梅雨くらいの湿気の多い季節に、羽の生えたアリを家の中で見かけたことはありませんか?
大事な家が、いつのまにか白蟻被害で柱がスカスカに…なんてことがあったらとてもショックを受けますよね。
白蟻(シロアリ)は、私たちの生活において見過ごされがちな存在ですが、その被害は非常に深刻です。
この記事では、白蟻の生態や被害の実態、そしてその対策について詳しく解説します。
白蟻の基礎知識
白蟻は、昆虫綱ゴキブリ目シロアリ下目に属する昆虫で、名前にはアリと付きますが、実際はアリとは異なる昆虫です。
白蟻は、木材や枯れ木を主な食料とし、地下に巣を作り社会的な生活を送ります。
日本には、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリなどが生息しており、それぞれ特徴や羽アリの群飛条件が異なります。
白蟻の問題はその被害にあります。
白蟻被害は、主に木造住宅に対して発生します。
白蟻は木材を食べるため、住宅の柱や床下、壁などが侵食され、建物の構造が弱くなります。
特に、イエシロアリは大規模なコロニーを形成し、短期間で大きな被害をもたらすことがあります。
白蟻は、生態系や自然界においても重要な役割を果たしています。
彼らは木材や枯れ木を分解し、土壌に栄養を供給することで、森林の健康を保つ役割を担っています。
また、白蟻は他の動物にとっても重要な栄養源となっています。
だからといって、住宅に大きなダメージを与える可能性がある白蟻を見つけても、そのまま放置しておくのはリスクがあります。
白蟻の問題は、私たちの生活に直接影響を与える重要な問題です。
白蟻の被害を防ぐためには定期的な点検と予防対策、被害を見つけた際には白蟻駆除が必要となってきます。
彼らの生態や被害の実態を理解し、適切な対策を講じることで大切な家を守りましょう。
白蟻被害の兆候と予防策
家庭で見られる白蟻被害のサイン
サインには、目で見て気づけるものと、目に見えない兆候があります。
目に見える兆候
蟻道(ぎどう)
白蟻が作るトンネル状の道で、土や糞でできています。
床下の基礎や建物外周部で見かけることがあります。
蟻土(ぎど)
白蟻が木材を食べる際に表面を覆うための土です。
円状や扇状に広がって作られます。
木材の亀裂
白蟻は木材の内側を食べるため、外側に亀裂が生じます。
亀裂の中に土が詰まっていることが多いです。
羽アリ
春先(4月~5月)に見られることが多く、室内で発生した場合は既に被害が進行している可能性があります。
目に見えない兆候
床鳴りや床の沈み
床を歩いたときに異常な音がする、または沈む場合、床下の木材が白蟻に食べられている可能性があります。
木材の空洞音
壁や柱を叩いたときに軽い音がする場合、内部が空洞になっている可能性があります。
白蟻被害を未然に防ぐ方法
被害が進行する前に予防策を講じることが重要です。
まずは、白蟻被害を未然に防ぐための具体的な方法を紹介します。
定期的な点検
専門業者による点検
専門業者による定期的な点検を受けることで、早期発見が可能です。
特に、春先(4月~5月)は気温と湿度が上がり白蟻の活動が活発になります。この時期に点検を行うことが推奨されます。
また繁殖期でもあり、新しい巣を作るなど、被害が拡大する時期でもあります。
自分でできる点検
床下や基礎部分、外壁の周囲を定期的にチェックし、蟻道や蟻土、木材の亀裂などの兆候がないか確認します。
湿気対策
換気の徹底
床下や屋根裏の換気を良くすることで、湿気を減らし、白蟻の好む環境を作らないようにします。
湿気がこもりやすい住居の場合は、床下換気扇や通気口を設置することも効果的です。
床下の構造を理解して設置しないと床下環境を悪化させてしまう可能性もありますので、専門業者に調査と設置を依頼することが推奨されます。
隣家が近い場合や、水のあるところのそばは湿気が溜まりやすく要注意です!
水漏れの修理
水道管や排水管の漏れにより湿気が発生していることがあります。
早期に修理し湿気の原因を取り除きます。
特に、浴室やキッチン周りは注意が必要です。
防蟻剤の使用
木材の処理
新築時やリフォーム時に、防蟻剤を木材に塗布することで、白蟻の侵入を防ぎます。
防蟻剤は、専門業者に依頼するか、市販のものを使用することができます。
土壌処理
建物の周囲の土壌に防蟻剤を散布することで、白蟻の侵入を防ぐことができます。
特に、基礎部分や庭の木材が直接地面に接している場所は注意が必要です。
建物の設計と施工
基礎の高さを確保
建物の基礎を高く設計し、木材が直接地面に接しないようにすることで、白蟻の侵入を防ぎます。
防蟻シートの設置
基礎部分に防蟻シートを設置することで、白蟻の侵入を物理的に防ぐことができます。
専門家に依頼する部分と、自分でもできる部分がありますが、上記が白蟻被害を未然に防ぐためできる対策です。
早期発見・早期対策ができるように心がけましょう。
白蟻駆除の方法
被害がすでに出てしまい駆除が必要になった場合にどうすればよいでしょうか。
自分でできる白蟻駆除法と、プロに依頼する場合をご説明します。
自分で駆除を行う場合には安全に注意して行いましょう。
自分でできる駆除方法
ベイト工法
ベイトステーションを設置し、白蟻が餌を持ち帰ることで巣全体を駆除します。ホームセンターなどで購入可能です。
バリア工法
白蟻が侵入しないように薬剤を建物の周囲に散布します。こちらもホームセンターで薬剤を購入できます。
薬剤(防蟻材)を使用する場合には、手袋やマスクを着用し、換気を十分に行いましょう。
ペットを飼っていても使用しやすいものや、繁殖しにくくするものなど様々なタイプがあるので状況に合ったものを使用してください。
ネオニコチノイド系薬剤
特徴: 残効性が高く、少量で効果を発揮します。臭いが少なく、人やペットに対しても安全性が高いです。代表的な薬剤にはイミダクロプリドやクロチアニジンがあります。
合成ピレスロイド系薬剤
特徴: 即効性があり、低温でも効果を発揮します。家庭用の殺虫剤にも使用されることが多いです。代表的な薬剤にはビフェントリンやペルメトリンがあります。
フェニルピラゾール系薬剤
特徴: 忌避性がなく、白蟻に気づかれずに効果を発揮します。伝播性が高く、他の白蟻にも効果が伝わります。代表的な薬剤にはフィプロニルがあります。
ホウ素系薬剤
特徴: 防腐効果もあり、目薬の防腐剤としても使用されるほど安全性が高いです。ただし、水に溶けやすいため、湿気の多い場所には不向きです。
IGR剤(脱皮阻害剤)
特徴: 白蟻の成長を阻害し、繁殖を防ぎます。長期間にわたって効果を発揮します。
プロによる白蟻駆除サービス
自分自身ではどうしても安全性を確保した上での駆除や、効果の出る駆除が難しいこともあります。
白蟻駆除の専門業者に依頼することも検討しましょう。
専門業者に依頼する場合、まずは家全体を調査し、白蟻の被害状況を確認します。
床下や壁の中など、目に見えない部分も徹底的にチェックします。
被害の程度や家の構造に応じて、駆除の規模も変わってきます。
主な方法には、薬剤散布、ベイト工法、バリア工法などがあります。
再発を防ぐため、アフターケアや定期点検を行ってくれる業者もあります。
信頼できる業者を選ぶ際には、複数の業者から見積もりを取り、資格や実績、保証内容を確認することが重要です。
白蟻駆除後の対策
駆除後のメンテナンスと監視
せっかく白蟻駆除を行っても、再度繁殖してしまっては意味がありません。
今まで被害があった箇所から移動し、違うところから被害がでることもあります。
駆除の後も定期的に観察をし再発を防ぐことが重要です。
白蟻被害の兆候と予防策でも紹介しましたが、新たな巣を作られていないか観察するようにしてください。
専門業者に依頼した場合は、アフターケアや定期点検の相談をしてみましょう。
まとめ
白蟻駆除の重要ポイントで、未然に防ぐ方法から、白蟻発生後にできる対応までご紹介しました。
目に見えないところで被害が拡大している可能性があるのが白蟻の被害の怖いところです。
隣家が駆除を行ったことで、土中から伝ってくることもあります。
市販の薬剤を使って自分でできる対策もありますが、安全を確保しながら効果のある駆除を行うのは難易度が高いです。
白蟻発生の兆候を見つけたら、被害が大きくなる前に、専門業者に依頼し被害を全貌を確かめることをお勧めします。
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