「夜になると、家の軒先やベランダに、羽音や小さな鳴き声が聞こえる…」そんな経験はありませんか?それは、コウモリが夜間に一時的に集まる「ナイトルースト」かもしれません。
ナイトルーストは放置すると、フンや尿による悪臭や汚染、ノミ・ダニの発生、さらには建物の劣化といった被害を招く恐れがあります。健康面・衛生面のリスクも高いため、早めの対策が大切です。
本記事では、ナイトルーストの仕組みや発生しやすい時間帯を詳しく解説します。効果的な追い払い方法や侵入防止策、さらに法律上の注意点まで分かりやすく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定

1. コウモリの「ナイトルースト」とは?発生しやすい時間帯も解説

ナイトルーストとは、コウモリが一時的に羽を休めたり、餌を食べたりするために集まる場所のことです。日中に寝泊まりする「ねぐら」とは違い、ナイトルーストはあくまで活動の途中に立ち寄る休憩地点のような存在です。
例えば、夕方にねぐらを飛び立ったコウモリが、餌場へ向かう途中や餌探しの合間に立ち寄る場所がナイトルーストにあたります。休息場所としては、雨風をしのげて、外敵から身を隠せる環境が選ばれやすく、建物の庇や外壁の隙間、ビルの軒先、倉庫の梁などが典型的な例です。
コウモリは主に夜行性で昆虫を捕食しますが、街灯や住宅の灯りには多くの虫が集まります。そのため、餌を効率よく確保できる住宅街は、コウモリにとって非常に魅力的な狩場です。さらに、住宅街は外敵が少なく、建物によって雨や風を避けられる場所が多く存在するため、結果的にナイトルーストに適した条件が揃っています。
また、ナイトルーストが発生しやすい時間帯は、日没後から明け方までの間が多いです。
- 日没直後(18:00〜20:00頃):活動を始める前に仲間と合流したり、短時間休憩する。
- 深夜(0:00〜2:00頃):餌場での活動の合間に休息を取り、再び狩りに向かう。
- 明け方前(4:00〜5:00頃):ねぐらに戻る前に最後の休憩を行う。
このように、一晩のうちに何度も同じ場所に立ち寄ることがあり、そのたびにフンや尿が落ちるため、短期間でも被害が目に見えて広がることがあります。羽音や甲高い鳴き声が夜間に聞こえたり、同じ場所にフンが溜まっている場合は、ナイトルーストが行われている可能性が高いです。
注意すべきなのは、ナイトルーストは本来一時的な行動ですが、同じ場所が使われ続けると次第にコウモリが安心して長時間滞在するようになり、やがて昼間も居座る「ねぐら化」してしまう可能性があることです。そうなると被害はさらに悪化し、駆除や防除の難易度も高まります。
また、ニオイなどの衛生被害だけでなく、木材や外壁の劣化、害虫の発生など二次的な被害にも繋がるため、早めの対策が大切です。
参考:国立環境研究所 侵入生物データベース「アブラコウモリ」
2. コウモリのナイトルースト対策

コウモリのナイトルーストは、一度発生すると同じ場所を繰り返し利用されやすく、被害が長期化する恐れがあります。被害を防ぐには、早い段階で適切な対策をすることが大切です。
ここでは、家庭で簡単にできる、効果的なナイトルースト対策を紹介します。
2-1. 忌避剤・くん煙剤を使って追い払う
コウモリは特定のニオイや煙を嫌うため、市販されている忌避剤やくん煙剤を使うことで一時的に追い払うことができます。
忌避剤には、吊り下げて長期間効果を持続させる固形タイプ、狙った場所をピンポイントで処理できるスプレータイプ、屋根裏や倉庫など広い範囲をまとめて処理できるくん煙タイプなどがあります。
ただし、忌避剤・くん煙剤は雨や風で効果が薄れるため、定期的な交換を行いましょう。
安価で手軽に購入できる忌避剤「ハッカ油・ミント」については、以下の記事で詳しく解説します。
2-2. 侵入経路を封鎖する
忌避剤で追い払っても、コウモリは同じ場所に戻ってくる習性があるため、物理的に侵入経路を塞ぐ必要があります。
侵入経路を塞ぐためには、外壁や屋根はコーキングで隙間を埋め、通気口には防虫網やパンチングメタルを取り付けます。また、換気扇や排気口には専用カバーを設置して侵入を防ぎましょう。
コウモリの換気口対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
3. コウモリのナイトルーストを放置した場合の被害

ナイトルーストは一時的な行動ですが、放置すると短期間で被害が拡大する危険があります。フンや尿、建物の劣化、害虫の発生など、生活環境が悪化しかねない問題が次々と起こるため、早めの対応が不可欠です。
ここでは、具体的にどのような被害が起こるのかを詳しく解説します。
3-1. フンによる汚染
ナイトルーストが行われる場所の下には、短期間でフンがどんどん溜まります。そして、溜まったフンが乾燥して粉状になり、空気中に舞うことで、ヒストプラスマ症などの感染症を引き起こす恐れがあります。
特に、小さな子どもや高齢者は感染症にかかるリスクが高いため、注意が必要です。
コウモリのフンについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
3-2. 家屋への侵入による建物の老朽化
ナイトルーストが長期間続くと、コウモリが屋根裏や壁の隙間などから家屋内部へ侵入し、ねぐらとして利用し始めることがあります。そして、屋内に入り込んだコウモリは、糞尿によって木材や壁材を腐らせ、断熱材をかじるなどの被害に繋がるのです。
また、湿気や汚れが蓄積するとカビが発生しやすくなり、家の寿命や室内環境にも悪影響を及ぼします。
3-3. ノミ・ダニの発生
コウモリの体にはノミやダニが寄生していることがあり、ナイトルーストによって長く居座られると、それらが人やペットに移る恐れがあります。
ノミ・ダニに噛まれると、強いかゆみや発疹が出るだけでなく、アレルギー症状を引き起こすこともあります。特に、寝室やリビングの近くで発生すると被害が広がりやすいため、注意が必要です。
コウモリによる被害については、以下の記事でも詳しく解説しています。
4. コウモリ対策はプロへ依頼するのがおすすめな理由

コウモリのナイトルーストは、一度発生すると追い払っても再び戻ってきやすく、ニオイや建物の劣化など深刻な被害を招きます。高い場所での作業や法律の制約もあり、「自分でやるのは難しい」と感じている方も多いかもしれません。
ここからは、プロに依頼することで安全かつ確実にコウモリ被害を解消できる理由について、分かりやすく解説します。
4-1. 高所の作業は怪我のリスクがある
ナイトルーストが行われる場所は、屋根の庇や外壁の高い位置など、不安定で足場の悪い場所が多く見られます。こうした場所での作業は、バランスを崩して転落する危険があり、素人が行うにはとても危険です。
専門業者であれば安全装備や作業経験があり、怪我のリスクを最小限に抑えながら確実にコウモリ対策を行えます。
4-2. 鳥獣保護管理法を遵守する必要がある
日本に生息するアブラコウモリを含むコウモリ類は、鳥獣保護管理法によって捕獲や殺傷が原則禁止されています。もし繁殖期や子育て中の時期などに誤ってコウモリを処理すると、法律違反となり罰則を受ける可能性があります。
そのため、コウモリ対策は必ず法律を理解した専門業者に依頼し、適切な時期と方法で安全に行いましょう。
鳥獣保護管理法については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
参考:e-GOV法令検索「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」
5. コウモリ被害でお悩みなら協会の無料相談をご活用ください

「どんな業者を選べばいいの?」「どのくらいの費用で頼めばいいの?」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ「日本有害鳥獣駆除・防除管理協会」の無料相談をご活用ください。
日本有害鳥獣駆除・防除管理協会は、コウモリをはじめとした鳥類・害獣による家屋被害に対し、安全で安心な生活環境を守るための防除・管理を専門とする団体です。
経験豊富なスタッフが現場の状況を丁寧にヒアリングし、専門業者を探すお手伝いや、個人でできるコウモリ対策についてご案内します。ぜひお気軽にご相談ください。
- 対処方法
- 業者選び
- 害獣の特定

まとめ
ナイトルーストとは、コウモリが夜間に一時的に羽を休めたり、餌を食べたりするために集まる場所のことです。
ナイトルーストを放置すると、ニオイや建物の劣化、ノミ・ダニの発生など、健康面・衛生面に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、早い段階で追い払いと侵入経路の封鎖を行うことが大切です。
自力での対応が難しい場合は、安全に作業できる専門業者に依頼しましょう。日本有害鳥獣駆除・防除管理協会では、無料相談を行っているため、コウモリの被害でお困りの際はぜひ一度ご相談ください。
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