ネズミがいるとダニが増える?アレルギーや症状についても解説

害獣・害虫別

ネズミが出現した後、ダニの被害でお困りではありませんか。
実は、ネズミとダニは切っても切れない関係にあります。
不衛生な場所を好むネズミにはダニが寄生していることが多く、侵入した家にダニを持ち込んでしまうケースがあるのです。
当記事では、ネズミがいるとダニが増えるとされる理由やダニによる症状、アレルギーについて解説します。
ネズミの被害もダニの被害も未然に防げるよう、ぜひ当記事をご活用ください。

1. ネズミがいると「イエダニ」が増えやすい

家に侵入してくるネズミの体表には、ダニが付着していることがあります。
ネズミに寄生するこのダニが「イエダニ」です。
家の中にやってきたイエダニは、居住している人間やペットにも被害を及ぼす場合があります。

1-1. イエダニとは

イエダニは、家にやってくるネズミ(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)に寄生するダニです。
寄生したネズミの体表から血液を吸って生活しています。

生息地ネズミの体・ネズミの巣(屋根裏・天井裏・家電の裏など)
エサ哺乳類の血液
発生のピーク6〜9月
大きさ0.6〜1.0mm
卵〜成虫になるまで11〜16日程度

イエダニは5月頃から発生し始めますが、宿主であるネズミが暖を取る目的で家の中に侵入することにより、冬季でも活動・繁殖を続けます。
また、ネズミの巣が作られやすい場所に生息するとは言え、次のような場合には新しい吸血対象を探して巣から移動します。

  • 宿主のネズミが死亡する
  • ネズミが巣を離れる
  • 大量に繁殖してネズミの巣が飽和状態になる

ネズミの巣から出てきたイエダニは人間やペットを吸血し、新たな住処を探します。
畳やカーペット、こたつといった暗さのある吸血しやすい場所にも生息するため、ネズミの出入りが確認できたら季節を問わずイエダニへの注意が必要です。

1-2. ネズミがいるとイエダニが増える理由

ネズミがいるとイエダニが増える要因として、以下の3つがあります。

  • イエダニがネズミに寄生して侵入する
  • ネズミの体表から吸血して生き延びられる
  • 卵から成虫になるまでが早い

「イエダニ」という名前からすると家に常在していそうですが、ネズミの出入りがない家にイエダニはいません
イエダニは本来長距離を移動しませんが、ネズミに寄生することで侵入できる範囲内になかった家にも簡単に侵入できるようになります。
また、イエダニはネズミを移動手段としてだけではなく、エサとしても利用します。
ネズミの体表から血を吸って生き延びられるため、ネズミはイエダニを持ち込むうえに自身の体や巣で育ててしまうのです。
さらに、イエダニが卵から成虫になるまでの期間は11〜16日と、きわめて短いとされています。
ネズミが持ち込みつつ育成し、そこにイエダニ自身の繁殖力の高さが掛け合わさることで、家の中で一気に増えてしまうのです。

たとえネズミから吸血できなくなっても、人間やペットから吸血して生き延びられれば、高い繁殖力は自ずと維持されてしまいます。
ネズミの侵入が分かり次第、ネズミやネズミの巣の駆除をして繁殖を食い止めるようにしましょう。

2. ネズミが持ち込んだイエダニがもたらす被害

先述した通り、イエダニがネズミとともに家にやってくると、人間やペットの体に移動することがあります。
イエダニが人間に接触することで起こる被害は、次の2つが考えられます。

  • 刺咬(しこう)によるかゆみ
  • 鼻炎や皮膚炎などのアレルギー症状

それぞれの症状について、概要を詳しく説明します。

2-1. 刺咬(しこう)によるかゆみ

イエダニが吸血するために人間の体を刺すと、直後からかゆみが出現します。
紅斑や小さな隆起といった赤い発疹を伴うこともあります。
人体で特に刺されやすいのは、二の腕・お腹周り・太ももなどの服に隠れる柔らかい部分です。
イエダニが人間を刺すのは夜間とされており、眠っている間に布団や服に忍び込んで複数箇所を刺します。

かゆみの強さや症状の出方には個人差がありますが、数日〜1週間程度症状が続きます。
適切な処置をしなければ、色素沈着や湿疹を起こしかねません。
イエダニに刺された場合は、ステロイド剤を使用した早めの治療がおすすめです。
なお、あまりにも腫れがひどい場合や症状が広範囲にわたる場合は、医療機関を受診しましょう。

2-2. 鼻炎や皮膚炎などのアレルギー症状

ダニの糞や死骸は、アレルギー性の鼻炎や皮膚炎を引き起こす要因の1つです。
基本的にダニをきっかけとするアレルギー症状が起こりやすいのは、夏の繁殖期を終えて大量のダニが寿命を迎える秋とされています。
ネズミの侵入が確認できている状況下で咳・くしゃみ・鼻水・かゆみなどの症状が見られた場合、イエダニによるアレルギー症状が疑われるでしょう。

なお、アレルギー症状を予防・改善させるためには、次のような対策がおすすめです。

  • 寝具を水洗いする
  • 布団乾燥機を使う
  • ダニが侵入しにくい目の細かい素材の寝具を選ぶ
  • カーペット・絨毯への掃除機がけはゆっくりと行う
  • フローリングへの掃除機がけは水拭きをしてから行う
  • 換気や除湿をして室内の湿気を逃がす

3. ダニを駆除するだけでは根本的な解決はできない

イエダニによるあらゆる被害は、イエダニを駆除すれば解決すると思われるかもしれません。
確かに、イエダニを完全に駆除できれば、そのときに悩まされている症状はある程度改善されるでしょう。
しかし、イエダニの駆除だけの効果は一時的で、根本的な解決には至りません

3-1. ダニだけでなくネズミの侵入も防ぐ必要がある

イエダニを駆除しても被害が解決しないのは、イエダニを持ち込む元凶であるネズミへの対処ができていないからです。
ネズミが家にいる限り、イエダニはネズミの体表や巣の中で生き続けて繁殖を繰り返します。
そうでなくとも、外から戻ってきたネズミや新たなネズミが家に侵入し、新たなイエダニを持ち込む可能性もあるでしょう。
イエダニを完全に駆除したうえで増やさないようにするためには、まずネズミの侵入を防ぐ必要があります。

ネズミ対策は、ご自身で講じることも可能です。
身近なもので忌避する方法や殺鼠剤(さっそざい)を使う方法など、以下の記事で詳しくご紹介しています。
ご自身に合った方法を探してみてください。

3-2. 完全なネズミ駆除には侵入経路の封鎖が必須

棲み着いているネズミを駆除したり、新たなネズミの侵入を防いだりするために、侵入経路の封鎖は欠かせません。
ネズミの侵入口となり得る場所を以下に挙げてみましょう。

  • 玄関や窓
  • 戸袋
  • 基礎の隙間
  • 屋根の隙間
  • 通気口
  • エアコンの導入部
  • 排水管          など

侵入口を明確にするうえで参考にすべきなのは、ネズミが残すラットサインです。
ラットサインについては以下の記事で詳しくご紹介していますので、ご一読ください。

上記の通り、目に見える隙間から人の目が届きにくい隙間まで、侵入口の候補は多岐にわたります。
全ての侵入口をご自身でカバーするには手間もかかりますし、高所にある侵入口を封鎖するには危険も伴うでしょう。
適切な方法で封鎖しなければネズミに簡単に突破される可能性もありますので、侵入経路の封鎖には専門家の手を借りることをおすすめします。

4. ネズミ・ダニ被害でお悩みなら協会の無料相談をご活用ください

ネズミやダニによる被害は、身体的・物理的なダメージだけではありません。
ネズミが家にいるというストレスやダニによる諸症状への不快感などにより、精神的なダメージも負ってしまうでしょう。
心が休まるはずのご自宅で心が休まらないとなると、メンタルの不安定から新たな身体的ダメージも生む可能性すらあります。

日本有害鳥獣駆除・防除管理協会では、ネズミ・ダニ被害の無料相談を行っています。
優良な駆除業者の探し方からご自身でできる対処法まで、どのようなご相談にも対応可能です。
取るべき行動や自分でできることが分かるだけでも、心理的な負担は不思議と軽くなっていきます。
心身へのダメージを最小限に抑えるためにも、まずは当協会へご相談ください。

まとめ

ネズミに寄生しているイエダニは、ネズミとともに家に侵入します。
そして、ネズミの体や巣から離れたイエダニは人間を吸血することがあり、刺されるとかゆみやアレルギー症状を引き起こします。
イエダニだけを駆除しても、被害は解決に至りません。
イエダニを持ち込むネズミを駆除したうえで、イエダニへの対策が必要です。
ネズミもイエダニも繁殖力の高い生物ですので、早めの対策を心がけましょう。

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