コウモリの被害にお悩みで、木酢液の効果をお調べですか?
結論、木酢液を使えばコウモリ駆除に一定の効果が得られます。しかし、完全に駆除するのは難しいため、根本的な解決にはならないでしょう。
この記事では、コウモリ対策に木酢液が効く理由や使用方法、コウモリを完全に駆除するための条件について解説します。コウモリ対策に木酢液を使いたい方や、完全な駆除を目指したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
コウモリ対策に木酢液は一定の効果がある

木酢液はコウモリ対策に一定の効果があります。木酢液がどのようなものか、コウモリ対策に効果がある理由などを見ていきましょう。
木酢液とは
木酢液とは、木炭を作る際に発生する煙を冷やし、液体状で抽出したものです。木を燃やすと出てくる煙から作られるため、焦げ臭さや酸っぱい臭いが特徴として挙げられます。
木酢液の用途としては、農産物を育てるための土壌の改良や堆肥の発酵促進として用いられるのが一般的です。また、化粧品や消臭剤のほか、これからご紹介するとおり「忌避剤」として用いられます。
コウモリに効果がある理由
コウモリ対策に木酢液が効果的なのは、特徴的な臭いが理由です。コウモリは、木酢液が発する刺激臭を嫌います。
例えば、雨風や寒さをしのげる軒下や屋根裏、室外機の裏など、コウモリが好む場所に木酢液を散布することで、臭いを嫌ってコウモリが寄り付きにくくなるでしょう。
また、木酢液と同様に匂いの強いハッカ油やミントも、コウモリに一定の効果があります。ハッカ油・ミントの有効性について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
完全なコウモリ駆除までは行えない
コウモリ対策に一定の効果がある木酢液ですが、完全なコウモリ駆除までは行えません。主な理由は、以下の3つです。
1.あくまで忌避剤として有効
2.効果が永久に続くわけではない
3.コウモリには帰巣本能がある
まず、コウモリは木酢液を嫌いますが、あくまで忌避剤として有効です。追い払うことはできても、根本的な駆除はできません。
また散布してから時間が経つと、木酢液の臭いが薄まり、忌避剤としての効果も弱まります。仮に木酢液で対策を続けるのであれば、継続して散布する手間が生じるでしょう。
さらに、コウモリには帰巣本能があるため、少しの隙間があるだけで、また元の場所に戻ってきてしまいます。
コウモリ対策に木酢液を用いる場合には、あくまで一時的に効果があるものだと理解して使用しましょう。
木酢液を使ったコウモリ対策の方法

木酢液を使ったコウモリ対策について、方法を確認しておきましょう。
駆除に適した木酢液を選ぶ
コウモリ対策では、駆除に適した木酢液を選びましょう。具体的には、以下のような木酢液がおすすめです。
・pH値が3前後で酸性が強すぎないもの
・見た目が澄んだ茶色で沈殿物がないもの
・粘度が高くないもの
「pH値」とは、液体の酸性・中性・アルカリ性を示す数値で、数値が小さいほど酸性が強く、数値が大きいほど強いアルカリ性であることがわかります。
pH値が3前後の弱酸性である点や、サラサラで沈殿物が生じていないことを確認して選ぶと良いでしょう。
木酢液の製法・品質はさまざまで、中には有害物質を含む粗悪品もあります。質の悪い木酢液を選ぶと安全性が低く、健康被害につながる場合もあるため注意が必要です。
具体的には、塗料や接着剤が付いた木材から作られた場合や、燃やす際に排煙口の温度が200度近い高温だったケースでは、人体に有毒なホルムアルデヒドやベンツピレン類が多く含まれているでしょう。
ホルムアルデヒドはアレルギー反応や皮膚炎を引き起こし、ベンツピレン類は発がん性が認められています。いずれも、命の危険につながる恐れがある化学物質です。
木酢液を選ぶ際には、金額の安さに惑わされずに、駆除に適した良質なものを選びましょう。
参考:農林水産省「薬効及び安全性の検討を行った木酢液について」
参考:日本木酢液協会「木酢液・竹酢液Q&A」
なお、木酢液以外にもコウモリ対策として有効なものがあります。コウモリに有効な対策グッズについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
希釈する
木酢液は、原液をそのまま散布せずに希釈して使いましょう。原液で使うと刺激が強く、肌に付着した場合の炎症や、散布箇所付近の植物へ被害が生じる恐れもあります。
具体的には、2〜5倍を目安に希釈して、ペットボトルや霧吹きを用いて散布すると良いでしょう。
適切な濃度の木酢液を散布することが、効果的なコウモリ対策につながります。
コウモリが集まる場所に散布する
駆除に適した木酢液を正しく希釈した後は、実際に散布を行います。コウモリが集まる場所に適切に散布しましょう。
具体的には、コウモリが好む軒下や壁の隙間、出入りを確認している箇所に集中的に散布します。
なお、木酢液の散布はあくまで忌避であり、完全な駆除にはつながらないことは押さえておきましょう。
根本から解決するには「侵入経路の封鎖」が必須

木酢液はコウモリ対策に一定の効果があるものの、根本的な解決にはなりません。コウモリ被害を根本から解決するには「侵入経路の封鎖」が必要です。
侵入経路を封鎖する理由
侵入経路を封鎖する理由は、コウモリには追い出しても戻ってくる性質があるからです。
例えば、木酢液を使ってコウモリを一時的に追い出せても、コウモリには回帰性があるため、しばらくすると元の場所に戻ってきてしまいます。根本的な解決を先延ばしにすると、被害が拡大する恐れもあるでしょう。
コウモリの習性を踏まえたうえで完全に駆除するには、侵入してくる場所を完全に封鎖することが不可欠なのです。
封鎖作業で注意するポイント
コウモリを完全に駆除するための封鎖作業では、以下のような点に注意が必要です。
・侵入箇所によっては高所作業が必要で危険をともなう
・少しの隙間でも見落とすと駆除できない
・鳥獣保護法にも配慮が必要
屋根や外壁の隙間など、侵入箇所が高所の場合には、個人での作業は難易度が高いでしょう。また、少しの隙間でも見逃すと完全に駆除できません。
さらには、コウモリが鳥獣保護法によって、許可なく捕まえたり殺傷したりできないことにも注意が必要です。
参考:e-GOV法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」
コウモリ対策をするなら専門業者への依頼がおすすめ

コウモリの被害にお困りで、対策をお考えの方には専門業者への依頼をおすすめします。
専門業者に依頼することで、侵入経路が小さな隙間の場合や、屋根や外壁の高所にある場合でも、適切かつ安全な対策が可能です。
ただし、業者ごとに知識やスキルはピンキリのため、どこに依頼しても良いわけではありません。信頼できる専門業者を選ぶことが大切です。
なお、一般の家庭で害獣駆除を行う場合の注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしていただき、信頼できる専門業者への依頼をご検討ください。
コウモリ被害でお悩みなら協会の無料相談をご活用ください

コウモリ被害にお困りの方は、「日本有害鳥獣駆除・防除管理協会」の無料相談をご活用ください。
「日本有害鳥獣駆除・防除管理協会」では、薬剤の開発や害獣に関する教育や研究、情報提供など、環境に配慮した害獣対策に取り組んでいます。
ご相談いただく内容は、「信頼できる業者が選べない」「そもそもコウモリによる被害なのか確かめたい」など、どんな些細なものでも問題ありません。コウモリ対策における安全性や健康面のことなど、不安の解消にお役立てください。
まとめ

この記事では、コウモリ対策における木酢液の有効性や使用方法、コウモリを完全に駆除するためのポイントについて解説しました。
コウモリ対策に木酢液は一定の効果があります。ただし、根本的に解決するには侵入経路を完全に封鎖しなければなりません。
侵入経路の特定や封鎖作業には専門性が求められます。専門業者に依頼することで、高所作業による危険性や、完全に封鎖できずに再度コウモリが発生するリスクを避けられるでしょう。
専門業者への依頼をご検討いただき、ご不安な面は協会の無料相談もぜひご活用ください。
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