
上記に挙げた害獣は溜めフンという習性を持っており、一か所に糞尿を溜めてしまいます。
それらを放置してしまうと天井裏の床板などが腐り、最悪抜け落ちてしまうという可能性があるのです。
ネズミの場合
ネズミはげっ歯類に分類され、住み着かれてしまうと様々なものを齧られてしまいます。
齧る対象は食材だけに留まらず家財や家屋内の柱などがあり、また電気配線を齧られてしまい火災事故に繋がった事例もあります。
またネズミが走り回る事によって、黒い跡がついてしまい室内の外観を損なう場合もあります。
アナグマの場合
アナグマは名前の通り、地面に穴を掘る習性があります。
アナグマが堀った穴はアライグマを始めとした他の害獣を呼び寄せてしまう可能性があり、放置をする事で更に被害が悪化してしまう場合があるのです。
悪臭被害
また害獣が巻き起こす被害の中には糞尿による悪臭もあります。
害獣から排泄される糞尿はどれも匂いがきついものが多く、中には揮発する事で細菌をばら撒いてしまう可能性があります。
放置すると室内に匂いが充満してしまう為、害獣の対策及び害獣のフンの処理は早めに行うようにしてください。
害獣はどういう原因で侵入してくるの?
そもそも害獣は一体何が原因で侵入してくるのでしょうか?
害獣と呼ばれる動物が私達の生活圏に侵入してくる主な理由は安心できる住みかを求めているのです。
しかし中には原因が隠れているものもあります。
ここではそんな害獣が侵入してくる理由について解説していきます。
食材や生ごみの放置
害獣たちが求める住みよい環境に食料はかかせません。
台所などに食材を中途半端に放置してしまったり、買ったものをそのまま置いておくと食料の匂いを嗅ぎつけた害獣が寄ってきてしまう場合があります。
また生ごみをそのまま外に放置しておくと害獣に荒らされてしまう可能性がある為、生ごみは必ず指定のゴミ回収日に出し、食材を放置しないようにしましょう。
段ボールの放置
段ボールの放置も害獣を引き寄せる原因になってしまう可能性があります。
何故かと言うと、巣作りを行う害獣にとって段ボールは巣材として最適なのです。
他にも虫の住みかになりやすいなどのデメリットが多く存在するので、段ボールはなるべく早く処分するようにしてください。
侵入に利用しやすい木
家の近くに木を植えているご家庭も多いかと思いますが、木もまた害獣が侵入する原因を作ってしまうひとつです。
アライグマなどの木登りが得意な害獣は気を伝って屋根裏などに侵入してくる為、可能であれば木を伐り、難しければ木の近くに侵入可能な穴が無いかなどを確認し対策を行ってください。
害獣が入り込める隙間
上記でも少しだけ触れましたが、害獣は少しの隙間があれば侵入する事が可能です。
最も小さい隙間で1cmから害獣は侵入してしまいます。
害獣が侵入してくると言われる侵入経路は以下の通りです。
エアコンの配管口
壁の隙間
換気扇の隙間
屋根の隙間
侵入経路の対策に関しては後の害獣対策の項目で説明します。
害獣は駆除しちゃいけないって本当?鳥獣保護法とは
それでは害獣を捕獲して駆除してしまえばいいのでしょうか?
実は害獣の捕獲や駆除は国の法律で禁止されているのです。
それが「鳥獣保護法」と呼ばれ、個人が無断で野生動物を捕獲、駆除した場合罰金が科せられるという内容になります。
ここではそんな鳥獣保護法に抵触しない為に私達が注意すべき事について解説していきます。
様々な免許が必要になる
害獣を駆除、捕獲する為には様々な免許が必要になり、また申請なども必要になってきます。狩猟の際は狩猟免許が必要になり、狩猟者登録などの手続きが必要になります。
行政などを通して狩猟者登録を行い、狩猟の際は狩猟者記章の装着が必要です。
また害獣を捕獲する場合でも捕獲許可制度を利用しなければなりません。
行政を通じての手続きが必要になって来る為、自分で全ての対策を行う事は非常に難しく専門業者への依頼が推奨されます。
業者に依頼する際にも免許の有無の確認は必要
また業者に依頼する際も専門業者が保持する免許の確認は行うようにしましょう。
ホームページなどを確認すると鳥獣保護法に触れている会社も存在する為、おおよその判断基準に出来ます。
害獣対策のススメ!自分で出来る対策とは?
それではいよいよ、害獣の主な対策について解説していきます。
少しの工夫で害獣被害を抑えられるので、是非一度試してみてください。
また最後には専門業者に依頼する際の主なポイントについて解説しています。
忌避剤を撒く
害獣対策において忌避剤は有効な対策手段です。
様々なタイプのものが通販などで販売されている為、状況に合わせた使い方が可能になります。
スプレータイプであれば殺虫剤の要領でワンプッシュするだけで撒く事が可能ですし、固形タイプであれば設置するだけで効果を発揮するものも多く存在します。
しかしここで注意点があります。
固形タイプを設置する際は事前に害獣の侵入経路の特定が必要になります。
これは固形タイプの設置場所が大きく関わっており、うっかり侵入経路の近くに設置してしまうと害獣は匂いによって侵入経路に近寄れなくなります。
その為害獣を閉じ込めてしまう事になるのです。
固形タイプ設置する際は侵入口とは対角の位置に置くようにしましょう。
また製品によって効果の期間もそれぞれあるので、購入の際にはしっかり確認する事が必要です。
侵入経路を塞ぐ
忌避剤や専門業者を通じて害獣の追い出しに成功したらまず侵入経路を封鎖しましょう。
先ほども解説した通り害獣は屋根の隙間や換気扇の隙間など僅かな隙間から家屋内に侵入してきてしまいます。
侵入経路別の封鎖方法は以下の通りです。
換気扇の場合
目の細かいフィルターなどを利用して害獣の侵入を防ぐ事が出来ます。
また換気扇にシェルターなどが付属している場合は未使用時に閉めておく事で侵入防止が可能になります。
エアコンの配管口
目の細かい金網などをしっかり固定して設置する事で害獣の侵入を防ぐ事が出来ます。金網はお近くのホームセンターなどでも販売している為比較的簡単に入手できるので、不安がある方は一度探してみると良いでしょう。
壁や屋根の隙間
壁や屋根の隙間などは修繕用パテやモルタルなどで埋めてしまうと効果的です。
どちらも通販やホームセンターなどで購入する事ができるので、もし良ければ探してみてください。
使用前には必ず使用方法を確認ましょう。
害獣専用のLEDライトや超音波機器を使用する
夜行性である害獣は強い光を苦手としている事が多い為、LEDライトや超音波機器を利用する事も有効手段のひとつです。
超音波機器の場合
害獣が苦手とする音波で害獣を寄せ付けなくする事が出来ます。
ただし1種類の超音波では害獣が慣れてしまい効果がなくなる可能性もあるので複数種類の音波が出る製品を選ぶようにしましょう。
また音によっては壁などに音が遮られてしまう可能性がある為、複数台を購入し設置するとより効果的です。
LEDライトの場合
害獣が苦手とする強い光で害獣を寄せ付けなくする事ができます。
電源タイプは様々ありますがソーラー充電式だと日中に太陽光を充電し、夜に使用できるためお勧めです。
ただし害獣の中には光に対して耐性がある種類も存在する為注意が必要です。
業者に依頼する
上記でも解説した通り、害獣の多くは鳥獣保護法によって守られている為個人での捕獲や駆除は禁止です。
そんな時は害獣の専門業者に依頼してみましょう。
専門業者を見分けるコツとしては以下の通りになります。
会社の口コミやホームページにて成功実績やスタッフの対応を確認し高評価の会社を選ぶ
現地調査の有無、保証期間やアフターケアの有無を確認する
複数の見積もりを貰い、自分の料金プランに合った会社を選ぶ
まとめ
害獣被害の原因と対策、いかがだったでしょうか?
ふとした原因が害獣を呼び寄せてしまう事もあります。
害獣が侵入してくる事が無いよう日頃からのこまめな対策を行いましょう。
害獣駆除ガイドでは様々な害獣に着目した対策を公開しています。
もし良ければ他の記事もご覧になってみてください。
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