害虫対策にはパテが有効!パテの種類や選び方・害虫の主な侵入経路を解説

害獣・害虫別

ゴキブリなどの害虫は、台所や洗面台などの排水管まわりの隙間から侵入してくることがあります。

また、害虫の侵入だけでなく下水の臭いが上ってくる原因にもなり得るでしょう。

こういった隙間を「パテ」で塞ぐことで、害虫の侵入や下水の臭いなどを軽減することができるかもしれません。

本記事では、害虫の侵入を防ぐためのパテの種類や選び方についてご紹介します。

加えて、害虫の主な侵入経路・予防手段についても解説しておりますので、害虫の被害を危惧される方は、ぜひ本記事を参考に対策してください。

「パテ」ってなに?

本章では、パテの特徴や種類についてご紹介します。

パテにもいくつかの種類があり、用途に応じて使用するタイプが異なるため、状況に応じて使い分けていきましょう。

パテは壁のひび割れや隙間を補修するための建築材料である

粘土のようにやわらかく・自由に形を調整することが可能なため、サイズは形状に関係なく、あらゆる凹み・傷・穴の補修が可能です。

時間経過によって乾燥したあとは、表面を研磨することで滑らかにできます。

ただし、パテそのものは下地処理用の建築材料であり、使用する壁のデザインによっては、研磨しただけだと見た目が馴染まないケースもあります。

色合いなどを気にされる場合は、上から塗装を使うことで補修の跡が目立たなくなるでしょう。

パテの種類について

パテには、以下のように複数の種類が存在します。

  • 合成樹脂エマルション系パテ
  • 石膏系パテ
  • 炭酸カルシウム系パテ
  • エポキシパテ
  • 耐火パテ
  • 瞬間接着パテ

以下、それぞれの特徴を解説していきましょう。

合成樹脂エマルション系パテ

合成樹脂エマルション系パテは扱いやすい・研磨性に優れるといった特徴のあるパテです。

特に、室内ボード類・モルタル・コンクリート壁の補修に利用される傾向があります。

また「有害物質を含まない」「耐火性が比較的高く、引火の危険性が少ない」という強みもあります。

ただし、その一方で水や湿気に弱いという注意点もあるため、水回りなどの補修には不向きといえるでしょう。

石膏系パテ

石膏系パテとは、水と練り合わせることで硬化させるパテのことです。

粒子が粗いため、石膏ボードのジョイント処理やビス穴の充填などの下地用に向いているでしょう。

ただし、水と練り合わせてから一定時間で硬化するため、使用する量や水と練り合わせた後の作業を素早くおこなう必要があるといった注意点もあります。

もし、初めての穴埋めパテとして使用する場合は、少々扱いが難しいといえるかもしれません。

炭酸カルシウム系パテ

炭酸カルシウム系パテは、石膏系パテと違い水と練り合わせなくても「乾燥させるだけ」で硬化でき、主に仕上げ時に利用されます。

  • 樹脂が多く配合されており、水分によって軟化しにくい
  • 強度の低下に起因する接着不良・はがれなどが起こりにくい

上記のような点が強みといえるでしょう。

また、充填や硬化後の研磨がしやすいため、比較的扱いやすい穴埋めパテといえます。

エポキシパテ

エポキシパテは、エポキシ樹脂の主剤に硬化剤を練り合わせることで硬化させるパテです。

  • 硬化すれば金属のように硬くなり、薬品への耐性にも優れている
  • 商品によって金属用・木部用・プラスチック用などが用意されている

上記のような特徴があり、素材に合わせた使い分けこそ必要なものの、さまざまなタイプの補修に使えることが強みの一つといえるでしょう。

ただし「硬化前のエポキシには毒性がある」ことから、皮膚に触れないようにゴム手袋などを着用して使用してください。

耐火パテ

耐火パテとは、その名の通り「熱に強く・燃えにくい」穴埋めパテのことです。

湯沸器・ストーブなどの排気管付近といった、高温になりやすい場所への使用に向いています。

また「不燃材料」として国土交通大臣の認定も取得しているため、防火区画貫通後の補修・排気管接合部の隙間・煙突に空いた穴など、不燃材料の利用が規定されている箇所の補修材としても使用できます。

ただし、プラスチック・樹脂・木材・ゴムなどには使えない点にはご注意ください。

瞬間接着パテ

瞬間接着パテは、粉と液を混ぜ合わせて使用するパテのことであり、その名の通り「接着力が非常に強い」という特徴を持っています。

瞬間接着剤と同様に、乾燥するまでの時間が早いため、傷または小さな穴などのちょっとした部分を補修するのに適しているといえるでしょう。

害虫の主な侵入経路はどこ?

体長の小さな害虫は、ほんの小さな隙間からでも侵入してきます。

この章では、家屋のなかでも特に害虫の侵入経路として多い箇所をご紹介していきましょう。

トイレ・排水管

ゴキブリなどの害虫は、排水管などの隙間から侵入してくるケースがあり、この隙間をパテで塞いでおくとよいでしょう。

また、トイレの便器や使っていないシンクの配管などから侵入してくる恐れもあります。

便器やシンクのなかには「水封トラップ」という水が溜まっており、これによって下水道から害虫や臭いが室内に登ってこないような工夫がされています。

しかし、ゴキブリの場合は成虫・幼虫ともに最低でも0.5~5cmは潜水できることが確認されており、トイレやシンクの水封トラップも突破できる能力があると判明しました。

これらの対処法としては「日ごろから便器のフタを閉じる」「内側に先輩をかけておく」「ごみ取りキャップやごみ取りネットをつけておく」といった方法が挙げられます。

排水管の隙間を埋めることはもちろん、上記対策も意識しておくとよいでしょう。

ブレーカー周りの隙間や壁の穴

ブレーカーや配管周りの壁に開いた穴(隙間)も要注意ポイントであり、特に古めの物件でこれらが見受けられる可能性が高まります。

たとえば、古いブレーカーはスイッチ・コード用の穴が大きく空いているタイプがあり、それが害虫の侵入経路になっているケースがあります。

また、エアコンの配管用に開いたスリーブ穴にも注意が必要です。

こうした隙間は、パテで埋めておくとよいでしょう。

外壁などのひび割れ

外壁など壁のひび割れも、害虫の侵入経路の一つとなり得ます。

壁のひびをそのままにしておくと、そこから害虫が侵入し、棲みつく・卵を産み付けるといった被害が発生する可能性が高まります。

害虫の被害はもちろん、放置するほど内部の木材の劣化し耐久性や耐震性が落ちてしまうため、ひび割れを見つけたら早めにパテで補修しておくとよいでしょう。

その他の侵入経路

害虫の侵入経路は、上記以外にもさまざまに存在します。

パテで補修できる箇所ではないものの、害虫の被害を未然に防ぐためにも、その他の侵入経路も把握しておくとよいでしょう。

網戸・ドアの隙間

ゴキブリのように1年中活動している害虫も多いものの、害虫は基本的に多湿・高温である梅雨や夏場に出没する可能性が高く、この時期は窓を開けて過ごす方も多いでしょう。

窓を開ける際は網戸で害虫の侵入を防ぎますが、網戸とサッシの間にはわずかな隙間があり、この隙間から害虫が侵入してくるケースが考えられます。

特に、網戸やサッシは経年で劣化していくため、使い古したものほど隙間が生じやすくなるでしょう。

また、「水切り穴」(サッシの雨水を抜くための穴)から侵入する、「モヘアテープ」(網戸と窓の隙間を埋めるアイテム)の繊維を掻き分けて侵入してくる可能性もあります。

網戸を使用する際は、隙間テープなどで塞ぐことがおすすめであり、その場合は気密性のあるパッキンタイプを選ぶとよいでしょう。

換気扇・通気口

台所の換気扇や通気口の隙間からも、害虫が侵入するケースが多いといえるでしょう。

台所の換気扇は、食べ物のにおいや油汚れがあるため、害虫を引き寄せる原因となり得ます。

加えて、換気のために床下・壁の通気口は開きっぱなしとなることが多いため、ここが害虫の出入り口になることもあるでしょう。

換気扇や通気口には、フィルターや防虫網をつけて予防するのがおすすめです。

出かけた際に衣服や購入した荷物に付着する

  • 外出時の衣服
  • 購入した荷物
  • 観葉植物やウッドチップ
  • 庭やベランダに置いている植木鉢やガーデニング用品
  • 宅配の荷物 など

害虫は自然界に生息する生き物のため、どうしても外部から侵入してきます。

ここまで言い出すとキリがないともいえますが、「害虫を絶対に家に入れたくない」という場合は、帰宅時や荷物を室内に持ち込む際に衣服や荷物をチェックする習慣をつけておくとよいでしょう。

特に、商品購入・運搬時に活用されるダンボールには要注意です。

ダンボールは「虫が好む湿度と暗さを満たしやすい」「適度な隙間に卵を産みやすい」「害虫の餌になる」といった点で、害虫にとって絶好の場所といえます。

ゴキブリはもちろん、ダニ・チャタテムシ・シロアリといったさまざまな害虫が繁殖する可能性があるため、ダンボールは基本的に放置せず、早めに捨てたほうがよいといえるでしょう。

「ひび割れ」に要注意!

防除対策をおこなっても害虫の被害が続く場合は、建物そのものにヒビがあるケースが考えられるため、以下のような屋内から見えない場所・手が届くにくい場所まで調べてみましょう。

  • 屋上や屋根の継ぎ目・ヒビ
  • 天井や天袋の継ぎ目・ヒビ
  • 壁や床下の継ぎ目・ヒビ など

建物の補修は場所によりけりではありますが、壁ならパテ・天井ならテープを貼ることで対策できる可能性があります。

普段あまり意識しない場所までチェックし、必要に応じて補修をおこなっていくとよいでしょう。

パテを選ぶ際のポイントとは?

パテにもさまざまな種類が存在するため、そのなかから適切なものを選んで購入するのは難しく感じるかもしれません。

選択時のポイント①:用途

パテの種類は以下のようにさまざまであり、商品によって使用に適した用途が異なります。

  • 壁のひび割れ
  • 穴の補修
  • 壁紙のめくれ補修
  • 塗装仕上げされた木部の凹み補修
  • 珪藻土の傷補修 など

どの部分に適しているかは商品に記載されているため、用途に応じて適した商品を選ぶとよいでしょう。

また、パテのなかには複数の用途で使用できるタイプもあります。

商品サイズの大きなパテは使いきれずに残ってしまうことも多いですが、複数の用途で使える商品であれば、中身を使い切りやすく・無駄になることが少なくなるでしょう。

選択時のポイント②:使いやすさ

パテを使うことが初めてor慣れていないという方は、使いやすさも考慮して商品を選ぶとよいでしょう。

初心者が比較的扱いやすいパテとしては、たとえば以下が挙げられます。

  • 合成樹脂エマルション系パテ
  • 炭酸カルシウム系パテ
  • 瞬間接着パテ

なかには、ヘラを使わず手で充填できるタイプもあり、ボンドや接着剤のような感覚で使えるものもあります。

こうした商品であれば、初心者でも扱いやすいといえるでしょう。

対応が難しい場合はプロに相談するのもおすすめ

「害虫の被害が心配…」「害虫に対してどう対処したらよいかわからない」という方は、害虫駆除を専門とする業者に相談してみるのもよいでしょう。

害虫の侵入経路は多岐に渡るため、一般の方がすべてを対処しきるのは至難の業です。

保証が充実している業者であれば、万が一被害が再発した際も無料(格安)で対処してくれるため、中・長期的に害虫の被害に悩まされずに済むでしょう。

業者を利用する際は、かならず「相見積もり(複数の業者に見積もりを依頼すること)」を取り、複数の業者の費用やサービス内容を比較したうえで依頼することをおすすめします。

まとめ

害虫の侵入経路は非常に多く、特に「隙間(穴)」から侵入するケースが多いとされています。

排水管や壁の穴・ブレーカー周りの隙間・外壁のヒビなど、害虫が侵入しやすい隙間はパテで塞ぐことで、害虫の侵入・被害をある程度防ぐことができるかもしれません。

パテにもさまざまな種類が存在するため、用途や使いやすさを考慮して、購入するものを決めてみてください。

また「害虫の被害が手に負えない」「害虫の被害がどうしても心配…」という方は、自力で対処するよりも、害虫駆除の専門業者に相談してみるのもよいでしょう。

被害が軽微であるほど防除にかかる費用は安く済むため、早め早めの対策が重要といえます。

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