「屋根裏に動物が棲みついている気がする……」と気配を感じても、それがどの動物かを特定するのは難しいでしょう。
基本的に、動物は警戒心が強い+夜行性であることから、直接その姿を確認できることは稀です。
そんなとき、どの動物かを判別するための有効材料として、動物が残した「足跡」が挙げられます。
本記事では、害獣の一種であるアライグマの足跡(大きさや特徴)について詳しくご紹介します。
また、アライグマが身近に潜んでいる場合の対処法についても解説しておりますので、アライグマの被害が心配な方は、本記事を参考に対処を試みてください。
目次
アライグマの足跡の特徴
まずは、アライグマの足跡の特徴についてご紹介します。
アライグマによく似た害獣の足跡についても解説しておりますので、足跡を見つけた際の害獣の特定にお役立てください。
アライグマの足跡
アライグマの足跡は人間の足によく似ており、人間のようなくっきりとした5本指(親指と4本の指がくっついている)なのが特徴です。
また、アライグマは人間や犬などと違い「前足と後足がほぼ同じ位置に着地する」ことから、足跡が重なることもあります。
なお、アライグマは「かかと」まで地面に付けて歩けるほど足の長い動物です。
他の動物は指が短く、かかとを浮かせて歩くものが多いため、これも見分けるポイントの一つとなるでしょう。
他の動物との足跡の違い
アライグマによく似た動物としては「タヌキ」「ハクビシン」「アナグマ」などが挙げられます。
それぞれの特徴は、以下の通りです。
【アライグマ】
- 前足:長さ5.5cm、幅6cmほど
- 後足:長さ6.5~8cm、幅5~6.5cmほど
- 5本の指が長く目立つ足跡をしている
- 爪も長く鋭いため、足跡には爪痕も付く
【タヌキ】
- 前足・後足ともに長さ4cm、幅3cmほど
- 指と肉球の間が狭く、梅花に似ている
【ハクビシン】
- 前足:長さ5cm、幅4.5cmほど
- 後足:長さ10cm、幅4cmほど
- 細身の体格をしており、足跡が小さく・細め
- 前後の足が離れて着地するため、足跡が一直線に並んでいる
【アナグマ】
- 前足・後足ともに長さ6.5cm、幅5cmほど
- 鋭い爪が目立ち、5指が並んでいる
- 前後の足が離れて着地するため、足跡の左右の間隔が広い
アライグマによく似た足跡で見分けがつきづらいのは「アナグマ」でしょう。
体長も同じくらいではありますが、アナグマの方がずんぐりむっくりとした体型をしており、指が太い・爪も長いことから、足跡も大きく太い形をしています。
爪痕もくっきりと残っていること、加えて「アナグマは前後の足が離れて着地するため、足跡の左右の間隔が広い」という点もポイントです。
見た目が似ているタヌキに関しては、足跡に明確な違いがあるため、素人目でも判別はしやすいといえるでしょう。
足跡以外で見分ける方法
特徴的な足跡をしているとはいえ、素人が足跡だけでアライグマかどうかを判別することは難しいでしょう。
その場合は、他の項目も取り入れて総合的に判断してみましょう。
ここでは、足跡以外でアライグマかどうかを見分ける方法をご紹介します。
判別ポイント①:鳴き声や物音
アライグマは夜行性の動物であり、夜に(日暮れ~翌朝にかけて)活発に動き回ります。
アライグマ同士や敵と遭遇した際の鳴き声(威嚇音)や、屋根裏・壁の中をドタドタと歩く足音など、音だけでも存在を感知できる可能性があるでしょう。
とくに夜中に鳴き声や物音が聞こえてきた場合は、アライグマなど害獣が棲みついている可能性が高まります。
鳴き声や物音を通じて、アライグマの動きを確認してみましょう。
判別ポイント②:糞尿
アライグマの糞尿の臭いは非常に強烈であり、さらに「溜め糞」をする習性から一定箇所に糞尿が溜まりやすいといった特徴があります。
これはテリトリー主張の手段として利用されるものですが、放置するほど住人の健康や建物への被害が深刻化してしまいます。
アライグマの糞は「直径5~18㎝程度」の細長い形状をしており、雑食性ゆえに昆虫の羽・動物の骨・種子などが混ざっていることもあります。
糞尿の強烈な臭いは気づきやすく、かつ同じ場所に排泄物が溜まっていれば、アライグマが近くにいる可能性は高いといえるしょう。
判別ポイント③:ゴミ荒らしや掘り返し
アライグマは雑食性のため、芝生や花壇などを掘り返したり、ゴミ袋やゴミ箱を荒らしたりして、さまざまな場所で食べ物を探そうとします。
もし、ゴミが散らかっている(荒らされている)、土や草が掘り返された跡があるといった場合は、アライグマが潜んでいる可能性が高いといえるでしょう。
なお、アライグマは手先が器用であり、前足でゴミ箱のふたを開けてあさったり、ドアや窓を開けて侵入してくるケースもあります。
他の害獣にはない特徴を持っているため、アライグマの痕跡として有力といえるでしょう。
判別ポイント④:被害状況
すでになにかしらの被害を受けている場合は、その状況からある程度推測することも可能です。
たとえば、以下のような被害を受けている場合は、アライグマが棲みついている可能性が高いといえるでしょう。
- 天井にシミができている
- 毎日アンモニア臭を感じる
- 溜め糞が確認できる
- 農作物が荒らされている
- 家で飼っている魚や昆虫が食べられた など
このような場合、被害が現在進行形で進んでいるため、早急に対処が必要です。
「自身の手に負えない」「どうしたらいいかわからない」という方は、早めに害獣駆除の専門業者に相談してみましょう。
アライグマへの対策と注意点
一見すると可愛らしい動物ではあるものの、放置すればさまざまな被害をもたらすため、存在を認識したら早急に対処を施しましょう。
【主な被害例】
- 家・庭に侵入し、物を壊したり汚したりする
- 屋根裏・壁に穴を開ける、配線・断熱材を噛むなどで、火災や漏水の原因になりうる
- 感染症を媒介する可能性がある。
- 生態系のバランスを崩すことがある など
自身でできる対処法もいくつかありますが、できることには限界がある+注意点もあるため、本章にて対処法と注意点をご紹介します。
ただし、手に負えないと判断すれば、できる限り早めに専門業者に相談することをおすすめします。
自身でできる対処法
自身でできる対策としては「追い出し」と「侵入経路の封鎖」が主となります。
- 忌避剤などを利用し、棲みついているアライグマを追い出す
- 追い出しを確認してから、侵入経路を塞ぐ
内部にいる状態で侵入経路を塞ぐと、アライグマを閉じ込め・繁殖の原因となってしまうため、「追い出し」と「侵入経路の封鎖」は順番を守って実施しましょう。
ただし、アライグマは賢く・運動能力も高い生き物です。
手先が器用で力が強く・木登りも得意なため、封鎖が不十分であれば、強行突破される・高層階でも窓から侵入される恐れがあります。
自身でできることは「あくまで一時しのぎ程度」と考えておき、本格的な対策は専門業者にお願いするのが安心といえるでしょう。
むやみな接触は絶対に避けよう
アライグマは「身体にさまざまな病原菌や寄生虫を有している」「獰猛な性格をしており攻撃的」という点から、不用意に接触すべき動物ではありません。
とくに威嚇時は要注意で、たとえ自分より何倍も大きな人間であっても、臆することなく攻撃してきます。
触れることはもちろん、引っかかれたり・噛みつかれたりすると、狂犬病や破傷風などの重篤な病気に感染する危険性があるため、絶対に接触は避けてください。
なお、アライグマかどうかを外見で判断できる可能性がありますが、上記のことから近づくべきではありません。
いずれにせよ「アライグマっぽい動物を見つけた=害獣が潜んでいる」ことにつながるため、早急に専門業者に相談し対処すべきといえるでしょう。
許可なく駆除・捕獲はできない
アライグマは「鳥獣保護法」や「外来生物法」によって管理されており、法律によって捕獲・駆除が制限されています。
捕獲・駆除するには、お住いの自治体で手続きをする必要があり、もしこの法律を無視すると罰則・罰金の対象となってしまいます。
仮に被害を受けていても勝手な判断で対処できないため、被害が広がる前に専門業者に相談した方がよいでしょう。
アライグマの駆除は専門業者に相談しよう!
自身でできる対策には限界があり、かつ法律によって許可なく捕獲・駆除ができないことから、アライグマなど害獣の被害に遭われている方は、早めに害獣駆除の専門業者に相談することをおすすめします。
必要な手続き・駆除・清掃・除菌・侵入経路の封鎖・再発防止など、すべての作業を一貫しておこなってくれるため、手間と時間をかけずに住みやすい環境へと改善してくれます。
アフターサービスがしっかりしている業者であれば、万が一再発した際にも安心できるはずです。
自身で対処するに比べて駆除費用は高くなってしまいますが「自身で対処した結果、被害が拡大した」というケースもあり、被害が大きくなるほど駆除・修繕費用はより高額となってしまいます。
早めに依頼すれば、それだけ被害と費用を抑えることができ、長期的に安心して過ごすことができるはずです。
業者によって費用・サービス内容などは異なるため、依頼前に現地調査や相見積もりを取り、より自身が納得・安心できる業者を探してみましょう。
まとめ
アライグマは、日本の自然環境や人間の生活に大きな影響を与える「害獣」です。
見た目の可愛らしさに惑わされず、存在を感知次第、早急に対処すべきといえます。
もし自身で対処することに不安がある方は、無理をせず、早めに専門業者に相談してください。
人間とアライグマが共存できるよう、正しい知識をもって適切な対処をおこないましょう。
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