コウモリに噛まれたらまずすべきこと!感染症のリスクについても解説

コウモリ

「コウモリに噛まれてしまった」「感染症の危険がないか心配」と不安になっていませんか?コウモリは都市部や住宅地にも生息しており、場合によっては人を噛むこともあります。

コウモリはウイルスや細菌を媒介する可能性があり、間違った対処をすると重大な健康被害に繋がりかねません。

本記事では、コウモリに噛まれたらまずすべきことを詳しく解説します。コウモリに噛まれることで発症する感染症や死亡例、家屋への被害や専門機関への相談方法まで分かりやすく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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1. コウモリに噛まれた場合にまずすべきこと

コウモリに噛まれた時は、落ち着いて迅速に対応することが大切です。最初の行動次第で、その後の感染症リスクを大きく減らすことができます。

ここでは、コウモリに噛まれた直後に必ず行うべき応急処置と受診の流れを解説します。

1-1. まずは傷口を洗う

噛まれた傷口には、唾液を介して病原体が含まれている可能性があります。そのため、できるだけ早く流水と石けんで15分以上洗いましょう

アルコール消毒などの消毒液があれば、洗浄後に使用すると効果的です。また、水洗いよりも石けんを使うほうが殺菌作用が期待できます。

参考:厚生労働省「狂犬病に関するQ&Aについて」

1-2. 病院で診断を受ける

洗浄後は、必ず医療機関を受診してください。受診すべき診療科は、「外科」「皮膚科」「内科」 のいずれかです。

傷口の処置や感染リスクの判断は外科や皮膚科が対応し、感染症に対するワクチン接種などは内科が担うケースが多いです。迷った場合は救急外来を受診し、状況に応じて適切な科へ案内してもらうのが安全です。

また、受診時には、コウモリに噛まれた経緯を正確に伝えましょう。コウモリとの接触を伝えないと、一般的な外傷処置で終わってしまう可能性があります。狂犬病ワクチンや抗ウイルス薬などの処置が必要となる場合もあるため、必ず専門的な診断を受けることが大切です。

参考:国立健康危機管理研究機構「狂犬病」

2. コウモリに噛まれることで発症する感染症

コウモリは様々なウイルスや細菌を保有している可能性があります。そのため、コウモリに噛まれた場合、その唾液や血液を介して人に感染症を引き起こす危険があるのです。

ここでは、代表的な感染症の特徴とリスクを解説します。

2-1. SARS

SARSとは、重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome) の略称で、コロナウイルスの一種によって引き起こされる感染症です。2002年から2003年にかけて中国を中心に流行し、世界で8,000人以上が感染、約800人が死亡したと報告されています。

主な症状は高熱や咳、全身の倦怠感で、重症化すると呼吸困難や肺炎を発症することがあります。SARSがコウモリから人へ直接感染した事例は限られていますが、媒介動物を通じて感染が拡大する可能性があるため、注意が必要です。

参考:国立健康危機管理研究機構「SARS」

2-2. ヒストプラズマ症

ヒストプラズマ症は、コウモリのフンに生息する真菌によって感染します。コウモリに噛まれた場合だけでなく、乾燥したフンを吸い込むことで発症する可能性がある点が大きな特徴です。そのため、コウモリが大量に集まる洞窟や屋根裏などでは感染リスクが高まります。

症状は発熱・咳・倦怠感など風邪に似ていますが、軽症の場合は自然に回復することもある一方で、重症化すると肺炎や全身性の感染に進行する恐れがあります。特に、免疫力の低い人や高齢者はリスクが高いため注意が必要です。

コウモリのフンが溜まった環境を放置すれば、ヒストプラズマ症の感染リスクが高まるため、コウモリのフンの自己処理は避け、専門業者に依頼するのが安全です。

参考:国立健康危機管理研究機構「ヒストプラズマ症」

2-3. リッサウイルス感染症

リッサウイルス感染症とは、狂犬病ウイルスと同じ属に分類されるウイルスによって発症する病気です。日本での発症事例はなく、特にオーストラリアやヨーロッパの一部地域で、コウモリを介した人への感染例が報告されています。

感染経路は、コウモリに噛まれることや、傷口や粘膜に唾液が触れることです。発症すると、まず発熱や倦怠感などの初期症状が現れ、その後は神経系に影響が及び、頭痛・めまい・麻痺・けいれんなどを伴います。発症後の致死率は非常に高いとされています。

また、このウイルスは潜伏期間が数週間から数か月に及ぶことがあり、症状が出るまで感染に気付けない点も注意が必要です。治療法は確立されておらず、感染が疑われる段階ですぐに医療機関を受診し、ワクチン接種などの予防的措置を受けることが不可欠です。

参考:国立健康危機管理研究機構「リッサウイルス感染症」

2-4. 狂犬病

狂犬病は、コウモリを含む哺乳類が媒介する最も危険な感染症の一つです。

狂犬病ウイルスに感染すると、まず発熱や頭痛、全身の倦怠感といった風邪に似た初期症状が出ます。その後、神経系に影響が及び、幻覚や麻痺、恐水症(飲み水を怖がる症状)など特有の神経症状が現れます。最終的には呼吸障害や心不全を引き起こし、一度発症すればほぼ100%死亡するとされる極めて致死率の高い病気です。

ただし、日本国内では、近年狂犬病の発症例は報告されていません。これは予防接種制度や検疫体制が機能している結果です。しかし、海外では依然として毎年数万人が狂犬病で亡くなっており、アジアやアフリカでは深刻な問題となっています。

参考:国立健康危機管理研究機構「狂犬病」

3. コウモリが原因で死亡することはある?

結論として、コウモリが原因で死亡することはあります。特に狂犬病やリッサウイルス感染症は致死率が極めて高く、適切な処置をしなければ死亡する可能性が高いです。

「日本では狂犬病はないから安心」と思う方もいるかもしれませんが、海外では、コウモリが原因の死亡例が確認されています。特にオーストラリアでは、コウモリに関連したウイルスにより複数の死亡例が報告されており、直近でも感染に関するニュースが取り上げられています。

そのため、コウモリに噛まれたら、応急処置を行ったうえで、すぐに病院を受診することが大切です。

参考:時事通信社「コウモリにかまれ男性死亡 ウイルス感染、保健当局が注意喚起―豪」

4. コウモリを放置するとこんな被害も

コウモリを家の中や屋根裏に放置すると、健康被害だけでなく生活環境そのものに悪影響を及ぼします。特に、フンや尿によるニオイや建物の劣化は時間が経つほど深刻になり、修繕費用も膨らむことが多いです。

ここでは、噛まれるリスク以外のコウモリ被害について解説します。

4-1. 家屋の劣化

コウモリは屋根裏や壁のすき間といった、人目につきにくく暖かい場所を好んで住み着きます。最初は数匹でも、繁殖によって数が増えれば、コウモリ被害は一気に拡大します。

フンや尿が木材に染み込むと腐敗やカビの発生を招き、家全体の耐久性を下げる原因となりかねません。特に木造住宅では被害が深刻化しやすく、放置すると天井が抜け落ちたり、断熱材がボロボロになったりすることもあります。

さらに、フン尿によってシロアリやゴキブリなどの害虫が発生するケースもあり、二次被害の危険性も避けられません。住宅の資産価値を下げることにも繋がるため、屋内に侵入したコウモリは放置せず、早めに対応することが大切です。

コウモリによる家屋の被害については、以下の記事で詳しく解説しています。

4-2. 大量のフンによる悪臭

コウモリのフンは独特の強いアンモニア臭を放ち、フンが大量に溜まると、悪臭が屋内全体に広がります

特に、夏場は温度と湿気の影響で悪臭が強まり、窓を開けても解消されないほど不快なニオイが広がります。こうした悪臭は、日常生活に大きなストレスを与え、近隣住民への迷惑にも繋がりかねません。

また、コウモリのフンはカビや細菌の温床になりやすい点も注意が必要です。乾燥したフンを吸い込むことでヒストプラズマ症を発症する危険もあるため、コウモリのフンは早期の対応が不可欠です。

コウモリのフンによる被害については、以下の記事で詳しく解説しています。

5. コウモリ被害でお悩みなら協会の無料相談をご活用ください!

「コウモリのニオイに困っているが、どこに相談すればいいか分からない」など、深刻なコウモリ被害にお困りの方は、ぜひ「日本有害鳥獣駆除・防除管理協会」の無料相談をご活用ください

日本有害鳥獣駆除・防除管理協会は、コウモリをはじめとした鳥類・害獣による家屋被害に対し、安全で安心な生活環境を守るための防除・管理を専門とする団体です。

経験豊富な担当者が状況を聞き、効果的な対策のアドバイスや専門業者探しをお手伝いします。「こんな相談をしてもいいのだろうか?」と迷うような内容でも、もちろん大丈夫です。ぜひお気軽にご相談ください。

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  • 獣の特定
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まとめ

コウモリに噛まれた場合は、すぐに傷口を洗い、病院を受診することが大切です。狂犬病やリッサウイルス感染症など、命に関わる感染症のリスクがあるため、必ず早期対応を行いましょう。

また、コウモリ被害を放置すると、建物の劣化や悪臭被害が進行し、衛生面のリスクも高まります。個人での完全なコウモリ対策は難しいため、専門協会や業者への相談を積極的に活用しましょう。

日本有害鳥獣駆除・防除管理協会では、無料相談を行っているため、コウモリの被害でお困りの際はぜひ一度ご相談ください。

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