「シロアリ」は巣のなかに数万~数百万匹もの個体がいるとされており、放置すればするほど建物への被害は深刻化していきます。
しかし、シロアリ駆除に不慣れな方が対処するにも限界があるため、最終的には害虫駆除業者に駆除を依頼することとなるでしょう。
このときに気になるのは「シロアリ駆除を依頼する際、どのくらいの費用が発生するの?」「どうやって業者を探したらいい?」かと思います。
本記事では、シロアリ駆除を業者に依頼する際の費用や、害虫駆除業者の探し方・探す際の注意点について解説します。
シロアリの被害にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
シロアリ駆除の費用相場はどのくらい?
「一般財団法人 経済調査会」が発表している統計によると、シロアリ駆除・予防にかかる費用の相場は、1坪当たり10,725円(1㎡あたり3,250円)とされています。
戸建て住宅の平均面積は約30~40坪といわれているため、これに該当する住宅にお住いの方は「駆除費用として最低10万前後はかかる」と考えておいた方がいいでしょう。
ただし、上記はあくまでも相場であり、依頼する業者・工事内容・施工範囲の規模・被害状況などによって、金額は大きく変動する恐れがあります。
被害状況によっては30万円ほどかかるケースもあるため、シロアリの駆除はできるだけ早めに専門業者に相談した方がよいといえるでしょう。
シロアリ駆除には2つの方法がある
シロアリの主な駆除方法として「バリア工法」と「ベイト工法」の2種類があります。
それぞれにメリット・デメリットが存在するため、業者に依頼する際は各特徴を把握しつつ、不明点を業者に相談するようにしましょう。
本章では、それぞれの駆除方法について解説します。
「バリア工法」とは?
「バリア工法」とは、薬剤でシロアリの侵入経路をふさぐ(バリアする)ことです。
床下などシロアリが棲みつく・移動する場所に穴を開け、土壌や木部に薬剤を注入・散布し、シロアリを撃退します。
バリア工法のメリットとしては、主に以下が挙げられます。
- 即効性がある
- 持続力がある(約5年ほど保つ)
- ベイト工法に比べて費用が安い など
シロアリは「グルーミング(お互いの体を舐め合う)をする習性がある」ため、薬剤が体に付着したシロアリが巣に戻ることで、巣にいるシロアリを一網打尽にできる可能性があります。
ただし、薬剤を土壌や木部に注入するため、臭いやアレルギーには若干の注意が必要といえるでしょう。
業者によっては、通常の薬剤と天然系薬剤(除虫菊から殺虫成分を抽出し作られた薬剤)の2種類を導入していることもあり、どちらを使用するかを選択できるケースもあります。
天然系薬剤は通常の薬剤よりも料金が割高になる可能性があるため、注意しておきましょう。
「ベイト工法」とは?
「ベイト工法」とは、ベイト剤と呼ばれる毒エサを家屋内や家の周囲に設置して、シロアリを撃退する方法です。
ベイト工法はあくまで「毒エサを設置する」だけのため、バリア工法と違い以下のようなメリットがあります。
- 家に穴を開ける必要がない
- 人体への悪影響も少ない
- どのような構造の住宅にも施工できる
- 巣のなかのシロアリまで駆除できる など
ただし、バリア工法に比べると「即効性がない」「費用が高くなりがち」という点には注意しておきましょう。
「即効性がない=ジワジワと周囲にも影響をおよぼす」ことから、バリア工法と同じく巣にいるシロアリにも効果があるといえるでしょう。
「バリア工法」と「ベイト工法」はどちらがお得?
結論としては、それぞれにメリット・デメリットがあるため、どちらの方がお得かはシロアリを駆除する住宅によって異なります。
被害状況や予算によっても変わるため、どちらの工法を利用するかは業者に相談しながら決定していくといいでしょう。
なお、料金の表記は「バリア工法:平米単価・坪単価」「ベイト工法:外周1mあたり〜」という単位で提示されることが多いとされています。
業者に依頼する際は「予防対策」もお願いしよう
家屋内に棲みつくシロアリを駆除できたとしても「シロアリが好む環境」のままだと再被害が起こる可能性があります。
そのため、業者に依頼する際には駆除だけでなく予防対策もお願いしておくといいでしょう。
アフターフォローがしっかりしている業者に依頼すれば、万が一シロアリの被害が再発しても安心できるはずです。
また、以下のように自身で対応できる予防もいくつかあります。
- 適度に喚起をする
- 建物周辺に植物や木材、ダンボールなどを置かない
- 定期的に建物を修繕する
業者に依頼した際は「被害を再発しないための自身でできる予防法」もアドバイスしてもらえる可能性があるため、そのアドバイスを参考に再発を防止できるよう工夫してみましょう。
シロアリ駆除業者を探す際の注意点
本章では、シロアリ駆除の専門業者の探し方や注意点についてご紹介します。
全国各地にさまざまな業者が存在するため、業者の良し悪しを判別したうえで、安心して任せられる業者に依頼しましょう。
害虫駆除業者の探し方
もっとも手っ取り早い方法は、インターネットで害虫駆除業者を探すことです。
ただし、ネットの情報は必ずしも正しい情報とは限らないため、注意が必要ともいえます。
その理由は「業者の公式ホームページは(自社を利用してもらうために)良いことしか記載されていない」ことと「口コミは利用者の印象が大きく影響する」ためです。
実際「口コミを参考にしたものの、思っていたものと違った……」ということはよくあります。
ネットの情報はあくまで参考程度にし、最終的には「問い合わせ・現地調査・見積もり時など、スタッフとのやり取りのなかで自身が感じた印象」で決定するといいでしょう。
加えて、業者の実績も確認しておきましょう。
選定基準に関しては、駆除した生物の種類や件数・スタッフの経歴などを参考にするのがおすすめです。
実績が豊富な業者ほど、害虫の行動範囲・習性・再発防止対策などの知識が豊富であり、安心して駆除を任せることができるでしょう。
業者選定時の注意点
この項目では、シロアリ駆除の業者選定をおこなう際の注意点をご紹介します。
「相見積もり」を取ろう
「相見積もり」とは、複数の業者に見積もりを依頼することを指しており、業者選定時は相見積もりを取ることをおすすめします。
その理由は「相見積もりを取ることで業者の良し悪しを比較できるから」です。
残念ながら、いい加減な駆除・予防をしたり、後から追加費用を請求してくる悪質な業者も存在します。
一社だけから見積もりを依頼すると「適正価格」や「業者の良し悪し」が判断できないため、業者への依頼に慣れていない人ほどできるだけ相見積もりを取った方がよいといえます。
自身が感じた印象を大切にしよう
電話応対時・現地調査時・見積もり提出時など、実際に業者と接点を持つ機会は意外と多いといえるでしょう。
この際「自身が感じた印象を大切にする」ことが重要です。
マイナスなイメージを持ったまま依頼すれば「思っていたのと違う……」と、後から不満が出てくる可能性もあるでしょう。
- 対応がとても丁寧
- 不明点を質問した際にきちんと回答してくれる
- こちらの要望に丁寧に対応してくれる など
業者の印象が良いほど、信頼・安心して駆除を任せることができるはずです。
「安さだけをウリにする業者」は候補から外そう
害虫駆除業者は全国各地に複数存在し「自社を選んでもらうために……!」と各社さまざまな取り組みを実施しています。
サービス内容の拡充や駆除費用低減など業者によって特徴は異なりますが、そのなかで「安さだけをウリにする業者」は、できるだけ候補から外すことをおすすめします。
その理由は、安さを追求するあまりサービス内容がおざなりである可能性が高くなるからです。
業者によっては後から追加費用を請求してくる可能性もあるため、業者に依頼したはよいものの「結果的に費用が高くなった」というケースもあります。
「できるだけ駆除費用は安く抑えたい」という気持ちも理解はできますが、再発しては意味がないため、安さだけでなくサービス内容までしっかりとこだわって業者を選定した方がよいといえるでしょう。
シロアリは自分で駆除・対策できる?
「害虫駆除業者に依頼すると費用が高くなるから、可能な限り自分で対処したい」と考える方もいるかもしれません。
シロアリ駆除を自身でおこなう場合、ホームセンターやネット通販などで販売されている市販の薬剤を使用することとなるでしょう。
ただし、巣ごと徹底した駆除をおこなう必要があるため、不慣れが方が家屋内のシロアリを駆除しきるのは至難の業といえます。
被害が拡大するほどに駆除・修繕費用は高くなっていくため、シロアリを発見次第、できるだけ早めにシロアリ駆除の専門業者に依頼する方がよいといえるでしょう。
相談・現地調査・見積もりは無料でおこなってくれる業者も多いため、駆除を依頼するかは別としても、早期に相談することをおすすめします。
なお、シロアリ駆除に関して自治体で補助金が出されることはほぼありませんが、相談に乗ってくれる可能性はあります。
自身でできる対策や駆除業者の紹介をしてくれるケースもあるため、業者に依頼する前にお住いの自治体に相談してみるのもいいかもしれません。
自治体の対応範囲は各自治体によって異なるため、まずは公式ホームページでチェックしてみるといいでしょう。
まとめ
シロアリの被害は、放置するほど深刻化するため、できる限り早急に対処することが望ましいといえます。
自身で対処も可能とはいえ、不慣れが方ができることには限界があるため、自身での対処に不安がある方は早めにシロアリ駆除の専門業者に相談した方がよいといえるでしょう。
業者に依頼する際は、相見積もりを取り「自身が信頼・安心できる業者を選定する」ことが重要です。
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