ハクビシンのフンは感染症の元?生態と対策を徹底解説!

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皆さんはハクビシンという生き物を知っていますか?大変可愛い顔をした生き物で見た目はアライグマとよく似た生き物です。しかしハクビシンを見かけても決して油断をしてはいけません。
ハクビシンはそのフンや体に様々な菌を保有しています。今回はそんなハクビシンの生態に注目し、フンの有害性と対策について解説していきます。

ハクビシンってどういう生き物?


ハクビシンはネコ目ジャコウネコに分類される生き物で先述の通り、その見た目はアライグマによく似ています。体長は約90cm~110cmとされており、身体の大部分が灰褐色、四肢は黒色というのが特徴です。
 またアライグマとハクビシンの見分け方としては頭上から鼻先にかけての白い線状の模様、アライグマは眉間の黒い線状の模様という違いがあります。

性格は基本的には大人しく此方から危害を加えない限りは攻撃してくる事はありません。
木登りや小さな穴に入り込むので、私達の生活圏に侵入し屋根裏などに住み着いてしまう可能性があるのです。ハクビシンが住み着いてしまうと夜中に屋根裏を走り回る事で巻き起こる騒音被害や柱などを齧ってしまうという破損被害などが起こり、思わぬストレスや修繕費で悩まされてしまうという被害が報告されています。

ハクビシンのフンによって起こる病気について


それでは、ハクビシンのフンには一体どういう病原菌が含まれているのでしょうか?
ここからはハクビシンのフンについて注目し、そのフンの特徴と病原菌について解説していきます。

ハクビシンの糞の特徴

5cm~15cmほどの大きさ
フンの匂いは控え目
果物の種やトウモロコシなどの野菜が混じっている
食べている餌によってフンの色が変わる

またハクビシンは「ためフン」という習性を持っています。これはフンを一か所に溜め込んでしまうというもので放置してしまうとフンの重みで床が抜け落ちてしまう可能性があります。

ハクビシンのフンに含まれる病原菌

サルモネラ菌


サルモネラ菌は食中毒を引き起こす病原菌として知られています。症状は吐き気や下腹部の痛み、下痢などがあり、適切な治療や対処によっては比較的短時間で回復する事が多いようです。
しかし免疫の低いお年寄りや用事が感染した場合、脱水を引き起こし死に至る可能性があります。

エルシニア菌


エルシニア菌は、サルモネラ菌と同じく食中毒を引き起こす病原菌であり、一般的にはエルシニア食中毒と言われています。症状は主に腹痛、下痢、発熱などです。発症は主に2~3歳児に多いと言われていますが成人であっても感染する可能性はありますので注意が必要です。
小さいお子様がいる家庭では絶対にハクビシンのフンにお子様を近づけない様にしてくださいね。

トキソプラズマ


トキソプラズマはインフルエンザに近い症状が現れる病原菌です。
主な症状として体中の痛みや発熱などが見られますが重症化してしまうと感染が脳に広がってしまい失明の可能性が出てくる恐ろしい病原体です。また免疫能に障害がある場合、死に至る可能性もあります。

レプトスピラ菌


レプとスプラは高熱や悪寒が初期症状として現れる恐ろしい病気です。腹筋の筋痛が主な症状として現れるのが特徴と言われています。重症化した場合、鼻出血から、致死率が高いと言われている肺出血に至る場合もあります。

E型肺炎


約6週間の潜伏期間を経た後、発熱や全身の倦怠感などが現れる病気です。
殆どの場合は治ると言われていますが、重症化すると回復が数か月にも渡る上劇症肺炎に繋がるケースもあります。特に妊婦や年配の方が発症した場合劇症肝炎に発展する可能性もあり、死に至る事もあります。

ノミやダニによる皮膚炎やアレルギー


またハクビシンのフンには病原菌以外にもノミやダニが住み着いている場合があります。
ダニは最初フンの中で繁殖しますが数が増えて巣から溢れると人を指してしまうのです。ダニやノミもまた恐ろしい病原菌を保有している為、フンの放置などは避けた方が良いでしょう。

 ハクビシンのフンは恐ろしい病原菌を保有している事が分かりますね。
それ以外にもハクビシンのフンは放置しすぎてしまうと天井裏や屋根裏への破損被害が発生する場合があります。放置してしまうと大変な事になってしまうので早いうちの処理がお勧めです。

ハクビシンの対策を行う際の注意点


 またハクビシンへの対策には非常に重要な注意点があります。
それは無断での狩猟や捕獲は禁止されているという点です。ハクビシンを始めとした野生の鳥獣は
「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」によって守られています。
 もし捕獲や狩猟などでの対策を考えている場合は市に鳥獣捕獲許可を申請しなければなりません。これは非常に時間がかかる上に面倒くさい手続きなので、もし上記の対策を考えている場合は専門の業者に依頼する方が適切です。

ハクビシンの対策について


 それではいよいよ住み着いたハクビシンへの対策を解説していきましょう。ハクビシンへの対策はいくつかあり、中には自分で簡単にできてしまうものも多いです。
 しかしハクビシンは先述の通り、人間が危害を加えたと認識すると此方を攻撃してしまう場合があります。ハクビシンはフンだけでなくハクビシン自身にも病原菌を多く保有している為、難しい場合は専門業者への相談も有効な手段です。

侵入経路の封鎖


ハクビシンを退治する上で一番重要となって来るのが侵入経路の封鎖です。これをやらずにいるといくらハクビシンを上手く追い出せても、何度でも侵入されてしまいます。
ここで一度ハクビシンの侵入経路を確認してみましょう。

通気口からの侵入
床下から壁の隙間を登っての侵入
壁や屋根に出来た隙間からの侵入
屋根同士が重なっている隙間

以上が主な侵入経路であり、通気口からの侵入が一番多いと言われています。これに対する対策としては以下の方法がお勧めです。

通気口、換気口の穴を塞ぐ
ハクビシンの侵入が最も多い通気口には穴を塞ぐという手段がお勧めです。
この時、通気口や換気口は完全に塞いではいけません。
ハクビシン対策の際はパンチングメタルや金属製の金網を利用しましょう。
パンチングメタルや金網でしたら空気を通し、強度があるものも多いのでハクビシンの侵入に役立つはずです。

床下からの場合は、まず侵入口の特定から

 床下から登ってきている場合や床下に住み着いてしまっている場合は、まず床下のどこから入ってきているのかを特定しましょう。上記の項目でも解説した通り、ハクビシンは3cm~4cmの隙間があれば家屋内に入り込んできてしまいます。
 現在はホームセンターなどでも購入が可能なモルタルや隙間パテを利用して穴を塞ぐか、専門の業者に依頼して隙間を塞いでしまいましょう。

壁の隙間や屋根の隙間もモルタルや隙間パテで対策
 ハクビシンが屋根裏に侵入してしまっている場合、近くの木から登ってきたか、屋根の隙間から入り込んできた可能性があります。こういった場合も隙間パテやモルタルがお勧めです。
 可能であれば近くの木を伐採してしまう、近隣の屋根と近ければ屋根の隙間を埋めてしまいましょう。隙間パテやモルタルは商品によっては有害な成分が含まれている可能性がある為、使用の際はしっかりと使い方を確認しましょう。

 侵入経路を封鎖する上での注意点として、ハクビシンが住み着いた状態で封鎖するのは控えましょう。もし子供が生まれている場合などは親のハクビシンが子供を置いて行ってしまい、屋根裏などで死んでしまう可能性があります。
 しっかり出て行ったのを確認してから作業に取り掛かってくださいね。

忌避剤の使用


 ハクビシンを追い出す対策としてハクビシンが苦手とする匂いや、製品として売られている忌避剤を利用する手もあります。ハクビシンは嗅覚が非常に優れているので苦手とする匂いがある場合寄り付かなくなる効果が期待できます。
この時、忌避剤を撒く場所に注意してください。ハクビシンが既に住み着いてしまっている場合ハクビシンの侵入口付近に撒いてしまうと出ていかなくなってしまう可能性があるのです。
 侵入口から正反対の場所に忌避剤を撒き、ハクビシンが完全に出て行ったのを確認してから侵入口に撒く事をお勧めいたします。
 ではハクビシンの忌避剤としてはどういう物がお勧めなのでしょうか?ここでお勧めのハクビシン忌避剤をいくつか紹介していきます。

ハクビシンの苦手な唐辛子のエキスを含んだ忌避剤
ハクビシンが苦手とする唐辛子エキスの匂いでハクビシンを追い出します。
これには様々なタイプがあり、不織布タイプからシートタイプまであり、物によっては持続効果が長いものもある為、細かい取り換えが苦手な方にもお勧めです。

庭などに撒くタイプ
 ハクビシンが庭などの植物を荒らしてしまう場合は此方もお勧めです。先ほどのものと同じく唐辛子の成分がハクビシンを追い出してくれます。土に返ってくれるので回収の手間が省けるのが嬉しいですね。

ハクビシンの忌避剤は自作もできる?
 対ハクビシンの忌避剤は実は自作も可能なのです。自宅であるもので作れるので、応急処置などをしたいが忌避剤を買いに行く時間がない方にもおすすめです。
以下にハクビシン忌避剤の作り方を紹介いたします。

ニンニクや唐辛子を擦りつぶし、穴の開いたペットボトルに入れ、木酢液に混ぜる
木酢液を薄め、スプレーボトルに注ぎハクビシンの住みか付近に撒く
ハッカ油をスプレーボトルに薄めて注ぎ、撒く

ハッカ油や木酢液などはお近くのドラッグストアや通販などでも購入ができます。
またハクビシンは灯油の匂いも苦手なので冬場に灯油が余った時は古い布などに染み込ませ屋外に置くなどもできます。ただし灯油は引火性が強いので取り扱いの際は十分に注意してくださいね。

超音波などを使用する


ハクビシンは聴覚などもするどいので、超音波機器などを利用する手もあります。
超音波機器を使用する際に注意したいのが超音波の種類です。一種類しか音がないものを使ってしまうとハクビシンが慣れてしまう可能性があります。
超音波機器を利用する際は複数の音が出るものを購入しこまめに音の種類を変えてくださいね。

専門の業者に依頼する


 自身での対策が難しい場合は専門業者に依頼してみましょう。成功実績が多い会社ほど正確な作業内容を組み立てられますし、会社によっては10年の保証期間があるところも多いです。
複数社から見積もりを貰い、同じ内容でも保証期間やアフターケアの有無を確認し安い料金でハクビシンを対策できるかもしれません。

対策後にやるべきこと


 ハクビシンの対策はハクビシンがいなくなってからが重要です。ここで後処理を行ってしまうと匂いなどに反応したハクビシンが戻ってきてしまう可能性があります。

フンの処理
まずはハクビシンが残した糞を全て片付けましょう。この時決しては素手や軽装でハクビシンのフンに触らないでください。下記にてハクビシンのフンを処理する際に用意するものを紹介していますので是非参考にしてくださいね

不織布マスク
ゴーグル
髪が長い場合は髪ゴム
使い捨ての長袖長ズボン
ゴム手袋またはビニール手袋
ホウキと塵取り
可燃ごみ
強力除菌アルコール
雑巾
防腐剤

以上の準備が整ったらホウキと塵取りを使ってハクビシンのフンを可燃ごみ袋の中に入れましょう。口は二重にして閉じ、糞があった場所を除菌アルコールと雑巾を使用し拭き取ります。
ハクビシンのフンを処理する際は次亜塩素酸ナトリウムが含まれた除菌剤がお勧めです。次亜塩素酸ナトリウムは主にハイターなどに含まれています。
全てが終わったラハクビシンの糞尿によって床板などが腐らないように防腐剤を塗布しましょう。

まとめ


ハクビシンのフンによる病気とその対策、いかがでしたでしょうか?
ハクビシンを始め害獣に分類される生き物は放置してしまうと膨大な被害を引き起こしてしまうし、病気の元にもなります。自分での処理が怖ければ専門の業者に依頼する事も立派な対策になります。
害獣駆除ガイドでは様々な害獣、害虫への対策を様々な角度から解説しています。
是非他の記事もご確認ください。

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