害獣の一種であるハクビシンの被害に困り果て、対策法として「超音波」の使用を検討される方がいるかもしれません。
実際、ハクビシン対策として超音波は有効なのでしょうか。
本記事では、ハクビシンに対する超音波の有効性や効果的な対策方法についてご紹介します。
ハクビシンの被害に悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
目次
ハクビシンに超音波は有効?
本章では、超音波がハクビシンに有効かどうかをご紹介します。
超音波の仕組みや超音波がとくに有効な害獣についても、合わせて解説します。
結論:超音波はハクビシンには効果が薄い
結論からお伝えすると「超音波は、ハクビシンには効果が薄い」といえます。
その理由は「ハクビシンは人間に聞こえない超音波を聴き取れるものの、嫌がって逃げることはない」ためです。
これは、日本家畜管理学会・応用動物行動学会の研究により証明されています。
ただし「効果は低い」ものの「まったく効果がない」というわけではなく、たとえば周波数がいくつか変更できる超音波器や360度超音波を発生できるライト付きの装置など、工夫次第で追い出せる可能性はあるかもしれません。
ネズミやイタチなどほかの害獣を含めての対策であれば超音波も検討の余地に入るかもしれませんが、ハクビシン対策のみに利用するのであれば、超音波以外の対策を講じた方がよいといえるでしょう。
「超音波発生装置」とはどのようなものか?
動物のなかには人間よりも聴覚が発達し、人間には聞こえない音を聴き取れるものがいます。
超音波発生装置は「対象となる動物が嫌がる音を発生させ、ストレスを与え・追い出す」ための機械です。
人間には聴き取ることができない超音波を発するため、基本的に人に害をおよぼすことはありません。
ただし、お子さんや20代の若者など、聴覚が鋭い方(可聴領域が広い方)だと若干の拒否反応を示す可能性もあります。
また、犬や猫などと一緒に暮らしている方は、害獣駆除のために利用する超音波発生装置によってペットにも悪影響をおよぼすかもしれません。
犬の可聴領域は65Hz~50kHz・猫の可聴領域は65Hz~100kHzといわれており、ハクビシン駆除グッズとして販売されている超音波の周波数は「13Hz~28kHz」前後のものが多いため、犬や猫には超音波を聴き取れる可能性が高まってしまいます。
超音波発生装置は置くだけで簡単に利用できるものの、お住いの環境によっては多少の注意が必要といえます。
万が一、一緒に住む家族のなかで体調がよくないと感じる方がいれば、超音波の使用を中断し医師などに相談してみるといいでしょう。
超音波がとくに有効な害獣とは?
超音波が有効な害獣は「ネズミ」が挙げられます。
ネズミの可聴域は「200Hz~68kHz」であり、人間以上に音に敏感かつ警戒します。
ネズミは日本全国どこにでも生息しており、害獣駆除の被害がもっとも多いため、対策のために超音波を設置するのも有効といえるでしょう。
次点は「イタチ」です。
可聴域は「20Hz〜20kHz」といわれており、人間に聞こえない超音波を聴き取ることでストレスを感じ、その場を去る傾向にあります。
都心部を含めイタチの被害例は増大しているため、イタチの侵入対策として超音波を利用するのも有効といえるでしょう。
ただし、どの害獣にも共通していえることは「いずれ音に慣れてしまう」ことが挙げられます。
はじめのうちは超音波に警戒して離れることはあるものの「音に慣れる=自身にとって害はない」と判断すると、再び家屋内に浸入してくる可能性はあるかもしれません。
超音波発生装置は「一時的な追い出しには有効なものの、同じ周波数を発し続けていると効果は薄まる」ため、どの害獣にせよ+αの対策が必要となってくるでしょう。
ハクビシンを追い出す効果的な対策法
本章では、超音波以外でのハクビシンを追い出す効果的な方法をご紹介します。
(ほかの害獣対策を含め)超音波と併用するのもいいでしょう。
忌避剤を使用する
「忌避剤」(きひざい)とは、害虫など有害動物が苦手とする臭い・味などを利用して、家屋に近寄らないようにするため薬剤のことです。
(巣や出入り口付近に設置すると、より追い出し効果が期待できる)
ハクビシンに効果のある忌避剤は、ホームセンターやネット通販などで簡単に入手できるため、それを利用して家屋内や屋外(庭など)に設置するといいでしょう。
また、ハクビシンは唐辛子などの刺激臭を嫌う傾向にあるため、刺激臭を含む成分を配合した忌避剤を自身で作成することも可能です。
ただし、とくに「臭い」は経過とともに薄れていくため、効果が永久に続くわけではありません。
ハクビシンも少しずつ忌避剤の臭いや味などに慣れていく可能性もあるため、設置する忌避剤は適度に交換した方がいいといえるでしょう。
侵入経路を封鎖する
超音波発生装置や忌避剤などを利用してハクビシンを追い出すことに成功しても、侵入経路をふさがなければいずれ再侵入される可能性があります。
ハクビシンは帰巣本能が強い動物のため、追い出したあとは「侵入経路を封鎖する」ことが重要です。
ハクビシンの侵入経路としては、主に以下が挙げられます。
- 壁・屋根に空いた、わずかな穴や隙間
- 屋根同士が重なっている隙間
- 通風口
- 床下にある隙間 など
ただし、ハクビシンは直径9cmの円や1辺8cmの正方形ほどのわずかな隙間からでも侵入できるため、素人が自力で侵入経路をすべて見つけ出し、完全に封鎖することは困難といえます。
ハクビシンの被害に悩まされている方は、早々に害獣駆除業者に対策・駆除を依頼するのも一つの手段といえるでしょう。
柵を設置する
ハクビシンは家屋内だけなく、お住いの庭にも侵入していきます。
庭に植えられた植物、家庭菜園をしているご家庭なら野菜や果物にも被害がおよぶ可能性があるでしょう。
そのため、住環境によっては柵を設置することも効果的な対策といえます。
「柵を設置する=ハクビシンにエサとなるものを見せない」ことで、庭への侵入を防ぐことができます。
柵は「トタン板=薄い鉄板に亜鉛をメッキしたもの」を使用するといいでしょう。
柵を設置する場合は、以下の点に注意しておきましょう。
- 地面をならしてから設置する
- トタン板同士に隙間ができないようにする
- 高さは1m以上にする
- 庭の枝を剪定しておく
ハクビシンは、8cm四方の正方形・9cm直径の円というわずかなスペースでも通ることができるため、極力隙間を作らないように設置することが大切です。
加えて、ハクビシンは木登りが得意+1mもジャンプできる身体能力を有しているため、柵の高さにも注意しておきましょう。
柵の設置とともに、上記でご紹介した忌避剤を併せて使用するのも効果的です。
ハクビシンを寄せ付けない環境にする
上記でご紹介した対策だけでなく「ハクビシンを寄せ付けない」ための工夫も重要です。
【ハクビシンを寄せ付けない環境づくりの例】
- ゴミなど「エサ」となるものを表に出さない(片付ける)
- 作物をそのままにしておかない
- 雑草を定期的に刈る など
ハクビシンが好む環境を極力排除することで、侵入を防ぐことができるでしょう。
とくに害獣の「エサ」となるものは、ハクビシンだけでなくネズミなどほかの害獣にも共通して有効となるため、家屋内はできるだけ清潔に保つことをおすすめします。
ハクビシンは自力で駆除することはできない
ここまでにご紹介した方法は、あくまで「ハクビシンを寄せ付けない・再侵入させない」ための方法です。
要注意点として、ハクビシンは自身の判断で勝手に駆除することはできません。
その理由は、ハクビシンは「鳥獣保護管理法」によって勝手に駆除することが禁止されているからです。
被害にあったからといって自身の判断で勝手に駆除すると違反行為となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金を処される可能性があります。
また、ハクビシンだけでなく外から侵入してくる害獣は、さまざまな病原体を身体に有しているため、下手に触れると病気や感染症の原因となりかねません。
場合によっては命にかかわる事態にもなりかねないため、注意しておきましょう。
ハクビシンの被害は早めに駆除業者に依頼しよう!
ハクビシンの駆除は自身の判断で勝手におこなうことはできず、だからといって放置しているとお住いの住居や住民に多大な被害をおよぼす可能性があります。
対策しようにも素人では十分な対処が難しいことから、ハクビシンの侵入・被害に悩まされている方は、早々に害獣駆除業者に相談することが重要です。
害獣駆除業者に依頼すれば、ハクビシンの駆除はもちろん、侵入経路の封鎖や感染症予防のための清掃・消毒まで徹底しておこなってくれます。
駆除費用・サービス内容・アフターフォローの内容は業者によってさまざまに異なるため、相見積もりをとって複数の業者を比較し、自身が納得できる業者に依頼するといいでしょう。
相談・現地調査・見積もりまでは無料で対応してくれる業者も多いため、ハクビシンの被害に悩まされている方は、早めに害獣駆除業者に相談することをおすすめします。
ハクビシン対策のよくある質問
本章では、ハクビシン対策をするうえでよくある質問をご紹介します。
ハクビシンに「音」は有効?
ハクビシンは警戒心が強いため、大きな音を嫌う傾向にあります。
そのため、威嚇音など音を発する装置(ブザーやスピーカーなど)を設置するのも有効といえるでしょう。
ソーラーパネルが搭載された商品を選べば充電の心配もなく、設置するだけで簡単にハクビシンを撃退することができるかもしれません。
ただし「音」もいずれはハクビシンが慣れる可能性があり、そもそも大きな音が近隣住民の迷惑になる可能性もあります。
設置する場合は、十分な注意が必要といえるでしょう。
ハクビシンに「光」は有効?
ハクビシンは夜行性のため、強い光や点滅を苦手とします。
この特性を利用して、ライトを設置するのも有効といえるでしょう。
ホームセンターやネット通販にて、動物の侵入を感知して強いフラッシュを点灯させるものやセンサー式の害獣除けライトなども簡単に入手できるはずです。
ライトも、スピーカーと同じくソーラー充電式を利用すれば、手間なく長期間設置できることでしょう。
忌避剤・超音波・スピーカーなど、そのほかの対策法と同時併用するのも効果的であり、防犯対策にもなるかもしれません。
ただし、以下の点には注意しておきましょう。
- 費用がかかる
- 光に慣れて効果が薄まる(なくなる)可能性がある
- 侵入経路を把握して設置場所を調整する必要がある
- 住宅地だと近隣に迷惑がかかる可能性がある
周囲の方々へも注意しつつ、ハクビシンに対しては「あくまで一過性のもの」と考えつつ利用するのがよいといえるでしょう。
害獣駆除業者を選ぶ際に注意することは?
全国各地にさまざまな害獣駆除業者があり「公式サイトや口コミだけではよい業者かどうかが判断できない!」と悩む方もいるかもしれません。
害獣駆除業者を選ぶ際に意識することは「相見積もりをとる」ことです。
相見積もりをとる=複数の業者に見積もりを依頼することであり、見積もりを提示されるまでに複数の業者と接点を持つことになるでしょう。
その間に、業者の対応の良し悪しを判断できる可能性があります。
- 電話・対面時の対応がよくない
- こちらの質問に対して曖昧な返事をされる
- 見積もりの詳細が曖昧で説明がない
- そもそも、現地見積もりなどを渋られる など
駆除費用は、単に安ければよいというものではありません。
駆除の費用が安くても「駆除が不十分(再発の可能性が高い)」「アフターフォローがない」というケースもありますし、逆に駆除費用が高くても「しっかり対応してくれて満足度が高い」という可能性もあります。
費用だけで判断すると余計な駆除費用をあとから請求される可能性もあるため、相見積もりをとって「自身が安心して任せられる業者を選ぶ」ようにしましょう。
まとめ
ハクビシンの追い出しに対して、超音波はかならずしも有効な手段とはいえません。
ネズミやイタチなどほかの害獣に対しても超音波を利用するならばよいですが、ハクビシン単体に関しては忌避剤など別の手段を講じた方がよいといえるでしょう。
また、害獣駆除は一般の方(素人)では対策が不十分で再被害の可能性も高まるため、被害に悩まされている方は早々に害獣駆除業者に相談するのも一つの手段といえます。
被害が深刻化してからでは駆除費用が増えてしまうため「手に負えない」と判断した場合は早めに専門家に依頼してみましょう。
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