日本には数多くの野生鳥獣が生息しており、地域によって生息する鳥獣や被害内容に違いが見られます。
農作物への食害が深刻なことはもちろんのこと、近年では市街地に出没し人身被害をもたらす生き物や家屋に棲みついて害獣被害を発生させる類も存在しています。
自然豊かな地域が広がる静岡県にもさまざまな野生鳥獣が生息していますが、どのような野生鳥獣が出没しやすく、どういった被害をもたらしているのでしょうか?
本記事では、静岡県において出没しやすい野生鳥獣の種類や被害内容についてご紹介します。
害獣の具体的な防除法についても解説しておりますので、害獣の被害にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
目次
静岡県の地域の特徴について
静岡県は、日本の中部地方に位置する県であり、県庁所在地は静岡市です。
北側が広大な南アルプス、南側は駿河湾・遠州灘に面しており、豊かな自然が広がる地域といえます。
本章では、静岡県の土地環境や気候・栽培している農作物(農林水産物)について詳しくご紹介していきます。
静岡県の気候や土地環境
静岡県は東海地方の東部に位置しており、直線距離にて区域の東西が155km・南北に118kmと全国13番目に広大な区域です。
富士山・富士山本宮浅間大社・韮山反射炉・三保の松原などの世界遺産や、世界ジオパークの一つである伊豆半島ジオパーク・熱海温泉・三嶋大社・久能山東照宮・登呂遺跡・大井川鐵道など多くの観光資源を有しています。
また、全国一の水揚げ額を有する焼津漁港や静岡茶が有名であり、他にも全国や海外に誇りうる価値や特長を備えた県産農林水産物を「しずおか食セレクション」として認定。県産農林水産物の魅力を活かした新しい加工品を「ふじのくに新商品セレクション」として表彰するなど「食の都」づくりが進められています。
AOI機構(平成29年4月17日設立)にて、農林水産業・関連産業分野における革新的な技術開発・事業化などの新たな価値の創造を複数の主体の協働により実現するオープンイノベーションの支援を実施しているというのも静岡県の特徴の一つです。
気候については、全般的に温暖な海洋性気候であり、冬は乾燥して晴天が多く・平地での降雪はほとんどありません(年間日照時間は全国上位となっている)。
年平均気温が15~16°Cと温暖で、平均降水量は1,800~2,300mm前後。特に冬期は日照時間が多く温暖であることから、多種多様な農作物が栽培されています。
ただし、静岡県は日本一の標高差を持つ県であり、気候的にも海岸に近い地域の海洋性気候と、標高の高い内陸台地や山間部の内陸性気候とに分れ、伊豆半島の天城山付近や富士山麓や大井川上流域では、雨が多く・冬期は厳しい低温となり降雪も多くなっています。
全国的に見ると温暖な気候に恵まれているといえるものの、地域によって違いが見られ、ときに大雨・強風・波浪などの激しい気象現象が現われることもあるでしょう。
静岡県の産業・特産物
静岡県の主な農林水産物は以下の通りです。
【農作物】
- 茶:県内各地に有名産地があり、さまざまなブランド茶が生産されている(生産量全国1位)
- みかん:温暖な気候を生かした柑橘類の栽培が盛んで、青島みかんなどが栽培されている(収穫量全国3位)
- わさび:わさび栽培発祥の地であり、産出額は根茎が全国1位・葉柄が3位
- 温室メロン:メロンの中でも最高級品である温室メロンは収穫量日本一であり、ガラス温室で栽培されている。
- ガーベラ:全国の出荷量の約4割を占める大産地で、花弁が大きく華やかで色の種類や品種数が多い(出荷量全国1位)
【畜産物】
- 静岡型銘柄豚「ふじのくに」:県中小家畜研究センターが改良した豚銘柄の総称
【水産物】
- かつお・まぐろ類:遠洋漁業や沖合漁業で獲れたかつおやまぐろが水揚げされ、加工品の原料としても利用されている(漁獲量全国1位)
- にじます(養殖):清浄な水が豊富な富士山麓を中心に養殖されている(収獲量全国1位)
- さくらえび:国内では駿河湾だけで漁獲される特産品である(漁獲量全国1位)
- しらす:漁場と市場が近いため鮮度がよく「生しらす」としても出荷されている(漁獲量全国3位)
静岡県では、代表的な農産物である茶・みかんのほかにも、温室メロン・いちご・ガーベラなど多種多様な農産物が栽培されており、平成25年5月に「茶
草場農法」、平成30年3月に「静岡水わさびの伝統栽培」が世界農業遺産に認定されています。
また、令和元年12月に「石部棚田」、令和2年6月に「千框棚田」、令和3年6月に「久留女木棚田」「滝沢・鷲沢棚田」が、棚田地域振興法に基づく指定棚田地域に指定されました。
林業では、天竜川流域のスギやヒノキ、伊豆地域の広葉樹林など豊かで多彩な森林が広がっており、わさびやきのこの生産も盛んです。
水産業では、かつお・まぐろ、沿岸におけるしらす・さくらえび、内水面でのにじますの養殖などの多種多様な水産物が水揚げ・生産されており、水産加工業も盛んにおこなわれています。
なお、静岡県内を「西部地域」「志太榛原・中遠地域」「中部地域」「富士・東部地域」「賀茂地域」の5つに分けた場合、各地域で収穫できるものには以下のような違いが見られます。
農産物 | 林産物 | 水産物 | |
西部地域 | 茶、みかん、ガーベラ、ちんげんさい、セルリー、菊、ばれいしょ、たまねぎ、ネーブルオレンジ、みつば、切り枝)、切り葉、観葉植物 | しいたけ | あさり、しらす、とらふぐ、うなぎ、生のり類(養殖) |
志太榛原・中遠地域 | 茶、水稲、いちご、温室メロン、レタス、しそ、ガーベラ、ちんげんさい、バラ、トルコギキョウ、観葉植物、花木類 | しいたけ | かつお、まぐろ、しらす、とらふぐ、うなぎ |
中部地域 | 茶、みかん、いちご、ばら、洋ラン類 | わさび(根茎・葉柄) | まぐろ、さくらえび、しらす |
富士・東部地域 | 茶、みかん、水稲、いちご、ミニトマト、ばれいしょ、鶏卵、生乳 | わさび(根茎・葉柄)、しいたけ | まあじ、まだい、にじます(養殖)、しらす、タカアシガニ |
賀茂地域 | マーガレット、カーネーション、ヒュウガナツ | わさび(根茎・葉柄) | 伊勢海老、金目鯛、てんぐさ |
静岡県の野生鳥獣による害獣被害について
豊かで変化富んだ自然が広がる静岡県には、さまざまな野生動物が生息しています。
それら野生動物は、自身の生活のために人々の生活圏に入り込み・被害をもたらすこともあるでしょう。
近年、農作物への食害はもちろん、家屋に棲みついて害獣被害をもたらす動物も増加しており、静岡県でも被害を軽減できるようさまざまな対策が講じられています。
本章では、静岡県の令和4年度の農作物への被害状況や静岡県が実施している農作物の鳥獣被害防止対策事業、特に警戒が必要な野生鳥獣についてご紹介します。
令和4年度の農作物への被害状況
静岡県のホームページにある「静岡県における野生鳥獣による農作物への被害状況」にて、被害額などの詳細を確認することができます。
それによると、令和4年度の野生鳥獣による農作物の被害額は約2億4,800万円であり、令和3年に比べて800万円増加したとされています。
【平成29年~令和4年の被害額】
- 平成29年:3億1,900万円
- 平成30年:3億900万円
- 令和元年:2億9,500万円
- 令和2年:2億9,700万円
- 令和3年:2億4,000万円
- 令和4年:2億4,800万円
令和4年は令和3年に比べ被害額が上昇しているものの、年々減少傾向にはあるといえるでしょう。
特にピークであった平成21年度の5億3,700万円から約46%も減少しているため、対策の効果が出ていることが実感できます。
次に、鳥獣種別の被害額ですが、以下表の通りです。
年度 | 平成21年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和4年/平成21年 |
イノシシ | 266 | 136 | 136 | 140 | 131 | 90 | 84 | 32% |
ニホンジカ | 91 | 72 | 61 | 62 | 73 | 69 | 74 | 81% |
サル | 103 | 29 | 30 | 25 | 26 | 19 | 18 | 17% |
その他 | 77 | 82 | 82 | 68 | 67 | 63 | 72 | 94% |
合計 | 537 | 319 | 309 | 295 | 297 | 240 | 248 | 46% |
参考:静岡県ホームページ 静岡県における野生鳥獣による農作物への被害状況
特に深刻な被害を発生されているのは、イノシシ・ニホンジカであり、次いでサルと続いています。
他にも、林業への被害や人身事故が懸念されるクマや、家屋に棲みつく害獣としても知られるハクビシンやアライグマ、害鳥であるカラスなど、さまざまな野生鳥獣の被害にも警戒しなければいけません。
静岡県の鳥獣被害対策に関する補助事業について
静岡県では、野生鳥獣による農作物への被害が増加傾向にあり、中山間地域を中心に被害が深刻化しています。
被害が深刻化している地域では、農業者の営農意欲が低下し、地域振興を妨げる要因にもなってしまうでしょう。
この問題を解決するため、平成17年6月に「静岡県農林産物野生鳥獣被害対策連絡会」を設置、関係機関が連携して被害防止対策を推進するとともに、野生鳥獣肉(ジビエ)の利活用なども推進しています。
また地域によっては、個人(管理組合)や法人がおこなう被害防止対策事業に要する経費についての補助金も交付されているケースがあります。
たとえば、静岡県磐田市では、野生鳥獣による住宅への侵入防止・田畑などの農林産物への被害を防止するため、個人(管理組合)がおこなう被害防止対策事業に要する経費について、以下補助金が交付されます。
【住宅被害防止対策事業】
- 住宅内への飛来、侵入を防止するために有効な資材等の購入に要する経費
- 捕獲の許可を受けた業者に依頼し、捕獲するための委託料
【農林産物被害防止対策事業】
- 農作物等の獣被害を防止するため及び農業用施設の管理に有効な資材など(新規資材等に限る)の購入に要する経費
- 電気柵及び附帯設備
- 耐用性隔障物(金網・トタン板・網など)および附帯設備
- その他有効と認められる資材
磐田市の場合は、住宅への侵入防止などにも補助金が適用される可能性がありますが、地域によって対象鳥獣・補助基準・補助率・限度額は異なります。
気になる方は、お住いの自治体のホームページなどで確認を取り、必要条件を満たしているか?許可を得るにはなにが必要か?を事前にチェックしておくことが大切です。
農作物への被害で特に注意すべき鳥獣とは?
ここでは、静岡県において特に警戒すべき野生鳥獣についてご紹介します。
金額などの詳細は、静岡県ホームページにある「静岡県における野生鳥獣による農作物への被害状況」を参考にしております。
野生動物の中には、農作物や田畑への被害だけでなく、市街地に出没し地域住民に甚大な被害を与えるものもいるため、その生態や注意点を正しく理解しておくことが重要です。
イノシシ
近年、イノシシによる農作物への被害が全国的に深刻化しています。
農作物の栽培が盛んにおこなわれている静岡県でもその被害は甚大であり、平成29年~令和4年の被害額は以下の通りです。
- 平成29年:1億3,600万円
- 平成30年:1億3,600万円
- 令和元年:1億4,000万円
- 令和2年:1億3,100万円
- 令和3年:9,000万円
- 令和4年:8,400万円
被害は年々減少傾向にはあるものの、それでも静岡県ではもっとも農作物への被害額が大きくなっています。
イノシシが人里へ下りてくる頻度が増えた理由は、温暖化や自然の減少によって、自然界でエサが捕りづらくなったからです。
畑や田んぼ・市街地に現れたイノシシは、鼻を使って土を掘ったり石を持ち上げたりして手当たり次第にエサを探します。
その結果、以下のような被害をもたらします。
- 栽培している農作物を食べる
- 花壇を掘り起こしたり、植木鉢や庭の縁石を引っくり返す
- 裏山や崖などを掘り、大穴をあけたり、土や石を落とす
- 泥浴びをする(寄生虫やダニを落とすため) など
また、人里へ下りてきた際、人と遭遇し人身被害をもたらす恐れもあるでしょう。
実際に、2024年11月29日に、下田市の山あいで畑に向かっていた70代の男性がイノシシに足を噛まれ怪我をしたというニュースが報道されていました。
イノシシはもともと臆病かつ警戒心が強い動物であり、普通の状態であれば人に出会っても襲いかかってくることはほとんどありませんが、イノシシが興奮しているとき(牙を鳴らしているときや毛を逆立てているときなど)には注意が必要です。
もしイノシシを見かけた際は以下の対応を心掛け、なるべく興奮させないよう、背を向けず・ゆっくりとイノシシの視界から外れるように動きましょう。
- 近づかない
- 逃げ道をふさがない
- エサを与えない
- 驚かさないように、そっと立ち去る
また、イノシシを集落に近寄らせない方法としては、餌となるようなものを放置しないことや、隠れ場所・安住できる場所をなくすといった手段が有効です。
残念ながら、すべての鳥獣被害防止に絶対的に有効な対策はないため、目撃情報がある地域では自己防衛の手段を理解しておくことが重要です。
ニホンジカ
近年、市内の山間部だけでなく平野部においても、二ホンジカが目撃されることがあります。
シカは比較的おとなしい性格をしているため、自分から人を襲うようなことはほとんどなく、平野部に現れても帰巣本能にてしばらくすると山へ帰っていきます。
しかし、自分が追い詰められたと感じてパニックになってしまうと、稀に暴れることがあるため刺激を与えないことが重要です。
(シカを見かけた場合の対応策としては、近づかない・逃げ道をふさがない・驚かせないこと)
そして、シカでもっとも注意すべきなのは、農業・林業への被害です。
事実、シカが生息している地域の多くがシカによる農作物への被害額が大きく、静岡県でも同様の被害が発生しています。
- 平成29年:7,200万円
- 平成30年:6,100万円
- 令和元年:6,200万円
- 令和2年:7,300万円
- 令和3年:6,900万円
- 令和4年:7,400万円
シカによる被害額は上がったり下がったりを繰り返しており、今後も徹底した対策を講じていく必要があるといえるでしょう。
シカにとって人間が育てる農作物は栄養豊富なご馳走であり、果樹などを食べることが多いとされています。
食べ物が少なくなった冬場では、毒草以外の植物や落ち葉を食べて飢えをしのぎ、それでも足りない場合は樹皮を剥いで食べます(オスが角をこする際に樹皮を剥がすこともある)。
樹皮を剥がれた樹木は枯れてしまうこともあり、シカが増加した森林は枯れ木の多い森へと変化する恐れが高まるでしょう。
シカも悪気があって害を引き起こしているわけではないものの、農業や林業を営んでいる方にとっては育てている農作物や木々を食べられることは、大きな問題です。
また、近年では国の特別天然記念粒に指定されているカモシカの目撃情報も増えています。
希少性の高い動物とはいえ、カモシカもシカと同様に農業や林業に被害を与える可能性があるため、今後警戒が必要な動物の一種といえるでしょう。
ニホンザル
富士市にある愛鷹山に生息するニホンザルは「絶滅のおそれのある地域個体群」として静岡県レッドリストの指定を受けている動物です。
しかしその一方で、県内ではにサルの市街地への出没が増加しており、農作物や人への威嚇などの被害が発生しているため、各自治体はさまざまな被害防止対策を実施しているのが現状です。
サルの食害は、野菜・果実を摂食すること(時に少しかじっては捨てるといった行動を取ることもある)で、静岡県でも以下の被害額が発生しています。
- 平成29年:2,900万円
- 平成30年:3,000万円
- 令和元年:2,500万円
- 令和2年:2,600万円
- 令和3年:1,900万円
- 令和4年:1,800万円
市街地に出没する野生のサルは、むやみに刺激を与えなければ人に危害を加えることはほとんどありませんし、そのまま放っておけば立ち去ってくれます。
しかし、人間がサルを刺激するような行動を取れば興奮して威嚇・攻撃してくることがあり、またエサを与えてしまうと人慣れして集団で市街地に出没、家屋への侵入や人間に対する威嚇といった生活被害や人身被害が発生しやすくなります。
市街地でサルを見かけたら、以下の内容を守り、被害に遭わないようにご注意ください。
- 近寄らない
- 目をあわせない
- 食べ物をみせない
- 食べ物をあたえない
また、サルは頭がよくドアや窓を開けて家の中に入ってくることもあるため、家の施錠などを忘れずにおこない、軒先やベランダに食べ物を放置しないようにしましょう(ごみの管理にもご注意を)。
ツキノワグマにも要注意!
静岡県の南アルプスや富士山周辺を中心とした山間部には、ツキノワグマが生息しています。
県内では令和6年度のツキノワグマ出没件数が過去最多となっており、令和5年度が121件だったのに対し本年度は11月12日時点ですでに129件にのぼっています。
市別であれば静岡市がトップで50件・次いで富士宮市が35件、浜松市で17件です。
秋は冬場の冬眠のためにクマの活動が活発になる時期であり、レジャーなどで山へ訪れる方も多いことから、特に遭遇率が高く恐れがあります。
クマの目撃情報が増加したことを受け、静岡県では2023年にクマ出没マップが作成されましたので、お住いの方や旅行などで静岡県を訪れる方はクマの出没情報は十分警戒しておきましょう。
クマによる人身被害はもちろん、農業や林業にも大きな影響をおよぼすことから、今後も警戒が必要な動物といえるでしょう。
その他警戒すべき獣類
警戒すべき獣類はその他にも複数存在しますが、特に家屋に棲みつく害獣に注意しておきましょう。
ネズミ・イタチ・ハクビシン・アライグマ・タヌキなどの中・小型の哺乳類が該当し、屋根裏や床下などに棲みついて繁殖、甚大な被害をもたらす恐れがあります。
【害獣がもたらす主な被害】
- 家の中の食材や、畑・家庭菜園などの食害
- 鳴き声や足音による騒音(夜行性のため夜間に発生しやすい)
- 糞尿による悪臭や建物の劣化
- 断熱材をかじって巣を作るなどの建物の損傷
- 感染症の発病、接触による怪我 など
ネズミを除く野生鳥獣の多くは鳥獣保護管理法などの法律によって管理されており、たとえ家の中で害獣被害が発生していても無許可で捕獲や殺傷ができません。
放置するほど被害が拡大し、防除や修繕にかかる費用も高額となるため、害獣や痕跡を発見したらできるだけ早めにプロの害獣駆除業者へ相談することをおすすめします。
鳥類による被害にも注意が必要!
鳥類による農作物への被害も軽視できるものではありません。
鳥類のなかで被害が発生しやすいのは、カラス・スズメ・ヒヨドリ・ムクドリなどが挙げられます。
カラス以外の鳥類は、一見すると害鳥という印象を受けないかもしれませんが、農家の方からすれば「農作物を食い荒らす」ため警戒すべき存在です。
また、カラスのように市街地でも甚大な被害をもたらすものもおり、特にカラスは日本各地でさまざまな対策が実施されています。
野生鳥獣による被害は自治体やプロの業者へ相談しよう!
野生鳥獣による被害は、放置するほど被害が拡大するため見つけ次第すぐに対策を講じなければいけません。
個人であれ法人であれ、まずはお住いの自治体へ相談してみるのがよいでしょう。
サポートの有無は範囲は自治体によって異なるため事前の確認は必須ですが、害獣被害への悩み相談・業者の斡旋・補助金の交付・捕獲機の貸し出しといったサポートを実施している可能性があり、被害権限の助力となってくれるはずです。
ただし、家屋に棲みつく害獣の場合、自治体が駆除まで実施してくれるケースは稀なため、防除依頼はプロの害獣駆除業者にお願いする必要があります。
害獣対策グッズを使って自身で侵入経路の封鎖や追い出しなどをおこなうことも不可能ではありませんが、多大な手間とリスクが発生し、適切な効果も得られる可能性も低いためあまりおすすめできません。
業者に依頼すれば、追い出しや駆除・侵入経路の封鎖・清掃や消毒などを徹底しておこなってくれるだけでなく、万が一被害が再発した際にも迅速かつ格安に対処してもらえます。
ただし、業者によってサービス内容や防除費用は異なるため、複数社に現地調査・見積もりを依頼し比較したうえで、より自身が安心・納得できる業者を選ぶことが重要です。
業者へ依頼することに不安を感じる場合は、まずお住いの自治体へ相談してみるのもよいでしょう。
まとめ
野生鳥獣による被害は全国各地でさまざまに発生しており、静岡県でも地域ごとに然るべき対策が講じられています。
ただし、野生鳥獣にもそれぞれの役割があり「迷惑だから駆除をすればよい」というわけでもなく、今後も人間と野生鳥獣がどのように共生していくかが重要な課題となるでしょう。
農作物への被害だけでなく、家屋に棲みつく害獣にも注意が必要です。
一般の方が害獣対策をすることには限界があり、かつ多大な手間をリスクを伴うため、もし実際に被害に遭っている・害獣や痕跡を目撃した場合は、被害が大きくなる前にプロの業者へ対処を依頼することをおすすめします。
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