アライグマを見つけたら?正しい対処法と目撃情報の連絡先について詳しく解説!被害確認の仕方もわかりやすく解説

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近年増加中の野生のアライグマは、農村部だけでなく都市部にも住みつくようになりました。

今まで身近にいなかったアライグマに偶然出会ったら、びっくりしてしまいますよね。

この記事では、アライグマに突然遭遇した方向けに以下のポイントを解説します。

  • 本当にアライグマ?アライグマとよく間違われる動物との比較
  • アライグマを見つけたときの対処法
  • アライグマの目撃情報をどこに伝えればよいか
  • アライグマの被害に遭っていないか確認する方法

アライグマは気性の荒い動物と言われていますが、全ての個体が好戦的な性格をしているわけではありません。正しく対処できれば問題は起きにくいので、以下の解説を読んでおけば安心です

本当にアライグマ?アライグマとよく間違われる動物との比較

アライグマとよく間違われる動物は3種類います。

  • ハクビシン
  • タヌキ
  • アナグマ

いずれも中型動物なので、特徴を知らないと見分けるのは難しいです。それぞれ生態が異なるため、種類を間違えると適切な駆除ができない場合があります

見分けるポイントを動物ごとに紹介するので、本当にアライグマだったか確認してみてください。

アライグマ

アライグマの特徴は以下のとおりです。

  • 目の周りが黒い
  • 白いおでこ
  • 額に黒い筋が通っている
  • 髭が白く長い
  • しっぽにしま模様がある
  • 細長い5本の指
  • 足跡が人間の手の形に近い

アライグマは夜行性で単独行動を好みます。ただ、母子で群れを形成することもあるので、必ずしも単独というわけではありません。

ハクビシン

ハクビシンの特徴は以下のとおりです。

  • 顔にハッキリとした白い筋がある
  • 長いしっぽ
  • 小さな前足と大きな後ろ足でそれぞれ異なる足跡を残す

ハクビシンは夜行性です。複数のねぐらを持ち、行動範囲が広いです。

タヌキ

タヌキの特徴は以下のとおりです。

  • 目の周りが黒い
  • ひげが目立たない
  • 比較的しっぽが長い
  • 犬のような足跡
  • 4本指

タヌキは夜行性の動物です。基本的には3~5頭でグループ行動をとると言われています。繁殖シーズンは数家族が集団行動する場合があります。

近年疥癬(かいせん)によって毛が抜け落ちたタヌキの目撃情報が増えています。疥癬という皮膚病によって毛が抜けると、体温調節がうまく機能せず、死んでしまいます。そのようなタヌキを見つけた場合は、疥癬の拡大防止のため関係施設へ連絡するとよいです。例えば東京都では、「人が近づいても逃げないくらい弱っていたところを発見した場合、段ボールやプラスチック製のポリバケツ等を被せ、重しを載せて確保していただければ、東京都が回収業者を伺わせ」るとホームページに書いてあります。ただ、タヌキが動き回れるうちは、無理に捕まえようとするのは危険です。

アナグマ

アナグマの特徴は以下のとおりです。

  • やや目の周りが黒い
  • 小さい耳
  • しっぽが短い
  • 足も短く胴長
  • 5本の指と犬のような形の足跡を残す

夜行性で、日中はトンネル状の巣穴の中にいます。11月下旬ごろになると冬眠を始めます。

アナグマの場合、市区町村などに連絡する義務はありません。

それぞれの動物の特徴はわかりましたか?

見つけた動物がアライグマ以外の動物の場合、目撃情報の連絡先や被害の確認の仕方が異なります

ハクビシンについては以下の記事で詳しく解説しているので、確認するとよいでしょう。

アライグマを見つけたときの対処法

野生のアライグマに遭遇したら、以下のポイントを守ってください。

  • アライグマに近づかない
  • アライグマにエサを与えない
  • アライグマに襲われたら傷口を洗って医療機関を受診する

順に解説していきます。

アライグマに近づかない

アライグマを見つけても近づかずに、静かにその場から立ち去りましょう

アライグマは好戦的な性格をしているわけではありませんが、野生動物ですから人間に対して警戒心を持っています。特に1~6月は繁殖シーズンのため、気性が荒くなりやすいです。また、狂犬病に罹患しているアライグマは凶暴化しているため、危険を感じたら速やかに逃げてください。

アライグマにエサを与えない

アライグマ含め、野生動物にエサを与えてはいけません

野生動物にエサを与えると、不幸な結果につながるからです。

野生動物は人間からエサを貰うことで、人間に近づけばエサを貰えると誤った認識を持ってしまいます。また、人間の食べ物は自然のものより栄養価や味に優れており、人間の食べ物の味を覚えた動物は本来の自然のものを食べなくなってしまうこともあります。人間の食べ物を求めて人間に近づき、トラブルに発展すると駆除の対象になりかねません。

また、エサをあげようと近づくと、アライグマに襲われてしまう可能性があります。アライグマは壁登りやジャンプなど身体能力に優れていて、力が強いです。思わぬ怪我を負ってしまうかもしれないので、アライグマにエサをあげようとしてはいけないのです。

アライグマに襲われたら傷口を洗って医療機関を受診する

万が一アライグマに襲われて怪我してしまったら、速やかに以下の行動を取ってください。

  • 患部を大量の水と石鹸で洗い流す
  • 医療機関を受診する

大事と感じる方もいるかもしれませんが、アライグマは以下の病原体を持っている可能性があります。

  • 狂犬病ウイルス
  • レプトスピラ菌
  • アライグマ回虫

思わぬ病気を発症しないように、以下に病原体と感染経路を解説していきます。

狂犬病ウイルス

アライグマは狂犬病の主要媒介者です。主に狂犬病ウイルスを持つアライグマに咬まれたり、引っ掻かれたりした傷口から感染します。国内での発症例は少ないですが、有効な治療法は確立されておらず、狂犬病ウイルスに感染するとほぼ100%の可能性で死に至ります。

狂犬病とは|国立感染症研究所

レプトスピラ菌

レプトスピラ菌は、全世界のさまざまな野生動物や家畜に存在すると言われています。主な症状は急性熱性疾患で、軽度なものから死に至るケースまであります。レプトスピラ菌は動物の尿中に排出され、その尿から感染します。そのため、アライグマの尿や尿で汚染された水・土壌などに触れないようにしてください。

レプトスピラ症とは|国立感染症研究所

アライグマ回虫

アライグマ回虫は、アライグマの小腸に寄生する寄生虫です。フンに紛れて外界に排出されます。アライグマ回虫が人体に寄生すると、致死的な中枢神経障害を引き起こすことがあります。原作地である北アメリカでは大人のアライグマの70%に寄生していると言われますが、日本ではまだ野生のアライグマから発見されたという事例は報告されていません。しかし、日本のとある観光施設でアライグマ回虫による脳幼虫移行症がウサギ群から発見された事例はあります。アライグマ回虫を保有している野生のアライグマが絶対にいないとは限りません。

アライグマ回虫の寄生を防ぐためには、アライグマのフンに近づかないことが大切です

アライグマのフンは直径2~3㎝で、雑食のため植物の種や動物の骨、昆虫の羽などが混ざっていることがあります。アライグマには一か所にフンをする習性があるため、アライグマのフンの周辺には決して近づかないようにしてください。

ちなみに、この寄生虫には煮沸など高温で処置することのみが有効です。

アライグマ回虫による幼虫移行症とは|国立感染症研究所

野生のアライグマは不衛生です。未知のウイルスを持っている可能性は0ではありません。ダニやノミなど疥癬やアレルギーの原因となるものも多く付着しています。もしアライグマによって怪我してしまったら、形成外科や皮膚科を受診してください。リンパの腫れや発熱の症状が見られる場合には内科を受診しましょう。

アライグマを目撃したら市区町村の自治体に連絡

アライグマの目撃情報は市区町村の自治体に連絡してください

アライグマは外来生物に指定されており、個体数の管理や防除計画の策定が行われています。自治体がその業務を担っているため、市役所などに連絡することをおすすめします。

自治体によっては、以下の対応を実施していることがあります。

  • ・アライグマの被害相談や被害解決のためのアドバイスの提供
  • ・害獣駆除業者の紹介
  • ・害獣駆除の許可
  • ・罠などの捕獲機の貸し出し

詳しい条件などによっては自治体によって異なるため、お住まいの自治体のホームページなどを確認するとよいです。

ただ、アライグマの駆除や捕獲は狩猟免許所有者でないと法律上できないため、注意が必要です。罠や捕獲機の使用も同様なので、狩猟免許を持っていない方は、被害相談やアドバイス、害獣駆除業者の紹介について聞いてみるとよいでしょう。

アライグマを捕獲する際の資格については以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方は読んでみてください。

アライグマの被害に遭っているかどうか見分けるポイント

「家庭菜園の作物に食べられた跡がある」「天井裏から物音が聞こえる」など最近気かかっている点はありませんか?もしかしたら、それはアライグマのしわざかもしれません。

以下の点に該当する場合、アライグマの被害に遭っている可能性が高いです。

【家屋の被害の特徴】

  • 天井裏・屋根裏から大きめの足音がする
  • 「クルクルクル」という鳴き声が聞こえる
  • 天井から悪臭がする
  • シミが天井にできた
  • 敷地内の柱や壁に爪痕のような傷跡がある
  • 屋根瓦や壁に泥汚れの人間の手のような形をした足跡がある
  • 通気口や軒下に動物が出入りできそうなスキマがある

【農作物の被害の特徴】

  • 人間の手の形のような足跡がある
  • 作物に丸い穴があけられている
  • 果物がきれいにもぎ取られている

アライグマは夜行性ですが、まれに昼間も活動します。雑食性なので、庭の魚や亀が被害に遭っていることもあるので確認することをおすすめします。

アライグマの被害を放置しておくと、どんどん被害が拡大してしまいます。特に春先は繁殖シーズンのため、被害が深刻化しやすいです。アライグマの被害に遭っていると気づいたら、早めに対策を講じましょう

アライグマの詳しい駆除については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ読んでみてください。

まとめ

この記事では、アライグマを見つけたときの対処法について解説しました。

アライグマはタヌキやハクビシンなど、他の中型動物とよく間違われます。アライグマでない動物だと、連絡先や被害の確認の仕方が異なります。見つけた動物が本当にアライグマだったか、まず確認してみることをおすすめします。

アライグマと遭遇したときは、アライグマを刺激しないように静かにその場から離れましょう。無闇に近づこうとすると、思わぬ怪我を負ってしまうかもしれません。野生のアライグマには、さまざまな病原体が潜んでいる可能性があります。もしアライグマに襲われて怪我してしまったら、患部を大量の水と石鹸で洗い流して速やかに医療機関を受診してください。

アライグマの目撃情報は市役所など各自治体に報告するとよいです。アライグマは特定外来生物に指定されており、個体数管理などが行われています。市役所を通じて地域にアライグマ出没の注意喚起をすることもできるので、連絡しておきましょう。

また、アライグマの被害に遭っている場合には、被害相談や害獣駆除業者の紹介をしてもらえることがあります。詳しくはお住まいの自治体のホームページなどを確認してください。

アライグマは住宅や農作物などにさまざまな被害を及ぼします。人間の手のような足跡があったり、アライグマの鳴き声や食べた痕跡が見つかったら、アライグマの被害に遭っている可能性が高いです

アライグマの被害を放置しておくと、被害状況は悪化していきます。アライグマのふん尿やダニなどによる健康被害や住宅被害、鳴き声や足音などの騒音被害、農作物被害や周辺の生態系への影響など、アライグマはさまざまな問題を引き起こします。被害解決のためには、早めの対策が重要です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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