賃貸で害虫が発生!害虫対策する上での「賃貸ならではの問題」とは?

その他

はじめに

暑くなるこれからの時期に、多くの人々の悩みの種となる「害虫
害虫は毎年毎年さまざまな被害をもたらし、面倒な対策を迫ってくる厄介な存在で、対策に要する時間や手間、さらには経済的・心理的負担は決して少なくありません。
害虫被害が発生する要因はさまざまにありますが、多くの場合、自分自身の管理不足によるところが大きいでしょう。
しかしこと賃貸においては、一つの建物に多くの居住者が共同生活している性質上、原因や責任が曖昧になりがちです。
そこで今回は、害虫対策する上での「賃貸ならではの問題」を深掘りしていきたいと思います!

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結婚を機に夫婦でマンション暮らしを始めてから2年になるんだけど、夏になると結構な数のゴキブリが家の中に出るの!
実家暮らしの時は滅多に見なかったから、どうしたらいいか分からないわ…。

害虫被害

言うまでもなく害虫は、私たちの生活に多大な悪影響を及ぼします。
それは健康被害、建物への被害、そして心理的な被害と多岐に渡り、生活の質を著しく低下させるものです。
この項では、数多の害虫の中でも特に一般的な蜂、ダニ、ノミによる健康被害、シロアリによる建物への被害、そしてゴキブリや蚊による心理的な被害について詳しく解説します。

健康被害

蜂による健康被害は、主に刺傷によるものです。
刺されると毒によって患部が腫れ、痛みや痒みを伴う拒絶反応を起こしますが、普通は数時間から数日で治る程度の症状に留まることが多いです。
しかし、アレルギー反応を持つ人にとっては深刻な問題となります。
蜂に複数回刺された経験がある人の体内には抗体が生成され、抗体によって誘発されたアナフィラキシーショックは命に関わるほどの重篤な症状を引き起こすのです。
蜂の中でも、特にスズメバチアシナガバチは攻撃性が高く、巣に近づくと集団で襲ってくることがあります。
これにより同時に複数箇所を刺されるリスクが高まり、重篤な症状を引き起こす可能性がさらに増します。

ダニ

ダニはとても小さな虫で、人間の皮膚に潜り込んで血を吸う吸血性昆虫に分類されます。
毒は持っていませんが、刺されるとアレルギー反応によって痒みや皮膚炎を引き起こすことがあるほか、空気中に漂った微細なダニの糞や死骸を吸い込むことはアレルギー性鼻炎や喘息の原因にもなります。
ダニによるアレルギー症状が命に関わることは稀ですが、慢性的な鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなどは、日常生活に支障をきたす厄介なものです。
重症化すると喘息発作を誘発し、呼吸困難に陥る危険性もあります。

ノミ

ノミもまた、人間やペットに対して健康被害を引き起こす吸血性昆虫です。
ノミに刺されると、強い痒みが生じ、掻きむしることで皮膚が傷いて二次感染のリスクも高まります。
さらに、ノミはペスト、バルトネラ症などの深刻な病気を媒介することがあり、黒死病などの歴史的なパンデミックの原因にもなった存在です。
ノミは特にペットを飼っている家庭にとって大きな問題となります。
ノミに刺されると患部には小さな赤い斑点ができ、しばしばペットに激しい痒みを与えて睡眠の質が低下をもたらし、日中の活動に影響を及ぼすことがあります。
また、ノミが媒介する病原体により、ペットのみならず飼い主にも健康被害が及ぶ可能性があります。

建物への被害

シロアリ

シロアリは、建物に対して最も深刻な被害をもたらす害虫の一つです。
シロアリは木材に含まれるセルロースを栄養源とし、木造建築物の構造を内側から侵食します。
シロアリの被害は外から見えにくいため、気づいたときにはすでに建物の構造に深刻なダメージが及んでいることが多く、賃貸であれば木造のアパートなどが格好の餌食となります。
シロアリの被害が進行すると、建物の床や壁が歪み、最悪の場合は倒壊の危険性もあり、発見が遅れるほど被害範囲が広がり、修復費用も増大します。
これは建物全体の構造に影響を与えるため、居住者の安全にも直結する重大な問題です。
特に、水漏れがある場所や湿気がこもりやすい場所は巣を作られやすく、被害が広範囲に及ぶことが多いです。

心理的な被害

ゴキブリ

ゴキブリは、多くの人々にとって強い不快感や恐怖を引き起こす害虫です。
見た目に似つかわしくない俊敏な動き、黒々と反射する光沢は、その姿を見ただけで人をパニックに陥れる不気味さを持っています。
また、ゴキブリの存在は衛生面でも大きな問題となります。
排水管や生ゴミの中を縦横無尽に移動するゴキブリには様々な病原菌が付着しており、その体で貯蔵された食品に接触することで食中毒などを誘発します。
具体的にはサルモネラ菌、大腸菌、ノロウイルスといった病原菌を媒介するため、ゴキブリが触れた床、食器、家具などに間接的に触れること自体が健康リスクを伴います。
さらに、ゴキブリの繁殖力は非常に強く、一度家庭内に侵入すると短期間で大量に増えることがあります。
そのためゴキブリが家庭内に出現すると、そうした不快感や衛生に対する不安から心理的なストレスが増大するのです。

蚊は、とても身近で煩わしい害虫として知られた存在です。
命に関わる事態に発展するケースは稀ですが、刺傷による痒みは何日も渡って続き、強い不快感をもたらします。
就寝中に耳元で鳴る蚊の飛行音が虫刺されの恐怖を喚起することによって、慢性的な睡眠不足やノイローゼに陥ることも珍しくありません。
これにより、日常生活における疲労感が増し、生活の質が低下します。
さらに、蚊が媒介する病気(マラリア、デング熱、ジカウイルスなど)の存在も、心理的な不安を増大させます。
蚊が多い地域では、これらの病気に対する恐怖が常に付きまといます。
これにより屋外での活動が制限され、夏のレジャーや旅行も楽しめなくなることがあります。

対策方法

前項で紹介したような害虫被害は日本のどの家庭でも起こり得る問題であり、こうしたリスクと無関係でいることは不可能と言ってよいでしょう。
しかし、適切な知識を駆使した対策を行うことで、被害を軽減することは難しくありません。
そこで本項では、害虫の種類ごとの対策法を「予防」と「駆除」の2ステップに分類して簡潔に解説したいと思います。

1. 蜂の対策

1.1 予防法

蜂は主に春から初夏に活動が活発になり、特に巣作りを行います。予防策としては次のことが重要です。

  • 定期的な巣のチェック:春先になると蜂は新たな巣を作り始めるため、家の周りや屋根裏などの隠れ場所を定期的にチェックしましょう。
  • 食べ物の管理:屋外で食事をする際は、食べ終わったらすぐに食べ物や飲み物の残りを片付け、蓋を閉めることが重要です。
  • 植物の選定:蜂を引き寄せる花や植物を避け、代わりに蜂を寄せ付けない植物(例:ラベンダー、ローズマリー、ペパーミント)を植えることを検討します。

1.2 駆除法

  • 蜂駆除スプレーの使用:市販の蜂駆除スプレーを使用し、蜂の巣に直接噴射することで駆除します。操作は夜間に行うのが安全です。
  • 専門業者の利用:特に大規模な巣や危険な場所にある巣の場合は、専門の駆除業者に依頼するのが安全で効果的です。

2. 蚊の対策

2.1 予防法

蚊は湿地や水たまりで卵を産み、夏から秋にかけて活動が活発になります。予防策には次のことが役立ちます。

  • 水たまりの除去:庭やベランダなどの水たまりを定期的に取り除きます。
  • 網戸の設置:窓やドアに蚊取り網を設置し、室内に蚊が侵入するのを防ぎます。
  • 虫除け対策:蚊取り線香や虫除けスプレーを使用し、室内外での蚊の活動を抑えます。

2.2 駆除法

  • 電撃蚊取り器の設置:室内に電撃蚊取り器を設置し、蚊を捕獲・駆除します。
  • 蚊取りベープの使用:長時間効果が持続する蚊取りベープを使用し、室内の蚊の発生を防ぎます。

3. ゴキブリの対策

3.1 予防法

ゴキブリは暗くて湿った場所が好きで、食品の残りカスやゴミを餌にします。予防策には次のことが有効です。

  • キッチンやダイニングの清掃:食品のカスや残り物をこまめに掃除し、ゴキブリの餌場をなくします。
  • 食品の密封:食品を密閉容器に保管し、ゴキブリが餌を見つけにくい状態にします。
  • 隙間の封鎖:家の中の隙間やクラックをシリコンシーリングなどでふさいで、ゴキブリの侵入経路を断ちます。

3.2 駆除法

  • 粘着トラップの設置:ゴキブリ用の粘着トラップを設置し、ゴキブリを捕獲します。
  • ゴキブリ駆除剤の使用:市販のゴキブリ駆除剤を使用し、ゴキブリの巣や通り道に散布します。
  • 専門業者の利用:大規模なゴキブリの発生がある場合は、専門の駆除業者に依頼することが推奨されます。

4. ダニの対策

4.1 予防法

ダニは主に寝具やカーペットなどの布製品に潜んでいます。予防策には次のことが効果的です。

  • 定期的な掃除と換気:床や家具の隅々まで掃除機をかけ、ダニの発生源を取り除きます。また、湿気を取るために定期的な換気も重要です。
  • 布製品の洗濯:寝具やカーテンなどの布製品は定期的に洗濯し、高温で乾燥させることでダニを減らします。
  • 湿度管理:湿度が高いとダニが繁殖しやすいため、除湿器を使用して室内の湿度を50%以下に保ちます。

4.2 駆除法

  • ダニ取りシートの利用:ベッドやソファにダニ取りシートを敷き、ダニを捕獲します。
  • ダニ駆除スプレーの使用:市販のダニ駆除スプレーを使用し、ダニのいる場所に直接噴射します。

5. ノミの対策

5.1 予防法

ノミはペットと一緒に家にもたらされることが多く、予防が重要です。

  • ペットのケア:ペットには定期的にノミ取りシャンプーやスポットオン製品を使用し、ノミの予防をします。
  • 家の清掃:ペットの寝床や家の中を定期的に掃除し、ノミの卵や幼虫を取り除きます。

5.2 駆除法

  • ノミ取りコームの使用:ペットの毛をノミ取りコームで梳かし、ノミを取り除きます。
  • ノミ駆除剤の利用:市販のノミ駆除剤を使用し、ペットやその周囲の環境を処理します。
  • 専門業者の利用:広範囲に及ぶノミの駆除が必要な場合は、専門の業者に依頼します。

6. シロアリの対策

6.1 予防法

シロアリは木材を食害する害虫で、家の耐久性を脅かします。予防策には次のことが重要です。

  • 木材の管理:家の周囲にある木材を地面に置かないようにし、湿気を避けて保管します。
  • 換気と通気:家の基礎部分や床下の換気を確保し、湿気の発生を防ぎます。
  • 定期点検:専門業者による定期的なシロアリ点検を受け、早期発見と対策を行います。

6.2 駆除法

  • ベイトステーションの設置:シロアリ用のベイトステーションを設置し、シロアリを誘引・駆除します。
  • 液体駆除剤の使用:シロアリ駆除用の液体薬剤を使用し、シロアリの巣や通り道に散布します。
  • 専門業者の利用:シロアリの被害が確認された場合は、即座に専門の駆除業者に依頼することが重要です。

害虫被害を防ぐためには、それぞれの害虫に特化した予防策と駆除法を組み合わせて実施することが不可欠です。
家庭環境を清潔に保ち、害虫の侵入経路を断つことで、はじめて被害を最小限に抑えることができるのです。
適切な対策を講じて、快適で安全な生活環境を維持しましょう。

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害虫の駆除もそうだけど、予防は終わりがないからもっと大変ね。
マンションのご近所さん言うには、他のうちにもゴキブリが出てるみたいだから、もしかしてマンション自体に問題があるんじゃ…。
その場合は費用の負担ってどうなるのかしら?

責任の所在

害虫被害の舞台が持ち家の場合、その責任が家の所有者にあることは明白です(ただし、隣接する施設が原因である場合や、建設業者の施工不良が原因で起こる被害などの特殊なケースは例外)
しかし、アパートをはじめとする賃貸住宅の場合は、建物の所有者は居住者本人ではなく貸主(大家)であり、さらに管理を行う管理会社も別途存在します。
このような状況では、害虫駆除の責任と費用負担は一体誰にあると言えるのでしょうか。
詳しく見て参りましょう。

結論

結論から言うと、賃借人が入居した後に害虫被害が発生した場合は、基本的に貸主が駆除等を行う義務はなく、賃借人の責任で駆除を実施する必要があります
また、害虫の侵入により物件に被害が出る可能性が考えられる状況においては、その事実を貸主に通知する必要があります。
ただし、賃貸借契約の前(賃貸契約を結ぶ前)から既に建物の構造的欠陥・侵入経路などの原因が存在していた場合には、貸主の責任で害虫駆除と再発防止策、修繕を行う必要があります。

入居者の責任になるケース

通常、害虫の発生が入居者の生活習慣に起因する場合、入居者は自分で駆除を行う必要があります。
例えば、以下のような状況では入居者が責任を負うことが多いです。

  • 食べこぼしや汚れが放置されている
  • 結露やカビが発生している
  • ゴミが長期間放置されている

これらの状態は、善良な管理者としての義務(善管注意義務)を怠り、害虫が発生する原因となったと見做されます。この場合、入居者が駆除費用を負担することになります。
入居者としては善管注意義務を果たし、常に清潔な環境を保つことが求められ、また、問題が発生した場合は迅速に管理会社や大家さんに相談し、適切な対応を取ることが重要です。
賃貸契約の詳細を確認し、予防策を講じることで快適な住環境の維持に努めましょう。

管理者の責任になるケース

一方で、入居者の過失ではなく、建物の構造や周囲の環境が原因で害虫が発生することもあります。
例えば…

  • 隣の部屋がゴミ屋敷である
  • 配管設備の問題があり、建物の隙間や劣化が原因で害虫が侵入している
  • 入居直後に害虫が発生していた場合
  • 複数の部屋で害虫が発生した場合

民法第601条および第606条に基づき、貸主は駆除や侵入防止策、被害箇所の修繕を行い、賃借人を入居させる義務があります。
そのため、賃貸物件に入居する前に既に害虫が発生していた場合、貸主には法的な対応義務があると言えるでしょう。
逆に対応を怠れば、その後の害虫被害は貸主の対応不足が原因とみなされる可能性があり、賃借人は駆除費用や損害賠償を請求できるかもしれません。

証拠の重要性

害虫問題が民事訴訟に発展した場合、争点となるのは害虫(またはその原因)が入居前から存在したのか、入居後に発生したのかです。
この点を明確にするために、何よりも大切になるのが「証拠」の存在です。
そのため、内見・入居時に害虫の存在を確認した場合は、証拠をしっかりと記録しておくことが重要です。
害虫の死骸やフン、侵入防止策の不備、修繕されていない箇所などを写真やビデオで記録しておきましょう。

前述のように、害虫が入居前から棲みついていた場合、貸主は適切な対応を取る義務があります。
集合住宅では害虫被害が重大な損害をもたらす可能性があり、賃借人が無実の過失を問われないようにするためにも、入居前に入手した確実な証拠を持っていることが大切です。
後々のトラブルの防止や適切な補償を受けるのに役立つ事でしょう。

早期対応の必要性

あなた自身に害虫被害の責任がある最悪のケースを考えてみましょう。
例えば害虫による被害が発生した際に、共用部分に生ゴミを放置していたり、自室がゴミで溢れていたりすることが原因であれば、それは明らかにあなたの責任です。
このような場合、被害の対処にかかる費用を負担し、損害賠償を行う必要が生じる可能性があります。

集合住宅は一般的に戸建て住宅よりも高価です。
そのため、被害が建物の構造部分にまで及んだ場合、大規模な修繕が必要となり、それに伴う多額の費用を負担する必要が出てきます。
さらに、他の入居者や近隣住民の住環境や財産にまで被害が及んだ場合、その弁償や慰謝料を請求されることになるでしょう。

具体的な対応手順

以上の事実からも、害虫の存在が確認され次第、具体的な被害が発生する前に管理会社に連絡し、迅速に対策を講じることが重要であると分かると思います。
また、自分自身が原因ではないと思っていても、後で過失が認定される可能性もあるため、他人事とは考えずに対応することが大切です。
特に集合住宅では、被害が建物だけでなくや他の住人の家財にまで広がることがあるため、以下のようなステップで迅速な対応と正確な証拠の記録を行い、トラブルを未然に防ぐよう努めましょう。

  1. 害虫の発生を確認:まず、害虫の種類と発生状況を確認します。
  2. 管理会社や大家さんに連絡:被害状況を報告し、対応を相談します。
  3. 契約内容の確認:賃貸契約時に、管理会社や大家さんが害虫駆除費用を負担する条件を確認しておくことが重要です。契約内容により対応が異なるため、入居前に詳細を確認することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
  4. 適切な業者の手配:管理会社や大家さんが指定する業者に依頼するか、自分で手配するかを決定します。

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善管注意義務ってのがあるのね。
手前味噌かもしれないけど、ウチはかなり衛生管理には気を使ってたつもりよ?
ウチは入居した年には既にゴキブリが出てたから、大家さんに責任があるんじゃないかしら。

物件選びで注意すべき点

以上のように、賃貸における害虫被害への対処には面倒な係争が発生しがちです。
できればトラブルなどは起こしたくないものですが、実は賃貸には害虫が発生しやすい物件とそうでない物件があるのをご存知ですか?
害虫被害リスクを回避するためにも、以下にご紹介する「害虫が発生しやすい物件の条件」をあらかじめ確認しておく事をオススメします。

配管の詰まりや劣化

水分を好む害虫は水回りの設備に寄り付きやすい性質を持っています。
水回りで害虫が発生する原因としては、排水トラップの詰まりやぬめり、排水管の劣化が考えられ、新築物件でも周囲の環境や建物の構造によって害虫が発生することがあります。
害虫は小さな隙間でも容易に通り抜けるため、水回りの設備が清潔に保たれているか引っ越し前にチェックしましょう。
駆除・クリーニング費用の請求に貸主が応じれば良いですが、そうでない場合は別の物件を再検討するのが無難です。

住環境

新築物件は綺麗で害虫が出ないと考えがちですが、周辺環境によっては害虫被害のリスクは高くなる可能性があります。
例えば、日当たりの悪い部屋で周囲に緑が多い場所などは害虫が発生しやすい環境の代表例で、近くに池があれば、蚊の幼虫であるボウフラも大量発生する危険があります。
そのため、部屋の換気や除湿機の使用など湿気対策が必要です。

賃貸物件の老朽化

築年数が古い物件は、経年劣化による隙間が原因で虫が侵入しやすくなります。
雨漏りによるシロアリの発生、劣化した網戸からの蚊の侵入、汚染された水道設備でのゴキブリの繁殖などが起こるリスクが高いのは、否定し難い事実であると言えるでしょう。
しかし、計画的に修繕工事が行われている賃貸物件では、築年数が経過していても発生率は低くなります。
したがって、物件選びの際には管理状況を事前に確認すると安心です。

近隣の飲食店

物件の近くに飲食店やコンビニがあると、当然ながら害虫のエサとなる残飯や食品廃棄物も豊富にあります。
そのため、害虫が寄り付きやすくなり、隣接する住民の生活状況も影響します。
例えば、マンションの一階部分に飲食店がある物件では、ゴキブリの発生率が飛躍的に高くなるなどのリスクがあり、他にもハエやそれを餌とする大型昆虫をも呼び寄せてしまいます。
物件周辺に食品を扱う店舗や施設がないか、事前にチェックしてください。

木造住宅

木造住宅はコンクリート造の住宅に比べて、ゴキブリやシロアリなどに発生率が高い傾向にあります。
これは害虫の多くが湿気を好むため、水分を含んだ木造住宅の屋根裏や床下が住みやすい環境になっているからで、また、コンクリート造よりも隙間が多いことも害虫が侵入しやすい要因になっています。

階数

見落としがちですが、同じ建物でも階数によって害虫被害のリスクは大きく変化します。
まず、地面に近い1~2階は、地を這う害虫(ゴキブリ、シロアリ)の侵入可能な範囲となり、前述の食品を扱う飲食店やコンビニの悪影響を受けやすい階数になります。
例えば、蚊が飛べる高さの限界はマンションの3階ぐらいの高さと言われており、4階に侵入する可能性は低いとされています。
そのため、蚊や蜂といった飛行能力を有する昆虫も、4階以上の階数では1~2階に比べて発生する確率が下がるのです。もちろん、清潔な環境の維持が重要である事には変わりありません。
6階以上の高層階になると、ほとんどの昆虫が到達できない高さになり、害虫発生率はさらに低くなります。
ただし、エレベーターや階段、配管を通じて侵入する可能性があるため防虫対策が不必要というわけではありません。

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害虫被害に遭いやすい物件を見極めることができるのね!
今のマンションに住み始める前に知りたかったけど、子供が産まれたら引っ越す予定だから、この情報はその時に活用させてもらうわね!

終わりに

記事は以上となりますが、いかがでしたか?
今回は賃貸での害虫にまつわるトラブルについて解説させていただきました。
害虫対策に伴う費用はできる事なら負担したくないものですが、何よりも大切なのは近隣住民や大家さんとの良好な関係です。
賃貸だからといって決して他責にならず、当事者意識を持った害虫対策を心掛けるようにしましょう。

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